Story:BBDW Event Wondrous Glasses and A Test of Love ~Spectacles of Eros CARNAGE~
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第1節 プロローグ/
Summary | |
---|---|
ココノエによりファントムフィールドに浸入
させられたシエルたち。実験のため、モテ メガネブルーにラブ魔力を集めることに。 |
1: ここは……? 海……? | |
ラーベ
なんで海なんだ? まだ海は早いだろう。 時期とか連想されるものとか色々な兼ね合いで。 |
Raabe |
シエル
連想されるものとは、なんですか? |
Ciel |
ラーベ
ああいや、なんでもないぞ。こっちの話だ。 |
Raabe |
ラーベ
それより、一旦状態を確認しようか。 ふたりとも問題はないな? |
Raabe |
シエル
はい。レイさんのバイタルにも異常ありません。 |
Ciel |
シエル
仮想 |
Ciel |
???
当たり前だ。 この私が直々に調整しているのだからな。 |
??? |
ラーベ
お前は……! |
Raabe |
ココノエ
私が用意した仮想ファントムフィールドにようこそ、諸君。 |
Kokonoe |
ココノエ
今回は、様々な目的に活用できるかもしれない、私の好奇心と 欲望とご都合のために用意したこの島フィールドを起点に、 |
Kokonoe |
ココノエ
いくつかのエリアを用意した。 |
Kokonoe |
ココノエ
調整中だから場面に整合性はないが、 フィールドとしては安定しているから安心しろ。 |
Kokonoe |
ココノエ
なんせ私が観測をしているんだからな。 安心安全円滑運営だ。 |
Kokonoe |
ラーベ
いやそれは。うん。まあいいや。 進めてくれ。 |
Raabe |
シエル
なにかの実験に協力してほしい、とのことでしたが。 |
Ciel |
シエル
この仮想ファントムフィールドについて 検証すればいいのでしょうか? |
Ciel |
ココノエ
いや、違う。ここを用意したのは、外部からの影響がない 実験場が必要だったからだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
そしてここでお前たちに……いや、レイに 協力してもらう実験は、これだ!! |
Kokonoe |
ラーベ
爆発!? |
Raabe |
シエル
そしてヴァルケンハインさん! |
Ciel |
ヴァルケンハイン
お待たせいたしました。 こちらこそ、我が生涯を捧げしアルカード家に伝わる秘宝…… |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
……を、元にココノエ殿が新たに開発された、 発明品にして魔道具。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
『モテメガネブルー』&『モテメガネピンク』! でございます!!! |
Valkenhayn |
1: あの伝説の……モテメガネ!? なんですかそのド派手眼鏡は | |
ココノエ
知っているか。さすがは稀代の観測者。 『最果てを観る者』のドライブ名は伊達ではないな。 |
Kokonoe |
ココノエ
言っただろう。私が新たに開発した『モテメガネ』だ。 見るからになにかしでかしそうだろう。ワクワクするだろう。 |
Kokonoe |
ヴァルケンハイン
『モテメガネ』とは、込められたラブ魔力によりかけるだけで 誰でもラブラブモテモテになれるという、 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
素晴らしい魔道具でございます。 |
Valkenhayn |
ココノエ
だがこれは、今回私が特別に開発した 『モテメガネVer.イリュージョン』! |
Kokonoe |
ココノエ
通常よりもより効力の高いラブ魔力を人工的に内蔵させた スーパー仕様だ。さらに色が2種類ある! かっこいい! |
Kokonoe |
シエル
確かに、かっこいいです。 |
Ciel |
ラーベ
え、嘘。本気か? |
Raabe |
シエル
こちらが青色、こちらはピンク色。 それぞれで性能が違うのでしょうか? |
Ciel |
ココノエ
そこに気が付くとは、見込みがあるな、貴様。 |
Kokonoe |
ココノエ
その通り。このブルーとピンク2種類の眼鏡。 同じように見えて、内蔵されているラブ魔力の性質が少々違う。 |
Kokonoe |
ココノエ
だがその実態は、かけてみてからのお楽しみだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
ではレイ! 今回貴様にかけてもらうのは……こっちだ! |
Kokonoe |
ココノエ
『モテメガネVer.イリュージョン』蒼炎のブルータイプ! 通称『モテメガネブルー』! |
Kokonoe |
ココノエ
やってくれ、ヴァルケンハイン! |
Kokonoe |
ヴァルケンハイン
承知いたしました。 レイ殿、お覚悟めされい!! |
Valkenhayn |
1: ぐわぁぁぁぁぁ! ……外れない!? | |
ココノエ
このメガネは……愛を理解するために開発された。 |
Kokonoe |
ラーベ
またわけわかんないこと言い始めたぞ。 |
Raabe |
ココノエ
愛なき者が愛を得るために生まれた、モテメガネ。 それを元に開発したこれもまた……愛を得るために存在している。 |
Kokonoe |
シエル
愛……。 |
Ciel |
ココノエ
つまり、愛を十分得るまでは外れない。 |
Kokonoe |
ラーベ
なにがつまりだ!? |
Raabe |
ラーベ
おいこら、ちゃんと説明しなさいよ。 私が言うのもなんだけども! |
Raabe |
ココノエ
いいだろう、聞きたいのなら話してやる。 今回は私は依頼人だからな。全体的に協力的だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
いや、いつも私は協力的だな。 |
Kokonoe |
ラーベ
話進めてくれ。そこツッコミ始めると長くなる。 |
Raabe |
ココノエ
わがままな実験体……いや、協力者だ。 |
Kokonoe |
ラーベ
実験体って言ったな。 |
Raabe |
ココノエ
メガネを外すためには、 メガネに内蔵されているラブ魔力を入れ替える必要がある。 |
Kokonoe |
ココノエ
内蔵されているラブ魔力を発散、使用しつつ、 新たなラブ魔力を取り込むのだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
こうすることでラブ魔力が枯渇することなく、 メガネは機能を保ち続ける。 |
Kokonoe |
ココノエ
一定量で解除することもできるし、連続して使用することも可能。 まさにフレキシブル。かつエコロジーな発明だ。 |
Kokonoe |
1: さすが、すごい発明です つまり僕はなにをすれば? | |
ココノエ
そうだろう。気に入ったか。 であれば、実験にも身が入ることだろう。素晴らしいぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
おっ、いいぞ、意欲的だな。 メガネが気に入ったか。それとも実験体の役割が気に入ったか? |
Kokonoe |
1: さすが、すごい発明です つまり私はなにをすれば? | |
ココノエ
そうだろう。気に入ったか。 であれば、実験にも身が入ることだろう。素晴らしいぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
おっ、いいぞ、意欲的だな。 メガネが気に入ったか。それとも実験体の役割が気に入ったか? |
Kokonoe |
ココノエ
貴様にはこれから、私が用意した各種ラブステージを巡り、 そのメガネを外せるくらいのラブ魔力を集めてもらう。 |
Kokonoe |
ココノエ
簡単に言えばラブ魔力の影響を誰かに与え、 そいつから愛を受け取ってくるのだ。 |
Kokonoe |
ラーベ
愛を……受け取る、ねぇ。 説明されているようでされていないような……。 |
Raabe |
シエル
質問です。なぜメガネをかける役割を レイさんに依頼されたのですか? |
Ciel |
ココノエ
わからんのか。 こいつ以上の適役はいない。 |
Kokonoe |
ココノエ
なにせこいつは観測力を持つ者。自己観測において 右に出るものはとりあえずざっと見た限りいない。 |
Kokonoe |
ココノエ
ラブ魔力によって自己の観測を揺らがせる『モテメガネ』の あらゆる影響を、こいつは受けないわけだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
つまり、レイがかけていればおのずと 『モテメガネVer.イリュージョン』の本来の性能が計測できる! |
Kokonoe |
シエル
そうなのですか!? ……そうなのですか? |
Ciel |
ラーベ
いや知らん。だがあのココノエが言うんだから、 そういう仕組みになってるんじゃないか……? |
Raabe |
ココノエ
なっているのだ! |
Kokonoe |
ココノエ
というわけで、事情はわかったな。 わかったら早速計測実験開始だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
まずは最初のエリアへ行ってもらうぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
もう一度言うが、 ラブ魔力を集めない限りそのメガネは取れない。 |
Kokonoe |
ココノエ
バカみたいなメガネを外したければ、 全力でラブを集めてくるんだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
では、健闘を祈る!! |
Kokonoe |
第2節 愛の襲撃者/
Summary | |
---|---|
モテメガネブルーの力で男性からモテモテに
なった! 愛に囚われたカズマとリッパーに よる激しい愛のアプローチが始まる……。 |
シエル
転移、完了しました。 ここは……どこかの都市のようですね。 |
Ciel |
シエル
あ、あれは学校です。 大勢の学生が通い、勉学を行う施設ですよね。 |
Ciel |
ラーベ
お前は本当に学校が気になるんだな。 |
Raabe |
ラーベ
さてさて、背景施設はいいとしてだ。 さっきの南の島みたいなところから、ずいぶんと様変わりしたな。 |
Raabe |
ヴァルケンハイン
こちらはココノエ殿が実験のために用意した、 特殊なファントムフィールドでございますから。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
特に脈絡もなく、場面設定が行われます。 |
Valkenhayn |
シエル
わっ。ヴァルケンハインさん! ご一緒に、転移されてきたのですか。気が付きませんでした……。 |
Ciel |
ヴァルケンハイン
はっはっは、そうでしょうなぁ。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
なにせ私をここへ運んだのは…… いわば愛の羽根でございますから。 |
Valkenhayn |
ラーベ
…………ん? どうした、ヴァルケンハイン? 明らかにおかしいこと言ってるぞ。 |
Raabe |
ヴァルケンハイン
おかしいことなど。 なにもおかしくはありませんとも。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
私の愛は、嘘偽り虚構なく、真実明白。 ただひたすら真っ直ぐに……。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
レイ殿へと向けられるものでございます。 |
Valkenhayn |
1: へ、僕!? なんで!? お気持ちは嬉しいですが……大丈夫ですか? | |
1: へ、私!? なんで!? お気持ちは嬉しいですが……大丈夫ですか? | |
ラーベ
ああそうか、そういうことか! おい、レイ。メガネだ、そのメガネ! |
Raabe |
ラーベ
確かあのトンチキネコマタ、 かけただけで誰でもラブラブモテモテになるとか言ってただろう。 |
Raabe |
シエル
あ。現在レイさんは、ヴァルケンハインさんに ラブラブでモテモテになっているのですね。 |
Ciel |
シエル
これがラブ魔力……すごい効き目です。 |
Ciel |
ヴァルケンハイン
このヴァルケンハイン、長くアルカード家の執事を して参りましたが、このような気持ちは初めてでございます。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
甘く切ない思いを、どのように表現したらよいものやら。 戦いにばかり身を置いておりましたゆえ、わかりませんが……。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
ですがどうか、おお愛しの方よ! 不器用な私の気持ちを、どうか受け取ってくださいませ! |
Valkenhayn |
ラーベ
そ、それは……! |
Raabe |
シエル
ぬいぐるみ? |
Ciel |
1: ヴァルケンハインさんの狼形態ぬいぐるみだ! もふもふ……もふもふだ…… | |
ヴァルケンハイン
気付いてくださいましたか! 左様にございます。私めのぬいぐるみでございます。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
一目でわかってくださるとは……嬉しゅうございます。 私の愛を、受け入れてくださるのですね! |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
左様でございます。もふもふでございます。 なにせこれは、私をモデルとしたぬいぐるみですから。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
実際の私も……このような姿をお見せするのはいささか 恥ずかしゅうございますが……もふもふ、ですぞ。 |
Valkenhayn |
ココノエ
うむ。とりあえず問題なく作動しているようだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
だがヴァルケンハイン。勝手にどっか行くんじゃない。 |
Kokonoe |
ココノエ
お前を必要以上に使うなと、あのイケ好かない吸血鬼に 口うるさく言われているんだからな。 |
Kokonoe |
ココノエ
というわけで回収する。 |
Kokonoe |
ヴァルケンハイン
なっ……お、お待ちください、ココノエ殿! 私はまだこれからレイ殿と――! |
Valkenhayn |
ココノエ
よし。ちょっと想定外のハプニングもあったが、 ちょうどいいリハーサルになったな。 |
Kokonoe |
ココノエ
ではさっそくデータ収集に入るぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
貴様らにはこの街を適当にぶらぶら歩いてもらう。 そのうちに愛あるものが寄ってくるだろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
そしたら……。 |
Kokonoe |
???
あれ、レイくんではありませんか。 こんな場所でなにをされていたんです? |
??? |
???
あれ、レイさんではありませんか。 こんな場所でなにをされていたんです? |
??? |
シエル
カズマさん。こんにちは。 |
Ciel |
カズマ
こんにちは。いやぁ、まさか偶然会えるなんて 思っていませんでしたよ。嬉しいです。 |
Kazuma |
ラーベ
おい、気を付けろ。 こいつもたぶん、そのメガネの影響を受けているぞ。 |
Raabe |
シエル
ラブ魔力ですね。 |
Ciel |
ラーベ
う、うん……そう、それ。 |
Raabe |
カズマ
ラブ魔力? なんですか、そのおかしな名前は。 そんな魔力、聞いたことがないですよ。 |
Kazuma |
ラーベ
あー、そうだろうな。 ところで、お前はどうしてここにいるんだ? |
Raabe |
カズマ
あ、僕はアルバイトに行くところだったんです。 |
Kazuma |
シエル
アルバイト、ですか? カズマさんがアルバイトをされているとは、新情報です。 |
Ciel |
カズマ
ええ。八百屋さんで。 |
Kazuma |
ラーベ
八百屋……? なぜ? |
Raabe |
カズマ
おかげで野菜の知識もつきました。 最近では自分でも野菜を育てているんですよ。 |
Kazuma |
カズマ
そうだ、まだバイトまでは時間がありますし、 僕の畑を見ませんか? |
Kazuma |
カズマ
それからそのあと…… よかったら、僕の部屋に遊びに来ませんか。 |
Kazuma |
カズマ
ココノエさんが作った仮のファントムフィールドですから、 一時的な仮住まいみたいなものですけど。 |
Kazuma |
カズマ
でも、あなたさえよかったら、そこでずっと…… 一緒に暮らしてもいいと思っているんです。 |
Kazuma |
カズマ
どうですか……レイくん。 |
Kazuma |
カズマ
どうですか……レイさん。 |
Kazuma |
1: 一緒にって……いいの? 謎の不安がある | |
カズマ
もちろんですよ。ダメなはずないじゃないですか! あなたなら大歓迎です! |
Kazuma |
カズマ
どうしてですか! 不安なんて感じる必要ないですよ。 なにも妙なところのない、地味で平凡な暮らししかありません。 |
Kazuma |
カズマ
あ、僕、独り言が多いんで、 それでびっくりさせちゃうことがあるかもしれないですけど……。 |
Kazuma |
カズマ
でもでも、あなたに危害は加えません。 完全無農薬の野菜食べ放題、いいこと尽くしの毎日です! |
Kazuma |
カズマ
なんせ僕は、あなたのことを……愛しているんですから。 |
Kazuma |
カズマ
あっ、言っちゃった。恥ずかしい。 恥ずかしいですね……ねぇ。 |
Kazuma |
カズマ
え、なんでキレてるんですか? 僕なにかおかしいですかね? |
Kazuma |
シエル
カズマさん、どなたとお話されているのですか? |
Ciel |
カズマ
へ? あ、いやすいません、なんでもないです。 つい、いつもの独り言が……。 |
Kazuma |
カズマ
さあ、行きましょう、レイさん! ぜひ僕が作った野菜を食べてみてください! |
Kazuma |
カズマ
さあ、行きましょう、レイさん! ぜひ僕が作った野菜を食べてみてください! |
Kazuma |
カズマ
僕が育てた大根を! 『愛』が詰まった太くて立派な大根を! |
Kazuma |
カズマ
うわぁぁっ!? |
Kazuma |
リッパー
いやぁ、それはちょいと無理な話なんだよなぁ~。 |
Ripper |
ラーベ
うげ、次はリッパーか! ……クセの強い取り合わせだな。 |
Raabe |
カズマ
い、いきなりなにをするんですか! 大丈夫ですか、レイくん……!? |
Kazuma |
カズマ
い、いきなりなにをするんですか! 大丈夫ですか、レイさん……!? |
Kazuma |
リッパー
うるせぇ、テメェに用はねぇんだよ。 ケガしたくなかったら引っ込んでろ! |
Ripper |
リッパー
そんなやつといるよりさぁ~、オレと楽しいコトしようぜ。 レイよぉ。 |
Ripper |
リッパー
オレのどこまでも深ぁ~い愛で、 たっぷり楽しませてやるぜぇ? |
Ripper |
シエル
参考までにうかがいたいのですが、 『楽しいコト』とはどのようなことですか? |
Ciel |
リッパー
んなの、決まってんだろ~。ミナまで言わすなよ。 |
Ripper |
リッパー
殺し合い。 |
Ripper |
ラーベ
やっぱそうなっちゃうか。 |
Raabe |
シエル
……興味深いお話です。 |
Ciel |
シエル
カズマさんもリッパーさんも、ラブ魔力によって レイさんに心奪われているというのに、 |
Ciel |
シエル
その手法はまるで違います。 |
Ciel |
シエル
片や自室へ誘い共に暮らすことを求め、片や殺し合いを求める…。 不思議です。これが愛情なのですか? |
Ciel |
カズマ
僕のは愛情に他なりません! |
Kazuma |
リッパー
俺のだって立派な愛情だよ。 |
Ripper |
カズマ
どこがですか! そんなのは……。 |
Kazuma |
リッパー
あーうるせぇなぁ! だったらもうテメェもこいよ! |
Ripper |
リッパー
ふたりまとめて切り刻んで……オレのレイへの 愛の深さを思い知らせてやらぁ! |
Ripper |
ーーー/
Summary | |
---|---|
二人の愛に打ち勝ったことで、ラブ魔力が
集まっていく。順調だと満足そうなココノエ は、一行を次のステージへ転移させる。 |
リッパー
く……くっくっくっくくくくく! ヤベェ……タマんねぇぜ、レイ……。 |
Ripper |
リッパー
すっかり、テメェの愛に痺れちまった。 オレはもう……これ以上戦えねぇ。 |
Ripper |
リッパー
完全に、負けたぜ。テメェにな……。 |
Ripper |
リッパー
テメェになら…… 俺の中の溢れんばかりの愛を根こそぎ捧げたっていい! |
Ripper |
カズマ
レイくん……今の戦い、 すごく格好よかったです。 |
Kazuma |
カズマ
レイさん……今の戦い、 すごく格好よかったです。 |
Kazuma |
カズマ
僕、感動して涙が……ううっ……。 僕の中の愛情という愛情を、あなたに差し上げたい……! |
Kazuma |
シエル
……不思議な力の流動を感じます。 これは……? |
Ciel |
ココノエ
お、いいぞ。ラブ魔力が集まっているじゃないか。 どうやら実験は順調なようだな。 |
Kokonoe |
ラーベ
これが順調なのか? これ続くのか? いいのかこれで? |
Raabe |
ココノエ
今のところ問題ない。 |
Kokonoe |
ココノエ
モテメガネブルーの特殊効果である『男にしかラブラブモテモテ にならない』特性も、きちんと発揮されているようだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
うむうむ、さすがは天才。ココノエ博士だな。 |
Kokonoe |
ココノエ
よし、では次の実験場…… もとい、検証ステージへ移動するぞ! |
Kokonoe |
ラーベ
もう今更取り繕う必要なくないか!? |
Raabe |
ココノエ
はい転送用意ー。 |
Kokonoe |
第3節 愛の狩人たち/
Summary | |
---|---|
公園エリアでナオトから熱烈な告白を受け、
さらにメガネの魔力が及ばないはずの冥と サヤまでもが乱入。愛の選択を迫る。 |
シエル
転移完了。 今度は明るい場所ですね。公園のようです。 |
Ciel |
ココノエ
愛を語らうと言えば、やはり公園だからな。 |
Kokonoe |
ラーベ
そういう選出基準なら、さっきの学校はなんだったんだ? |
Raabe |
ココノエ
わからんのか。愛を育む場所と言えば学校。 青春の代名詞だろうが。 |
Kokonoe |
ラーベ
否定しないけども。 私がお前だったら同じように選んだと思うけども! |
Raabe |
ラーベ
だからこそなんか癪だなぁ! |
Raabe |
ココノエ
つべこべ言っている暇はないぞ。 この辺りにも、愛の狩人が出没するはずだ。 |
Kokonoe |
シエル
愛の狩人というと……あ。 |
Ciel |
ナオト
レイ! 探したぜ! |
Naoto |
ラーベ
なるほど狩人。 |
Raabe |
ナオト
さっき戦闘に巻き込まれたんだって? 大丈夫か? 愛してるぜ! |
Naoto |
1: いきなり!? あ、愛してるだなんて、そんな…… | |
ナオト
あ……驚かせたよな、悪い。 |
Naoto |
ナオト
だけどさっきお前のことを見たときから、 お前のことしか考えられなくなっちまって……。 |
Naoto |
ナオト
いてもたってもいられないんだ! 愛してるぜ! |
Naoto |
シエル
また、先程とは少し変わった愛情表現ですね。 単純に言葉にして伝える方法……ですか。 |
Ciel |
ココノエ
ふむ、被験者の反応は、 当人の知能指数や性格に由来するようだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
実験としてはいい傾向だ。 なにもかも一辺倒な反応じゃつまらんからな。 |
Kokonoe |
ラーベ
出た出た。 科学者ってすぐ、面白いかつまんないかで物語りがちだよね。 |
Raabe |
ココノエ
お前だって同じようなものだろうが。 |
Kokonoe |
ラーベ
~~~♪ |
Raabe |
ココノエ
シエル、レイ。覚えておくといい。 これを、棚上げという。 |
Kokonoe |
シエル
『自分のことを棚に上げる』でおなじみのあれですね。 |
Ciel |
ココノエ
そうだ。賢い子だ。 |
Kokonoe |
ナオト
なにそっちでごちゃごちゃやってんだよ。 レイ。俺の気持ちは……。 |
Naoto |
冥
ちっ……外したか。 |
Mei |
ナオト
てめぇ……危ねえな! レイが怪我したらどうすんだ! |
Naoto |
冥
ふ……安心しろ。私が開発した愛の護符は レイ以外を殺傷する特別製だ。 |
Mei |
ナオト
殺傷つったか今!? |
Naoto |
ラーベ
ん? おい、冥。 今お前、愛の護符とか言ったな? |
Raabe |
ラーベ
まさかとは思うが…… お前もレイのことを……? |
Raabe |
冥
愚問だな。もちろん愛している。 |
Mei |
ココノエ
…………あれ? |
Kokonoe |
ラーベ
おい。これどういうことだ? |
Raabe |
ラーベ
レイがかけている『モテメガネブルー』は、 男にしか効果がないんじゃなかったのか? |
Raabe |
ココノエ
ああ。そのはずなんだが……おかしいな。 |
Kokonoe |
ココノエ
もしかしてレイの力が 関係しているのか……だとしたら……。 |
Kokonoe |
ラーベ
おい、おーい! 自分の世界に入るな! |
Raabe |
ココノエ
ちょっと検証してくる。後は任せた。 |
Kokonoe |
ラーベ
は!? おい、こら……! |
Raabe |
冥
この程度の攻撃からも守れないようなやつに レイは任せられん。 |
Mei |
冥
大人しく退くんだな、黒鉄ナオト。 |
Mei |
ナオト
言ってくれるじゃねえか……。 |
Naoto |
ナオト
だけどな、俺の『愛』が この程度と思ってもらったら困るぜ。 |
Naoto |
冥
ふふん。どの程度であろうと、この新作護符の前では お前の愛などままごとのようなものよ! |
Mei |
冥
てれれれーん! 究極の愛を追求した護符、その名も―― |
Mei |
冥
『冥のことが大好きになっちゃう護符』だ! |
Mei |
ナオト
な……なんだってーーー!? |
Naoto |
冥
いいか、黒鉄。愛とは……直球勝負だ。 回りくどいやり方よりも、真っ直ぐストレートが一番いい! |
Mei |
冥
さあ、レイ! そこに直れ! お前が素直になれるように、この護符を思い切り貼ってやろう! |
Mei |
1: いやいやいや、困ります! そんなものなくても…… | |
冥
大丈夫だ、安心しろ。悪いようにはしない。 |
Mei |
冥
ほんの少し、私のことが好きで好きでたまらなくなり 全てを捧げたくなるだけだ。 |
Mei |
冥
なくても、私の思いに応える準備はあるということか。 |
Mei |
冥
だが私も女子だ。愛しい人の思いをより確かなものに したいと願うのもまた自然なこと。 |
Mei |
冥
いざ、天ノ矛坂の自慢の護符、受けてみよ! |
Mei |
ナオト
避けろ、レイ――! |
Naoto |
冥
なっ!? 私の護符がっ!? |
Mei |
サヤ
危ないところでしたね……レイさん。 |
Saya |
サヤ
冥様。そのようなものでレイさんのお心を 縛ろうだなどと……不埒な真似は、見過ごせませぬ。 |
Saya |
シエル
サヤさんまで……。 |
Ciel |
シエル
はっ、ではサヤさんも『モテメガネブルー』のラブ魔力で、 レイさんを好きになっているのでしょうか。 |
Ciel |
サヤ
メガネの魔力? おかしなことをおっしゃいますね。 そのようなもので、私の心が動くことなどありません。 |
Saya |
シエル
そうでしたか。では、影響は……。 |
Ciel |
サヤ
私の心は今目覚めたばかり。 けれどもうずっと長く前から焦がれていたかのようです。 |
Saya |
ラーベ
……ん? |
Raabe |
サヤ
そう……メガネの魔力のせいであるはずがありませぬ。 この熱く身を焦がすような思いは……魂の震えは! |
Saya |
シエル
レイさん! |
Ciel |
サヤ
あぁ、どうか邪魔をしないでください、シエルさん。 |
Saya |
サヤ
私、レイさんに 焦がれて焦がれてならないのです。 |
Saya |
サヤ
斬り裂き、斬り落とし、斬り開き! 殺してしまいたい、兄様のように! |
Saya |
ナオト
俺がもう死んだみたいな言い方すんじゃねぇよ! あとレイのことは、殺させねぇ。 |
Naoto |
ナオト
レイを斬るっていうんなら、まず俺が相手だ! |
Naoto |
サヤ
まあ、よろしいのですか。 |
Saya |
サヤ
レイさんだけでなく 兄様にまで刃を向けていいだなんて……! |
Saya |
サヤ
ぞくぞくしてまいりました。 |
Saya |
ラーベ
ナオトくん。お前の妹、そういうタイプだったんだな。 |
Raabe |
ナオト
ああ、こういうタイプなんだ! |
Naoto |
シエル
書物で読んだことがあります。 ヤンデレというのですよね。 |
Ciel |
冥
なに。萌え属性で負けていられるか。 こちとらクーデレ陰陽師だぞ! |
Mei |
冥
萌えるだろうが、レイ! 萌えないというのなら、その身にわからせてくれる! |
Mei |
サヤ
いけません、冥様。 レイさんを仕留めるのは私です。 |
Saya |
ナオト
せめて射止めるって言え! とはいえ、俺も譲れねぇ……。 |
Naoto |
ナオト
そうだ、レイ。選んでくれ! 俺たちの誰と……サシで向き合うか。 |
Naoto |
1: ええ、僕が決めるの!? 僕のために争うのはやめて! | |
1: ええ、私が決めるの!? 私のために争うのはやめて! | |
ナオト
すまねえ。だが俺たちも真剣なんだ! |
Naoto |
ナオト
この思いを受け取ってもらわなきゃ、引っ込みがつかねぇ! |
Naoto |
冥
右に同じだ。 私の思いを叩きつけねば……どうにもおさまりがつかん。 |
Mei |
サヤ
お覚悟ください。 私、少々たぎっておりますゆえ! |
Saya |
ーーー/
Summary | |
---|---|
三人の想いを受け止め、争いは収まった。
メガネにエラーが発生しているようだが、 ラブ魔力を集めきるまで実験は終わらない。 |
サヤ
なんとも不思議な心地です。 |
Saya |
サヤ
あなたに向けて振るった刃の全ては、私の思いでありました。 それを受け止めてくださった……そう感じてならないのです。 |
Saya |
サヤ
そしてそう感じることによって…… なんと満たされた思いでありましょう。 |
Saya |
サヤ
この思い、もうしばらく味わっていとうございます。 ですから……今は一度、刀を納めます。 |
Saya |
サヤ
また再び、あなたへ向ける日のために……。 |
Saya |
冥
……わかったよ、レイ。 |
Mei |
冥
私が間違っていたのかもしれん。 この程度の護符で、貴様を振り向かせようだなんて。 |
Mei |
冥
教えてくれたのは、お前が真っ直ぐに向かってきてくれたからだ。 私の気持ちを受け止めようとしてくれたからだ。 |
Mei |
冥
だから……次は貼るのではなく設置型の結界によって お前の心を引き寄せよう! |
Mei |
冥
いわば愛の領域だ! それを習得するまでは……この符は、封印しておく。 |
Mei |
ナオト
レイ……。 |
Naoto |
ナオト
今でも、俺は自分がどうしちまったのかわからねぇ。 お前のことで頭も胸もいっぱいなんだ。愛してるぜ……。 |
Naoto |
ナオト
お前が俺に真っ直ぐに向かってきてくれたこと、嬉しかった。 ここに、響いたぜ。 |
Naoto |
ラーベ
(自分の胸をグーで軽く叩く、なんて仕草をするやつ、 本当にいるんだな……) |
Raabe |
ナオト
お前の愛は得られなくても、お前は俺の愛を受け取ってくれた。 今はそれだけで十分だ。 |
Naoto |
ナオト
愛してるぜ! |
Naoto |
シエル
……愛とは……情熱的なものなのですね。 なるほど……。 |
Ciel |
ココノエ
どうだ、終わったか? |
Kokonoe |
ラーベ
あ、お前! 一方的に通信始めたり切ったりするんじゃない! |
Raabe |
ラーベ
こっちは見ての通りだ。なぜかひと段落ついた形になっているが、 冥だけじゃなくサヤにまでメガネの影響があったようだぞ。 |
Raabe |
ラーベ
検証とやらはどうなった? |
Raabe |
ココノエ
詳しいことはわからんな。 だが最大の原因はやはりレイの観測力だろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
こちらが想定していた『男』『女』の定義よりも、 その者『個人』を強く認識しすぎているんだろうな。 |
Kokonoe |
ココノエ
その認識が、メガネのシステムを凌駕してしまった結果、 エラーが発生した。そんな感じ……ぽい。 |
Kokonoe |
ラーベ
ぽいってなんだ、しっかり調べろ天才なんだろ。 |
Raabe |
ココノエ
天才にも不可能はある。 まあ、いいじゃないか。順調にラブ魔力は集まっている。 |
Kokonoe |
ココノエ
どの道、魔力を集めなければ実験は終わらない。 次のステージへ行くぞ。舌を噛むなよ。 |
Kokonoe |
第4節 それぞれの愛の形/
Summary | |
---|---|
ラブ魔力を求める一行の前に現れたのは、
ジン、シオリ、メイファン。愛情表現は苛烈 さを増し、究極の愛、殺し愛へと発展する。 |
シエル
検索……検索、照合。 |
Ciel |
シエル
かなりの広さのある森林地帯のようです。 これまでのような、都市内のステージではないようですね。 |
Ciel |
ココノエ
愛を発展させるために、重要なものがある。 それがなにかわかるか? |
Kokonoe |
シエル
いいえ、わかりません。なんですか? |
Ciel |
ココノエ
刺激だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
日常から離れた、少し危険なものが望ましい。 |
Kokonoe |
ココノエ
そこから発生する緊張が、恋愛における興奮だと脳は誤解する。 そしてより強く愛情を感じられるとかなんとか。 |
Kokonoe |
シエル
なんとか。 |
Ciel |
ラーベ
今までも十分危険な刺激満載だったと思うがな。 |
Raabe |
ココノエ
案ずるな。このエリアにはもっと強い刺激を用意した。 十分に、脳を誤作動させてくるがいい。 |
Kokonoe |
ラーベ
なんつー言い方だ。人のこと言えないかもだけど。 |
Raabe |
ラーベ
ところでココノエ。メガネの不具合については、 きちんと調査を続けてくれるんだろうな? |
Raabe |
ラーベ
ラブ魔力を集めるのはいいが、それが集まり切ったところで 『モテメガネ』の効力が切れない…… |
Raabe |
ラーベ
なんてことになったら、さすがに困るぞ。 |
Raabe |
ココノエ
解除方法についてはエラーの対象外だと予想される。 大丈夫だろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
とはいえ、開発者としてエラーの修正ができないなどと 匙を投げるつもりはない。 |
Kokonoe |
ココノエ
これからの調整のためにも、 状況の調査及びデータの分析はきっちりやっておく。 |
Kokonoe |
ラーベ
なら、そっちは任せるとして……だ。 |
Raabe |
ラーベ
もっと強い刺激って言ってたよなぁ。 |
Raabe |
ジン
レイ! ここにいたか。 |
Jin |
ジン
貴様の気配とにおいと雰囲気と体温を感じ取って追いかけて きたが、やはり僕の五感は貴様を追い求めているのだな。 |
Jin |
ジン
見つけるまでは容易かった。 |
Jin |
1: ひえっ!? ジンさん!? え、そういうキャラでしたっけ……? | |
ジン
そうだ、ジンだ。貴様のジン=キサラギだ。 人は僕を……『愛の英雄』と呼ぶ。 |
Jin |
ジン
なにを戸惑う。紛れもなく僕はジン=キサラギ。 人は僕を……『愛の英雄』と呼ぶ。 |
Jin |
シエル
初耳です。 |
Ciel |
ラーベ
私もだ。 |
Raabe |
ジン
だが僕はこの名が好きではない! なぜなら……。 |
Jin |
ジン
僕はまだ貴様の愛を獲得していないからだ! レイ!! |
Jin |
ジン
だがそれもこれまでの話。 ここからは……貴様に僕の愛を嫌というほどくれてやる。 |
Jin |
ジン
まずはその身を、この僕が直々に守ってやろう。 数多くの身の程知らずどもに、その愛を狙われているのだろう。 |
Jin |
ジン
だが貴様には僕がいる。 僕が側にいる間は、何人たりとも貴様には触れさせん。 |
Jin |
ジン
そう、誰にも……。 |
Jin |
???
そうはさせませんよ。 |
??? |
???
レイ様をお守りするのは この私、シオリ=キリヒトです。 |
??? |
シオリ
レイさん、お待たせしました。 あなたの愛する人、シオリですよ。 |
Shiori |
ラーベ
シオリ=キリヒト……。暗殺を生業とするキリヒト家の令嬢か。 確か毒の扱いに長けているんだったか。 |
Raabe |
シオリ
ええ、そうです。幼いころより培った技の数々は、 愛しい人をお守りするためにだって活用できるんですよ。 |
Shiori |
ジン
貴様、僕のレイに気安く近寄るな! 離れろ! |
Jin |
シオリ
あらあら、嫉妬ですか? 男の嫉妬なんて、醜いですよ。 |
Shiori |
ジン
言うじゃないか。 レイを惑わせる薄汚い暗殺者めが。 |
Jin |
シオリ
愛する人にはいつでも自分を見ていてほしいもの。 惑わせようとするのは当たり前のことです。 |
Shiori |
シオリ
それに、私はまだ誘惑の『ゆ』の字も行っておりません。 |
Shiori |
シオリ
私が本気で誘惑するとなったら…… それはもう、すっごいんですから。 |
Shiori |
シエル
すっごい、のですか。 ごくり……。 |
Ciel |
ラーベ
意味もわからないのに生唾を飲むな、シエル。 |
Raabe |
シエル
す、すみません。 ですがなにやら、とてつもない気迫を感じたものですから……。 |
Ciel |
ジン
フン、貴様の愛など僕の想いに比べたら小さいものだ。 |
Jin |
シオリ
あら。あなたの『想い』ってそれ、 『殺意』の間違いじゃありません? |
Shiori |
シオリ
今すぐにでも剣を抜きたそうな 気配をなさっていましてよ。 |
Shiori |
ジン
『殺意』だと? 断じて違う! これは『愛』だ! 僕なりの『愛』だ! |
Jin |
ジン
それなのにレイは 僕の愛に気付いてくれない……。 |
Jin |
ジン
だから! 今日は! 僕の気持ちをわからせてやろう!! |
Jin |
ジン
ほらこれを見ろ! レイの隠し撮り写真だ! |
Jin |
シエル
これは……フガクの廊下であくびをしていらっしゃる写真ですね。 よく撮れています。 |
Ciel |
ジン
極秘裏に入手した一品だ。 これを使って、特製のレイ抱き枕を作製する。 |
Jin |
ジン
そしてそれを使って眠るのだ…… 頬ずりするもよし、潰れる程に抱きしめるもよし! |
Jin |
1: 潰されるのはちょっと…… 優しくしてください | |
ジン
そうだ! レイ、 貴様には僕の抱き枕をプレゼントしよう! |
Jin |
ジン
そうすれば僕らはどこにいても、どれだけ離れていても、 互いを感じながら過ごすことができる! |
Jin |
シオリ
ふふ。 |
Shiori |
ジン
女。なにがおかしい。 |
Jin |
シオリ
いえ、その程度でレイ様を 愛してるなんて……呆れていただけです。 |
Shiori |
シオリ
シオリはもっとすごいですよ……。 |
Shiori |
シオリ
じゃじゃーん! |
Shiori |
ジン
そ、それはまさか、幻の品と謳われる…… レイの入浴水ぃぃぃぃ――――!! |
Jin |
シオリ
そう! レイさんが入浴した浴槽の水です! |
Shiori |
ジン
くっ、統制機構の権力をフルに使っても手に入れることは できなかったそれを、なぜ貴様が持っている! |
Jin |
シオリ
私が使うのは闇のルート。暗殺者ですもの。 表には出てない特別なルートをいくつも知っております。 |
Shiori |
ラーベ
おーおーおー。このファントムフィールドだと、 レイを使えばボロ儲けできそうだな。 |
Raabe |
シエル
ラーベさん。 それはモラルに反する非道徳的な思考のように思えるのですが。 |
Ciel |
ラーベ
マジレスするなよー。わかってますって、やりませんって。 冗談だよ、冗談。 |
Raabe |
シエル
冗談でしたか、失礼しました。 |
Ciel |
シオリ
でもでも、シオリは手に入れただけでは満足していません……。 |
Shiori |
シオリ
シオリはこの水を使って、これから毎日お茶を作るのです! いいえ、お茶だけでなく料理も作ります! |
Shiori |
シオリ
そうすればシオリの身体は レイ様でできているのと同じ……。 |
Shiori |
シオリ
これこそ、いかなるときもレイ様と 一緒にいたいという気持ちの現れです。 |
Shiori |
シオリ
ふふふ、キサラギ先輩、どうですか? |
Shiori |
シオリ
これでもシオリより、 レイさんを愛していると言えるのですか? |
Shiori |
ジン
くっ……。 こうなれば……。 |
Jin |
ジン
貴様を黙らせるしかないようだな! |
Jin |
ジン
レイの愛は僕だけのものだ! 誰にも渡さない! |
Jin |
ジン
ついでにレイ汁は僕がいただく! |
Jin |
ラーベ
汁っていうなよ。 |
Raabe |
シエル
どちらかというと出汁です。 |
Ciel |
ラーベ
それも嫌だな! |
Raabe |
シオリ
ふふっ。なるほど、そう来ますか! いいですよ、受けて立ちます! |
Shiori |
シオリ
シオリの毒に耐え切れますかね!? |
Shiori |
ラーベ
やれやれ、またこうなるのか。 モテる男は大変だな、レイ。 |
Raabe |
ラーベ
やれやれ、またこうなるのか。 モテる女は大変だな、レイ。 |
Raabe |
???
……ほう。私のいぬ間に レイを取り合おうとは、いい度胸だな。 |
??? |
ジン
貴様……メイファン=ラピスラズリ! なにをしに現れた!? |
Jin |
シオリ
統制機構第零師団……通称審判の羽根。 裏切り者を粛正する部隊の、隊長……。 |
Shiori |
シオリ
そんな方までもレイさんを 狙っているというの……? |
Shiori |
メイファン
くくく……その通り。 だが下賤なる貴様らと私が同じ価値観で動くと思うな。 |
Meifang |
メイファン
私には……私だけの、崇高なる目的があって レイを所望している。 |
Meifang |
ラーベ
これだけ不穏な空気をまき散らしながら『崇高』ときたか。 その目的とやら、聞かせてもらえるんだろうな? |
Raabe |
メイファン
いいだろう。聞かせてやる。 私はな……レイ。貴様に……。 |
Meifang |
メイファン
痛めつけてもらうために来た!!! |
Meifang |
ラーベ
……は? |
Raabe |
メイファン
理解できないか愚民ども。 この私の身を貫くような、恋心を。 |
Meifang |
メイファン
思いを寄せる者に手ずから痛みを与えられたい。 |
Meifang |
メイファン
その手で、その足で! 私を思い切り苦しめ悶えさせてほしい! |
Meifang |
メイファン
この全身で貴様を感じたいのだ、レイ。 さあ遠慮はいらない、思い切り、力の限り私を痛めつけろ! |
Meifang |
メイファン
私にお前の『愛』という痛みを味わわせろ! |
Meifang |
シエル
なんという不可解な要求……。 これもまた、愛……なのですね。 |
Ciel |
ラーベ
うーん、どうかなー。 メガネのせいで色々おかしくなっちゃってるしなー。 |
Raabe |
ラーベ
これを一般的な愛だと理解しちゃうのは、どうかなー。 |
Raabe |
シエル
ですが、底知れない情熱を感じます! |
Ciel |
メイファン
当然だ! 愛とは情熱! 情熱とは愛! そして愛とは痛み! 痛みこそ愛!!! |
Meifang |
シオリ
そんなの間違っています! 愛とはもっと相手を慈しみ思うもの! |
Shiori |
シオリ
好きな人の側にいたい、好きな人に幸せでいてほしい。 好きな人をもっと感じたい、好きな人の全て取り込みたい……。 |
Shiori |
ラーベ
最後ちょっとおかしくなかったか? |
Raabe |
シオリ
そう、いわば愛とは摂取願望! 同化願望! 誰よりも何よりも側に感じたいと願う私の気持ちこそ真実の愛! |
Shiori |
シオリ
周囲が氷漬けに……!? これは……! |
Shiori |
メイファン
ほう。その『氷剣・ユキアネサ』を抜いたか。 ジン=キサラギ。 |
Meifang |
ジン
……貴様らの思いはわかった。 そしてどこまでも本気であるということもな。 |
Jin |
ジン
であれば僕も、本気でかかろう! これまでのぬるいアピールは終わりだ! |
Jin |
ラーベ
大丈夫、ぬるいとは言えない。 十分、様子がおかしかった。 |
Raabe |
ジン
レイ! |
Jin |
1: わ、はい!? なんかすごい目で見られてない? | |
シエル
切っ先をレイさんに向けています、 気を付けてください。 |
Ciel |
シエル
敵対反応を感知。いえ、これは愛……なのでしょうか? |
Ciel |
シエル
殺意にも似た、情念のようなものを感じます。 警戒してください。……いえ、これも愛……なのでしょうか? |
Ciel |
ジン
殺し合おう。 |
Jin |
ラーベ
おっと、おかしさが跳ね上がったぞ。 |
Raabe |
ジン
愛とは……魂と魂のぶつかり合いだ。 すなわち殺し合い。いや、殺し愛! |
Jin |
ジン
レイ、貴様が好きで好きでたまらない。 |
Jin |
ジン
そのせいか、僕の奥底にある抑え難い衝動が 疼いてならないんだ……。 |
Jin |
ジン
大好きな人を、かけがえのない人を、唯一の人を…… 殺さねばならないという強い思いが! |
Jin |
ジン
ふふふ……くっふふふ、はははははははははは!!! |
Jin |
シオリ
キサラギ先輩の持つ武器は、事象兵器『氷剣・ユキアネサ』。 所持者の精神に干渉する、恐ろしい武器です。 |
Shiori |
シオリ
その剣に心の一部を引き渡してもなお、 レイ様を求めるというのですね……。 |
Shiori |
シオリ
それほどまでに、真剣に愛しているだなんて。 |
Shiori |
メイファン
ユキアネサを解き放つか、面白い。 ならば見せてもらおう、貴様らの『本気』の愛を! |
Meifang |
シエル
本気の……愛。 |
Ciel |
ラーベ
なに真に受けてる! 状況が暴走してるだけだ! レイの護衛に入れ、マジで来るぞ! |
Raabe |
シエル
了解。対象の護衛を開始します! レイさん、戦闘準備を行ってください。 |
Ciel |
1: よし、ジンの本気の愛を受け止めよう! ラブラブモテモテは辛いな…… |
ーーー/
Summary | |
---|---|
激しすぎる愛により、尋常でない量のラブ
魔力が集まる。だが実験終了には足りない。 舞台はボーナスステージへと移された。 |
ジン
くっ……やるな、レイ。 僕の氷を溶かすほどの貴様の愛に……火傷しそうだ……。 |
Jin |
ジン
だが……まだ、まだだよ、レイ! もっともっと、僕と殺し合おう! |
Jin |
ジン
いいや! 殺し愛をしよう!! |
Jin |
ジン
ぐ、はっ……メイファン、シオリ……貴様ら……。 |
Jin |
ジン
がく……っ。 |
Jin |
シオリ
レイ様に気を取られていてくださって よかったです。なんとか不意をついて、鎮静剤を打ち込めました。 |
Shiori |
メイファン
これ以上、ユキアネサに精神を食わされては、 辺り一帯氷漬けになりかねないからな。 |
Meifang |
メイファン
そうなっては、ゲレンデの恋が始まってしまう。 |
Meifang |
メイファン
雪景色の中では、 思い人は普段の数倍にも愛らしく見えると聞く。 |
Meifang |
メイファン
これ以上レイを愛しく思えてしまっては…… 私自身、自分がどうなってしまうかわからないのでな。 |
Meifang |
メイファン
止めさせてもらった。 |
Meifang |
シエル
情報を処理しきれませんでしたが、ありがとうございます。 おかげで氷漬けにならなくてすみました。 |
Ciel |
シオリ
あなたのためじゃありません。 レイ様のためですからね。 |
Shiori |
ココノエ
おお、いい感じに集まってるな、ラブ魔力。 |
Kokonoe |
ココノエ
ここのステージで遭遇した3人からは、 ちょっと尋常じゃないレベルの魔力を回収できたようだ。 |
Kokonoe |
シエル
やはりそうでしたか。ジンさん、シオリさん、 メイファンさんからは、かなりのレベルの高さを感じました。 |
Ciel |
シエル
これが……強いラブ魔力……強い愛……。 |
Ciel |
ラーベ
変な知識仕入れるんじゃないぞ、シエル。 |
Raabe |
ラーベ
尋常じゃないほど回収できたんなら、 そろそろ外れてもいいんじゃないか、メガネ! |
Raabe |
ココノエ
いやさすがに溜まったと思ったんだが…… もうちょっと足りないみたいだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
仕方ない、ボーナスステージだ。 次のステージ、転送開始! |
Kokonoe |
第5節 究極の愛情表現/
Summary | |
---|---|
メガネに惹かれた者たちが一堂に集まり、
熱烈な愛が飛び交う。実験のため、愛の ため、戦闘こそ愛だとシエルが立ち上がる! |
ラーベ
ここがボーナスステージか? |
Raabe |
ラーベ
なにが起こる予定なのか知らんが、 この流れだと平和な時間とは無縁だろうな……。 |
Raabe |
ラーベ
シエル、レイ。 身に染みてわかってると思うが、気を抜くなよ。 |
Raabe |
シエル
はい。 |
Ciel |
シエル
ですがレイさんが装着している 『モテメガネ』を外すには、十分なラブ魔力が必要です。 |
Ciel |
シエル
そのためにも、どなたかとの交流は不可欠になります。 |
Ciel |
ラーベ
そうなんだよな。こんなお騒がせアイテム、 さっさと外してしまいたいが、そうもいかない。 |
Raabe |
ラーベ
まったく、面白い……じゃない、 厄介なものを作ってくれるよ……。 |
Raabe |
カズマ
レイくん! またお会いできましたね。 |
Kazuma |
カズマ
レイさん! またお会いできましたね。 |
Kazuma |
ラーベ
おお? カズマか。 あのフィールドから移動してきたのか……。 |
Raabe |
カズマ
こうして再会できるなんて……これは運命ですね! やはり僕たちは運命の糸でつながっているんです! |
Kazuma |
???
果たしてそれはどうかな! 巡り合うことが運命ならば、それは私にも言えること! |
??? |
ツヴァイ
ようやく会えたな、レイ。 どこからともなくはるばると、私の愛を伝えるために来た! |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、これを受け取ってくれ! 愛情たっぷりことこと煮込んだ、 名付けて『君のためのカリィ』! |
Zwei |
シエル
このスパイシーな香りは……検索、分析……カレーです! 日本のご家庭などでよく見られる、欧風カレーのようです。 |
Ciel |
ツヴァイ
その通り! |
Zwei |
ツヴァイ
ごろごろ野菜と一緒に、レイのことを考え、 想い、愛を込めて作ったんだ……。 |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、食べてくれ。おかわりもあるぞ、寸胴一杯にな! |
Zwei |
ツヴァイ
はっ! 危ないところだった……。 何奴!? |
Zwei |
ノエル
ぬけがけは許しませんよ、ツヴァイさん! |
Noel |
ノエル
私だって、レイさんのために心を込めて、 とっておきの手料理を作ってきたんです! |
Noel |
ノエル
名付けて『愛情たっぷりとろとろオムライス』です! 是非食べてください、レイさん。 |
Noel |
カズマ
そ、それがオムライス……? 得体の知れないクリーチャーにしか見えないんですが……。 |
Kazuma |
ノエル
むっ。そんなことありませんよ。 色合いは悪いですけど、どこからどう見てもオムライスです! |
Noel |
ツヴァイ
全体的に黒いし、赤とか青とかの……なんだ、その。 ニョロニョロしたものが飛び出しているぞ。それなんだ? |
Zwei |
ツヴァイ
前衛芸術か? |
Zwei |
ノエル
あ、これは……これは、なんでしょうね。 でも大丈夫、美味しいですよ! |
Noel |
カズマ
美味しいか美味しくないとか以前の話ですよ! ちょっと震えてるし! |
Kazuma |
ノエル
これは…… はっ!? |
Noel |
サヤ
……仕留め損ないましたか……世にも恐ろしい物体を……。 |
Saya |
ノエル
な、なにをするんですか、危ないじゃないですか! オムライスを落としちゃったらどうするんです!? |
Noel |
ツヴァイ
そうだ! 食べ物は大切にしろ! |
Zwei |
ツヴァイ
……ん? 君、今さっき私のカリィを撃ち落とそうとしなかったか? |
Zwei |
ノエル
気のせいですよ! |
Noel |
サヤ
ふふ……ですが二度目はありますまい。 ご安心くださいませね、レイさん。 |
Saya |
サヤ
あのような明らかに危険な謎の物体と…… 万が一愛情を感じてしまうやもしれぬカレー。 |
Saya |
サヤ
どちらもこの私が始末しておきます。 そうしましたら……ゆっくりと、私と時間を過ごしましょう。 |
Saya |
冥
待て待て待て! 聞き捨てならんな! レイとの時間を手にいれるのは私だ! |
Mei |
冥
なぜならそいつは、すでに私のものなのだからな! |
Mei |
シオリ
妄想するのもいいかげんにしてください。 レイ様は私を愛しているんです! |
Shiori |
シオリ
そうでなくても問題ありません。 すぐにそう思えるようにしてさしあげますから! |
Shiori |
サヤ
貴様……レイさんになにをする気ですか……。 |
Saya |
シオリ
キリヒト印の超強力惚れ薬ですよ。 シオリにメロメロになる薬です。 |
Shiori |
冥
なんて恐ろしいやつ…… 強引にレイの気持ちを捻じ曲げるつもりか! |
Mei |
ナオト
お前人のこととやかく言えるやり口だったかさっき!? |
Naoto |
冥
過去のことは忘れた! 私の愛は未来と共にある! |
Mei |
ナオト
適当ぬかしやがって! |
Naoto |
ナオト
ホレ薬だろうが妙な符だろうが、 ついでにカレーもオムライス(?)も…… |
Naoto |
ナオト
レイをどうにかしようとする小細工は、 俺が許さねぇ! |
Naoto |
ナオト
安心しろ、レイ。俺が守ってやる。 愛してるぜ! |
Naoto |
ジン
退け! 障害がぁぁぁぁっ! |
Jin |
ジン
おまたせレイ! さあ愛し合おう! |
Jin |
ノエル
キサラギ少佐! そうはさせません……。 たとえ相手があなたでも、私、負けません! |
Noel |
ジン
ほざけ。貴様に用はない。 僕の目に映っていいのはレイだけだ! |
Jin |
ノエル
くっ……すごい気迫……でも、私だって譲れません! |
Noel |
ツヴァイ
抜け駆けはさせないぞ。 私とて、レイを愛しているのだから! |
Zwei |
男
そうだそうだ! 抜け駆けさせるな! |
Man |
軍人
レイをこちらに渡してもらおうか! |
Soldier |
女
きゃー! レイさーん! 好きーーー!!! |
Woman |
ナオト
誰だあいつら!? |
Naoto |
ツヴァイ
無論、モブの皆さんだ! 名もなき者にも愛される。さすがだ、レイ……。 |
Zwei |
Es
成敗。 |
Es |
男
ぎゃぁぁぁぁ! |
Man |
冥
問答無用だと!? そしてエス……お前もか。 |
Mei |
Es
はい。レイさんをお迎えにあがりました。 |
Es |
Es
レイさんをお連れして、 ふたりでラブラブプリンパーティを行います。 |
Es |
Es
邪魔をしないでください……冥。 |
Es |
ラーベ
なんだこの目茶苦茶な状況は! 目がヤバイやつらが多すぎる。一旦退くぞ! |
Raabe |
シエル
いいえ……待ってください。 |
Ciel |
ラーベ
シエル? |
Raabe |
シエル
これだけの人が、レイさんを愛し、 ここに集まっています。 |
Ciel |
シエル
これはラブ魔力を一度に大量回収する 絶好の機会なのではないでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
……確かに。 |
Raabe |
ラーベ
でもいいのか? それはレイを囮にするってことだぞ。 |
Raabe |
ラーベ
お前的にアリなのか? |
Raabe |
シエル
もちろん、レイさんを 危険に晒すわけにはいきません。ですから……。 |
Ciel |
シエル
私が率先して、レイさんに愛を示します。 |
Ciel |
ラーベ
は? |
Raabe |
シエル
これまで多くの方々の『愛情表現』を観察してきました。 その結果、どんな行動が『愛情』なのか、およそ理解しました。 |
Ciel |
シエル
戦闘です! |
Ciel |
ラーベ
いや、シエル? |
Raabe |
シエル
任せてください。 決して、レイさん自身に危害は加えません。 |
Ciel |
シエル
これは戦闘の形をした愛情表現です。 戦闘行動を通して、私のラブを受け取ってください。 |
Ciel |
シエル
そうしながら、この場のすさまじいラブ魔力をも回収すれば、 きっとメガネの解除に必要なラブを集められるはずです。 |
Ciel |
シエル
いいえ、きっと回収させてみせます。 なぜなら……。 |
Ciel |
シエル
私もレイさんを愛していますので!! |
Ciel |
ココノエ
……ついにシエルにも 『モテメガネVer.イリュージョン』の影響が出始めたか。 |
Kokonoe |
ラーベ
なんて威力だ……。 シエルにまで愛情を錯覚させるか。 |
Raabe |
ラーベ
……いや、待てよ。ちょっと待て。 |
Raabe |
ラーベ
ここがココノエのファントムフィールドなら…… なぜメガネが予想外の影響を与えるんだ? |
Raabe |
ラーベ
……もしかして。 |
Raabe |
シエル
対象を補足。戦闘態勢に移行……。 訂正。愛情体勢に移行! |
Ciel |
シエル
対象へのラブを開始します! 受け取ってください、レイさん! |
Ciel |
第1節 プロローグ/
Summary | |
---|---|
ココノエによりファントムフィールドに浸入
させられたシエルたち。実験のため、モテ メガネピンクにラブ魔力を集めることに。 |
1: ここは……? 海……? | |
ラーベ
なんで海なんだ? まだ海は早いだろう。 時期とか連想されるものとか色々な兼ね合いで。 |
Raabe |
シエル
連想されるものとは、なんですか? |
Ciel |
ラーベ
ああいや、なんでもないぞ。こっちの話だ。 |
Raabe |
ラーベ
それより、一旦状態を確認しようか。 ふたりとも問題はないな? |
Raabe |
シエル
はい。レイさんのバイタルにも異常ありません。 |
Ciel |
シエル
仮想 |
Ciel |
???
当たり前だ。 この私が直々に調整しているのだからな。 |
??? |
ラーベ
出たな。 |
Raabe |
シエル
ココノエさん。お疲れ様です。 |
Ciel |
ココノエ
うむ。 私の用意した仮想ファントムフィールドにようこそ、諸君。 |
Kokonoe |
ココノエ
今回は、訓練その他様々な目的に活用できるかもしれない、 |
Kokonoe |
ココノエ
私の好奇心と欲望とご都合のために用意したこの島フィールドを 起点に、いくつかのエリアを用意した。 |
Kokonoe |
ココノエ
調整中だから場面に整合性はないが、 フィールドとしては安定しているから安心しろ。 |
Kokonoe |
ココノエ
なんせ私が観測をしているんだからな。 安心安全円滑運営だ。 |
Kokonoe |
ラーベ
いやそれは。うん。まあいいや。 進めてくれ。 |
Raabe |
シエル
なにかの実験に協力してほしい、とのことでしたが。 |
Ciel |
シエル
この仮想ファントムフィールドについて 検証すればいいのでしょうか? |
Ciel |
ココノエ
いや、違う。ここを用意したのは、外部からの影響がない 実験場が必要だったからだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
そしてここでお前たちに……いや、レイに 協力してもらう実験は、これだ!! |
Kokonoe |
ラーベ
爆発!? |
Raabe |
シエル
そしてヴァルケンハインさん! |
Ciel |
ヴァルケンハイン
お待たせいたしました。 こちらこそ、我が生涯を捧げしアルカード家に伝わる秘宝…… |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
……を、元にココノエ殿が新たに開発された、 発明品にして魔道具。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
『モテメガネブルー』&『モテメガネピンク』! でございます!!! |
Valkenhayn |
1: あの伝説の……モテメガネ!? なんですかそのド派手眼鏡は | |
ココノエ
知っているか。さすがは稀代の観測者。 『最果てを観る者』のドライブ名は伊達ではないな。 |
Kokonoe |
ココノエ
言っただろう。私が新たに開発した『モテメガネ』だ。 見るからになにかしでかしそうだろう。ワクワクするだろう。 |
Kokonoe |
ヴァルケンハイン
『モテメガネ』とは、込められたラブ魔力によりかけるだけで 誰でもラブラブモテモテになれるという、 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
素晴らしい魔道具でございます。 |
Valkenhayn |
ココノエ
だがこれは、今回私が特別に開発した 『モテメガネVer.イリュージョン』! |
Kokonoe |
ココノエ
通常よりもより効力の高いラブ魔力を人工的に内蔵させた スーパー仕様だ。さらに色が2種類ある! かっこいい! |
Kokonoe |
シエル
確かに、かっこいいです。 |
Ciel |
ラーベ
え、嘘。本気か? |
Raabe |
シエル
こちらが青色、こちらはピンク色。 それぞれで性能が違うのでしょうか? |
Ciel |
ココノエ
そこに気が付くとは、見込みがあるな、貴様。 |
Kokonoe |
ココノエ
その通り。このブルーとピンク2種類の眼鏡。 同じように見えて、内蔵されているラブ魔力の性質が少々違う。 |
Kokonoe |
ココノエ
だがその実態は、かけてみてからのお楽しみだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
ではレイ! 今回貴様にかけてもらうのは……こっちだ! |
Kokonoe |
ココノエ
『モテメガネVer.イリュージョン』桃花のピンクタイプ! 通称『モテメガネピンク』! |
Kokonoe |
ココノエ
やってくれ、ヴァルケンハイン! |
Kokonoe |
ヴァルケンハイン
承知いたしました。 レイ殿、お覚悟めされい!! |
Valkenhayn |
1: ぐわぁぁぁぁぁ! ……外れない!? | |
ココノエ
このメガネは……愛を理解するために開発された。 |
Kokonoe |
ラーベ
またわけわかんないこと言い始めたぞ。 |
Raabe |
ココノエ
愛なき者が愛を得るために生まれた、モテメガネ。 それを元に開発したこれもまた……愛を得るために存在している。 |
Kokonoe |
シエル
愛……。 |
Ciel |
ココノエ
つまり、愛を十分得るまでは外れない。 |
Kokonoe |
ラーベ
なにがつまりだ!? |
Raabe |
ラーベ
おいこら、ちゃんと説明しろ。 私が言うのもなんだけども! |
Raabe |
ココノエ
いいだろう、聞きたいのなら話してやる。 今回の私は依頼人だからな。全体的に協力的だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
いや、いつも私は協力的だな。 |
Kokonoe |
ラーベ
話進めてくれ。そこツッコミ始めると長くなる。 |
Raabe |
ココノエ
わがままな実験体……いや、協力者だ。 |
Kokonoe |
ラーベ
実験体って言ったな。 |
Raabe |
ココノエ
メガネを外すためには、 メガネに内蔵されているラブ魔力を入れ替える必要がある。 |
Kokonoe |
ココノエ
内蔵されているラブ魔力を発散、使用しつつ、 新たなラブ魔力を取り込むのだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
こうすることでラブ魔力が枯渇することなく、 メガネは機能を保ち続ける。 |
Kokonoe |
ココノエ
一定量で解除することもできるし、連続して使用することも可能。 まさにフレキシブル。かつエコロジーな発明だ。 |
Kokonoe |
1: さすが、すごい発明です つまり僕はなにをすれば? | |
ココノエ
そうだろう。気に入ったか。 であれば、実験にも身が入ることだろう。素晴らしいぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
おっ、いいぞ、意欲的だな。 メガネが気に入ったか。それとも実験体の役割が気に入ったか? |
Kokonoe |
1: さすが、すごい発明です つまり私はなにをすれば? | |
ココノエ
そうだろう。気に入ったか。 であれば、実験にも身が入ることだろう。素晴らしいぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
おっ、いいぞ、意欲的だな。 メガネが気に入ったか。それとも実験体の役割が気に入ったか? |
Kokonoe |
ココノエ
貴様にはこれから、私が用意した各種ラブステージを巡り、 そのメガネを外せるくらいのラブ魔力を集めてもらう。 |
Kokonoe |
ココノエ
簡単に言えばラブ魔力の影響を誰かに与え、 そいつから愛を受け取ってくるのだ。 |
Kokonoe |
ラーベ
愛を……受け取る、ねぇ。 説明されているようでされていないような……。 |
Raabe |
シエル
質問です。なぜメガネをかける役割を レイさんに依頼されたのですか? |
Ciel |
ココノエ
わからんのか。 こいつ以上の適役はいない。 |
Kokonoe |
ココノエ
なにせこいつは観測の力を持つ者。自己観測において 右に出るものはとりあえずざっと見た限りいない。 |
Kokonoe |
ココノエ
ラブ魔力によって自己の観測を揺らがせる『モテメガネ』の あらゆる影響を、こいつは受けないわけだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
つまり、レイがかけていればおのずと 『モテメガネVer.イリュージョン』の本来の性能が計測できる! |
Kokonoe |
シエル
そうなのですか!? ……そうなのですか? |
Ciel |
ラーベ
いや知らん。だがあのココノエが言うんだから、 そういう仕組みになってるんじゃないか……? |
Raabe |
ココノエ
なっているのだ! |
Kokonoe |
ココノエ
というわけで、事情はわかったな。 わかったら早速計測実験開始だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
まずは最初のエリアへ行ってもらうぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
もう一度言うが、 ラブ魔力を集めない限りそのメガネは取れない。 |
Kokonoe |
ココノエ
バカみたいなメガネを外したければ、 全力でラブを集めてくるんだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
では、健闘を祈る!! |
Kokonoe |
第2節 愛の襲撃者/
Summary | |
---|---|
モテメガネピンクの力で女性からモテモテに
なった! ノエルとツヴァイの愛を賭けた 料理対決の最中、突如リッパーが乱入する! |
シエル
転移、完了しました。 ここは……どこかの都市のようですね。 |
Ciel |
シエル
あ、あれは学校です。 大勢の学生が通い、勉学を行う施設ですよね。 |
Ciel |
ラーベ
お前は本当に学校が気になるんだな。 |
Raabe |
ラーベ
さてさて、背景施設はいいとしてだ。 さっきの南の島みたいなところから、ずいぶんと様変わりしたな。 |
Raabe |
???
レイさん! やっと見つけました! |
??? |
???
こんなところにいたのか。いやぁ、探したよ。 |
??? |
シエル
ノエルさん、ツヴァイさん! なぜおふたりがここに? |
Ciel |
ノエル
なぜって……決まってるじゃないですか。 |
Noel |
ツヴァイ
うんうん、我々がここにいる理由…… それはもちろん、愛ゆえにだ! |
Zwei |
ラーベ
…………はああ??? |
Raabe |
ノエル
レイさん! 私のこの気持ち…… 料理にして持ってきました、どうぞ!! |
Noel |
ツヴァイ
それよりこの特製カレーはどうだ? 私の愛をふんだんに混ぜ込んだ珠玉の一品だ! |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、遠慮せず食べてくれたまえ!! |
Zwei |
1: へ、僕!? なんで!? お気持ちは嬉しいですが……大丈夫ですか? | |
1: へ、私!? なんで!? お気持ちは嬉しいですが……大丈夫ですか? | |
シエル
ラーベさん、これはいったい……? |
Ciel |
ラーベ
ああそうか、そういうことか! おい、レイ。メガネだ、そのメガネ! |
Raabe |
ラーベ
確かあのトンチキネコマタ、 かけただけで誰でもラブラブモテモテになるとか言ってただろう。 |
Raabe |
シエル
あ。現在レイさんは、おふたりに ラブラブでモテモテになっているのですね。 |
Ciel |
シエル
これがラブ魔力……すごい効き目です。 |
Ciel |
ノエル
邪魔しないでください。 レイさんは私の料理を食べるんです! |
Noel |
ツヴァイ
おや、いつ誰がそんなことを決めた? それは君の勝手な欲望じゃないのか? |
Zwei |
ノエル
それは……そう、ですけど……! |
Noel |
ツヴァイ
甘い。甘いねぇ。はちみつマシマシのカレーより甘いよ。 隙を見せるからつけ込まれる。 |
Zwei |
ツヴァイ
奪い取るつもりなら、私と対峙する前に 食べさせるべきだったんだ。 |
Zwei |
ツヴァイ
恋も愛も一瞬の隙が命取り。覚えておくといいよ。 |
Zwei |
ココノエ
これが愛に突き動かされた者たちか。 何を言っているのかはわからんが、すさまじい自信と説得力だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
ふむ……とりあえずメガネは問題なく作動しているようだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
引き続きデータを取らせてもらうぞ。 |
Kokonoe |
ノエル
あ、あなたの方こそ、そんな上手いこと言って私から レイさんを奪うことなんてできませんよ! |
Noel |
ノエル
だってレイさんの気持ちは もう私の方に向いている(はず)なんですから! |
Noel |
ツヴァイ
君はまるでレイを 自分の所有物のように言うんだね。 |
Zwei |
ツヴァイ
だが仮にそれが事実でも、なにも問題はない。 奪い取ればいいからだ。 |
Zwei |
ノエル
なっ……!? |
Noel |
ツヴァイ
具体的に言うなら……(自主規制)を(自主規制)して (自主規制)も黙らせるほどの既成事実を作りあげればいい。 |
Zwei |
ノエル
な、ななな、なんてハレンチなことを! |
Noel |
ツヴァイ
時にはヨーグルトのように甘く、 時にはジョロキアのように激しく。これが恋愛の常識さ。 |
Zwei |
ノエル
違います! |
Noel |
ノエル
レイさんは私と、純粋で健全な関係を持ち、 素晴らしい愛に溢れた家庭を作るんです! |
Noel |
ツヴァイ
純粋で健全な関係だって? 甘い……君は本当に、隠し味のリンゴよりも甘甘だ! |
Zwei |
ツヴァイ
そんな都合のいい関係は、この世の中に存在しない! 人と人の関係はいつだって(自主規制)なのだから! |
Zwei |
シエル
ラーベさん。ツヴァイさんの言動の説明を求めても 良いでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
彼女の過去になにかとてつもないことがあったんだろう。 他人の人生はあまり掘り下げるもんじゃないよ。 |
Raabe |
ノエル
数々の侮辱、もう許せません…… 正々堂々、料理で決着をつけましょう! |
Noel |
ツヴァイ
おもしろい、望むところだ。 |
Zwei |
???
んじゃ、オレサマも参加しまーす! |
??? |
ツヴァイ
ほう? お前もか。 |
Zwei |
リッパー
当たり前よ。 |
Ripper |
リッパー
愛しのレイちゃんのために オレサマも頑張っちゃおうってワケ。 |
Ripper |
ココノエ
……ん? |
Kokonoe |
ツヴァイ
そうか……ふっふっふ。これは面白くなってきた。 ライバルが多いほど愛は燃え上がるものだ! |
Zwei |
ツヴァイ
ならば用意してきたこのカレーではまだ足りない…… より最高のカレーを、食材から調達してこよう!! |
Zwei |
ツヴァイ
レイ、待っていたまえ! 私が最高のカレーを用意してやるからな! |
Zwei |
ノエル
レイさん! 私も材料を集めてきます! ここで待っていてくださいね! |
Noel |
ノエル
それまで、さっき作ってきたこの料理を食べててください! |
Noel |
ココノエ
…………あれ? |
Kokonoe |
ラーベ
なんだ、どうした? なにが『あれ?』なんだ? |
Raabe |
ココノエ
いや、なに……大したことではない。 |
Kokonoe |
ココノエ
レイがかけている『モテメガネピンク』は、 女にしか効果がないはずなんだが……。 |
Kokonoe |
ココノエ
まあ、もうしばらく様子を見てみるか。 |
Kokonoe |
ラーベ
どこが大したことないんだ!? それ、完全な想定外ってやつじゃないのか!? |
Raabe |
ココノエ
もしかしてレイの力が関係しているのか…… だとしたら……。 |
Kokonoe |
ラーベ
おい、おーい! 自分の世界に入るな! |
Raabe |
ココノエ
よし、やはりちょっと検証してくる。後は任せた。 |
Kokonoe |
ラーベ
は!? おい、こら……! |
Raabe |
リッパー
んじゃー、オレサマも始めますかねー。 |
Ripper |
リッパー
……ってことで殺り合おうぜ! |
Ripper |
シエル
……っ!! |
Ciel |
ラーベ
いきなりなにをするんだバカ者! 料理中に、人に包丁を向けるんじゃない! |
Raabe |
リッパー
だ〜か~ら~! お料理しようとしてんだろうが! |
Ripper |
シエル
……それはつまり。 |
Ciel |
リッパー
そうだよ、レイちゃんが最高の材料ってワケ。 このオレサマの愛、受け止めてくれるよな~? |
Ripper |
1: 愛が重すぎる……!! いたた、急にお腹が…… | |
リッパー
おいおい、オレサマの気持ちに応えてくれないわけ? それとも焦らしプレイってか? |
Ripper |
ラーベ
やれやれ、この戦いは避けられないみたいだな……。 |
Raabe |
ラーベ
レイ、突破口を開け! そのメガネをどうするかは、それから考えるぞ! |
Raabe |
リッパー
おいおい、ナイショ話かぁ~? この想いが無視されてるみたいで悲しいぜ……。 |
Ripper |
リッパー
こうなったら全員まとめて切り刻んで…… オレサマの愛の深さを思い知らせてやらぁ! |
Ripper |
ーーー/
Summary | |
---|---|
リッパーを退けた一行。メガネにエラーが
発生し、男性にも影響が出たようだ。だが ラブ魔力を集め切るまで実験は終わらない。 |
リッパー
く……くっくっくっくくくくく! ヤベェ……タマんねぇぜ、レイ……。 |
Ripper |
リッパー
すっかり、テメェの愛に痺れちまった。 オレはもう……これ以上戦えねぇ。 |
Ripper |
リッパー
完全に、負けたぜ。テメェにな……。 |
Ripper |
リッパー
テメェになら…… 俺の中の溢れんばかりの愛を根こそぎ捧げたっていい! |
Ripper |
シエル
……不思議な力の流動を感じます。 これは……? |
Ciel |
ココノエ
お、いいぞ。ラブ魔力が集まっているじゃないか。 多少の手違いはあったが、どうやら順調なようだな。 |
Kokonoe |
ラーベ
お前! 急に通信を切ったりするんじゃない! なにが順調だ、女にしか効果がないって話はどこ行った!? |
Raabe |
ココノエ
だから言っただろう、多少の手違いだと。 |
Kokonoe |
ココノエ
詳しいことはわからんが、レイの 観測力によって多少想定を外れていることは事実だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
こちらが想定していた『男』『女』の定義よりも、 その者『個人』を強く認識しすぎているんだろうな。 |
Kokonoe |
ココノエ
その認識が、メガネのシステムを凌駕してしまった結果、 エラーが発生した。そんな感じ……ぽい。 |
Kokonoe |
ラーベ
ぽいってなんだ、しっかり調べろ天才なんだろ。 |
Raabe |
ココノエ
天才にも不可能はある。 まあ、いいじゃないか。順調にラブ魔力は集まっている。 |
Kokonoe |
ココノエ
どの道、魔力を集めなければ実験は終わらない。 次のステージへ行くぞ。舌を噛むなよ。 |
Kokonoe |
第3節 小さな闖入者/
Summary | |
---|---|
公園エリアではサヤ、ノエル、タオカカから
愛を示される。彼女たちからの愛で手一杯 の中、真の愛を確かめようとEsが現れる。 |
シエル
転移完了。 今度は明るい場所ですね。公園のようです。 |
Ciel |
ココノエ
愛を語らうと言えば、やはり公園だからな。 |
Kokonoe |
ラーベ
そういう選出基準なら、さっきの学校はなんだったんだ? |
Raabe |
ココノエ
わからんのか。愛を育む場所と言えば学校。 青春の代名詞だろうが。 |
Kokonoe |
ラーベ
否定しないけども。 私がお前だったら同じように選んだと思うけども! |
Raabe |
ラーベ
だからこそなんか癪だなぁ! |
Raabe |
ココノエ
つべこべ言っている暇はないぞ。 この辺りにも愛の魔力に引き寄せられた者が……。 |
Kokonoe |
???
やっと見つけましたよ。レイさん。 |
??? |
ココノエ
……これまた面倒なやつが寄ってきたな。 |
Kokonoe |
サヤ
面倒、とは心外ですね。 |
Saya |
サヤ
レイさんを危険な実験に付き合わせる あなたのほうが余程ではありませんか。 |
Saya |
ノエル
はあ、はぁ……追いつきました……。 |
Noel |
ノエル
もう! 私を置いてどこに行くつもりなんですか! |
Noel |
1: 走って追いついてきたの!? な、なんでここに!? | |
ノエル
この料理を食べてもらうまで、絶対に諦めません! |
Noel |
ノエル
ちゃんとデザートまで用意していたのに…… いなくなっちゃうなんて、ひどいです。 |
Noel |
ノエル
さあ、レイさん……どうぞ! 絶対に美味しいので食べてください! |
Noel |
ラーベ
りょう……り? これが? |
Raabe |
ラーベ
紫と緑が混ざった、なんともいえない色をしてるこれが? |
Raabe |
シエル
すっぱそうな匂いと、甘そうな匂いと、辛そうな匂いもします。 |
Ciel |
シエル
これは……レイさん、危険です! 私の後ろへ! |
Ciel |
サヤ
そのようなものを食べさせようとするなど……ああ、恐ろしや。 レイさんを殺すお心算ですか? |
Saya |
ノエル
なに言ってるんですか! 私の料理はそんな物騒じゃありません! |
Noel |
ノエル
帯刀しているあなたのほうが危険ですよ! |
Noel |
サヤ
あなたも銃火器を持ち歩いているようですが? |
Saya |
ノエル
私は軍人なのでいいんです! 一般人であるあなたが刀を持っているほうが問題です! |
Noel |
ノエル
その刀は、没収させてもらいますよ! |
Noel |
サヤ
では、私から武器を取り上げ自分だけ有利な状況にする……と。 なんと卑怯な……その性根、気に入りません。 |
Saya |
サヤ
斬り伏せます。 |
Saya |
タオカカ
待つニャス、待つニャス、待つニャース!! |
Taokaka |
タオカカ
その食い物、タオに寄越すニャース!! |
Taokaka |
タオカカ
あむっ! |
Taokaka |
ノエル
あっ!? |
Noel |
タオカカ
ゴハーーーーーーーーーーっ!!!???? Taokaka |
|
ラーベ
おい、大丈夫か!? |
Raabe |
ラーベ
こりゃまずい! 蘇生だ、蘇生! |
Raabe |
シエル
了解。緊急措置を開始します。 |
Ciel |
タオカカ
ハッ!? ここは……!? |
Taokaka |
タオカカ
タオはいったい、なにをしてたニャスか……? |
Taokaka |
ラーベ
すべての記憶を失っている……なんという恐ろしい料理だ。 |
Raabe |
ノエル
そんなぁ……ハチミツを入れすぎたのが駄目だったの……? |
Noel |
ラーベ
うん、そういう問題ではないと思うぞ? たぶん。 |
Raabe |
タオカカ
あっ……そうニャス! 寝てる場合じゃなかったニャス! |
Taokaka |
タオカカ
優しい人~肉まんニャス~♪ 両サイドから一緒に食べるニャス! |
Taokaka |
ノエル
な!? |
Noel |
サヤ
なんということを……! レイさんから離れなさい! |
Saya |
タオカカ
羨ましいニャスか? |
Taokaka |
サヤ
戯言を……。 |
Saya |
タオカカ
ところで、優しい人、なんだか元気がなさそうニャスね。 |
Taokaka |
タオカカ
これを飲むといいニャス! |
Taokaka |
ラーベ
一応聞くが、それはなんだ? なにか中で蒸発してそうだが……。 |
Raabe |
タオカカ
滋養強壮剤っぽいなにかニャス! これを飲めば~色々元気になるニャスよ~! |
Taokaka |
1: い、いりません! | |
タオカカ
タオたちの間に遠慮はいらないニャス。 ささ、ぐぐっと飲むニャス~。 |
Taokaka |
タオカカ
ニャ!? ビンが爆発したニャス! 邪魔をするのは誰ニャス!? |
Taokaka |
サヤ
レイさんに得体の知れないものを 飲ませないでください。 |
Saya |
タオカカ
うるさいニャスね〜。これだからない人は〜。 |
Taokaka |
サヤ
な……? くっ、人の身体的特徴を馬鹿にするとは……。 許せません! |
Saya |
ノエル
許せないのは私もです! せっかく、愛情をたっぷり込めて作ってきたのに……。 |
Noel |
ノエル
私の手料理の仇……取らせてもらいます! |
Noel |
タオカカ
ありゃ? ない人がふたり? ない人とない人……。 どっちがどっちかわからなくなってきたニャス……。 |
Taokaka |
サヤ
黙りなさい泥棒猫。あなたの存在は レイさんにとって害悪です。斬ります。 |
Saya |
サヤ
最悪レイさんごとでも……! |
Saya |
ラーベ
おいおい、まずくないかこれ? 全員ヒートアップしすぎて、 レイにも被害が及ぶぞ。 |
Raabe |
ラーベ
おい、シエル! そのデザートらしき物体だ! |
Raabe |
ラーベ
果物かスパイスかなにかを色々ゴチャっとさせたような それを使え! |
Raabe |
シエル
使う……はっ! わかりました! |
Ciel |
シエル
皆さん、これを食べて下さい! |
Ciel |
タオカカ
ニャ? |
Taokaka |
サヤ
む? |
Saya |
ノエル
えっ? |
Noel |
タオカカ
ぶぬわああああーーーーーっ!!? |
Taokaka |
サヤ
かっ……は……不覚…………。 |
Saya |
ノエル
いったい、なにが……カク |
Noel |
シエル
口の中に放り込んだだけでこの破壊力…… これはいったいなんだったのでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
わからん。だがこれでひとまず窮地は脱したはずだ。 |
Raabe |
ラーベ
おい、ネコマタ妖怪。今のうちに転移を……。 |
Raabe |
ラーベ
これは……スモークか! |
Raabe |
シエル
レイさん!! |
Ciel |
???
目標を補足。ようやく見つけました。 |
??? |
ラーベ
エス……お前もか! |
Raabe |
ラーベ
くそっ! シエル、さっきのデザート的な爆弾をもう一度だ! |
Raabe |
シエル
すみません、先ほど使ったので全部です。 |
Ciel |
Es
レイ。私と共に死にましょう。 |
Es |
ラーベ
わー、いきなりアクセル全開だな。 |
Raabe |
Es
レイは私と一緒に死ぬ運命にあります。 |
Es |
Es
溺愛対象の回避を確認。 愛しています、レイ。 |
Es |
Es
真の『愛』とは、命尽きるときまで 愛せるかどうかだと聞いています。 |
Es |
Es
つまり、私はレイを殺したあとも 愛せるか確認しなければなりません。 |
Es |
ラーベ
やれやれ。こりゃ話が通じる様子じゃないぞ……。 |
Raabe |
ラーベ
仕方ない、強行突破だ。 がんばれレイ! |
Raabe |
Es
私の『愛』の前には、抵抗など無駄です。 |
Es |
ーーー/
Summary | |
---|---|
すべての想いを受け止めることでEsは満足
し、剣を収めた。ラブ魔力集めは順調だ。 ココノエは次のステージへ転移させる。 |
Es
……不思議です。 |
Es |
Es
私の刃は、私の想いそのものでした。 そのすべてを受け取ってもらえて……。 |
Es |
Es
こんなに嬉しいことはありません。 私は今、とても満たされた気持ちです。 |
Es |
ココノエ
どうやらまた、ラブ魔力が集まったようだな。 成果は順調じゃないか。 |
Kokonoe |
ココノエ
この調子でいけば、そのメガネを外せる日も遠くない。 ……はずだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
さあ、どんどん新しいステージへ向かおうじゃないか。 |
Kokonoe |
ラーベ
うん、絶対楽しんでるだろ、お前。 |
Raabe |
第4節 愛のイレギュラー/
Summary | |
---|---|
一行を追ってノエルが、そして新たにジンと
メイファンが現れる。愛情表現は苛烈さを 増し、ついには愛の争奪戦が始まる。 |
シエル
検索……検索、照合。 |
Ciel |
シエル
かなりの広さのある森林地帯のようです。 これまでのような、都市内のステージではないようですね。 |
Ciel |
ココノエ
愛を発展させるために、重要なものがある。 それがなにかわかるか? |
Kokonoe |
シエル
いいえ、わかりません。なんですか? |
Ciel |
ココノエ
刺激だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
日常から離れた、少し危険なものが望ましい。 |
Kokonoe |
ココノエ
そこから発生する緊張が、恋愛における興奮だと脳は誤解する。 そしてより強く愛情を感じられるとかなんとか。 |
Kokonoe |
シエル
なんとか。 |
Ciel |
ラーベ
今までも十分危険な刺激満載だったと思うがな。 |
Raabe |
ココノエ
案ずるな。このエリアにはもっと強い刺激を用意した。 十分に、脳を誤作動させてくるがいい。 |
Kokonoe |
ラーベ
なんつー言い方だ。人のこと言えないかもだけど。 |
Raabe |
ラーベ
ところでココノエ。メガネの不具合については、 きちんと調査を続けてくれるんだろうな? |
Raabe |
ラーベ
ラブ魔力を集めるのはいいが、それが集まり切ったところで 『モテメガネ』の効力が切れない…… |
Raabe |
ラーベ
なんてことになったら、さすがに困るぞ。 |
Raabe |
ココノエ
解除方法についてはエラーの対象外だと予想される。 大丈夫だろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
とはいえ、開発者としてエラーの修正ができないなどと 匙を投げるつもりはない。 |
Kokonoe |
ココノエ
これからの調整のためにも、 状況の調査及びデータの分析はきっちりやっておく。 |
Kokonoe |
ラーベ
なら、そっちは任せるとして……だ。 |
Raabe |
ラーベ
もっと強い刺激って言ってたよなぁ。 |
Raabe |
???
フフフ……ついに見つけたぞ。 |
??? |
1: ……だれ? えーと、どこかでお会いしましたか? | |
メイファン
お初にお目にかかる。 我が名はメイファン=ラピスラズリ。 |
Meifang |
メイファン
統制機構の第零師団長にして……。 |
Meifang |
メイファン
貴様の愛を奪い取る者だ! |
Meifang |
シエル
統制機構……ツバキさんやノエルさんたちが 所属している組織ですね。 |
Ciel |
ラーベ
そこの師団長ってことは結構偉い奴なんだろうけど さすがに会ったこともない奴が出てくるのは想定外だぞ。 |
Raabe |
ラーベ
おい、どういうことだ! |
Raabe |
ラーベ
レイの観測力がメガネに作用しているなら 知らない奴が出てくるのはおかしくないか!? |
Raabe |
ココノエ
これは……成程、そういうことか。 愛は時空すらも越える。 |
Kokonoe |
ラーベ
成程じゃない! そんな都合のいい話があるか! おい!? |
Raabe |
ラーベ
想定外のことがあるとすぐ消えるのはやめろ! |
Raabe |
メイファン
レイ……貴様は私と共に来てもらうぞ。 |
Meifang |
メイファン
さあ……。 |
Meifang |
メイファン
私に、愛と痛みを与えてくれ!!
|
Meifang |
ラーベ
……ん? |
Raabe |
ラーベ
今さらっと変なこと言った? |
Raabe |
メイファン
おかしなことなど、なにもない。 私は貴様を愛している。 |
Meifang |
メイファン
だから私に愛と! |
Meifang |
ラーベ
愛と? |
Raabe |
メイファン
痛みをくれ!
|
Meifang |
ラーベ
うん、そこだ、そこ。 愛はまだ分かるとして、痛みってなんだ? |
Raabe |
メイファン
私にとっては愛も痛みも同じものだ! |
Meifang |
メイファン
はあぁ……昂ぶりを感じるぞ……! |
Meifang |
メイファン
愛する者から虐げられ、罵られ、 再起不能にされてこそ私は輝く! |
Meifang |
ラーベ
まずいな……何を言っているのかわからん。 これは話の通じる相手じゃなさそうだ。 |
Raabe |
ラーベ
いや。話の通じる相手なんか、これまで ひとりもいなかったけれども。 |
Raabe |
メイファン
さあ、レイ! この私と、存分に愛を語り合おうぞ! |
Meifang |
???
待ってください!! |
??? |
1: ひぃっ、また出た!? | |
ノエル
レイさんはずっと前から私のものなんです! 勝手なことは許しませんよ! |
Noel |
ノエル
レイさん、私が来たからにはもう安心ですよ! さっきは突然何かが起きて不覚を取りましたけど! |
Noel |
ノエル
今度はそう簡単に負けませんから! |
Noel |
シエル
大変です、ラーベさん。 ノエルさんに軽い記憶障害が! |
Ciel |
ラーベ
それだけあのデザートらしき何かが ものすごかったってことだろう。 |
Raabe |
ラーベ
作った本人の記憶をかき消す程に。 |
Raabe |
ノエル
えっと……なんの話ですか? |
Noel |
ラーベ
知らないほうが幸せなこともある。 ノエルには黙っておこう。 |
Raabe |
メイファン
フフフッ、余計な邪魔が入ったが……面白い。 障害が多ければ多いほど、愛は燃え上がるというもの。 |
Meifang |
メイファン
そこの女を抹殺し、レイを永遠に 私のものにしてやろう! |
Meifang |
メイファン
なにっ……!? |
Meifang |
メイファン
貴様は……ジン=キサラギ!? |
Meifang |
メイファン
これは驚いたぞ…… イカルガの英雄殿がこんな場所になんの用だ? |
Meifang |
ジン
……戯言だな。 |
Jin |
メイファン
なに? |
Meifang |
ジン
衛士最高司令官より下命を受けた。 |
Jin |
ジン
第零師団長メイファン=ラピスラズリ。 貴様をレイ不法占有の罪で捕縛する。 |
Jin |
ジン
僕のレイに気安く近寄った罪、償ってもらうぞ。 |
Jin |
ラーベ
これもイレギュラーということか……。 |
Raabe |
ジン
レイ、少しだけ待っていろ。 薄汚い女どもから、僕が護ってやる。 |
Jin |
メイファン
貴様ッ……! |
Meifang |
ジン
こいつらを片づけた後は…… レイ、僕の想いを受け取ってくれるな? |
Jin |
ラーベ
お前のレイに対する思いって……。 |
Raabe |
ジン
決まっているだろう。愛だ。 |
Jin |
ラーベ
ですよね。いよいよ収集がつかなくなってきたぞ。 おい、ラブ魔力はまだ貯まらないのか? |
Raabe |
ココノエ
あー、そうだな。 あと少し。っぽい。 |
Kokonoe |
ラーベ
くそっ……本当にあと少しなんだろうな……? |
Raabe |
ノエル
キサラギ少佐も、レイさん争奪戦に 参加するつもりなんですか? |
Noel |
ノエル
レイさんを強引に奪うつもりなら、 いくらキサラギ少佐でも、容赦しません! |
Noel |
ジン
ほう? ノエル=ヴァーミリオン。貴様ごときが レイへの愛でこの僕に勝てるとでも? |
Jin |
ノエル
そ、そうです! だいたいキサラギ少佐、 まだ登場したばかりじゃないですか。 |
Noel |
ノエル
そんな少佐にレイさんのなにが わかるっていうんですか! |
Noel |
ジン
たしかに、貴様の言う通り。僕はまだ登場してすぐだ。 |
Jin |
ジン
レイへの想いを語る時間は、 貴様らに比べれば薄いだろう。 |
Jin |
ジン
だが!! |
Jin |
ジン
僕にはそんな登場時間すら凌駕する、 レイへの想いを形にした……そう、証がある! |
Jin |
ノエル
証……ですか? |
Noel |
ジン
これを見ろ……あらゆる角度から撮影した、 レイの隠し撮り写真だ!! |
Jin |
シエル
これは……フガクの廊下であくびをしていらっしゃる写真ですね。 よく撮れています。 |
Ciel |
ジン
極秘裏に入手した一品だ。 これを使って、特製のレイ抱き枕を作製する。 |
Jin |
ジン
そしてそれを使って眠るのだ…… 頬ずりするもよし、潰れる程に抱きしめるもよし! |
Jin |
1: 潰されるのはちょっと…… 優しくしてください | |
ジン
そうだ! レイ、 貴様には僕の抱き枕をプレゼントしよう! |
Jin |
ジン
そうすれば僕らはどこにいても、どれだけ離れていても、 互いを感じながら過ごすことができる! |
Jin |
ノエル
なっ……少佐、それはやりすぎです! |
Noel |
ジン
それだけじゃないぞ? |
Jin |
ジン
こっちはレイの声を 録音して作った目覚ましだ! |
Jin |
メイファン
おのれ……欲しいっ! |
Meifang |
ノエル
悔しいけど、私も欲しいです……! |
Noel |
ラーベ
え、なにこの流れ……普通にやばくない? |
Raabe |
ラーベ
じゃあなにか。レイが入浴した後の お湯とか汲んできたら、高く売れたりするのか? |
Raabe |
ジン
レイの 入浴水ぃぃぃぃ――――!! |
Jin |
メイファン
ぐはあああぁぁっ……!! |
Meifang |
ノエル
そんなの……ずるいっ!! |
Noel |
ラーベ
おーおーおー。このファントムフィールドだと、 レイを使えばボロ儲けできそうだな。 |
Raabe |
シエル
ラーベさん。 それはモラルに反する非道徳的な思考のように思えるのですが。 |
Ciel |
ラーベ
マジレスするなよー。わかってますって、やりませんって。 冗談だよ、冗談。 |
Raabe |
シエル
冗談でしたか、失礼しました。 |
Ciel |
ジン
……レイを手に入れるには、どうあっても 貴様たち全員を倒すしかなさそうだな。 |
Jin |
ジン
……レイ汁を手に入れるためにも。 |
Jin |
ラーベ
いや、ごめん。汁は冗談だぞ? |
Raabe |
ジン
……なん、だと? |
Jin |
シエル
戦闘能力が上昇しています。あの剣は……! |
Ciel |
メイファン
ユキアネサを解き放つか、面白い。 ならば見せてもらおう、貴様の『本気』の愛を! |
Meifang |
シエル
本気の……愛。 |
Ciel |
ラーベ
なに真に受けてる! 状況が暴走してるだけだ! レイの護衛に入れ、マジで来るぞ! |
Raabe |
シエル
了解。対象の護衛を開始します! レイさん、戦闘準備を行ってください。 |
Ciel |
ーーー/
Summary | |
---|---|
激しすぎる愛により、尋常でない量のラブ
魔力が集まる。だが実験終了には足りない。 舞台はボーナスステージへと移された。 |
ジン
くっ……やるな、レイ。 僕の氷を溶かすほどの貴様の愛に……火傷しそうだ……。 |
Jin |
ジン
だが……まだ、まだだよ、レイ! もっともっと、僕と殺し合おう! |
Jin |
ジン
いいや! 殺し愛をしよう!! |
Jin |
ジン
ぐ、はっ……貴様ら……がくっ。 |
Jin |
ノエル
はぁ、はぁ……危ないところでした。 |
Noel |
ノエル
キサラギ少佐にこれ以上暴走されたら 辺り一帯、氷漬けでは済まないレベルでした……。 |
Noel |
メイファン
ああ、その通りだ。 |
Meifang |
メイファン
そうなっては、ゲレンデの恋が始まってしまう。 |
Meifang |
メイファン
雪景色の中では、 思い人は普段の数倍にも愛らしく見えると聞く。 |
Meifang |
メイファン
これ以上レイを愛しく思えてしまっては…… 私自身、自分がどうなってしまうかわからないのでな。 |
Meifang |
メイファン
止めさせてもらった。 |
Meifang |
シエル
情報を処理しきれませんでしたが、ありがとうございます。 おかげで氷漬けにならなくてすみました。 |
Ciel |
ココノエ
おお、いい感じに集まってるな、ラブ魔力。 |
Kokonoe |
ココノエ
ここのステージからは、ちょっと尋常じゃないレベルの 魔力を回収できたようだ。 |
Kokonoe |
シエル
やはりそうでしたか。あの3人……特にジンさんからは かなりのレベルの高さを感じました。 |
Ciel |
シエル
これが……強いラブ魔力……強い愛……。 |
Ciel |
ラーベ
変な知識仕入れるんじゃないぞ、シエル。 |
Raabe |
ラーベ
尋常じゃないほど回収できたんなら、 そろそろ外れてもいいんじゃないか、メガネ! |
Raabe |
ココノエ
いやさすがに溜まったと思ったんだが…… もうちょっと足りないみたいだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
仕方ない、ボーナスステージだ。 次のステージ、転送開始! |
Kokonoe |
第5節 究極の愛情表現/
Summary | |
---|---|
メガネに惹かれた者たちが一堂に集まり、
熱烈な愛が飛び交う。実験のため、愛の ため、戦闘こそ愛だとシエルが立ち上がる! |
ラーベ
ここがボーナスステージか? |
Raabe |
ラーベ
なにが起こる予定なのか知らんが、 この流れだと平和な時間とは無縁だろうな……。 |
Raabe |
ラーベ
シエル、レイ。 身に染みてわかってると思うが、気を抜くなよ。 |
Raabe |
シエル
はい。 |
Ciel |
シエル
ですがレイさんが装着している 『モテメガネ』を外すには、十分なラブ魔力が必要です。 |
Ciel |
シエル
そのためにも、どなたかとの交流は不可欠になります。 |
Ciel |
ラーベ
そうなんだよな。こんなお騒がせアイテム、 さっさと外してしまいたいが、そうもいかない。 |
Raabe |
ラーベ
まったく、面白い……じゃない、 厄介なものを作ってくれるよ……。 |
Raabe |
カズマ
レイくん! こんな場所で奇遇ですね! |
Kazuma |
カズマ
レイさん! こんな場所で奇遇ですね! |
Kazuma |
ラーベ
おお? カズマか。 お前の方こそどうしてここに……いや、待て。 |
Raabe |
カズマ
……これはもう、運命ですね! やはり僕たちは運命の糸でつながっているんです! |
Kazuma |
ラーベ
あー。やっぱりお前もそういうアレか。 |
Raabe |
???
果たしてそれはどうかな! 巡り合うことが運命ならば、それは私にも言えること! |
??? |
ツヴァイ
また会えたな、レイ。 私はいま再び、この愛を伝えるために戻って来た! |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、これを受け取ってくれ! 愛情たっぷりことこと煮込んだ、 名付けて『君のためのカリィ』! |
Zwei |
シエル
このスパイシーな香りは……検索、分析…… 日本のご家庭などでよく見られる、欧風カレーのようです。 |
Ciel |
ツヴァイ
その通り! 家庭的な味こそが、スタンダード・ラブ! |
Zwei |
ツヴァイ
ごろごろ野菜と一緒に、レイのことを考え、 想い、愛を込めて作ったんだ……。 |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、食べてくれ。おかわりもあるぞ、寸胴一杯にな! |
Zwei |
ツヴァイ
くそっ、また君か! しつこいぞ! |
Zwei |
ノエル
ぬけがけは許しませんよ、ツヴァイさん! |
Noel |
ノエル
私だって、レイさんのために心を込めて、 もう一度手料理を作ってきたんです! |
Noel |
ノエル
名付けて『愛情たっぷりとろとろオムライス』です! 是非食べてください、レイさん。 |
Noel |
ノエル
今度は絶対に失敗しませんっ! |
Noel |
カズマ
そ、それがオムライス……? 得体の知れないクリーチャーにしか見えないんですが……。 |
Kazuma |
ノエル
むっ。そんなことありませんよ。 色合いは悪いですけど、どこからどう見てもオムライスです! |
Noel |
ツヴァイ
全体的に黒いし、赤とか青とかの……なんだ、その。 ニョロニョロしたものが飛び出しているぞ。それなんだ? |
Zwei |
ツヴァイ
前衛芸術か? |
Zwei |
ノエル
あ、これは……これは、なんでしょうね。 でも大丈夫、美味しいですよ! |
Noel |
カズマ
美味しいか美味しくないとか以前の話ですよ! ちょっと震えてるし! |
Kazuma |
ノエル
これは…… はっ!? |
Noel |
サヤ
……仕留め損ないましたか…… また世にも恐ろしい物体を……。 |
Saya |
サヤ
あなたは危険すぎます。 この手で排除させていただきます。 |
Saya |
ノエル
な、なにをするんですか、危ないじゃないですか! オムライスを落としちゃったらどうするんです!? |
Noel |
ツヴァイ
そうだ! 食べ物は大切にしろ! |
Zwei |
ツヴァイ
……ん? 君、今さっき私のカリィを撃ち落とそうとしなかったか? |
Zwei |
ノエル
気のせいですよ! |
Noel |
サヤ
ふふ……ですが二度目はありますまい。 ご安心くださいませね、レイさん。 |
Saya |
サヤ
あのような明らかに危険な謎の物体と…… 万が一愛情を感じてしまうやもしれぬカレー。 |
Saya |
サヤ
どちらもこの私が始末しておきます。 そうしましたら……ゆっくりと、私と時間を過ごしましょう。 |
Saya |
冥
待て待て待て! 聞き捨てならんな! レイとの時間を手にいれるのは私だ! |
Mei |
冥
なぜならそいつは、すでに私のものなのだからな! |
Mei |
シオリ
妄想するのもいいかげんにしてください。 レイ様は私を愛しているんです! |
Shiori |
シオリ
そうでなくても問題ありません。 すぐにそう思えるようにしてさしあげますから! |
Shiori |
サヤ
貴様……レイさんになにをする気ですか……。 |
Saya |
シオリ
キリヒト印の超強力惚れ薬ですよ。 シオリにメロメロになる薬です。 |
Shiori |
冥
なんて恐ろしいやつ…… 強引にレイの気持ちを捻じ曲げるつもりか! |
Mei |
ナオト
お前人のこととやかく言ってるけど、 その手に隠した符はなんだ? |
Naoto |
冥
フッ……貼るだけで私のことしか見えなくなる 特製の符だ! |
Mei |
ナオト
お前もたいして変わらねぇだろうが! |
Naoto |
ナオト
ホレ薬だろうが妙な符だろうが、 ついでにカレーもオムライス(?)も…… |
Naoto |
ナオト
レイをどうにかしようとする小細工は、 俺が許さねぇ! |
Naoto |
ナオト
安心しろ、レイ。俺が守ってやる。 愛してるぜ! |
Naoto |
ジン
退け! 障害がぁぁぁぁっ! |
Jin |
ジン
おまたせレイ! さあ愛し合おう! |
Jin |
ノエル
キサラギ少佐! そうはさせません……。 たとえ相手があなたでも、私、負けません! |
Noel |
ジン
ほざけ。貴様に用はない。 僕の目に映っていいのはレイだけだ! |
Jin |
ノエル
くっ……すごい気迫……でも、私だって譲れません! |
Noel |
ツヴァイ
抜け駆けはさせないぞ。 私とて、レイを愛しているのだから! |
Zwei |
男
そうだそうだ! 抜け駆けさせるな! |
Man |
軍人
レイをこちらに渡してもらおうか! |
Soldier |
女
きゃー! レイさーん! 好きーーー!!! |
Woman |
ナオト
誰だあいつら!? |
Naoto |
ツヴァイ
無論、モブの皆さんだ! 名もなき者にも愛される。さすがだ、レイ……。 |
Zwei |
Es
成敗。 |
Es |
男
ぎゃぁぁぁぁ! |
Man |
冥
問答無用だと!? そしてエス……お前もか。 |
Mei |
Es
はい。レイさんをお迎えにあがりました。 |
Es |
Es
レイさんをお連れして、 ふたりでラブラブプリンパーティを行います。 |
Es |
Es
邪魔をしないでください……冥。 |
Es |
ラーベ
なんだこの目茶苦茶な状況は! 目がヤバイやつらが多すぎる。一旦退くぞ! |
Raabe |
シエル
いいえ……待ってください。 |
Ciel |
ラーベ
シエル? |
Raabe |
シエル
これだけの人が、レイさんを愛し、 ここに集まっています。 |
Ciel |
シエル
これはラブ魔力を一度に大量回収する 絶好の機会なのではないでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
……確かに。 |
Raabe |
ラーベ
でもいいのか? それはレイを囮にするってことだぞ。 |
Raabe |
ラーベ
お前的にアリなのか? |
Raabe |
シエル
もちろん、レイさんを 危険に晒すわけにはいきません。ですから……。 |
Ciel |
シエル
私が率先して、レイさんに愛を示します。 |
Ciel |
ラーベ
は? |
Raabe |
シエル
これまで多くの方々の『愛情表現』を観察してきました。 その結果、どんな行動が『愛情』なのか、およそ理解しました。 |
Ciel |
シエル
戦闘です! |
Ciel |
ラーベ
いや、シエル? |
Raabe |
シエル
任せてください。 決して、レイさん自身に危害は加えません。 |
Ciel |
シエル
これは戦闘の形をした愛情表現です。 戦闘行動を通して、私のラブを受け取ってください。 |
Ciel |
シエル
そうしながら、この場のすさまじいラブ魔力をも回収すれば、 きっとメガネの解除に必要なラブを集められるはずです。 |
Ciel |
シエル
いいえ、きっと回収させてみせます。 なぜなら……。 |
Ciel |
シエル
私もレイさんを愛していますので!! |
Ciel |
ココノエ
……ついにシエルにも 『モテメガネVer.イリュージョン』の影響が出始めたか。 |
Kokonoe |
ラーベ
なんて威力だ……。 シエルにまで愛情を錯覚させるか。 |
Raabe |
ラーベ
……いや、待てよ。ちょっと待て。 |
Raabe |
ラーベ
ここがココノエのファントムフィールドなら…… なぜメガネが予想外の影響を与えるんだ? |
Raabe |
ラーベ
……もしかして。 |
Raabe |
シエル
対象を補足。戦闘態勢に移行……。 訂正。愛情体勢に移行! |
Ciel |
シエル
対象へのラブを開始します! 受け取ってください、レイさん! |
Ciel |
第6節 エピローグ/
Summary | |
---|---|
騒動の真相が判明。モテメガネが観測者
だと見抜いた一行は窯を破壊し、なんとか 狂騒の世界を脱出するのだった。 |
シエル
……はっ。 |
Ciel |
シエル
レイさん、ラーベさん? 私はいったいなにを……。 |
Ciel |
ラーベ
説明はあとだ。 ていうか、きっと知らないほうがいい。 |
Raabe |
ラーベ
だが……なるほどね、なんとなくわかってきたぞ。 |
Raabe |
ラーベ
おい、ココノエ。このネコ娘め、やってくれたな。 |
Raabe |
ココノエ
……なんの話だ? |
Kokonoe |
ラーベ
しらばっくれても無駄だ。 ようやくわかったぞ、モテメガネの謎が。 |
Raabe |
ラーベ
どうりで力が大きすぎると思ったんだよ。 レイの観測を利用しているとしてもだ。 |
Raabe |
ラーベ
このメガネは、だれかれ構わず周囲を巻き込みすぎる。 まるで、このフィールドに存在を引き寄せているようにね。 |
Raabe |
ラーベ
だけど本来、ありえないんだよ。 蒼の魔道書を持つシエルまで影響を及ぼす魔道具なんてものは。 |
Raabe |
1: つまり……どういうことですか? | |
ラーベ
そのメガネ自体が、このフィールドの観測者ということだ。 違うか? |
Raabe |
ココノエ
……フフ、ご名答だ。 |
Kokonoe |
シエル
メガネが……観測者。 |
Ciel |
シエル
……あ。 |
Ciel |
シエル
たった今、窯の反応を感知しました。 |
Ciel |
シエル
ラーベさんの言う通り、このメガネが観測者で 間違いありません。 |
Ciel |
シエル
え? では……実験というのは? |
Ciel |
ココノエ
当然、モテメガネを観測者にすれば どこまで出力が上がるかという実験だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
その点、お前たちは大いに役に立ってくれた。 おかげで素晴らしいデータが取れたぞ。礼を言おう。 |
Kokonoe |
ラーベ
まったく、とんでもない奴だ。 |
Raabe |
ラーベ
自分がこのフィールドに閉じ込められるリスクを負ってまで こんな実験をするとは。 |
Raabe |
ラーベ
人のことを研究対象としか見ていない変態め。 生まれつきのマッドサイエンティストだよ、お前は。 |
Raabe |
シエル
ラーベさんもあまり人のことは言えないと思いますが。 |
Ciel |
ラーベ
だまらっしゃい! |
Raabe |
ラーベ
さあ、これでタネは明かしたんだろ。 このフィールドの窯へ、我々を転移してもらおうか。 |
Raabe |
ココノエ
まあ、そうだな。いいだろう。 |
Kokonoe |
シエル
……では。 |
Ciel |
シエル
第666拘束機関解放。次元干渉虚数方陣展開……。 『蒼の魔道書・写本』、起動! ブレイブルー |
Ciel |
シエル
窯の崩壊を確認しました。 |
Ciel |
シエル
きっとこれでレイさんのモテメガネも 外せるはずです。 |
Ciel |
ラーベ
どうだ、レイ? |
Raabe |
1: 全然はずれないんですけど!? | |
ラーベ
…………あれ? |
Raabe |
ココノエ
まさか……フィールドから解放されたメガネが 自己観測を開始したというのか……!? |
Kokonoe |
ココノエ
馬鹿な、ありえん……! ラブ魔力も十分に蓄積されているはずだ! |
Kokonoe |
ココノエ
これは更なる解析が必要だな。 よし、こうしてはいられん。 |
Kokonoe |
ラーベ
あっ!? あのネコ逃げた!? まさか自分だけ逃げたのか!? |
Raabe |
ラーベ
くそっ、そういう風に終わらせるのは最低だぞ!? |
Raabe |
シエル
ラーベさん、世界の収束に巻き込まれる前に 私たちも脱出しましょう。 |
Ciel |
ラーベ
それはわかってるけど! あーもう、納得いかないなぁ! |
Raabe |
1: ……このメガネは? これ、本当にはずせるんですか? | |
ラーベ
いい! いいほっとけ! 逃げるぞ! この世界は『オチ』るんだ、爆発してな! |
Raabe |
ラーベ
あのネコ、絶対に許さないからな! |
Raabe |
ラーベ
フガク、緊急サルベージ要請! 離脱するぞ! |
Raabe |
シエル
了解しました! |
Ciel |
カガミ
いやー、おつかれさま。一時はどうなるかと思ったけど 無事に戻ってきてなによりだ。 |
Kagami |
1: 死ぬかと思った…… でも楽しかったかも? | |
カガミ
それでもまだマシだったかもしれないぞ? |
Kagami |
カガミ
下手すればメガネの魔力に憑りつかれたまま 一生ラブ魔力を集め続けることになってたかも……。 |
Kagami |
シエル
それは……恐ろしいです。 |
Ciel |
カガミ
そうか、そうか。レイにとっても いい経験になったなら、なによりだ。 |
Kagami |
シエル
でも、レイさんのモテメガネは どうやったら外せるんでしょうか? |
Ciel |
カガミ
うーん、そのメガネ自体が満足したら……かな? たぶん。 |
Kagami |
カガミ
それより今後のことを考えると、ラーベの索敵能力強化に フガクの管理体制の見直しもあるし、いろいろ大変だよ。 |
Kagami |
カガミ
課題が山積みだ。 |
Kagami |
カガミ
ひとまずシエル。君はレイの メディカルチェックをよろしく頼むよ。 |
Kagami |
シエル
了解しました。 |
Ciel |
シエル
もしメガネの影響で具合が悪くなっても 私が看病しますから安心してください。 |
Ciel |
カガミ
ん……? |
Kagami |
シエル
ではレイさん。 お部屋に行きましょう。 |
Ciel |
カガミ
ふむ……まあいいか。 私もしばらく観察させてもらうとしよう。 |
Kagami |
第7節 追加エピソード/
Summary | |
---|---|
気付くと、見慣れた砂浜に立っていた。現れ
たレイチェルとヴァルケンハインはモテメガ ネの秘密を語り、真の愛を胸に襲い来る! |
シエル
……あれ? |
Ciel |
シエル
レイさん。 私たちはフガクにいたはずですが……ここはどこでしょう? |
Ciel |
1: それが、僕にもさっぱり…… ファントムフィールドかな? | |
シエル
レイさんもですか。私もさっぱりわかりません。 ラーベさんは来ていないようですし、なにか変ですね。 |
Ciel |
シエル
そのようですが……ラーベさんがいないのは変です。
|
Ciel |
1: それが、私にもさっぱり…… ファントムフィールドかな? | |
シエル
レイさんもですか。私もさっぱりわかりません。 ラーベさんは来ていないようですし、なにか変ですね。 |
Ciel |
シエル
そのようですが……ラーベさんがいないのは変です。
|
Ciel |
シエル
状況とタイミングから考えて、おそらくココノエさんに 呼ばれたものと同一のフィールドだと思うのですが……。 |
Ciel |
シエル
念のためです。レイさんは 私の後ろに下がって……あれ? あれれ? |
Ciel |
シエル
レイさん、大変です。 |
Ciel |
シエル
頑張って、頑張って、ようやく外れたはずのモテメガネが また装着されています。 |
Ciel |
1: 本当だ!! なんで!? また外れないんですけど!? | |
シエル
これもやはりココノエさんの計画でしょうか? |
Ciel |
シエル
またラブ魔力が必要なのでしょうか……。 |
Ciel |
レイチェル
思っていたよりも遅かったのね。 |
Rachel |
シエル
レイチェルさん。 それにヴァルケンハインさんも! |
Ciel |
シエル
ということは……もしかして今のこの状況、 レイチェルさんが作り出したものなのですか? |
Ciel |
シエル
でも、 いったいなぜこのような場所を用意されたのでしょう。 |
Ciel |
レイチェル
ふふふ。本当に甘いわね、あなたたち。 紅茶に合わせるマドレーヌよりも甘々だわ。 |
Rachel |
レイチェル
モテメガネのルーツは、 アルカード家に伝わる伝説の魔道具よ。 |
Rachel |
レイチェル
そう簡単に外せると、本当に思っていたの? |
Rachel |
レイチェル
確かにラブ魔力を貯め、そしてメガネが満足すれば 一時的にメガネを外すことは可能よ。 |
Rachel |
レイチェル
けれど、それだけでは一時しのぎに過ぎないわ。 |
Rachel |
レイチェル
夜もふけて皆が寝静まったころ。ラブ魔力は次第に薄れる。 そしてメガネは、そっと所有者の顔に戻っていくのよ。 |
Rachel |
1: 怖すぎる!!!!! | |
レイチェル
そして死の淵から蘇ったモテメガネは 二度と外されまいと、更なる力を発揮するの。 |
Rachel |
シエル
更なる力……? |
Ciel |
ヴァルケンハイン
ぅ……くっ……。 |
Valkenhayn |
レイチェル
ええ、そうよ。 |
Rachel |
レイチェル
再び装着されたそのモテメガネには ブルーもピンクも関係ないわ。 |
Rachel |
レイチェル
男女の隔たりを越えて、全ての者を平等に引き寄せる。 それこそが……。 |
Rachel |
レイチェル
手放されたことへの怒りと深い悲しみに目覚めた スーパーモテメガネ・インフィニティよ。 |
Rachel |
シエル
以前にも増して、ものすごくかっこいいのですが レイさんが困っています。 |
Ciel |
シエル
なんとか外す方法はないのでしょうか、レイチェルさん。 |
Ciel |
レイチェル
当たり前だけれど、いい質問ね。 ええ、ひとつだけあるわ。 |
Rachel |
レイチェル
『装着させた者からラブ魔力を奪うこと』。 それが、モテメガネを外すただ一つの方法よ。 |
Rachel |
シエル
装着させた者……それはつまり。 |
Ciel |
ヴァルケンハイン
ぐっ……がっ…… も、申し訳ございませんレイチェル様。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
このヴァルケンハイン、最早我慢の限界。 レイ殿への愛を示すことをお許しください! |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
モテメガネをかけさせた者ゆえに……いいえ、 この気持ち、それだけではございません! |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
我が愛は無限にして不滅。 レイ殿、どうか……! |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
この愛をお受け止め下さいませ! |
Valkenhayn |
レイチェル
スーパーモテメガネ・インフィニティの前には 主の『待て』すら無力なものよ。悲しいけれど……。 |
Rachel |
レイチェル
さあ、レイ。 これが最後の試練よ。 |
Rachel |
レイチェル
真の愛に飢えたヴァルケンハインと そしてこの私を越えてみせなさい。 |
Rachel |
シエル
……戦うしかないようですね。 |
Ciel |
シエル
この先モテメガネが外れなければ ファントムフィールドの調査にも影響します。 |
Ciel |
シエル
レイさん。 ヴァルケンハインさんの真の愛、受け止めましょう! |
Ciel |
1: 拒否権はないんですね | |
ヴァルケンハイン
では参りますぞ、レイ殿! 藍錆の俊狼と呼ばれた技の冴え、ご覧に入れましょう! |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
そして共に永遠の愛を語らいましょうぞ! |
Valkenhayn |
|Mei
|- |冥 なくても、私の思いに応える準備はあるということか。
|Mei |- |冥 だが私も女子だ。愛しい人の思いをより確かなものに したいと願うのもまた自然なこと。 |Mei |- |冥 いざ、天ノ矛坂の自慢の護符、受けてみよ!
|Mei |- |ナオト 避けろ、レイ――!
|Naoto |- |冥 なっ!? 私の護符がっ!?
|Mei |- |サヤ 危ないところでしたね……レイさん。
|Saya |- |サヤ 冥様。そのようなものでレイさんのお心を 縛ろうだなどと……不埒な真似は、見過ごせませぬ。 |Saya |- |シエル サヤさんまで……。
|Ciel |- |シエル はっ、ではサヤさんも『モテメガネブルー』のラブ魔力で、 レイさんを好きになっているのでしょうか。 |Ciel |- |サヤ メガネの魔力? おかしなことをおっしゃいますね。 そのようなもので、私の心が動くことなどありません。 |Saya |- |シエル そうでしたか。では、影響は……。
|Ciel |- |サヤ 私の心は今目覚めたばかり。 けれどもうずっと長く前から焦がれていたかのようです。 |Saya |- |ラーベ ……ん?
|Raabe |- |サヤ そう……メガネの魔力のせいであるはずがありませぬ。 この熱く身を焦がすような思いは……魂の震えは! |Saya |- |シエル レイさん!
|Ciel |- |サヤ あぁ、どうか邪魔をしないでください、シエルさん。
|Saya |- |サヤ 私、レイさんに 焦がれて焦がれてならないのです。 |Saya |- |サヤ 斬り裂き、斬り落とし、斬り開き! 殺してしまいたい、兄様のように! |Saya |- |ナオト 俺がもう死んだみたいな言い方すんじゃねぇよ! あとレイのことは、殺させねぇ。 |Naoto |- |ナオト レイを斬るっていうんなら、まず俺が相手だ!
|Naoto |- |サヤ まあ、よろしいのですか。
|Saya |- |サヤ レイさんだけでなく 兄様にまで刃を向けていいだなんて……! |Saya |- |サヤ ぞくぞくしてまいりました。
|Saya |- |ラーベ ナオトくん。お前の妹、そういうタイプだったんだな。
|Raabe |- |ナオト ああ、こういうタイプなんだ!
|Naoto |- |シエル 書物で読んだことがあります。 ヤンデレというのですよね。 |Ciel |- |冥 なに。萌え属性で負けていられるか。 こちとらクーデレ陰陽師だぞ! |Mei |- |冥 萌えるだろうが、レイ! 萌えないというのなら、その身にわからせてくれる! |Mei |- |サヤ いけません、冥様。 レイさんを仕留めるのは私です。 |Saya |- |ナオト せめて射止めるって言え! とはいえ、俺も譲れねぇ……。 |Naoto |- |ナオト そうだ、レイ。選んでくれ! 俺たちの誰と……サシで向き合うか。 |Naoto |- | 1: ええ、僕が決めるの!? 僕のために争うのはやめて! |- | 1: ええ、私が決めるの!? 私のために争うのはやめて! |- |ナオト すまねえ。だが俺たちも真剣なんだ!
|Naoto |- |ナオト この思いを受け取ってもらわなきゃ、引っ込みがつかねぇ!
|Naoto |- |冥 右に同じだ。 私の思いを叩きつけねば……どうにもおさまりがつかん。 |Mei |- |サヤ お覚悟ください。 私、少々たぎっておりますゆえ! |Saya |}
ーーー/
Summary | |
---|---|
三人の想いを受け止め、争いは収まった。
メガネにエラーが発生しているようだが、 ラブ魔力を集めきるまで実験は終わらない。 |
サヤ
なんとも不思議な心地です。 |
Saya |
サヤ
あなたに向けて振るった刃の全ては、私の思いでありました。 それを受け止めてくださった……そう感じてならないのです。 |
Saya |
サヤ
そしてそう感じることによって…… なんと満たされた思いでありましょう。 |
Saya |
サヤ
この思い、もうしばらく味わっていとうございます。 ですから……今は一度、刀を納めます。 |
Saya |
サヤ
また再び、あなたへ向ける日のために……。 |
Saya |
冥
……わかったよ、レイ。 |
Mei |
冥
私が間違っていたのかもしれん。 この程度の護符で、貴様を振り向かせようだなんて。 |
Mei |
冥
教えてくれたのは、お前が真っ直ぐに向かってきてくれたからだ。 私の気持ちを受け止めようとしてくれたからだ。 |
Mei |
冥
だから……次は貼るのではなく設置型の結界によって お前の心を引き寄せよう! |
Mei |
冥
いわば愛の領域だ! それを習得するまでは……この符は、封印しておく。 |
Mei |
ナオト
レイ……。 |
Naoto |
ナオト
今でも、俺は自分がどうしちまったのかわからねぇ。 お前のことで頭も胸もいっぱいなんだ。愛してるぜ……。 |
Naoto |
ナオト
お前が俺に真っ直ぐに向かってきてくれたこと、嬉しかった。 ここに、響いたぜ。 |
Naoto |
ラーベ
(自分の胸をグーで軽く叩く、なんて仕草をするやつ、 本当にいるんだな……) |
Raabe |
ナオト
お前の愛は得られなくても、お前は俺の愛を受け取ってくれた。 今はそれだけで十分だ。 |
Naoto |
ナオト
愛してるぜ! |
Naoto |
シエル
……愛とは……情熱的なものなのですね。 なるほど……。 |
Ciel |
ココノエ
どうだ、終わったか? |
Kokonoe |
ラーベ
あ、お前! 一方的に通信始めたり切ったりするんじゃない! |
Raabe |
ラーベ
こっちは見ての通りだ。なぜかひと段落ついた形になっているが、 冥だけじゃなくサヤにまでメガネの影響があったようだぞ。 |
Raabe |
ラーベ
検証とやらはどうなった? |
Raabe |
ココノエ
詳しいことはわからんな。 だが最大の原因はやはりレイの観測力だろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
こちらが想定していた『男』『女』の定義よりも、 その者『個人』を強く認識しすぎているんだろうな。 |
Kokonoe |
ココノエ
その認識が、メガネのシステムを凌駕してしまった結果、 エラーが発生した。そんな感じ……ぽい。 |
Kokonoe |
ラーベ
ぽいってなんだ、しっかり調べろ天才なんだろ。 |
Raabe |
ココノエ
天才にも不可能はある。 まあ、いいじゃないか。順調にラブ魔力は集まっている。 |
Kokonoe |
ココノエ
どの道、魔力を集めなければ実験は終わらない。 次のステージへ行くぞ。舌を噛むなよ。 |
Kokonoe |
第4節 それぞれの愛の形/
Summary | |
---|---|
ラブ魔力を求める一行の前に現れたのは、
ジン、シオリ、メイファン。愛情表現は苛烈 さを増し、究極の愛、殺し愛へと発展する。 |
シエル
検索……検索、照合。 |
Ciel |
シエル
かなりの広さのある森林地帯のようです。 これまでのような、都市内のステージではないようですね。 |
Ciel |
ココノエ
愛を発展させるために、重要なものがある。 それがなにかわかるか? |
Kokonoe |
シエル
いいえ、わかりません。なんですか? |
Ciel |
ココノエ
刺激だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
日常から離れた、少し危険なものが望ましい。 |
Kokonoe |
ココノエ
そこから発生する緊張が、恋愛における興奮だと脳は誤解する。 そしてより強く愛情を感じられるとかなんとか。 |
Kokonoe |
シエル
なんとか。 |
Ciel |
ラーベ
今までも十分危険な刺激満載だったと思うがな。 |
Raabe |
ココノエ
案ずるな。このエリアにはもっと強い刺激を用意した。 十分に、脳を誤作動させてくるがいい。 |
Kokonoe |
ラーベ
なんつー言い方だ。人のこと言えないかもだけど。 |
Raabe |
ラーベ
ところでココノエ。メガネの不具合については、 きちんと調査を続けてくれるんだろうな? |
Raabe |
ラーベ
ラブ魔力を集めるのはいいが、それが集まり切ったところで 『モテメガネ』の効力が切れない…… |
Raabe |
ラーベ
なんてことになったら、さすがに困るぞ。 |
Raabe |
ココノエ
解除方法についてはエラーの対象外だと予想される。 大丈夫だろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
とはいえ、開発者としてエラーの修正ができないなどと 匙を投げるつもりはない。 |
Kokonoe |
ココノエ
これからの調整のためにも、 状況の調査及びデータの分析はきっちりやっておく。 |
Kokonoe |
ラーベ
なら、そっちは任せるとして……だ。 |
Raabe |
ラーベ
もっと強い刺激って言ってたよなぁ。 |
Raabe |
ジン
レイ! ここにいたか。 |
Jin |
ジン
貴様の気配とにおいと雰囲気と体温を感じ取って追いかけて きたが、やはり僕の五感は貴様を追い求めているのだな。 |
Jin |
ジン
見つけるまでは容易かった。 |
Jin |
1: ひえっ!? ジンさん!? え、そういうキャラでしたっけ……? | |
ジン
そうだ、ジンだ。貴様のジン=キサラギだ。 人は僕を……『愛の英雄』と呼ぶ。 |
Jin |
ジン
なにを戸惑う。紛れもなく僕はジン=キサラギ。 人は僕を……『愛の英雄』と呼ぶ。 |
Jin |
シエル
初耳です。 |
Ciel |
ラーベ
私もだ。 |
Raabe |
ジン
だが僕はこの名が好きではない! なぜなら……。 |
Jin |
ジン
僕はまだ貴様の愛を獲得していないからだ! レイ!! |
Jin |
ジン
だがそれもこれまでの話。 ここからは……貴様に僕の愛を嫌というほどくれてやる。 |
Jin |
ジン
まずはその身を、この僕が直々に守ってやろう。 数多くの身の程知らずどもに、その愛を狙われているのだろう。 |
Jin |
ジン
だが貴様には僕がいる。 僕が側にいる間は、何人たりとも貴様には触れさせん。 |
Jin |
ジン
そう、誰にも……。 |
Jin |
???
そうはさせませんよ。 |
??? |
???
レイ様をお守りするのは この私、シオリ=キリヒトです。 |
??? |
シオリ
レイさん、お待たせしました。 あなたの愛する人、シオリですよ。 |
Shiori |
ラーベ
シオリ=キリヒト……。暗殺を生業とするキリヒト家の令嬢か。 確か毒の扱いに長けているんだったか。 |
Raabe |
シオリ
ええ、そうです。幼いころより培った技の数々は、 愛しい人をお守りするためにだって活用できるんですよ。 |
Shiori |
ジン
貴様、僕のレイに気安く近寄るな! 離れろ! |
Jin |
シオリ
あらあら、嫉妬ですか? 男の嫉妬なんて、醜いですよ。 |
Shiori |
ジン
言うじゃないか。 レイを惑わせる薄汚い暗殺者めが。 |
Jin |
シオリ
愛する人にはいつでも自分を見ていてほしいもの。 惑わせようとするのは当たり前のことです。 |
Shiori |
シオリ
それに、私はまだ誘惑の『ゆ』の字も行っておりません。 |
Shiori |
シオリ
私が本気で誘惑するとなったら…… それはもう、すっごいんですから。 |
Shiori |
シエル
すっごい、のですか。 ごくり……。 |
Ciel |
ラーベ
意味もわからないのに生唾を飲むな、シエル。 |
Raabe |
シエル
す、すみません。 ですがなにやら、とてつもない気迫を感じたものですから……。 |
Ciel |
ジン
フン、貴様の愛など僕の想いに比べたら小さいものだ。 |
Jin |
シオリ
あら。あなたの『想い』ってそれ、 『殺意』の間違いじゃありません? |
Shiori |
シオリ
今すぐにでも剣を抜きたそうな 気配をなさっていましてよ。 |
Shiori |
ジン
『殺意』だと? 断じて違う! これは『愛』だ! 僕なりの『愛』だ! |
Jin |
ジン
それなのにレイは 僕の愛に気付いてくれない……。 |
Jin |
ジン
だから! 今日は! 僕の気持ちをわからせてやろう!! |
Jin |
ジン
ほらこれを見ろ! レイの隠し撮り写真だ! |
Jin |
シエル
これは……フガクの廊下であくびをしていらっしゃる写真ですね。 よく撮れています。 |
Ciel |
ジン
極秘裏に入手した一品だ。 これを使って、特製のレイ抱き枕を作製する。 |
Jin |
ジン
そしてそれを使って眠るのだ…… 頬ずりするもよし、潰れる程に抱きしめるもよし! |
Jin |
1: 潰されるのはちょっと…… 優しくしてください | |
ジン
そうだ! レイ、 貴様には僕の抱き枕をプレゼントしよう! |
Jin |
ジン
そうすれば僕らはどこにいても、どれだけ離れていても、 互いを感じながら過ごすことができる! |
Jin |
シオリ
ふふ。 |
Shiori |
ジン
女。なにがおかしい。 |
Jin |
シオリ
いえ、その程度でレイ様を 愛してるなんて……呆れていただけです。 |
Shiori |
シオリ
シオリはもっとすごいですよ……。 |
Shiori |
シオリ
じゃじゃーん! |
Shiori |
ジン
そ、それはまさか、幻の品と謳われる…… レイの入浴水ぃぃぃぃ――――!! |
Jin |
シオリ
そう! レイさんが入浴した浴槽の水です! |
Shiori |
ジン
くっ、統制機構の権力をフルに使っても手に入れることは できなかったそれを、なぜ貴様が持っている! |
Jin |
シオリ
私が使うのは闇のルート。暗殺者ですもの。 表には出てない特別なルートをいくつも知っております。 |
Shiori |
ラーベ
おーおーおー。このファントムフィールドだと、 レイを使えばボロ儲けできそうだな。 |
Raabe |
シエル
ラーベさん。 それはモラルに反する非道徳的な思考のように思えるのですが。 |
Ciel |
ラーベ
マジレスするなよー。わかってますって、やりませんって。 冗談だよ、冗談。 |
Raabe |
シエル
冗談でしたか、失礼しました。 |
Ciel |
シオリ
でもでも、シオリは手に入れただけでは満足していません……。 |
Shiori |
シオリ
シオリはこの水を使って、これから毎日お茶を作るのです! いいえ、お茶だけでなく料理も作ります! |
Shiori |
シオリ
そうすればシオリの身体は レイ様でできているのと同じ……。 |
Shiori |
シオリ
これこそ、いかなるときもレイ様と 一緒にいたいという気持ちの現れです。 |
Shiori |
シオリ
ふふふ、キサラギ先輩、どうですか? |
Shiori |
シオリ
これでもシオリより、 レイさんを愛していると言えるのですか? |
Shiori |
ジン
くっ……。 こうなれば……。 |
Jin |
ジン
貴様を黙らせるしかないようだな! |
Jin |
ジン
レイの愛は僕だけのものだ! 誰にも渡さない! |
Jin |
ジン
ついでにレイ汁は僕がいただく! |
Jin |
ラーベ
汁っていうなよ。 |
Raabe |
シエル
どちらかというと出汁です。 |
Ciel |
ラーベ
それも嫌だな! |
Raabe |
シオリ
ふふっ。なるほど、そう来ますか! いいですよ、受けて立ちます! |
Shiori |
シオリ
シオリの毒に耐え切れますかね!? |
Shiori |
ラーベ
やれやれ、またこうなるのか。 モテる男は大変だな、レイ。 |
Raabe |
ラーベ
やれやれ、またこうなるのか。 モテる女は大変だな、レイ。 |
Raabe |
???
……ほう。私のいぬ間に レイを取り合おうとは、いい度胸だな。 |
??? |
ジン
貴様……メイファン=ラピスラズリ! なにをしに現れた!? |
Jin |
シオリ
統制機構第零師団……通称審判の羽根。 裏切り者を粛正する部隊の、隊長……。 |
Shiori |
シオリ
そんな方までもレイさんを 狙っているというの……? |
Shiori |
メイファン
くくく……その通り。 だが下賤なる貴様らと私が同じ価値観で動くと思うな。 |
Meifang |
メイファン
私には……私だけの、崇高なる目的があって レイを所望している。 |
Meifang |
ラーベ
これだけ不穏な空気をまき散らしながら『崇高』ときたか。 その目的とやら、聞かせてもらえるんだろうな? |
Raabe |
メイファン
いいだろう。聞かせてやる。 私はな……レイ。貴様に……。 |
Meifang |
メイファン
痛めつけてもらうために来た!!! |
Meifang |
ラーベ
……は? |
Raabe |
メイファン
理解できないか愚民ども。 この私の身を貫くような、恋心を。 |
Meifang |
メイファン
思いを寄せる者に手ずから痛みを与えられたい。 |
Meifang |
メイファン
その手で、その足で! 私を思い切り苦しめ悶えさせてほしい! |
Meifang |
メイファン
この全身で貴様を感じたいのだ、レイ。 さあ遠慮はいらない、思い切り、力の限り私を痛めつけろ! |
Meifang |
メイファン
私にお前の『愛』という痛みを味わわせろ! |
Meifang |
シエル
なんという不可解な要求……。 これもまた、愛……なのですね。 |
Ciel |
ラーベ
うーん、どうかなー。 メガネのせいで色々おかしくなっちゃってるしなー。 |
Raabe |
ラーベ
これを一般的な愛だと理解しちゃうのは、どうかなー。 |
Raabe |
シエル
ですが、底知れない情熱を感じます! |
Ciel |
メイファン
当然だ! 愛とは情熱! 情熱とは愛! そして愛とは痛み! 痛みこそ愛!!! |
Meifang |
シオリ
そんなの間違っています! 愛とはもっと相手を慈しみ思うもの! |
Shiori |
シオリ
好きな人の側にいたい、好きな人に幸せでいてほしい。 好きな人をもっと感じたい、好きな人の全て取り込みたい……。 |
Shiori |
ラーベ
最後ちょっとおかしくなかったか? |
Raabe |
シオリ
そう、いわば愛とは摂取願望! 同化願望! 誰よりも何よりも側に感じたいと願う私の気持ちこそ真実の愛! |
Shiori |
シオリ
周囲が氷漬けに……!? これは……! |
Shiori |
メイファン
ほう。その『氷剣・ユキアネサ』を抜いたか。 ジン=キサラギ。 |
Meifang |
ジン
……貴様らの思いはわかった。 そしてどこまでも本気であるということもな。 |
Jin |
ジン
であれば僕も、本気でかかろう! これまでのぬるいアピールは終わりだ! |
Jin |
ラーベ
大丈夫、ぬるいとは言えない。 十分、様子がおかしかった。 |
Raabe |
ジン
レイ! |
Jin |
1: わ、はい!? なんかすごい目で見られてない? | |
シエル
切っ先をレイさんに向けています、 気を付けてください。 |
Ciel |
シエル
敵対反応を感知。いえ、これは愛……なのでしょうか? |
Ciel |
シエル
殺意にも似た、情念のようなものを感じます。 警戒してください。……いえ、これも愛……なのでしょうか? |
Ciel |
ジン
殺し合おう。 |
Jin |
ラーベ
おっと、おかしさが跳ね上がったぞ。 |
Raabe |
ジン
愛とは……魂と魂のぶつかり合いだ。 すなわち殺し合い。いや、殺し愛! |
Jin |
ジン
レイ、貴様が好きで好きでたまらない。 |
Jin |
ジン
そのせいか、僕の奥底にある抑え難い衝動が 疼いてならないんだ……。 |
Jin |
ジン
大好きな人を、かけがえのない人を、唯一の人を…… 殺さねばならないという強い思いが! |
Jin |
ジン
ふふふ……くっふふふ、はははははははははは!!! |
Jin |
シオリ
キサラギ先輩の持つ武器は、事象兵器『氷剣・ユキアネサ』。 所持者の精神に干渉する、恐ろしい武器です。 |
Shiori |
シオリ
その剣に心の一部を引き渡してもなお、 レイ様を求めるというのですね……。 |
Shiori |
シオリ
それほどまでに、真剣に愛しているだなんて。 |
Shiori |
メイファン
ユキアネサを解き放つか、面白い。 ならば見せてもらおう、貴様らの『本気』の愛を! |
Meifang |
シエル
本気の……愛。 |
Ciel |
ラーベ
なに真に受けてる! 状況が暴走してるだけだ! レイの護衛に入れ、マジで来るぞ! |
Raabe |
シエル
了解。対象の護衛を開始します! レイさん、戦闘準備を行ってください。 |
Ciel |
1: よし、ジンの本気の愛を受け止めよう! ラブラブモテモテは辛いな…… |
ーーー/
Summary | |
---|---|
激しすぎる愛により、尋常でない量のラブ
魔力が集まる。だが実験終了には足りない。 舞台はボーナスステージへと移された。 |
ジン
くっ……やるな、レイ。 僕の氷を溶かすほどの貴様の愛に……火傷しそうだ……。 |
Jin |
ジン
だが……まだ、まだだよ、レイ! もっともっと、僕と殺し合おう! |
Jin |
ジン
いいや! 殺し愛をしよう!! |
Jin |
ジン
ぐ、はっ……メイファン、シオリ……貴様ら……。 |
Jin |
ジン
がく……っ。 |
Jin |
シオリ
レイ様に気を取られていてくださって よかったです。なんとか不意をついて、鎮静剤を打ち込めました。 |
Shiori |
メイファン
これ以上、ユキアネサに精神を食わされては、 辺り一帯氷漬けになりかねないからな。 |
Meifang |
メイファン
そうなっては、ゲレンデの恋が始まってしまう。 |
Meifang |
メイファン
雪景色の中では、 思い人は普段の数倍にも愛らしく見えると聞く。 |
Meifang |
メイファン
これ以上レイを愛しく思えてしまっては…… 私自身、自分がどうなってしまうかわからないのでな。 |
Meifang |
メイファン
止めさせてもらった。 |
Meifang |
シエル
情報を処理しきれませんでしたが、ありがとうございます。 おかげで氷漬けにならなくてすみました。 |
Ciel |
シオリ
あなたのためじゃありません。 レイ様のためですからね。 |
Shiori |
ココノエ
おお、いい感じに集まってるな、ラブ魔力。 |
Kokonoe |
ココノエ
ここのステージで遭遇した3人からは、 ちょっと尋常じゃないレベルの魔力を回収できたようだ。 |
Kokonoe |
シエル
やはりそうでしたか。ジンさん、シオリさん、 メイファンさんからは、かなりのレベルの高さを感じました。 |
Ciel |
シエル
これが……強いラブ魔力……強い愛……。 |
Ciel |
ラーベ
変な知識仕入れるんじゃないぞ、シエル。 |
Raabe |
ラーベ
尋常じゃないほど回収できたんなら、 そろそろ外れてもいいんじゃないか、メガネ! |
Raabe |
ココノエ
いやさすがに溜まったと思ったんだが…… もうちょっと足りないみたいだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
仕方ない、ボーナスステージだ。 次のステージ、転送開始! |
Kokonoe |
第5節 究極の愛情表現/
Summary | |
---|---|
メガネに惹かれた者たちが一堂に集まり、
熱烈な愛が飛び交う。実験のため、愛の ため、戦闘こそ愛だとシエルが立ち上がる! |
ラーベ
ここがボーナスステージか? |
Raabe |
ラーベ
なにが起こる予定なのか知らんが、 この流れだと平和な時間とは無縁だろうな……。 |
Raabe |
ラーベ
シエル、レイ。 身に染みてわかってると思うが、気を抜くなよ。 |
Raabe |
シエル
はい。 |
Ciel |
シエル
ですがレイさんが装着している 『モテメガネ』を外すには、十分なラブ魔力が必要です。 |
Ciel |
シエル
そのためにも、どなたかとの交流は不可欠になります。 |
Ciel |
ラーベ
そうなんだよな。こんなお騒がせアイテム、 さっさと外してしまいたいが、そうもいかない。 |
Raabe |
ラーベ
まったく、面白い……じゃない、 厄介なものを作ってくれるよ……。 |
Raabe |
カズマ
レイくん! またお会いできましたね。 |
Kazuma |
カズマ
レイさん! またお会いできましたね。 |
Kazuma |
ラーベ
おお? カズマか。 あのフィールドから移動してきたのか……。 |
Raabe |
カズマ
こうして再会できるなんて……これは運命ですね! やはり僕たちは運命の糸でつながっているんです! |
Kazuma |
???
果たしてそれはどうかな! 巡り合うことが運命ならば、それは私にも言えること! |
??? |
ツヴァイ
ようやく会えたな、レイ。 どこからともなくはるばると、私の愛を伝えるために来た! |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、これを受け取ってくれ! 愛情たっぷりことこと煮込んだ、 名付けて『君のためのカリィ』! |
Zwei |
シエル
このスパイシーな香りは……検索、分析……カレーです! 日本のご家庭などでよく見られる、欧風カレーのようです。 |
Ciel |
ツヴァイ
その通り! |
Zwei |
ツヴァイ
ごろごろ野菜と一緒に、レイのことを考え、 想い、愛を込めて作ったんだ……。 |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、食べてくれ。おかわりもあるぞ、寸胴一杯にな! |
Zwei |
ツヴァイ
はっ! 危ないところだった……。 何奴!? |
Zwei |
ノエル
ぬけがけは許しませんよ、ツヴァイさん! |
Noel |
ノエル
私だって、レイさんのために心を込めて、 とっておきの手料理を作ってきたんです! |
Noel |
ノエル
名付けて『愛情たっぷりとろとろオムライス』です! 是非食べてください、レイさん。 |
Noel |
カズマ
そ、それがオムライス……? 得体の知れないクリーチャーにしか見えないんですが……。 |
Kazuma |
ノエル
むっ。そんなことありませんよ。 色合いは悪いですけど、どこからどう見てもオムライスです! |
Noel |
ツヴァイ
全体的に黒いし、赤とか青とかの……なんだ、その。 ニョロニョロしたものが飛び出しているぞ。それなんだ? |
Zwei |
ツヴァイ
前衛芸術か? |
Zwei |
ノエル
あ、これは……これは、なんでしょうね。 でも大丈夫、美味しいですよ! |
Noel |
カズマ
美味しいか美味しくないとか以前の話ですよ! ちょっと震えてるし! |
Kazuma |
ノエル
これは…… はっ!? |
Noel |
サヤ
……仕留め損ないましたか……世にも恐ろしい物体を……。 |
Saya |
ノエル
な、なにをするんですか、危ないじゃないですか! オムライスを落としちゃったらどうするんです!? |
Noel |
ツヴァイ
そうだ! 食べ物は大切にしろ! |
Zwei |
ツヴァイ
……ん? 君、今さっき私のカリィを撃ち落とそうとしなかったか? |
Zwei |
ノエル
気のせいですよ! |
Noel |
サヤ
ふふ……ですが二度目はありますまい。 ご安心くださいませね、レイさん。 |
Saya |
サヤ
あのような明らかに危険な謎の物体と…… 万が一愛情を感じてしまうやもしれぬカレー。 |
Saya |
サヤ
どちらもこの私が始末しておきます。 そうしましたら……ゆっくりと、私と時間を過ごしましょう。 |
Saya |
冥
待て待て待て! 聞き捨てならんな! レイとの時間を手にいれるのは私だ! |
Mei |
冥
なぜならそいつは、すでに私のものなのだからな! |
Mei |
シオリ
妄想するのもいいかげんにしてください。 レイ様は私を愛しているんです! |
Shiori |
シオリ
そうでなくても問題ありません。 すぐにそう思えるようにしてさしあげますから! |
Shiori |
サヤ
貴様……レイさんになにをする気ですか……。 |
Saya |
シオリ
キリヒト印の超強力惚れ薬ですよ。 シオリにメロメロになる薬です。 |
Shiori |
冥
なんて恐ろしいやつ…… 強引にレイの気持ちを捻じ曲げるつもりか! |
Mei |
ナオト
お前人のこととやかく言えるやり口だったかさっき!? |
Naoto |
冥
過去のことは忘れた! 私の愛は未来と共にある! |
Mei |
ナオト
適当ぬかしやがって! |
Naoto |
ナオト
ホレ薬だろうが妙な符だろうが、 ついでにカレーもオムライス(?)も…… |
Naoto |
ナオト
レイをどうにかしようとする小細工は、 俺が許さねぇ! |
Naoto |
ナオト
安心しろ、レイ。俺が守ってやる。 愛してるぜ! |
Naoto |
ジン
退け! 障害がぁぁぁぁっ! |
Jin |
ジン
おまたせレイ! さあ愛し合おう! |
Jin |
ノエル
キサラギ少佐! そうはさせません……。 たとえ相手があなたでも、私、負けません! |
Noel |
ジン
ほざけ。貴様に用はない。 僕の目に映っていいのはレイだけだ! |
Jin |
ノエル
くっ……すごい気迫……でも、私だって譲れません! |
Noel |
ツヴァイ
抜け駆けはさせないぞ。 私とて、レイを愛しているのだから! |
Zwei |
男
そうだそうだ! 抜け駆けさせるな! |
Man |
軍人
レイをこちらに渡してもらおうか! |
Soldier |
女
きゃー! レイさーん! 好きーーー!!! |
Woman |
ナオト
誰だあいつら!? |
Naoto |
ツヴァイ
無論、モブの皆さんだ! 名もなき者にも愛される。さすがだ、レイ……。 |
Zwei |
Es
成敗。 |
Es |
男
ぎゃぁぁぁぁ! |
Man |
冥
問答無用だと!? そしてエス……お前もか。 |
Mei |
Es
はい。レイさんをお迎えにあがりました。 |
Es |
Es
レイさんをお連れして、 ふたりでラブラブプリンパーティを行います。 |
Es |
Es
邪魔をしないでください……冥。 |
Es |
ラーベ
なんだこの目茶苦茶な状況は! 目がヤバイやつらが多すぎる。一旦退くぞ! |
Raabe |
シエル
いいえ……待ってください。 |
Ciel |
ラーベ
シエル? |
Raabe |
シエル
これだけの人が、レイさんを愛し、 ここに集まっています。 |
Ciel |
シエル
これはラブ魔力を一度に大量回収する 絶好の機会なのではないでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
……確かに。 |
Raabe |
ラーベ
でもいいのか? それはレイを囮にするってことだぞ。 |
Raabe |
ラーベ
お前的にアリなのか? |
Raabe |
シエル
もちろん、レイさんを 危険に晒すわけにはいきません。ですから……。 |
Ciel |
シエル
私が率先して、レイさんに愛を示します。 |
Ciel |
ラーベ
は? |
Raabe |
シエル
これまで多くの方々の『愛情表現』を観察してきました。 その結果、どんな行動が『愛情』なのか、およそ理解しました。 |
Ciel |
シエル
戦闘です! |
Ciel |
ラーベ
いや、シエル? |
Raabe |
シエル
任せてください。 決して、レイさん自身に危害は加えません。 |
Ciel |
シエル
これは戦闘の形をした愛情表現です。 戦闘行動を通して、私のラブを受け取ってください。 |
Ciel |
シエル
そうしながら、この場のすさまじいラブ魔力をも回収すれば、 きっとメガネの解除に必要なラブを集められるはずです。 |
Ciel |
シエル
いいえ、きっと回収させてみせます。 なぜなら……。 |
Ciel |
シエル
私もレイさんを愛していますので!! |
Ciel |
ココノエ
……ついにシエルにも 『モテメガネVer.イリュージョン』の影響が出始めたか。 |
Kokonoe |
ラーベ
なんて威力だ……。 シエルにまで愛情を錯覚させるか。 |
Raabe |
ラーベ
……いや、待てよ。ちょっと待て。 |
Raabe |
ラーベ
ここがココノエのファントムフィールドなら…… なぜメガネが予想外の影響を与えるんだ? |
Raabe |
ラーベ
……もしかして。 |
Raabe |
シエル
対象を補足。戦闘態勢に移行……。 訂正。愛情体勢に移行! |
Ciel |
シエル
対象へのラブを開始します! 受け取ってください、レイさん! |
Ciel |
第1節 プロローグ/
Summary | |
---|---|
ココノエによりファントムフィールドに浸入
させられたシエルたち。実験のため、モテ メガネピンクにラブ魔力を集めることに。 |
1: ここは……? 海……? | |
ラーベ
なんで海なんだ? まだ海は早いだろう。 時期とか連想されるものとか色々な兼ね合いで。 |
Raabe |
シエル
連想されるものとは、なんですか? |
Ciel |
ラーベ
ああいや、なんでもないぞ。こっちの話だ。 |
Raabe |
ラーベ
それより、一旦状態を確認しようか。 ふたりとも問題はないな? |
Raabe |
シエル
はい。レイさんのバイタルにも異常ありません。 |
Ciel |
シエル
仮想 |
Ciel |
???
当たり前だ。 この私が直々に調整しているのだからな。 |
??? |
ラーベ
出たな。 |
Raabe |
シエル
ココノエさん。お疲れ様です。 |
Ciel |
ココノエ
うむ。 私の用意した仮想ファントムフィールドにようこそ、諸君。 |
Kokonoe |
ココノエ
今回は、訓練その他様々な目的に活用できるかもしれない、 |
Kokonoe |
ココノエ
私の好奇心と欲望とご都合のために用意したこの島フィールドを 起点に、いくつかのエリアを用意した。 |
Kokonoe |
ココノエ
調整中だから場面に整合性はないが、 フィールドとしては安定しているから安心しろ。 |
Kokonoe |
ココノエ
なんせ私が観測をしているんだからな。 安心安全円滑運営だ。 |
Kokonoe |
ラーベ
いやそれは。うん。まあいいや。 進めてくれ。 |
Raabe |
シエル
なにかの実験に協力してほしい、とのことでしたが。 |
Ciel |
シエル
この仮想ファントムフィールドについて 検証すればいいのでしょうか? |
Ciel |
ココノエ
いや、違う。ここを用意したのは、外部からの影響がない 実験場が必要だったからだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
そしてここでお前たちに……いや、レイに 協力してもらう実験は、これだ!! |
Kokonoe |
ラーベ
爆発!? |
Raabe |
シエル
そしてヴァルケンハインさん! |
Ciel |
ヴァルケンハイン
お待たせいたしました。 こちらこそ、我が生涯を捧げしアルカード家に伝わる秘宝…… |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
……を、元にココノエ殿が新たに開発された、 発明品にして魔道具。 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
『モテメガネブルー』&『モテメガネピンク』! でございます!!! |
Valkenhayn |
1: あの伝説の……モテメガネ!? なんですかそのド派手眼鏡は | |
ココノエ
知っているか。さすがは稀代の観測者。 『最果てを観る者』のドライブ名は伊達ではないな。 |
Kokonoe |
ココノエ
言っただろう。私が新たに開発した『モテメガネ』だ。 見るからになにかしでかしそうだろう。ワクワクするだろう。 |
Kokonoe |
ヴァルケンハイン
『モテメガネ』とは、込められたラブ魔力によりかけるだけで 誰でもラブラブモテモテになれるという、 |
Valkenhayn |
ヴァルケンハイン
素晴らしい魔道具でございます。 |
Valkenhayn |
ココノエ
だがこれは、今回私が特別に開発した 『モテメガネVer.イリュージョン』! |
Kokonoe |
ココノエ
通常よりもより効力の高いラブ魔力を人工的に内蔵させた スーパー仕様だ。さらに色が2種類ある! かっこいい! |
Kokonoe |
シエル
確かに、かっこいいです。 |
Ciel |
ラーベ
え、嘘。本気か? |
Raabe |
シエル
こちらが青色、こちらはピンク色。 それぞれで性能が違うのでしょうか? |
Ciel |
ココノエ
そこに気が付くとは、見込みがあるな、貴様。 |
Kokonoe |
ココノエ
その通り。このブルーとピンク2種類の眼鏡。 同じように見えて、内蔵されているラブ魔力の性質が少々違う。 |
Kokonoe |
ココノエ
だがその実態は、かけてみてからのお楽しみだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
ではレイ! 今回貴様にかけてもらうのは……こっちだ! |
Kokonoe |
ココノエ
『モテメガネVer.イリュージョン』桃花のピンクタイプ! 通称『モテメガネピンク』! |
Kokonoe |
ココノエ
やってくれ、ヴァルケンハイン! |
Kokonoe |
ヴァルケンハイン
承知いたしました。 レイ殿、お覚悟めされい!! |
Valkenhayn |
1: ぐわぁぁぁぁぁ! ……外れない!? | |
ココノエ
このメガネは……愛を理解するために開発された。 |
Kokonoe |
ラーベ
またわけわかんないこと言い始めたぞ。 |
Raabe |
ココノエ
愛なき者が愛を得るために生まれた、モテメガネ。 それを元に開発したこれもまた……愛を得るために存在している。 |
Kokonoe |
シエル
愛……。 |
Ciel |
ココノエ
つまり、愛を十分得るまでは外れない。 |
Kokonoe |
ラーベ
なにがつまりだ!? |
Raabe |
ラーベ
おいこら、ちゃんと説明しろ。 私が言うのもなんだけども! |
Raabe |
ココノエ
いいだろう、聞きたいのなら話してやる。 今回の私は依頼人だからな。全体的に協力的だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
いや、いつも私は協力的だな。 |
Kokonoe |
ラーベ
話進めてくれ。そこツッコミ始めると長くなる。 |
Raabe |
ココノエ
わがままな実験体……いや、協力者だ。 |
Kokonoe |
ラーベ
実験体って言ったな。 |
Raabe |
ココノエ
メガネを外すためには、 メガネに内蔵されているラブ魔力を入れ替える必要がある。 |
Kokonoe |
ココノエ
内蔵されているラブ魔力を発散、使用しつつ、 新たなラブ魔力を取り込むのだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
こうすることでラブ魔力が枯渇することなく、 メガネは機能を保ち続ける。 |
Kokonoe |
ココノエ
一定量で解除することもできるし、連続して使用することも可能。 まさにフレキシブル。かつエコロジーな発明だ。 |
Kokonoe |
1: さすが、すごい発明です つまり僕はなにをすれば? | |
ココノエ
そうだろう。気に入ったか。 であれば、実験にも身が入ることだろう。素晴らしいぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
おっ、いいぞ、意欲的だな。 メガネが気に入ったか。それとも実験体の役割が気に入ったか? |
Kokonoe |
1: さすが、すごい発明です つまり私はなにをすれば? | |
ココノエ
そうだろう。気に入ったか。 であれば、実験にも身が入ることだろう。素晴らしいぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
おっ、いいぞ、意欲的だな。 メガネが気に入ったか。それとも実験体の役割が気に入ったか? |
Kokonoe |
ココノエ
貴様にはこれから、私が用意した各種ラブステージを巡り、 そのメガネを外せるくらいのラブ魔力を集めてもらう。 |
Kokonoe |
ココノエ
簡単に言えばラブ魔力の影響を誰かに与え、 そいつから愛を受け取ってくるのだ。 |
Kokonoe |
ラーベ
愛を……受け取る、ねぇ。 説明されているようでされていないような……。 |
Raabe |
シエル
質問です。なぜメガネをかける役割を レイさんに依頼されたのですか? |
Ciel |
ココノエ
わからんのか。 こいつ以上の適役はいない。 |
Kokonoe |
ココノエ
なにせこいつは観測の力を持つ者。自己観測において 右に出るものはとりあえずざっと見た限りいない。 |
Kokonoe |
ココノエ
ラブ魔力によって自己の観測を揺らがせる『モテメガネ』の あらゆる影響を、こいつは受けないわけだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
つまり、レイがかけていればおのずと 『モテメガネVer.イリュージョン』の本来の性能が計測できる! |
Kokonoe |
シエル
そうなのですか!? ……そうなのですか? |
Ciel |
ラーベ
いや知らん。だがあのココノエが言うんだから、 そういう仕組みになってるんじゃないか……? |
Raabe |
ココノエ
なっているのだ! |
Kokonoe |
ココノエ
というわけで、事情はわかったな。 わかったら早速計測実験開始だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
まずは最初のエリアへ行ってもらうぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
もう一度言うが、 ラブ魔力を集めない限りそのメガネは取れない。 |
Kokonoe |
ココノエ
バカみたいなメガネを外したければ、 全力でラブを集めてくるんだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
では、健闘を祈る!! |
Kokonoe |
第2節 愛の襲撃者/
Summary | |
---|---|
モテメガネピンクの力で女性からモテモテに
なった! ノエルとツヴァイの愛を賭けた 料理対決の最中、突如リッパーが乱入する! |
シエル
転移、完了しました。 ここは……どこかの都市のようですね。 |
Ciel |
シエル
あ、あれは学校です。 大勢の学生が通い、勉学を行う施設ですよね。 |
Ciel |
ラーベ
お前は本当に学校が気になるんだな。 |
Raabe |
ラーベ
さてさて、背景施設はいいとしてだ。 さっきの南の島みたいなところから、ずいぶんと様変わりしたな。 |
Raabe |
???
レイさん! やっと見つけました! |
??? |
???
こんなところにいたのか。いやぁ、探したよ。 |
??? |
シエル
ノエルさん、ツヴァイさん! なぜおふたりがここに? |
Ciel |
ノエル
なぜって……決まってるじゃないですか。 |
Noel |
ツヴァイ
うんうん、我々がここにいる理由…… それはもちろん、愛ゆえにだ! |
Zwei |
ラーベ
…………はああ??? |
Raabe |
ノエル
レイさん! 私のこの気持ち…… 料理にして持ってきました、どうぞ!! |
Noel |
ツヴァイ
それよりこの特製カレーはどうだ? 私の愛をふんだんに混ぜ込んだ珠玉の一品だ! |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、遠慮せず食べてくれたまえ!! |
Zwei |
1: へ、僕!? なんで!? お気持ちは嬉しいですが……大丈夫ですか? | |
1: へ、私!? なんで!? お気持ちは嬉しいですが……大丈夫ですか? | |
シエル
ラーベさん、これはいったい……? |
Ciel |
ラーベ
ああそうか、そういうことか! おい、レイ。メガネだ、そのメガネ! |
Raabe |
ラーベ
確かあのトンチキネコマタ、 かけただけで誰でもラブラブモテモテになるとか言ってただろう。 |
Raabe |
シエル
あ。現在レイさんは、おふたりに ラブラブでモテモテになっているのですね。 |
Ciel |
シエル
これがラブ魔力……すごい効き目です。 |
Ciel |
ノエル
邪魔しないでください。 レイさんは私の料理を食べるんです! |
Noel |
ツヴァイ
おや、いつ誰がそんなことを決めた? それは君の勝手な欲望じゃないのか? |
Zwei |
ノエル
それは……そう、ですけど……! |
Noel |
ツヴァイ
甘い。甘いねぇ。はちみつマシマシのカレーより甘いよ。 隙を見せるからつけ込まれる。 |
Zwei |
ツヴァイ
奪い取るつもりなら、私と対峙する前に 食べさせるべきだったんだ。 |
Zwei |
ツヴァイ
恋も愛も一瞬の隙が命取り。覚えておくといいよ。 |
Zwei |
ココノエ
これが愛に突き動かされた者たちか。 何を言っているのかはわからんが、すさまじい自信と説得力だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
ふむ……とりあえずメガネは問題なく作動しているようだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
引き続きデータを取らせてもらうぞ。 |
Kokonoe |
ノエル
あ、あなたの方こそ、そんな上手いこと言って私から レイさんを奪うことなんてできませんよ! |
Noel |
ノエル
だってレイさんの気持ちは もう私の方に向いている(はず)なんですから! |
Noel |
ツヴァイ
君はまるでレイを 自分の所有物のように言うんだね。 |
Zwei |
ツヴァイ
だが仮にそれが事実でも、なにも問題はない。 奪い取ればいいからだ。 |
Zwei |
ノエル
なっ……!? |
Noel |
ツヴァイ
具体的に言うなら……(自主規制)を(自主規制)して (自主規制)も黙らせるほどの既成事実を作りあげればいい。 |
Zwei |
ノエル
な、ななな、なんてハレンチなことを! |
Noel |
ツヴァイ
時にはヨーグルトのように甘く、 時にはジョロキアのように激しく。これが恋愛の常識さ。 |
Zwei |
ノエル
違います! |
Noel |
ノエル
レイさんは私と、純粋で健全な関係を持ち、 素晴らしい愛に溢れた家庭を作るんです! |
Noel |
ツヴァイ
純粋で健全な関係だって? 甘い……君は本当に、隠し味のリンゴよりも甘甘だ! |
Zwei |
ツヴァイ
そんな都合のいい関係は、この世の中に存在しない! 人と人の関係はいつだって(自主規制)なのだから! |
Zwei |
シエル
ラーベさん。ツヴァイさんの言動の説明を求めても 良いでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
彼女の過去になにかとてつもないことがあったんだろう。 他人の人生はあまり掘り下げるもんじゃないよ。 |
Raabe |
ノエル
数々の侮辱、もう許せません…… 正々堂々、料理で決着をつけましょう! |
Noel |
ツヴァイ
おもしろい、望むところだ。 |
Zwei |
???
んじゃ、オレサマも参加しまーす! |
??? |
ツヴァイ
ほう? お前もか。 |
Zwei |
リッパー
当たり前よ。 |
Ripper |
リッパー
愛しのレイちゃんのために オレサマも頑張っちゃおうってワケ。 |
Ripper |
ココノエ
……ん? |
Kokonoe |
ツヴァイ
そうか……ふっふっふ。これは面白くなってきた。 ライバルが多いほど愛は燃え上がるものだ! |
Zwei |
ツヴァイ
ならば用意してきたこのカレーではまだ足りない…… より最高のカレーを、食材から調達してこよう!! |
Zwei |
ツヴァイ
レイ、待っていたまえ! 私が最高のカレーを用意してやるからな! |
Zwei |
ノエル
レイさん! 私も材料を集めてきます! ここで待っていてくださいね! |
Noel |
ノエル
それまで、さっき作ってきたこの料理を食べててください! |
Noel |
ココノエ
…………あれ? |
Kokonoe |
ラーベ
なんだ、どうした? なにが『あれ?』なんだ? |
Raabe |
ココノエ
いや、なに……大したことではない。 |
Kokonoe |
ココノエ
レイがかけている『モテメガネピンク』は、 女にしか効果がないはずなんだが……。 |
Kokonoe |
ココノエ
まあ、もうしばらく様子を見てみるか。 |
Kokonoe |
ラーベ
どこが大したことないんだ!? それ、完全な想定外ってやつじゃないのか!? |
Raabe |
ココノエ
もしかしてレイの力が関係しているのか…… だとしたら……。 |
Kokonoe |
ラーベ
おい、おーい! 自分の世界に入るな! |
Raabe |
ココノエ
よし、やはりちょっと検証してくる。後は任せた。 |
Kokonoe |
ラーベ
は!? おい、こら……! |
Raabe |
リッパー
んじゃー、オレサマも始めますかねー。 |
Ripper |
リッパー
……ってことで殺り合おうぜ! |
Ripper |
シエル
……っ!! |
Ciel |
ラーベ
いきなりなにをするんだバカ者! 料理中に、人に包丁を向けるんじゃない! |
Raabe |
リッパー
だ〜か~ら~! お料理しようとしてんだろうが! |
Ripper |
シエル
……それはつまり。 |
Ciel |
リッパー
そうだよ、レイちゃんが最高の材料ってワケ。 このオレサマの愛、受け止めてくれるよな~? |
Ripper |
1: 愛が重すぎる……!! いたた、急にお腹が…… | |
リッパー
おいおい、オレサマの気持ちに応えてくれないわけ? それとも焦らしプレイってか? |
Ripper |
ラーベ
やれやれ、この戦いは避けられないみたいだな……。 |
Raabe |
ラーベ
レイ、突破口を開け! そのメガネをどうするかは、それから考えるぞ! |
Raabe |
リッパー
おいおい、ナイショ話かぁ~? この想いが無視されてるみたいで悲しいぜ……。 |
Ripper |
リッパー
こうなったら全員まとめて切り刻んで…… オレサマの愛の深さを思い知らせてやらぁ! |
Ripper |
ーーー/
Summary | |
---|---|
リッパーを退けた一行。メガネにエラーが
発生し、男性にも影響が出たようだ。だが ラブ魔力を集め切るまで実験は終わらない。 |
リッパー
く……くっくっくっくくくくく! ヤベェ……タマんねぇぜ、レイ……。 |
Ripper |
リッパー
すっかり、テメェの愛に痺れちまった。 オレはもう……これ以上戦えねぇ。 |
Ripper |
リッパー
完全に、負けたぜ。テメェにな……。 |
Ripper |
リッパー
テメェになら…… 俺の中の溢れんばかりの愛を根こそぎ捧げたっていい! |
Ripper |
シエル
……不思議な力の流動を感じます。 これは……? |
Ciel |
ココノエ
お、いいぞ。ラブ魔力が集まっているじゃないか。 多少の手違いはあったが、どうやら順調なようだな。 |
Kokonoe |
ラーベ
お前! 急に通信を切ったりするんじゃない! なにが順調だ、女にしか効果がないって話はどこ行った!? |
Raabe |
ココノエ
だから言っただろう、多少の手違いだと。 |
Kokonoe |
ココノエ
詳しいことはわからんが、レイの 観測力によって多少想定を外れていることは事実だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
こちらが想定していた『男』『女』の定義よりも、 その者『個人』を強く認識しすぎているんだろうな。 |
Kokonoe |
ココノエ
その認識が、メガネのシステムを凌駕してしまった結果、 エラーが発生した。そんな感じ……ぽい。 |
Kokonoe |
ラーベ
ぽいってなんだ、しっかり調べろ天才なんだろ。 |
Raabe |
ココノエ
天才にも不可能はある。 まあ、いいじゃないか。順調にラブ魔力は集まっている。 |
Kokonoe |
ココノエ
どの道、魔力を集めなければ実験は終わらない。 次のステージへ行くぞ。舌を噛むなよ。 |
Kokonoe |
第3節 小さな闖入者/
Summary | |
---|---|
公園エリアではサヤ、ノエル、タオカカから
愛を示される。彼女たちからの愛で手一杯 の中、真の愛を確かめようとEsが現れる。 |
シエル
転移完了。 今度は明るい場所ですね。公園のようです。 |
Ciel |
ココノエ
愛を語らうと言えば、やはり公園だからな。 |
Kokonoe |
ラーベ
そういう選出基準なら、さっきの学校はなんだったんだ? |
Raabe |
ココノエ
わからんのか。愛を育む場所と言えば学校。 青春の代名詞だろうが。 |
Kokonoe |
ラーベ
否定しないけども。 私がお前だったら同じように選んだと思うけども! |
Raabe |
ラーベ
だからこそなんか癪だなぁ! |
Raabe |
ココノエ
つべこべ言っている暇はないぞ。 この辺りにも愛の魔力に引き寄せられた者が……。 |
Kokonoe |
???
やっと見つけましたよ。レイさん。 |
??? |
ココノエ
……これまた面倒なやつが寄ってきたな。 |
Kokonoe |
サヤ
面倒、とは心外ですね。 |
Saya |
サヤ
レイさんを危険な実験に付き合わせる あなたのほうが余程ではありませんか。 |
Saya |
ノエル
はあ、はぁ……追いつきました……。 |
Noel |
ノエル
もう! 私を置いてどこに行くつもりなんですか! |
Noel |
1: 走って追いついてきたの!? な、なんでここに!? | |
ノエル
この料理を食べてもらうまで、絶対に諦めません! |
Noel |
ノエル
ちゃんとデザートまで用意していたのに…… いなくなっちゃうなんて、ひどいです。 |
Noel |
ノエル
さあ、レイさん……どうぞ! 絶対に美味しいので食べてください! |
Noel |
ラーベ
りょう……り? これが? |
Raabe |
ラーベ
紫と緑が混ざった、なんともいえない色をしてるこれが? |
Raabe |
シエル
すっぱそうな匂いと、甘そうな匂いと、辛そうな匂いもします。 |
Ciel |
シエル
これは……レイさん、危険です! 私の後ろへ! |
Ciel |
サヤ
そのようなものを食べさせようとするなど……ああ、恐ろしや。 レイさんを殺すお心算ですか? |
Saya |
ノエル
なに言ってるんですか! 私の料理はそんな物騒じゃありません! |
Noel |
ノエル
帯刀しているあなたのほうが危険ですよ! |
Noel |
サヤ
あなたも銃火器を持ち歩いているようですが? |
Saya |
ノエル
私は軍人なのでいいんです! 一般人であるあなたが刀を持っているほうが問題です! |
Noel |
ノエル
その刀は、没収させてもらいますよ! |
Noel |
サヤ
では、私から武器を取り上げ自分だけ有利な状況にする……と。 なんと卑怯な……その性根、気に入りません。 |
Saya |
サヤ
斬り伏せます。 |
Saya |
タオカカ
待つニャス、待つニャス、待つニャース!! |
Taokaka |
タオカカ
その食い物、タオに寄越すニャース!! |
Taokaka |
タオカカ
あむっ! |
Taokaka |
ノエル
あっ!? |
Noel |
タオカカ
ゴハーーーーーーーーーーっ!!!???? Taokaka |
|
ラーベ
おい、大丈夫か!? |
Raabe |
ラーベ
こりゃまずい! 蘇生だ、蘇生! |
Raabe |
シエル
了解。緊急措置を開始します。 |
Ciel |
タオカカ
ハッ!? ここは……!? |
Taokaka |
タオカカ
タオはいったい、なにをしてたニャスか……? |
Taokaka |
ラーベ
すべての記憶を失っている……なんという恐ろしい料理だ。 |
Raabe |
ノエル
そんなぁ……ハチミツを入れすぎたのが駄目だったの……? |
Noel |
ラーベ
うん、そういう問題ではないと思うぞ? たぶん。 |
Raabe |
タオカカ
あっ……そうニャス! 寝てる場合じゃなかったニャス! |
Taokaka |
タオカカ
優しい人~肉まんニャス~♪ 両サイドから一緒に食べるニャス! |
Taokaka |
ノエル
な!? |
Noel |
サヤ
なんということを……! レイさんから離れなさい! |
Saya |
タオカカ
羨ましいニャスか? |
Taokaka |
サヤ
戯言を……。 |
Saya |
タオカカ
ところで、優しい人、なんだか元気がなさそうニャスね。 |
Taokaka |
タオカカ
これを飲むといいニャス! |
Taokaka |
ラーベ
一応聞くが、それはなんだ? なにか中で蒸発してそうだが……。 |
Raabe |
タオカカ
滋養強壮剤っぽいなにかニャス! これを飲めば~色々元気になるニャスよ~! |
Taokaka |
1: い、いりません! | |
タオカカ
タオたちの間に遠慮はいらないニャス。 ささ、ぐぐっと飲むニャス~。 |
Taokaka |
タオカカ
ニャ!? ビンが爆発したニャス! 邪魔をするのは誰ニャス!? |
Taokaka |
サヤ
レイさんに得体の知れないものを 飲ませないでください。 |
Saya |
タオカカ
うるさいニャスね〜。これだからない人は〜。 |
Taokaka |
サヤ
な……? くっ、人の身体的特徴を馬鹿にするとは……。 許せません! |
Saya |
ノエル
許せないのは私もです! せっかく、愛情をたっぷり込めて作ってきたのに……。 |
Noel |
ノエル
私の手料理の仇……取らせてもらいます! |
Noel |
タオカカ
ありゃ? ない人がふたり? ない人とない人……。 どっちがどっちかわからなくなってきたニャス……。 |
Taokaka |
サヤ
黙りなさい泥棒猫。あなたの存在は レイさんにとって害悪です。斬ります。 |
Saya |
サヤ
最悪レイさんごとでも……! |
Saya |
ラーベ
おいおい、まずくないかこれ? 全員ヒートアップしすぎて、 レイにも被害が及ぶぞ。 |
Raabe |
ラーベ
おい、シエル! そのデザートらしき物体だ! |
Raabe |
ラーベ
果物かスパイスかなにかを色々ゴチャっとさせたような それを使え! |
Raabe |
シエル
使う……はっ! わかりました! |
Ciel |
シエル
皆さん、これを食べて下さい! |
Ciel |
タオカカ
ニャ? |
Taokaka |
サヤ
む? |
Saya |
ノエル
えっ? |
Noel |
タオカカ
ぶぬわああああーーーーーっ!!? |
Taokaka |
サヤ
かっ……は……不覚…………。 |
Saya |
ノエル
いったい、なにが……カク |
Noel |
シエル
口の中に放り込んだだけでこの破壊力…… これはいったいなんだったのでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
わからん。だがこれでひとまず窮地は脱したはずだ。 |
Raabe |
ラーベ
おい、ネコマタ妖怪。今のうちに転移を……。 |
Raabe |
ラーベ
これは……スモークか! |
Raabe |
シエル
レイさん!! |
Ciel |
???
目標を補足。ようやく見つけました。 |
??? |
ラーベ
エス……お前もか! |
Raabe |
ラーベ
くそっ! シエル、さっきのデザート的な爆弾をもう一度だ! |
Raabe |
シエル
すみません、先ほど使ったので全部です。 |
Ciel |
Es
レイ。私と共に死にましょう。 |
Es |
ラーベ
わー、いきなりアクセル全開だな。 |
Raabe |
Es
レイは私と一緒に死ぬ運命にあります。 |
Es |
Es
溺愛対象の回避を確認。 愛しています、レイ。 |
Es |
Es
真の『愛』とは、命尽きるときまで 愛せるかどうかだと聞いています。 |
Es |
Es
つまり、私はレイを殺したあとも 愛せるか確認しなければなりません。 |
Es |
ラーベ
やれやれ。こりゃ話が通じる様子じゃないぞ……。 |
Raabe |
ラーベ
仕方ない、強行突破だ。 がんばれレイ! |
Raabe |
Es
私の『愛』の前には、抵抗など無駄です。 |
Es |
ーーー/
Summary | |
---|---|
すべての想いを受け止めることでEsは満足
し、剣を収めた。ラブ魔力集めは順調だ。 ココノエは次のステージへ転移させる。 |
Es
……不思議です。 |
Es |
Es
私の刃は、私の想いそのものでした。 そのすべてを受け取ってもらえて……。 |
Es |
Es
こんなに嬉しいことはありません。 私は今、とても満たされた気持ちです。 |
Es |
ココノエ
どうやらまた、ラブ魔力が集まったようだな。 成果は順調じゃないか。 |
Kokonoe |
ココノエ
この調子でいけば、そのメガネを外せる日も遠くない。 ……はずだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
さあ、どんどん新しいステージへ向かおうじゃないか。 |
Kokonoe |
ラーベ
うん、絶対楽しんでるだろ、お前。 |
Raabe |
第4節 愛のイレギュラー/
Summary | |
---|---|
一行を追ってノエルが、そして新たにジンと
メイファンが現れる。愛情表現は苛烈さを 増し、ついには愛の争奪戦が始まる。 |
シエル
検索……検索、照合。 |
Ciel |
シエル
かなりの広さのある森林地帯のようです。 これまでのような、都市内のステージではないようですね。 |
Ciel |
ココノエ
愛を発展させるために、重要なものがある。 それがなにかわかるか? |
Kokonoe |
シエル
いいえ、わかりません。なんですか? |
Ciel |
ココノエ
刺激だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
日常から離れた、少し危険なものが望ましい。 |
Kokonoe |
ココノエ
そこから発生する緊張が、恋愛における興奮だと脳は誤解する。 そしてより強く愛情を感じられるとかなんとか。 |
Kokonoe |
シエル
なんとか。 |
Ciel |
ラーベ
今までも十分危険な刺激満載だったと思うがな。 |
Raabe |
ココノエ
案ずるな。このエリアにはもっと強い刺激を用意した。 十分に、脳を誤作動させてくるがいい。 |
Kokonoe |
ラーベ
なんつー言い方だ。人のこと言えないかもだけど。 |
Raabe |
ラーベ
ところでココノエ。メガネの不具合については、 きちんと調査を続けてくれるんだろうな? |
Raabe |
ラーベ
ラブ魔力を集めるのはいいが、それが集まり切ったところで 『モテメガネ』の効力が切れない…… |
Raabe |
ラーベ
なんてことになったら、さすがに困るぞ。 |
Raabe |
ココノエ
解除方法についてはエラーの対象外だと予想される。 大丈夫だろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
とはいえ、開発者としてエラーの修正ができないなどと 匙を投げるつもりはない。 |
Kokonoe |
ココノエ
これからの調整のためにも、 状況の調査及びデータの分析はきっちりやっておく。 |
Kokonoe |
ラーベ
なら、そっちは任せるとして……だ。 |
Raabe |
ラーベ
もっと強い刺激って言ってたよなぁ。 |
Raabe |
???
フフフ……ついに見つけたぞ。 |
??? |
1: ……だれ? えーと、どこかでお会いしましたか? | |
メイファン
お初にお目にかかる。 我が名はメイファン=ラピスラズリ。 |
Meifang |
メイファン
統制機構の第零師団長にして……。 |
Meifang |
メイファン
貴様の愛を奪い取る者だ! |
Meifang |
シエル
統制機構……ツバキさんやノエルさんたちが 所属している組織ですね。 |
Ciel |
ラーベ
そこの師団長ってことは結構偉い奴なんだろうけど さすがに会ったこともない奴が出てくるのは想定外だぞ。 |
Raabe |
ラーベ
おい、どういうことだ! |
Raabe |
ラーベ
レイの観測力がメガネに作用しているなら 知らない奴が出てくるのはおかしくないか!? |
Raabe |
ココノエ
これは……成程、そういうことか。 愛は時空すらも越える。 |
Kokonoe |
ラーベ
成程じゃない! そんな都合のいい話があるか! おい!? |
Raabe |
ラーベ
想定外のことがあるとすぐ消えるのはやめろ! |
Raabe |
メイファン
レイ……貴様は私と共に来てもらうぞ。 |
Meifang |
メイファン
さあ……。 |
Meifang |
メイファン
私に、愛と痛みを与えてくれ!!
|
Meifang |
ラーベ
……ん? |
Raabe |
ラーベ
今さらっと変なこと言った? |
Raabe |
メイファン
おかしなことなど、なにもない。 私は貴様を愛している。 |
Meifang |
メイファン
だから私に愛と! |
Meifang |
ラーベ
愛と? |
Raabe |
メイファン
痛みをくれ!
|
Meifang |
ラーベ
うん、そこだ、そこ。 愛はまだ分かるとして、痛みってなんだ? |
Raabe |
メイファン
私にとっては愛も痛みも同じものだ! |
Meifang |
メイファン
はあぁ……昂ぶりを感じるぞ……! |
Meifang |
メイファン
愛する者から虐げられ、罵られ、 再起不能にされてこそ私は輝く! |
Meifang |
ラーベ
まずいな……何を言っているのかわからん。 これは話の通じる相手じゃなさそうだ。 |
Raabe |
ラーベ
いや。話の通じる相手なんか、これまで ひとりもいなかったけれども。 |
Raabe |
メイファン
さあ、レイ! この私と、存分に愛を語り合おうぞ! |
Meifang |
???
待ってください!! |
??? |
1: ひぃっ、また出た!? | |
ノエル
レイさんはずっと前から私のものなんです! 勝手なことは許しませんよ! |
Noel |
ノエル
レイさん、私が来たからにはもう安心ですよ! さっきは突然何かが起きて不覚を取りましたけど! |
Noel |
ノエル
今度はそう簡単に負けませんから! |
Noel |
シエル
大変です、ラーベさん。 ノエルさんに軽い記憶障害が! |
Ciel |
ラーベ
それだけあのデザートらしき何かが ものすごかったってことだろう。 |
Raabe |
ラーベ
作った本人の記憶をかき消す程に。 |
Raabe |
ノエル
えっと……なんの話ですか? |
Noel |
ラーベ
知らないほうが幸せなこともある。 ノエルには黙っておこう。 |
Raabe |
メイファン
フフフッ、余計な邪魔が入ったが……面白い。 障害が多ければ多いほど、愛は燃え上がるというもの。 |
Meifang |
メイファン
そこの女を抹殺し、レイを永遠に 私のものにしてやろう! |
Meifang |
メイファン
なにっ……!? |
Meifang |
メイファン
貴様は……ジン=キサラギ!? |
Meifang |
メイファン
これは驚いたぞ…… イカルガの英雄殿がこんな場所になんの用だ? |
Meifang |
ジン
……戯言だな。 |
Jin |
メイファン
なに? |
Meifang |
ジン
衛士最高司令官より下命を受けた。 |
Jin |
ジン
第零師団長メイファン=ラピスラズリ。 貴様をレイ不法占有の罪で捕縛する。 |
Jin |
ジン
僕のレイに気安く近寄った罪、償ってもらうぞ。 |
Jin |
ラーベ
これもイレギュラーということか……。 |
Raabe |
ジン
レイ、少しだけ待っていろ。 薄汚い女どもから、僕が護ってやる。 |
Jin |
メイファン
貴様ッ……! |
Meifang |
ジン
こいつらを片づけた後は…… レイ、僕の想いを受け取ってくれるな? |
Jin |
ラーベ
お前のレイに対する思いって……。 |
Raabe |
ジン
決まっているだろう。愛だ。 |
Jin |
ラーベ
ですよね。いよいよ収集がつかなくなってきたぞ。 おい、ラブ魔力はまだ貯まらないのか? |
Raabe |
ココノエ
あー、そうだな。 あと少し。っぽい。 |
Kokonoe |
ラーベ
くそっ……本当にあと少しなんだろうな……? |
Raabe |
ノエル
キサラギ少佐も、レイさん争奪戦に 参加するつもりなんですか? |
Noel |
ノエル
レイさんを強引に奪うつもりなら、 いくらキサラギ少佐でも、容赦しません! |
Noel |
ジン
ほう? ノエル=ヴァーミリオン。貴様ごときが レイへの愛でこの僕に勝てるとでも? |
Jin |
ノエル
そ、そうです! だいたいキサラギ少佐、 まだ登場したばかりじゃないですか。 |
Noel |
ノエル
そんな少佐にレイさんのなにが わかるっていうんですか! |
Noel |
ジン
たしかに、貴様の言う通り。僕はまだ登場してすぐだ。 |
Jin |
ジン
レイへの想いを語る時間は、 貴様らに比べれば薄いだろう。 |
Jin |
ジン
だが!! |
Jin |
ジン
僕にはそんな登場時間すら凌駕する、 レイへの想いを形にした……そう、証がある! |
Jin |
ノエル
証……ですか? |
Noel |
ジン
これを見ろ……あらゆる角度から撮影した、 レイの隠し撮り写真だ!! |
Jin |
シエル
これは……フガクの廊下であくびをしていらっしゃる写真ですね。 よく撮れています。 |
Ciel |
ジン
極秘裏に入手した一品だ。 これを使って、特製のレイ抱き枕を作製する。 |
Jin |
ジン
そしてそれを使って眠るのだ…… 頬ずりするもよし、潰れる程に抱きしめるもよし! |
Jin |
1: 潰されるのはちょっと…… 優しくしてください | |
ジン
そうだ! レイ、 貴様には僕の抱き枕をプレゼントしよう! |
Jin |
ジン
そうすれば僕らはどこにいても、どれだけ離れていても、 互いを感じながら過ごすことができる! |
Jin |
ノエル
なっ……少佐、それはやりすぎです! |
Noel |
ジン
それだけじゃないぞ? |
Jin |
ジン
こっちはレイの声を 録音して作った目覚ましだ! |
Jin |
メイファン
おのれ……欲しいっ! |
Meifang |
ノエル
悔しいけど、私も欲しいです……! |
Noel |
ラーベ
え、なにこの流れ……普通にやばくない? |
Raabe |
ラーベ
じゃあなにか。レイが入浴した後の お湯とか汲んできたら、高く売れたりするのか? |
Raabe |
ジン
レイの 入浴水ぃぃぃぃ――――!! |
Jin |
メイファン
ぐはあああぁぁっ……!! |
Meifang |
ノエル
そんなの……ずるいっ!! |
Noel |
ラーベ
おーおーおー。このファントムフィールドだと、 レイを使えばボロ儲けできそうだな。 |
Raabe |
シエル
ラーベさん。 それはモラルに反する非道徳的な思考のように思えるのですが。 |
Ciel |
ラーベ
マジレスするなよー。わかってますって、やりませんって。 冗談だよ、冗談。 |
Raabe |
シエル
冗談でしたか、失礼しました。 |
Ciel |
ジン
……レイを手に入れるには、どうあっても 貴様たち全員を倒すしかなさそうだな。 |
Jin |
ジン
……レイ汁を手に入れるためにも。 |
Jin |
ラーベ
いや、ごめん。汁は冗談だぞ? |
Raabe |
ジン
……なん、だと? |
Jin |
シエル
戦闘能力が上昇しています。あの剣は……! |
Ciel |
メイファン
ユキアネサを解き放つか、面白い。 ならば見せてもらおう、貴様の『本気』の愛を! |
Meifang |
シエル
本気の……愛。 |
Ciel |
ラーベ
なに真に受けてる! 状況が暴走してるだけだ! レイの護衛に入れ、マジで来るぞ! |
Raabe |
シエル
了解。対象の護衛を開始します! レイさん、戦闘準備を行ってください。 |
Ciel |
ーーー/
Summary | |
---|---|
激しすぎる愛により、尋常でない量のラブ
魔力が集まる。だが実験終了には足りない。 舞台はボーナスステージへと移された。 |
ジン
くっ……やるな、レイ。 僕の氷を溶かすほどの貴様の愛に……火傷しそうだ……。 |
Jin |
ジン
だが……まだ、まだだよ、レイ! もっともっと、僕と殺し合おう! |
Jin |
ジン
いいや! 殺し愛をしよう!! |
Jin |
ジン
ぐ、はっ……貴様ら……がくっ。 |
Jin |
ノエル
はぁ、はぁ……危ないところでした。 |
Noel |
ノエル
キサラギ少佐にこれ以上暴走されたら 辺り一帯、氷漬けでは済まないレベルでした……。 |
Noel |
メイファン
ああ、その通りだ。 |
Meifang |
メイファン
そうなっては、ゲレンデの恋が始まってしまう。 |
Meifang |
メイファン
雪景色の中では、 思い人は普段の数倍にも愛らしく見えると聞く。 |
Meifang |
メイファン
これ以上レイを愛しく思えてしまっては…… 私自身、自分がどうなってしまうかわからないのでな。 |
Meifang |
メイファン
止めさせてもらった。 |
Meifang |
シエル
情報を処理しきれませんでしたが、ありがとうございます。 おかげで氷漬けにならなくてすみました。 |
Ciel |
ココノエ
おお、いい感じに集まってるな、ラブ魔力。 |
Kokonoe |
ココノエ
ここのステージからは、ちょっと尋常じゃないレベルの 魔力を回収できたようだ。 |
Kokonoe |
シエル
やはりそうでしたか。あの3人……特にジンさんからは かなりのレベルの高さを感じました。 |
Ciel |
シエル
これが……強いラブ魔力……強い愛……。 |
Ciel |
ラーベ
変な知識仕入れるんじゃないぞ、シエル。 |
Raabe |
ラーベ
尋常じゃないほど回収できたんなら、 そろそろ外れてもいいんじゃないか、メガネ! |
Raabe |
ココノエ
いやさすがに溜まったと思ったんだが…… もうちょっと足りないみたいだな。 |
Kokonoe |
ココノエ
仕方ない、ボーナスステージだ。 次のステージ、転送開始! |
Kokonoe |
第5節 究極の愛情表現/
Summary | |
---|---|
メガネに惹かれた者たちが一堂に集まり、
熱烈な愛が飛び交う。実験のため、愛の ため、戦闘こそ愛だとシエルが立ち上がる! |
ラーベ
ここがボーナスステージか? |
Raabe |
ラーベ
なにが起こる予定なのか知らんが、 この流れだと平和な時間とは無縁だろうな……。 |
Raabe |
ラーベ
シエル、レイ。 身に染みてわかってると思うが、気を抜くなよ。 |
Raabe |
シエル
はい。 |
Ciel |
シエル
ですがレイさんが装着している 『モテメガネ』を外すには、十分なラブ魔力が必要です。 |
Ciel |
シエル
そのためにも、どなたかとの交流は不可欠になります。 |
Ciel |
ラーベ
そうなんだよな。こんなお騒がせアイテム、 さっさと外してしまいたいが、そうもいかない。 |
Raabe |
ラーベ
まったく、面白い……じゃない、 厄介なものを作ってくれるよ……。 |
Raabe |
カズマ
レイくん! こんな場所で奇遇ですね! |
Kazuma |
カズマ
レイさん! こんな場所で奇遇ですね! |
Kazuma |
ラーベ
おお? カズマか。 お前の方こそどうしてここに……いや、待て。 |
Raabe |
カズマ
……これはもう、運命ですね! やはり僕たちは運命の糸でつながっているんです! |
Kazuma |
ラーベ
あー。やっぱりお前もそういうアレか。 |
Raabe |
???
果たしてそれはどうかな! 巡り合うことが運命ならば、それは私にも言えること! |
??? |
ツヴァイ
また会えたな、レイ。 私はいま再び、この愛を伝えるために戻って来た! |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、これを受け取ってくれ! 愛情たっぷりことこと煮込んだ、 名付けて『君のためのカリィ』! |
Zwei |
シエル
このスパイシーな香りは……検索、分析…… 日本のご家庭などでよく見られる、欧風カレーのようです。 |
Ciel |
ツヴァイ
その通り! 家庭的な味こそが、スタンダード・ラブ! |
Zwei |
ツヴァイ
ごろごろ野菜と一緒に、レイのことを考え、 想い、愛を込めて作ったんだ……。 |
Zwei |
ツヴァイ
さあ、食べてくれ。おかわりもあるぞ、寸胴一杯にな! |
Zwei |
ツヴァイ
くそっ、また君か! しつこいぞ! |
Zwei |
ノエル
ぬけがけは許しませんよ、ツヴァイさん! |
Noel |
ノエル
私だって、レイさんのために心を込めて、 もう一度手料理を作ってきたんです! |
Noel |
ノエル
名付けて『愛情たっぷりとろとろオムライス』です! 是非食べてください、レイさん。 |
Noel |
ノエル
今度は絶対に失敗しませんっ! |
Noel |
カズマ
そ、それがオムライス……? 得体の知れないクリーチャーにしか見えないんですが……。 |
Kazuma |
ノエル
むっ。そんなことありませんよ。 色合いは悪いですけど、どこからどう見てもオムライスです! |
Noel |
ツヴァイ
全体的に黒いし、赤とか青とかの……なんだ、その。 ニョロニョロしたものが飛び出しているぞ。それなんだ? |
Zwei |
ツヴァイ
前衛芸術か? |
Zwei |
ノエル
あ、これは……これは、なんでしょうね。 でも大丈夫、美味しいですよ! |
Noel |
カズマ
美味しいか美味しくないとか以前の話ですよ! ちょっと震えてるし! |
Kazuma |
ノエル
これは…… はっ!? |
Noel |
サヤ
……仕留め損ないましたか…… また世にも恐ろしい物体を……。 |
Saya |
サヤ
あなたは危険すぎます。 この手で排除させていただきます。 |
Saya |
ノエル
な、なにをするんですか、危ないじゃないですか! オムライスを落としちゃったらどうするんです!? |
Noel |
ツヴァイ
そうだ! 食べ物は大切にしろ! |
Zwei |
ツヴァイ
……ん? 君、今さっき私のカリィを撃ち落とそうとしなかったか? |
Zwei |
ノエル
気のせいですよ! |
Noel |
サヤ
ふふ……ですが二度目はありますまい。 ご安心くださいませね、レイさん。 |
Saya |
サヤ
あのような明らかに危険な謎の物体と…… 万が一愛情を感じてしまうやもしれぬカレー。 |
Saya |
サヤ
どちらもこの私が始末しておきます。 そうしましたら……ゆっくりと、私と時間を過ごしましょう。 |
Saya |
冥
待て待て待て! 聞き捨てならんな! レイとの時間を手にいれるのは私だ! |
Mei |
冥
なぜならそいつは、すでに私のものなのだからな! |
Mei |
シオリ
妄想するのもいいかげんにしてください。 レイ様は私を愛しているんです! |
Shiori |
シオリ
そうでなくても問題ありません。 すぐにそう思えるようにしてさしあげますから! |
Shiori |
サヤ
貴様……レイさんになにをする気ですか……。 |
Saya |
シオリ
キリヒト印の超強力惚れ薬ですよ。 シオリにメロメロになる薬です。 |
Shiori |
冥
なんて恐ろしいやつ…… 強引にレイの気持ちを捻じ曲げるつもりか! |
Mei |
ナオト
お前人のこととやかく言ってるけど、 その手に隠した符はなんだ? |
Naoto |
冥
フッ……貼るだけで私のことしか見えなくなる 特製の符だ! |
Mei |
ナオト
お前もたいして変わらねぇだろうが! |
Naoto |
ナオト
ホレ薬だろうが妙な符だろうが、 ついでにカレーもオムライス(?)も…… |
Naoto |
ナオト
レイをどうにかしようとする小細工は、 俺が許さねぇ! |
Naoto |
ナオト
安心しろ、レイ。俺が守ってやる。 愛してるぜ! |
Naoto |
ジン
退け! 障害がぁぁぁぁっ! |
Jin |
ジン
おまたせレイ! さあ愛し合おう! |
Jin |
ノエル
キサラギ少佐! そうはさせません……。 たとえ相手があなたでも、私、負けません! |
Noel |
ジン
ほざけ。貴様に用はない。 僕の目に映っていいのはレイだけだ! |
Jin |
ノエル
くっ……すごい気迫……でも、私だって譲れません! |
Noel |
ツヴァイ
抜け駆けはさせないぞ。 私とて、レイを愛しているのだから! |
Zwei |
男
そうだそうだ! 抜け駆けさせるな! |
Man |
軍人
レイをこちらに渡してもらおうか! |
Soldier |
女
きゃー! レイさーん! 好きーーー!!! |
Woman |
ナオト
誰だあいつら!? |
Naoto |
ツヴァイ
無論、モブの皆さんだ! 名もなき者にも愛される。さすがだ、レイ……。 |
Zwei |
Es
成敗。 |
Es |
男
ぎゃぁぁぁぁ! |
Man |
冥
問答無用だと!? そしてエス……お前もか。 |
Mei |
Es
はい。レイさんをお迎えにあがりました。 |
Es |
Es
レイさんをお連れして、 ふたりでラブラブプリンパーティを行います。 |
Es |
Es
邪魔をしないでください……冥。 |
Es |
ラーベ
なんだこの目茶苦茶な状況は! 目がヤバイやつらが多すぎる。一旦退くぞ! |
Raabe |
シエル
いいえ……待ってください。 |
Ciel |
ラーベ
シエル? |
Raabe |
シエル
これだけの人が、レイさんを愛し、 ここに集まっています。 |
Ciel |
シエル
これはラブ魔力を一度に大量回収する 絶好の機会なのではないでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
……確かに。 |
Raabe |
ラーベ
でもいいのか? それはレイを囮にするってことだぞ。 |
Raabe |
ラーベ
お前的にアリなのか? |
Raabe |
シエル
もちろん、レイさんを 危険に晒すわけにはいきません。ですから……。 |
Ciel |
シエル
私が率先して、レイさんに愛を示します。 |
Ciel |
ラーベ
は? |
Raabe |
シエル
これまで多くの方々の『愛情表現』を観察してきました。 その結果、どんな行動が『愛情』なのか、およそ理解しました。 |
Ciel |
シエル
戦闘です! |
Ciel |
ラーベ
いや、シエル? |
Raabe |
シエル
任せてください。 決して、レイさん自身に危害は加えません。 |
Ciel |
シエル
これは戦闘の形をした愛情表現です。 戦闘行動を通して、私のラブを受け取ってください。 |
Ciel |
シエル
そうしながら、この場のすさまじいラブ魔力をも回収すれば、 きっとメガネの解除に必要なラブを集められるはずです。 |
Ciel |
シエル
いいえ、きっと回収させてみせます。 なぜなら……。 |
Ciel |
シエル
私もレイさんを愛していますので!! |
Ciel |
ココノエ
……ついにシエルにも 『モテメガネVer.イリュージョン』の影響が出始めたか。 |
Kokonoe |
ラーベ
なんて威力だ……。 シエルにまで愛情を錯覚させるか。 |
Raabe |
ラーベ
……いや、待てよ。ちょっと待て。 |
Raabe |
ラーベ
ここがココノエのファントムフィールドなら…… なぜメガネが予想外の影響を与えるんだ? |
Raabe |
ラーベ
……もしかして。 |
Raabe |
シエル
対象を補足。戦闘態勢に移行……。 訂正。愛情体勢に移行! |
Ciel |
シエル
対象へのラブを開始します! 受け取ってください、レイさん! |
Ciel |