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Character Stories (Unused Content) |
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第1節 プロローグ/
Summary | |
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観測者がいない世界を調査中、そこに現れた
のは、ナオトと久音……そして二人をアイド ルとしてスカウトする冥の姿だった。 |
シエル
……確認。確認。 《浸入》完了。 ダイブ |
Ciel |
シエル
ラーベさん、レイさん。大丈夫ですか? |
Ciel |
ラーベ
ああ、隅々まで良好だ。レイも バイタルなどなど、問題なさそうだな。よしよし。 |
Raabe |
ラーベ
となれば、問題あるほうに取り掛かろうか。 |
Raabe |
ラーベ
調査対象は、 またしても観測者のいないファントムフィールドなわけだが。 |
Raabe |
シエル
はい。窯を破壊し観測者を解放したファントムフィールドは、 本来の形に戻るために状態が停滞するはずです。 |
Ciel |
シエル
ですがタカマガハラシステムによれば、停滞しているはずの ファントムフィールドに異質な変化が観測されたそうです。 |
Ciel |
シエル
今回の《浸入》の目的は、 実態の調査及び問題が生じているようであればその解決です。 ダイブ |
Ciel |
ラーベ
うむ。とはいえ、 ざっと見た限りではおかしなところはなさそうだな。 |
Raabe |
ラーベ
少し動いて、周囲を調査してみよう。 |
Raabe |
ラーベ
うっわ、なんだ急に!? |
Raabe |
シエル
爆発音です。発生場所は通りの向こう側のようです。 現場の確認に向かいますか? |
Ciel |
ラーベ
もちろんだ。爆発なんて、そこに問題がありますと 言っているようなもんじゃないか。 |
Raabe |
シエル
了解しました。 |
Ciel |
冥
くっくっくっく……追い詰めたぞ。 さあ、いい加減に観念するんだな! |
Mei |
ナオト
くそっ……! |
Naoto |
シエル
あれは…… ナオトさんと冥さん、それから久音さんです。 |
Ciel |
ナオト
あっ……なあ! そこの人! |
Naoto |
ナオト
助けて……いや、警察を呼んでくれ! そして逃げろ、ここは危険だ! |
Naoto |
久音
そうよ、危険よ! このおかしな女の術に巻き込まれるわ! |
Kuon |
冥
誰がおかしな女だ! 人聞きの悪いことを言うな! |
Mei |
ナオト
危険行為は事実だろうが! |
Naoto |
冥
大きなことを成すためには、時に犠牲が必要となる……。 |
Mei |
冥
ん? お前……よく見ればお前もいい素材じゃないか。 ぜひ名前を教えてくれ! |
Mei |
シエル
私ですか? |
Ciel |
シエル
私はシエル=サルファーといいます。 こちらはラーベさんとレイさんです。 |
Ciel |
ラーベ
……やはり、これまでファントムフィールドで遭遇した記憶は 保持していないようだな。そこは基本通りか。 |
Raabe |
冥
ふむふむ、なるほど……シエルか。 やはりいい目をしている。内に秘められた輝きを感じるぞ! |
Mei |
冥
それに、レイとか言ったな? お前もなかなか見どころがありそうだ! |
Mei |
1: あ、ありがとうございます |
1: |
冥
ふふふ……素直なところもいい! |
Mei |
冥
ふふふ……いい質問だ。 |
Mei |
冥
合格だ。お前たち、私の計画に加わらないか? |
Mei |
シエル
計画、ですか? |
Ciel |
ナオト
おい、バカか、真面目に取り合うな! マジで巻き込まれるぞ! |
Naoto |
久音
いいから来て、逃げるのよ! |
Kuon |
ナオト
あっぶねぇ!? 冥、なに考えてんだ! |
Naoto |
冥
新人をつれて逃亡を図るからだろうが。 |
Mei |
冥
大人しくしていれば手荒なことはしない。 さっきそう言ったはずだぞ? |
Mei |
ナオト
手荒すぎるんだよ! |
Naoto |
冥
そう騒ぐな。私は夢のある話をしたいだけだ。 |
Mei |
冥
そう……お前たちにアイドルになってくれと言っているだけだ! |
Mei |
1: 僕が……アイドル!? / 私が……アイドル!? |
1: |
冥
私に任せておけ。悪いようにはしない……。 |
Mei |
冥
だがアイドルにならないというのであれば、 その心が変わるまで追い続けるぞ! |
Mei |
ナオト
じゃあわかりました、ってなるわけないだろ! 付き合ってられるか! |
Naoto |
久音
ちょっと黒鉄ナオト! 冥を止めなさいよ! |
Kuon |
ナオト
止められるなら初めから止めてんだよ! |
Naoto |
ラーベ
うわっとととと、爆風がかなり本気だぞ! ずいぶん熱烈なスカウトじゃないか。 |
Raabe |
シエル
スカウトとは、 これほどまでの爆発を必要とするものなのですね。 |
Ciel |
ナオト
んなわけあるか! こんなスカウトがあってたまるか! |
Naoto |
冥
待て! 止まれ! 今止まれば死なない程度の仕置きで許してやる! |
Mei |
久音
ちょっと、近づいてきたわよ! |
Kuon |
1: このままだと捕まる! |
1: |
ナオト
捕まったらアイドルにされちまうぞ! |
Naoto |
久音
だったら逃げきればいい話よ! |
Kuon |
久音
ええそうね。 面倒なことに巻き込まれるのはナオトだけでいいわ。 |
Kuon |
ナオト
おい待て、俺を囮にしようとか考えてないよな? |
Naoto |
シエル
……検索……照合。確認。 皆さん、こちらへ! |
Ciel |
ナオト
こ、ここまでくれば、あいつもさすがに……。 |
Naoto |
冥
ふはははは! 馬鹿め。こんな場所へ逃げ込むとはな! |
Mei |
ナオト
な、なに!? |
Naoto |
シエル
そんな……逃走ルートは最適なものを選んだはずです。 |
Ciel |
冥
さあ……私のアイドルプロデュース計画に 加わってもらうぞ! |
Mei |
冥
初期メンバーはナオト、久音、シエルの3名だ! |
Mei |
シエル
私とナオトさん、久音さんですか? |
Ciel |
シエル
レイさんにも、 見どころがあったかと思いますが。 |
Ciel |
冥
いや、そいつにはもっと適役がある。 |
Mei |
冥
レイには私の助手をしてもらう。 つまり、アシスタントプロデューサーだ! |
Mei |
1: プロデューサー、かっこいい! |
1: |
冥
そうだろう、そうだろう。 お前にうってつけの役割だと思うぞ! |
Mei |
冥
気のせいだ! |
Mei |
冥
アイドルの成長を間近で見ることができる 素晴らしい役割だぞ! |
Mei |
ラーベ
レイがアシスタントプロデューサーか。 そういうのは私のほうが適任だと思うがな……。 |
Raabe |
冥
お前はマスコットだ。 |
Mei |
ラーベ
む……確かにこのキュートな容貌をもってすれば、 マスコットの大役も難なくこなせるだろうが。 |
Raabe |
ナオト
自分で言うのかよ。 |
Naoto |
久音
ああ、なんでこんなことに……。 |
Kuon |
ラーベ
なんでといえば、お前たちはなんで一緒にいるんだ? |
Raabe |
ナオト
いや、俺が冥に追いかけ回されてる最中に会ったんだよ。 久音も冥に追われてるらしくて。一緒に逃げたってわけ。 |
Naoto |
久音
冥に、急にアイドルになれだなんて言われてね……。 まったく、なんだっていうのよ、唐突に。 |
Kuon |
冥
そこ! ごちゃごちゃうるさいぞ! |
Mei |
ナオト
あっ、てめぇ!? なんの護符を貼りやがった!? |
Naoto |
冥
私の意に背いたら安全に感電する護符だが? |
Mei |
ナオト
安全に感電するってなんだよ!? |
Naoto |
冥
ふっふっふ……。 これでお前たちはアイドルを目指すしかなくなったな。 |
Mei |
久音
ずーっと思ってたんだけど、 これってスカウトじゃなくて脅迫よね。 |
Kuon |
シエル
一般的にはそうかと。 |
Ciel |
冥
安心しろ。この私がプロデュースするんだ。 必ずお前たちをトップアイドルにしてみせる! |
Mei |
ナオト
いやそう言われてもな。 まずトップアイドルになりたくないんだが。 |
Naoto |
冥
なぜだ。トップアイドルになったら儲かるぞ。 生きていくのにお金は必要だろう。お金は大事だぞ。 |
Mei |
ナオト
そりゃあ否定はしねえけど……。 |
Naoto |
冥
まったく、さっきから文句ばかり並べおって。 これだから最近の若者は。 |
Mei |
冥
なにが不満なんだ、聞いてやるから言ってみろ。 話を聞くのもプロデューサーの仕事だからな。 |
Mei |
ナオト
全部だよ! |
Naoto |
冥
ふむ……ならば仕方がない。 奥の手を使うか。 |
Mei |
冥
黒鉄! お前がトップアイドルになったら、 最高級の紅茶を用意してやろう! |
Mei |
冥
休日は紅茶を飲みながら、ゆっくりとした時間をすごす。 どうだ、最高だろう! |
Mei |
冥
猫もいっぱい飼えるぞ! もふもふし放題だ! |
Mei |
ナオト
そ、それはまあ、悪くねえな……。 |
Naoto |
冥
久音! お前には最高級のカレーを用意してやる! 好きなんだろう、カレー。 |
Mei |
冥
あとは……読書が好きだそうだな。 それなら絶版本の初版を好きなだけ用意してやる! |
Mei |
冥
なにせトップアイドルだ。 ほしいものはなんでも手に入る! |
Mei |
久音
うっ。 それは……悪くない条件かも……。 |
Kuon |
冥
そうだろう、そうだろう! だったら、さあ、私の計画に乗れ! |
Mei |
冥
何事も挑戦だ。望むもののために挑戦もせずにいるなど、 時間の浪費! 人生の損失! |
Mei |
冥
共に夢に向かって頑張ろうじゃないか! |
Mei |
久音
なんかうまく乗せられてる気がするけど……。 確かに、ものは試しでやってみるのもいいかも。 |
Kuon |
冥
レイやシエルにとっても いい経験になるはずだ。いや、なる! |
Mei |
冥
アイドルとしての活動やプロデュースに関われるなんて そうそうない機会だぞ。 |
Mei |
シエル
はい、非常に珍しい機会だと思います。 |
Ciel |
シエル
アイドル……偶像。人の心を捉える象徴がどんなものなのか、 興味はあります。 |
Ciel |
1: 同感! やってみたい! |
1: |
冥
よし、全員やる気になってきたようだな。 ならば早速プロデュース開始といこう。時は金なり、だ。 |
Mei |
冥
まずは体力作り! 手初めに町内100周から! |
Mei |
ナオト
いきなりハードだなおい! 100周ってアホか! |
Naoto |
冥
おっと、それで終わりと思うな。 お前たちが目指すのはトップアイドルだ。 |
Mei |
冥
走り込みが終わったら、仕上げにこの敏腕トレーナー 木人君と戦ってもらう! |
Mei |
冥
さあまごついている時間はないぞ、走れ!! そして戦え!!! |
Mei |
第2節 冥の夢/
Summary | |
---|---|
アイドルになるためのトレーニングが始まっ
た。メンバーに自らの夢と情熱を語る冥。し かしトップアイドルへの道は険しい……。 |
冥
まだまだだ! |
Mei |
冥
この程度のトレーニングでへばっていたら トップアイドルにはなれないぞ! |
Mei |
冥
そうだろう、レイ。 いや、アシスタントプロデューサー! |
Mei |
1: かなりいい感じだと思うよ |
1: |
冥
ほう、お前は褒めて伸ばすタイプなんだな。 それもいいだろう。必要なことだ。 |
Mei |
冥
それに、確かに初めてにしては上出来と言える。 だが……。 |
Mei |
冥
私は甘やかさないぞ! |
Mei |
冥
うむ、同感だ。トップアイドルへの道は険しい。 数々の試練を乗り越えた先にあるものだ……。 |
Mei |
冥
だからこそ、この程度で満足していてはダメだ! |
Mei |
ナオト
待て待て! なんでお前まで攻撃してくんだよ!? |
Naoto |
冥
愛の鞭だ! |
Mei |
ナオト
そんな愛はいらねえよ! |
Naoto |
久音
そもそも、なんで私たちをアイドルにしようと思ったのよ。 |
Kuon |
冥
そんなの決まっているだろう。 |
Mei |
1: お金儲けのためとか? |
1: |
ラーベ
別に金を稼ぐことが悪いとは思わないがな。 |
Raabe |
冥
なかなかいいことを言うじゃないか、マスコット。 |
Mei |
冥
レイ、よくわかっているな! |
Mei |
ナオト
ほんとかよ。一攫千金とか狙ってるんじゃないだろうな? |
Naoto |
冥
もちろん、金銭を欲していないとは言わない。 |
Mei |
冥
だが、それ以上にアイドルをプロデュースすることは 私にとっての夢なんだ。 |
Mei |
ナオト
夢、ねぇ……。 |
Naoto |
冥
しかし! 私が作りたいのはただのアイドルじゃあない! |
Mei |
冥
巫女をテーマにしたアイドルグループだ! |
Mei |
冥
大きな社を建てて、そこをライブハウスにもする! 物販ではグッズと称してお札を売る! 売れるぞ! |
Mei |
冥
だが、ライブハウスを建てるにも、 アイドルをプロデュースするのにも、莫大な資金が必要だ。 |
Mei |
冥
その足掛かりとするためにも、お前たち自身の努力と 地道な活動で、まずはトップに華々しく立ってもらう。 |
Mei |
久音
そうは言うけど、そんなに上手くいくものかしら。 |
Kuon |
久音
こんな素人寄せ集め集団が トップアイドルになるなんて無理な話だと思わない? |
Kuon |
シエル
いえ、我々ならば達成できる目標だと思われます。 |
Ciel |
シエル
みなさんの体力も十分に回復しました。 そろそろトレーニングに戻ったほうがいいのではないでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
随分やる気じゃないか、シエル。 お前がそんなにアイドルに興味があったとは。 |
Raabe |
シエル
はい。 アイドルは、キャラを確立させるためにも役立つそうですから。 |
Ciel |
ラーベ
お前キャラを気にするようなタイプだったのか……? |
Raabe |
シエル
――さきほど冥さんに教わりました。 社会で生きるためにキャラ立ちは重要だそうです。 |
Ciel |
ラーベ
天ノ矛坂冥よ。 ウチの部下におかしなことを吹き込まないでもらいたいんだが。 |
Raabe |
冥
変なこととは心外だな。 |
Mei |
冥
モチベーションの管理もプロデューサーの役目だ。 すなわちこれもまたプロデュースの一環。 |
Mei |
1: シエル、頑張ってね |
1: |
シエル
ありがとうございます。 今後の活動のためにも、必ずトップアイドルになってみせます。 |
Ciel |
シエル
はい。今後私がどのような場所に赴いたとしても 問題なく活動できるよう、キャラを確立してみせます。 |
Ciel |
シエル
では、冥さん。 次のトレーニングをお願いします。 |
Ciel |
冥
よし! 次はダンスのトレーニングをしてもらうぞ! |
Mei |
久音
木人と踊れとか言い出さないわよね? |
Kuon |
冥
安心しろ。次は私が直接指導してやる! |
Mei |
ナオト
直接? 冥、ダンスなんかできるのか? イメージまったくないんだが。 |
Naoto |
冥
お仕置きビリビリ護符発動! |
Mei |
ナオト
がああああぁぁぁぁぁっ!? |
Naoto |
冥
まったく、失礼なことをいうやつだ。 私じゃなかったら殴られているぞ。 |
Mei |
ナオト
これ、さっき貼られた護符か……! そこそこの威力なんだが……? |
Naoto |
冥
いいか! ダンスの基本は蝶のように舞い、 蜂のように刺す、だ! よく覚えておけ! |
Mei |
ラーベ
どこかのボクサーみたいだな。 |
Raabe |
ナオト
そもそも刺す必要ねえだろ。 |
Naoto |
冥
違う! |
Mei |
冥
軽やかなステップで舞い、 ファンの心を魅了するという意味だ! |
Mei |
シエル
わかりました。 冥さんのアドバイスをもとにトレーニングを開始します。 |
Ciel |
第3節 新たな犠牲者/
Summary | |
---|---|
冥が思い描く理想のため、追加メンバーとし
てバレットが参加。しかし用意されたライブ 衣装を巡って、彼女はグループと衝突する。 |
ナオト
うおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ! |
Naoto |
冥
いいぞ、黒鉄! やればできるじゃないか! |
Mei |
ナオト
オラァァァァァァッ! |
Naoto |
ラーベ
ダンスのトレーニングをしている掛け声とは思えんな。 |
Raabe |
ナオト
うるせえ! どうせ引き返せねえんだ! こうなりゃ、やるところまでやってやろうじゃねえか! |
Naoto |
シエル
開き直り、というものですね。 |
Ciel |
久音
あそこまで開き直れたら清々しいでしょうね。 |
Kuon |
ナオト
ちくしょおぉぉぉぉぉっ! |
Naoto |
冥
ふーむ……。 |
Mei |
ラーベ
どうした、難しい顔をして。 |
Raabe |
冥
いやな。このままでもいいセンまではいくだろうが、 私の理想には程遠い。 |
Mei |
冥
やはり、このグループには足りていないものがある。 レイ、それがなにかわかるか? |
Mei |
1: 歌唱力、ですかね…… |
1: |
冥
たしかにそれも大事なことだな。 |
Mei |
冥
が、しかし! それより大事なのはビジュアル的なパワーだ! |
Mei |
久音
ビジュアル的なパワー? |
Kuon |
冥
そう。それが今の私たちに足りないものだ。 |
Mei |
冥
だが安心しろ。 こんなこともあろうかと、すでに手は打ってある。 |
Mei |
冥
そろそろ到着するはずだが……。 |
Mei |
バレット
雇われたバレットだ。よろしく頼む。 |
Bullet |
久音
きゃあっ!? 急に出てこないでよ! |
Kuon |
シエル
バレットさんにダンスの経験が……? |
Ciel |
ラーベ
これは意外な人選。そして唐突にして思いがけない登場。 なんでもありか。 |
Raabe |
バレット
冥、こいつらは本当に大丈夫なのか? |
Bullet |
冥
心配するな。黒鉄たちもなかなかの逸材でな。 まったく問題ない。 |
Mei |
バレット
見たところ、一般人のようだが……。 |
Bullet |
バレット
だがまあ、戦いを教えてほしいということなら 私に任せておけ。 |
Bullet |
バレット
傭兵仕込みの戦い方を教えてやる。 |
Bullet |
ナオト
おいおい、アイドルはどこにいった。 |
Naoto |
バレット
アイドル? |
Bullet |
久音
私たちはアイドルになるために トレーニングをしているの。 |
Kuon |
バレット
なに……? |
Bullet |
バレット
近々避けられない戦いがあるから、隊に参加し、 お前たちを鍛え上げてほしいと聞いてきたんだが!? |
Bullet |
久音
あなた……それ騙されてるわよ……。 |
Kuon |
バレット
冥、話が違うぞ! どういうことだ! |
Bullet |
冥
なにも違わない! アイドルにとってステージは戦場だ! |
Mei |
冥
お前にはステージの兵士になってもらうぞ! アイドル |
Mei |
バレット
ふざけるな! この話は降りさせてもらうぞ! |
Bullet |
冥
おっと、そうはいかない。 |
Mei |
冥
お前とはしっかり契約を結んでいるからな! |
Mei |
バレット
なにを……! |
Bullet |
冥
傭兵が締結済みの契約を破るなんて…… 信用問題に関わると思うんだが? |
Mei |
バレット
くっ……。 |
Bullet |
バレット
……わかった。契約を結んだからにはまっとうしよう。 |
Bullet |
ナオト
それで納得するのかよ! いいのかよ!? |
Naoto |
バレット
契約は絶対だからな。 |
Bullet |
冥
よし、話もまとまったところで お前たちに報告することがある。 |
Mei |
久音
報告? |
Kuon |
冥
そうだ。アイドルの活動に必要不可欠な衣装についてな。 |
Mei |
シエル
ライブのときに着用する衣装、ですか。 |
Ciel |
冥
察しがいいじゃないか。そう、その通り。 フリフリの可愛い衣装を用意するつもりだ! |
Mei |
バレット
ふ、フリフリだと!? まさかスカートなのか!? |
Bullet |
冥
そんなに嬉しいか? それなら、夜なべしてデザインした甲斐があったな! |
Mei |
バレット
馬鹿を言うな! |
Bullet |
バレット
たしかにアイドルをするのは納得したが、 スカートを履くなんて聞いてないぞ! |
Bullet |
久音
たしかに日本のアイドルは フリフリの可愛らしい服を着ているけど……。 |
Kuon |
久音
冥が目指しているのは巫女アイドルよね? 巫女服じゃないの? |
Kuon |
冥
いや、もちろん巫女服だぞ? |
Mei |
冥
ただまあ、巫女服はそのままでも十分可愛いが、 ステージ衣装としてのインパクトは控えめだからな。 |
Mei |
冥
だから巫女服をベースにしたフリフリな衣装を作製中だ! 斬新かつ大胆なアレンジだからな、かなり目を引くはずだぞ! |
Mei |
ナオト
な、なあ。そのフリフリって、まさか…… 俺の分もそんな感じとか、ないよな……? |
Naoto |
冥
ん? ああそうか……黒鉄は男だったな。 全部の衣装を女性用で発注してしまった。 |
Mei |
ナオト
そこ重要だろ! どうすんだよ! 俺にフリフリのスカートを履いて踊れってのか!? |
Naoto |
ナオト
しかも巫女服を! |
Naoto |
久音
ナオトちゃんになるわけね。それは面白そう。 |
Kuon |
ラーベ
一部の人にはウケがよさそうだしな。 |
Raabe |
ナオト
お前らバカなの!? |
Naoto |
バレット
<size=130%>そんなことはどうでもいいだろう!</size> |
Bullet |
ナオト
よくねえよ!? 大事なとこだよ!? |
Naoto |
バレット
契約であっても、フリフリだけは駄目だ! |
Bullet |
冥
もう遅い! 今から作り直していたらライブに間に合わん! 諦めろ! |
Mei |
バレット
ぐっ……こうなったら…… 多少手荒になっても、止めさせてもらうぞ! |
Bullet |
シエル
バレットさんの攻撃性反応が上昇しています。 |
Ciel |
1: プロデューサーって大変なんだね |
1: |
冥
レイ、わかってくれるか……。 お前はいいやつだな。 |
Mei |
冥
そうだ。数々の問題に常に直面しなければならない。 苦労の多い生き方だ |
Mei |
冥
悲しいことだな。こうして才能あるグループが どれだけ消えていったことか……。 |
Mei |
ナオト
音楽の方向性の問題ではねぇよ。 |
Naoto |
ナオト
……って、そんなこと言ってる場合じゃねえ! あの人、完全にやる気になってんぞ!? |
Naoto |
バレット
レイたちはそちらの味方か。 いいだろう。立ちはだかるのなら容赦はしない。 |
Bullet |
ナオト
どっちかっていうと、俺も冥を止めたい側なんだけど…… もうそういうの聞いちゃいない雰囲気だな。 |
Naoto |
バレット
かかってこい! お前たち全員相手してやる! |
Bullet |
第4節 あの人は人気アイドル!?/
Summary | |
---|---|
一行の噂を聞きつけ現れたライチ。人気アイ
ドル『R@iCHI』として活動する彼女は、頂 点の座をかけたライブバトルを申し出る。 |
バレット
負けた……だと……。 |
Bullet |
バレット
私が……フリフリの服を、しかもミニスカート…… 着る、のか……。 |
Bullet |
久音
もう諦めたほうがいいわ。私たちもそうだから。 |
Kuon |
バレット
くっ……。 |
Bullet |
ライチ
あなたたちね? トップアイドルの座を狙っているというグループは。 |
Litchi |
ラーベ
ライチ……!? |
Raabe |
ラーベ
しかも当然のように、 こちらがアイドルという設定で話に入ってきたな。 |
Raabe |
ラーベ
なんなんだこのファントムフィールド。 |
Raabe |
シエル
ファントムフィールドは、不思議がたくさんです。 |
Ciel |
ライチ
なにか言ったかしら? |
Litchi |
ラーベ
いや、こっちの話だ。 |
Raabe |
ラーベ
それよりライチよ。 ……もしかして、お前もアイドルなのか? |
Raabe |
冥
お前たち……人気アイドル『R@iCHI』のことを 知らないのか!? |
Mei |
1: あの有名な『R@iCHI』!? |
1: |
冥
レイはさすがだな。 私が目を付けただけある! |
Mei |
シエル
ご存知だったのですか、レイさん。 素早い情報収集能力……すごいです。 |
Ciel |
ナオト
だよな。俺も聞いたことねえよ。 |
Naoto |
久音
私もよ。 |
Kuon |
冥
お前たち……トップアイドルを目指す者として 恥ずかしくないのか!? |
Mei |
久音
いえ全然。まず自発的に目指してるわけじゃないし。 |
Kuon |
久音
……それで? なんでその人気アイドルさんがこんなところにいるのよ。 |
Kuon |
ライチ
最近、噂になっていたの。 トップアイドルの座を狙う新米グループがいるってね。 |
Litchi |
久音
それが私たちだっていうの? にわかには信じられないわね……。 |
Kuon |
ナオト
なんせついさっき、活動開始したところだしな。 させられた、が正しいが……。 |
Naoto |
ライチ
謙遜しなくていいわ。 |
Litchi |
ライチ
あなたたちのトレーニングを見させてもらったけど、 なかなかやるわね。 |
Litchi |
ライチ
キレのある動き、軽やかなステップ。 被りがない個性豊かなメンバー……。 |
Litchi |
ライチ
トップアイドルとしてふさわしい素質だわ。 |
Litchi |
久音
嘘でしょう……!? 絶対にそんなことないわよ! |
Kuon |
冥
やっぱりプロだな! 着眼点が違う! |
Mei |
リンファ
僕もびっくりしちゃったよ! |
Linhua |
ナオト
へぇ、こんなちっちゃいファンもいるんだな。 |
Naoto |
冥
黒鉄……今、なんて言った……? |
Mei |
ナオト
あ? ちっちゃいファンだって―― |
Naoto |
冥
<size=130%>馬鹿者!</size> お前はリンファさんを知らないのか! |
Mei |
冥
この人はなぁ! 無名だった『R@iCHI』を 人気アイドルに育て上げたすごい人なんだぞ! |
Mei |
ナオト
そ、そうなのか!? とてもそうは見えなかった……。 |
Naoto |
ラーベ
話を戻すが、私たちになんの用なんだ? |
Raabe |
リンファ
ライチ先生は、どっちがトップアイドルに相応しいか 決着をつけたいんだって! |
Linhua |
ライチ
ふふ、そういうこと。 アイドルの頂点は2つもいらないもの。 |
Litchi |
ナオト
決着をつけるって言ったって、どうやってつけるんだよ。 |
Naoto |
冥
人気アイドル『R@iCHI』とライブバトルか! 燃えてきたな! |
Mei |
1: 練習の成果を見せよう! |
1: |
冥
そうだな。あれだけ大変なトレーニングをこなしたんだ。 思う存分、ステージで輝くといい! |
Mei |
久音
軽く言ってくれるわね…… そんな急にステージとか言われても困るわよ。 |
Kuon |
ナオト
そう言って逃がしてもらえる流れじゃねぇだろ。 こうなったらやるしかねぇ。 |
Naoto |
冥
黒鉄がセンターか! いいアイデアだ、採用! |
Mei |
ナオト
いやいや! おかしいだろ! そういうのは……ほら、久音とか! |
Naoto |
久音
ええっ!? わ、私よりシエルのほうがいいわよ、ね!? |
Kuon |
シエル
わかりました。私がセンターを務めます。 |
Ciel |
バレット
バトルをすると聞こえたぞ! 戦いか、戦いなんだな!? |
Bullet |
ナオト
お、復活した。 |
Naoto |
バレット
アイドルに興味などないが、戦いなら私に任せろ! |
Bullet |
久音
勘違いしてると思うけれど……いいの? |
Kuon |
冥
わざわざやる気を削ぐこともない。 バレットには契約分きっちり働いてもらうぞ! |
Mei |
ライチ
リンファ、準備してくれる? |
Litchi |
リンファ
はーい先生! |
Linhua |
冥
せっかく発注した衣装が間に合わないのは 残念なところだが、まあいい! |
Mei |
冥
今の実力を知るいい機会だ! お前たち、特訓の成果を見せてやれ! |
Mei |
ナオト
もうやけくそだ! こうなったら全力でやってやらぁ! |
Naoto |
第5節 エピローグ/
Summary | |
---|---|
見事、バトルに勝利した冥たち。願望を叶え
たことで世界は収束を始めるが、彼女の夢は さらなる高みへと羽ばたいていくのだった。 |
ライチ
……素晴らしいパフォーマンスだったわ。 |
Litchi |
冥
当然だ。 この私がプロデュースしたグループだからな! |
Mei |
ナオト
もう勘弁してくれ……。 |
Naoto |
1: まだまだこれからだよ! |
1: |
ナオト
お前……冥に毒されてきてないか? |
Naoto |
ナオト
こんな真昼間に、ご近所さんの前で歌わされてんだぞ。 明日からどんな顔して歩けばいいんだよ……。 |
Naoto |
久音
端から見ていれば、そうかもしれないけど……。 |
Kuon |
久音
私は、しばらくこういうのは遠慮したいわよ。 アイドルとか、柄じゃないし。……恥ずかしいし……。 |
Kuon |
バレット
また、騙されたのか……またしても戦いではなかっただなんて。 私は、戦っているつもりでいたのだが……。 |
Bullet |
ライチ
なにを憔悴した顔をしているの。 あなたたちは私たち……つまり、トップアイドルに勝ったのよ。 |
Litchi |
ライチ
そんな情けない姿を見せていていいの? |
Litchi |
リンファ
そうだよ! |
Linhua |
リンファ
レイたちは僕たちに勝ったんだから。 しゃきっと、顔を上げていてくれなくちゃ。 |
Linhua |
ライチ
ふふ、そろそろ私も引退を考える時期かもしれないわね。 こうして優秀な後輩に巡り合えたんだから。 |
Litchi |
リンファ
ライチ先生……。 |
Linhua |
冥
なにを言っているんだ。 |
Mei |
冥
ライチはこれからもアイドルでいてもらわないと困る。 |
Mei |
ライチ
……どうして? |
Litchi |
冥
お前たちは私たちのグループに吸収する! |
Mei |
冥
その素晴らしいパフォーマンスを こんなところで終わらせるわけにはいかない! |
Mei |
ライチ
冥……あなた……。 |
Litchi |
冥
さあ、これから私たちと共に トップアイドルを目指していこうじゃないか! |
Mei |
冥
……いや、違うな。 目指すのは単なるトップアイドルではない。 |
Mei |
シエル
なにを目指すのですか? |
Ciel |
冥
時代はグローバルだ! |
Mei |
冥
国内のトップアイドルになるのはもちろん、 世界市場を視野に入れたマーケティングをしていくぞ! |
Mei |
ナオト
世界……じ、冗談だろ……!? |
Naoto |
冥
冗談なわけがあるか! 私はいつでも本気だ! |
Mei |
冥
世界を相手にするとなると、 衣装の改良、バリエーションも必要だな……。 |
Mei |
冥
より派手に、より愛らしく、よりフリフリに……。 |
Mei |
バレット
なに……!? |
Bullet |
冥
歌やダンス以外の活動にも目を向けねば……。 久音の写真集とかもいいかもしれないな! |
Mei |
久音
えっ……? |
Kuon |
ラーベ
張り切ってるな。冥プロデューサー。 |
Raabe |
冥
よし、だいたいの方針は決まった! 詳しくは私の家で話そう。 |
Mei |
ナオト
あー、俺、用事を思い出した……。 |
Naoto |
久音
私も、イシャナに帰らないと……。 |
Kuon |
バレット
契約はここまでのはずだ! 私はこれで失礼するぞ! |
Bullet |
ナオト
あっ! あいつ逃げやがった! |
Naoto |
久音
わ、私も失礼するわね! さよならっ! |
Kuon |
ナオト
おい、待て……くそ! 俺だけ取り残されてたまるか! |
Naoto |
ラーベ
おっと。シエル、レイ。 この流れに乗じて、我々も退避するぞ! |
Raabe |
1: アイドル活動やめるの!? |
1: |
ラーベ
なにをしにここに来たんだお前は!! |
Raabe |
シエル
はっ。そういえばそうでした。 異質な反応を示したファントムフィールドの調査が目的でした。 |
Ciel |
シエル
ですがラーベさん、調査はどうしますか? このまま逃げてしまって問題ないのでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
その異質な反応が急速に弱まっているようだ。 |
Raabe |
ラーベ
おそらくタカマガハラシステムが感知した反応の中心点は、 冥にあったんだろう。冥の願望にな。 |
Raabe |
ラーベ
アイドルプロデュースをしたいという異常に強い願望が、 不安定なファントムフィールドになにがしか作用したんだろう。 |
Raabe |
ラーベ
それが、トップアイドルに勝ったことで、 プロデュースに成功したと判断された。そんな感じだ、きっと! |
Raabe |
シエル
なるほど。願望が叶ったことで、 ファントムフィールドに与えられていた影響が消えたのですね。 |
Ciel |
ラーベ
詳細はデータを持ち帰って、フガクで検証する。 今は退散だ。このまま残ると、第2幕が始まりかねない。 |
Raabe |
シエル
了解しました。 |
Ciel |
冥
お前たち、どこに行く気だ! |
Mei |
冥
ちっ、さては世界という言葉にビビったな……。 そんな軟弱な精神でどうする! |
Mei |
冥
私たちの夢はこれからだ、逃がすものか!! |
Mei |
ナオト
うおぉぉぉぉぉぉぉぉッ! |
Naoto |
冥
待て! 止まれ! 戻ってこい、私のトップアイドルたちーーーー!!! |
Mei |
ナオト
誰がアイドルだ、ふざけんなぁぁぁぁぁぁ――! |
Naoto |