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プロローグ/
Summary | |
---|---|
任務先からの帰艦時にトラブル発生。シエルた
ちは思いがけず、謎の現象によって異世界から 訪れた騎空士、ジータとビィに出会う。 |
ラーベ
ぐはーっ!? |
Raabe |
ラーベ
な、なんだなんだ!! なにが起きたんだ!? |
Raabe |
シエル
ここは……フガク艦内で間違いありません。 |
Ciel |
シエル
どうやら無事にファントムフィールドから 帰還できたようですね。 |
Ciel |
ラーベ
ならばいいんだが…… それにしてはやけに乱暴な転送だったな。 |
Raabe |
ラーベ
まさかタカマガハラシステムに異常でも あったんじゃないだろうなぁ? |
Raabe |
シエル
レイさんはご無事ですか? |
Ciel |
1: な、なんとか…… |
1: |
シエル
それはよかったです。 |
Ciel |
シエル
レイさんが下敷きにしているものが クッションになってくれたのかもしれませんね。 |
Ciel |
ラーベ
えっ? |
Raabe |
シエル
たしかに、レイさんの下に なにかが見えます。 |
Ciel |
シエル
その物体がクッションになってくれたのでしょうか。 |
Ciel |
ラーベ
クッションだって? |
Raabe |
???
うぐぐ……。 |
??? |
???
お、おもい……。 |
??? |
1: うわぁっ!? |
1: |
???
いい加減、そこをどきやがれ! |
??? |
???
オイラはクッションじゃねぇっ!! |
??? |
ラーベ
うわぁっ!? ト、トカゲ……? |
Raabe |
???
んなっ! オイラはトカゲじゃねぇっ!! |
??? |
???
あいたたた……。 |
??? |
???
うぅ、おでこにコブができちゃった……。 なにがどうなってるの……? |
??? |
ラーベ
な、な……。 |
Raabe |
ラーベ
なんだお前ら!? いったいどこから入ってきた!? |
Raabe |
???
どこからって……え? |
??? |
???
あれ…………? |
??? |
???
えーと…………? |
??? |
???
ここ……………………どこ? |
??? |
カガミ
こほん。 では、改めて自己紹介をしよう。 |
Kagami |
カガミ
私は御剣機関の破城カガミ。 この船……『フガク』の艦長だ。 |
Kagami |
カガミ
ここの責任者だと思ってくれていいよ。 |
Kagami |
カガミ
先ほどいた丸っこいのはラーベという。 別の仕事を任せたので、今は席を外しているけどね。 |
Kagami |
カガミ
そっちが私の部下、シエル=サルファー。 |
Kagami |
カガミ
それと、そこのかわいいトカゲくんを下敷きにしていたのが 同じく部下のレイだ。 |
Kagami |
ビィ
だからオイラはトカゲじゃねぇっ! あと、ビィってちゃんとした名前があるからな! |
Vyrn |
ビィ
ったく、いきなり失礼な奴だぜ……。 |
Vyrn |
???
まぁまぁ、ビィもおさえて……初対面なんだし仕方ないよ。 |
??? |
ジータ
私の名前はジータ。わけあって、ビィや仲間と一緒に 星の島『イスタルシア』を目指してるんだ。 |
Djeeta |
カガミ
イスタルシア? 聞いたことのない名前だな……。 |
Kagami |
ジータ
でも、その道中で不思議な光に包まれて、 気が付いたらこの船にいて……。 |
Djeeta |
ジータ
一緒にいた仲間ともはぐれちゃったみたい。 ……みんなどこに行っちゃったんだろう。 |
Djeeta |
シエル
不思議な光……ですか。 カガミさん、どういうことでしょうか? |
Ciel |
カガミ
ふーむ……。 あまりに特異なケースだから推測の域は出ないけど……。 |
Kagami |
カガミ
実は彼女たちの出現を受けて、 フガク周囲を重点的に、調査を行ってみた。 |
Kagami |
カガミ
まあ、その結果、非常に面白いことが判明したわけだが……。 |
Kagami |
カガミ
あまり難しい話をしても理解できないだろうし、 わかりやすくストレートに言おう。 |
Kagami |
カガミ
えー。ジータとビィ……だったね。 あんまり驚かずに聞いて欲しいんだけど。 |
Kagami |
カガミ
君たちはどうやら、我々とは異なる世界から やって来たみたいなんだ。 |
Kagami |
ビィ
……は? |
Vyrn |
ジータ
えーっと……あれ? じゃあ……。 |
Djeeta |
ジータ
えええええ〜〜〜っ!? |
Djeeta |
ジータ
こ、ここは私達の知ってる世界とは別の…… 異世界ってこと!? |
Djeeta |
カガミ
まあ端的に言うとそうだね。 |
Kagami |
ビィ
それじゃオイラたち、もう帰れねーのか!? |
Vyrn |
カガミ
そう結論付けるにはだいぶ早いかな。 帰れるかどうかは、ある場所の調査次第になりそうでね。 |
Kagami |
ジータ
……調査? |
Djeeta |
カガミ
うん。今この船は『境界』と呼ばれる空間を航行中なんだが 実は今、フガクの近くに未知の『場』が発見されたんだ。 |
Kagami |
カガミ
場……我々はファントムフィールドと呼んでいるんだが。 その場所に、君たちが元の世界に戻るヒントがあるかもしれない。 |
Kagami |
ビィ
ファントム……フィールド? |
Vyrn |
カガミ
そうだね。宇宙にある惑星……だと規模が大きすぎて わかりにくいかな。海に浮かぶ島みたいなものだと思ってほしい。 |
Kagami |
ビィ
えっと…… オイラたちの世界だと、島はほとんど空に浮いてんだけどよ……。 |
Vyrn |
ビィ
騎空艇みたいに、その島に立ち寄れるってことか? |
Vyrn |
カガミ
島が浮く? それは面白いな。 |
Kagami |
カガミ
その光景が私の想像している通りなら、そうだろうね。 同じようなものだと思ってもらっていいだろう。 |
Kagami |
ビィ
んで? ヒントって言ってたけど、その島にはなにがあるんだ? |
Vyrn |
カガミ
それはまだなにもわからないんだが……。 |
Kagami |
ビィ
期待させておいて、そりゃあねーぜ……。 |
Vyrn |
カガミ
まあまあ、もう少しだけ続きを聞いてくれ。 |
Kagami |
カガミ
実はね。我々の調査によると、その島は 周囲の空間から色々と引っ張ってきてるみたいなんだ。 |
Kagami |
ジータ
周囲の空間から? 引っ張って? |
Djeeta |
カガミ
そう。 つまりだね。 |
Kagami |
カガミ
君たちふたりは、その島に引っ張られていたところを、 偶然にもこの船に飛び乗ってしまったんだろうな。 |
Kagami |
カガミ
ファントムフィールドから帰還中だった レイの観測の影響でね。 |
Kagami |
1: どういうこと? |
1: |
カガミ
レイが彼女たちの存在を観測したことで タカマガハラが一緒に転送してしまったってことだよ。 |
Kagami |
カガミ
ああ、転送中に異なる世界の者を観測するなんて 相変わらずとんでもない力だよ。 |
Kagami |
1: どういうこと? |
1: |
カガミ
レイが彼女たちの存在を観測したことで タカマガハラが一緒に転送してしまったってことだよ。 |
Kagami |
カガミ
ああ、転送中に異なる世界の者を観測するなんて 相変わらずとんでもない力だよ。 |
Kagami |
カガミ
その結果、レイたちの帰還と同時に ジータとビィがフガクに現れたというわけだ。 |
Kagami |
シエル
ではその、ジータさんとビィさんを引き寄せた ファントムフィールドに行けば……。 |
Ciel |
シエル
元の世界に帰る手がかりが見つかるかもしれませんね。 |
Ciel |
カガミ
そういうこと。 逆に言うと……それしか手がかりらしいものはないな。 |
Kagami |
ジータ
あの! 私たち、仲間が一緒だったんです。 その仲間の行方も、島に行けばわかるかな? |
Djeeta |
カガミ
約束はできないけどね。 ……どうする? |
Kagami |
ジータ
仲間がいるかもしれないなら…… お願いします! 私たちをその島に連れていってください! |
Djeeta |
カガミ
よしきた、いいとも。 島までは我々が送り届けてあげよう。 |
Kagami |
ビィ
ちょっと待てよ! なんかずいぶん話が早くねーか? |
Vyrn |
ジータ
どうしたの、ビィ? |
Djeeta |
ビィ
どうにも胡散臭いぜ……。 オイラたちに親切すぎる、っていうか……。 |
Vyrn |
ビィ
赤い髪の姉ちゃんたちにとって、オイラたちが出てきたのは、 予定外のことなんだよな? |
Vyrn |
ビィ
話を聞いてると、 なにか目的があって動いてる組織みてーだし……。 |
Vyrn |
ビィ
それを差し置いて、どうしてオイラたちに協力してくれるんだ? |
Vyrn |
カガミ
ふふふ、なかなか鋭いね。 でも別に、罠に嵌めたり利用したりってわけじゃないよ。 |
Kagami |
カガミ
その島には、我々も用がありそうでね。 案内ついでに、島の調査を君たちにも手伝ってもらいたいんだ。 |
Kagami |
シエル
なるほど。つまり私たち……私とレイさんも そのファントムフィールドへ赴き、調査を行うのですね。 |
Ciel |
シエル
いつものように、観測者を見つけて、窯を解放する。 |
Ciel |
シエル
その手助けを、 ジータさんたちにお願いするということですか。 |
Ciel |
カガミ
その通り! |
Kagami |
ジータ
観測者? 解放? |
Djeeta |
カガミ
あぁ、細かい説明は後にしよう。 |
Kagami |
カガミ
要は、その場……島が発生した原因や、なぜ君たちが 引き寄せられたのかを、調査するってことだ。 |
Kagami |
ジータ
みんな……ルリアもそこにいるかもしれない。 急いで探さなくちゃ。 |
Djeeta |
シエル
ルリアさん……とは、 ジータさんにとって重要な人物なのですか? |
Ciel |
ジータ
重要……っていうか、大切な人……かな。 かけがえのない仲間だよ。 |
Djeeta |
ジータ
それにルリアとは生命のリンクで繋がっているから。 私とルリアは一心同体なんだ |
Djeeta |
シエル
生命のリンク……ですか? |
Ciel |
カガミ
ほー。我々の世界で言うところのライフリンク みたいなものだろうね。 |
Kagami |
カガミ
だとすると、ジータとの繋がりが切れていない……。 |
Kagami |
カガミ
つまりジータが生きていることこそが、そのルリアという人物が こちらの世界に来ている証明になりそうだな。 |
Kagami |
カガミ
なおさら、君たちが島に行く理由が増えたじゃないか! |
Kagami |
ビィ
なんか妙に嬉しそうなのが、 どうにも胡散臭いんだよなぁ……。 |
Vyrn |
カガミ
そう言ってくれるな、これでも私は科学者なんだぞ。 異世界の住人が、それも何人もいるかもしれない。 |
Kagami |
カガミ
さらに、異世界から人を引き寄せるファントムフィールド が発生している。なんだその魅惑の現象は! |
Kagami |
カガミ
そんな場を調査できるなんて…… わくわくするに決まっているだろう!!! |
Kagami |
ジータ
カガミさんって、いつもこんな感じ? |
Djeeta |
シエル
はい。間違いなく平常運転です。 |
Ciel |
ジータ
あはは、そうなんだ……。 |
Djeeta |
カガミ
さあ、細かい話は道中にラーベから話してもらうとして。 みんなは早速ファントムフィールドの調査に向かってくれ! |
Kagami |
カガミ
|
Kagami |
ジータ
おー! |
Djeeta |
ビィ
こうなったら、もう信用するしかねーか……! |
Vyrn |
第1節 薔薇園の主/
Summary | |
---|---|
皆で原因の調査に向かうが、浸入時にラーベと
はぐれてしまう。そこに周辺環境を調査してい るレリウスが現れ、協力を申し出た。 |
シエル
…… |
Ciel |
ジータ
うん! 大丈夫! |
Djeeta |
ビィ
ごくり……ここが噂の島か……。 |
Vyrn |
ビィ
つっても、見た目は普通の島だな。 こんなところで、はぐれちまった奴らが本当に見つかるのかよ? |
Vyrn |
ジータ
カガミさんはいるかもって言ったし。探してみよう。 |
Djeeta |
ジータ
ファントムフィールドに詳しい レイたちもいるわけだし、きっと大丈夫! |
Djeeta |
シエル
はい。こちらの調査にご協力いただく分、 私たちもジータさんの『仲間』探しに全力を尽くします。 |
Ciel |
シエル
それで……まずはどうすればいいでしょうか、ラーベさん。 |
Ciel |
シエル
…………。 |
Ciel |
シエル
……ラーベさん? |
Ciel |
ビィ
あれ……? ラーベって、一番最初に会ったあの丸っこいのだよな? |
Vyrn |
ビィ
ここに来るときは一緒にいたはずだけど…… どこ行ったんだ? |
Vyrn |
ジータ
ほんとだ、いないね。 はぐれちゃったのかな。近くを探してみよう! |
Djeeta |
ビィ
う〜……どこにもいねーな……。 |
Vyrn |
シエル
…… |
Ciel |
ジータ
そんなこともあるの? |
Djeeta |
シエル
いえ、私たちも初めてのケースです……。 |
Ciel |
シエル
|
Ciel |
シエル
……困りました。 |
Ciel |
シエル
ラーベさんがいないと、フガクと連携が取れなくなります。 |
Ciel |
シエル
そうするとなにより、ファントムフィールドからの 帰還が非常に困難になってしまいます。 |
Ciel |
ビィ
おいおい…… いきなり問題だらけじゃねーか! |
Vyrn |
1: 心配だな、早く見つけないと…… |
1: |
シエル
はい。ラーベさんは非常に多機能ですが、 戦闘能力はありません。 |
Ciel |
シエル
襲撃を受けて故障してしまう前に、 回収しなければなりません。 |
Ciel |
ビィ
回収って…… 機械だけど、あいつも仲間なんだろ? |
Vyrn |
ビィ
もうちょっとこう、言い方とか……。 |
Vyrn |
ジータ
うーん……でも、これがシエルなりの 心配の仕方なんじゃないかな。 |
Djeeta |
ジータ
ね、レイ。 |
Djeeta |
ビィ
ふぅ〜ん。 なんだ、不器用な姉ちゃんなんだな! |
Vyrn |
シエル
レイさんがそう感じているのなら、 きっとそうなのでしょう。 |
Ciel |
シエル
ファントムフィールドにおいて、 レイさんの感覚ほど頼りになるものはありません。 |
Ciel |
ビィ
ふぅ〜ん、なに考えてるのかイマイチわかんねぇ姉ちゃんだと 思ってたけど、そいつのことは信頼してんだな。 |
Vyrn |
ジータ
それはそうだよ。 これまでずっと一緒に戦ってきた、大切な仲間なんだよね? |
Djeeta |
シエル
はい。これまでずっと一緒でした。 とても信頼しています。 |
Ciel |
ジータ
ともかく、探す相手にラーベを追加! ……だね。 |
Djeeta |
ビィ
よっしゃ! オイラたちの仲間も、ラーベのやつも、 とっとと見つけちまおうぜ! |
Vyrn |
シエル
……ですが、まずなにから取りかかればいいのか…… 判断に困ります。 |
Ciel |
シエル
ラーベさんはいつも、こういうときの方針を 示してくださっていました。 |
Ciel |
シエル
私は索敵や戦闘を担当するばかりで……。 |
Ciel |
シエル
方針については基本的に、ラーベさんの提案と、 レイさんの決定にお任せしていました……。 |
Ciel |
ジータ
それぞれ分担ができたんだね。 チームワーク抜群って感じ! |
Djeeta |
ビィ
役割分担は大事だもんな。 それだけ仲間として絆ができてるってことだし。 |
Vyrn |
シエル
チーム……仲間……。 私とラーベさんはあくまでも、上司と部下の関係です。 |
Ciel |
ジータ
それでも、ラーベのことを大事に思ってるんだよね? 私にはそう見えるよ。 |
Djeeta |
シエル
……そう、なのでしょうか? |
Ciel |
シエル
……? どうしてレイさんが 嬉しそうにするのですか? 私、何か変ですか? |
Ciel |
ジータ
ふふふっ。シエルがイイ子で可愛いから 嬉しくなってるんだよ! |
Djeeta |
ビィ
へへっ! ラーベも絶対に見つけ出すから、安心してくれよな! |
Vyrn |
ビィ
助けられてばっかりじゃ、騎空士の名が廃るってもんだぜ! |
Vyrn |
ジータ
うんうん! |
Djeeta |
シエル
……お気遣いいただき、ありがとうございます。 |
Ciel |
シエル
では……ええと、まず、周囲の探索から始めましょう。 いつもラーベさんはそう指示していました。 |
Ciel |
レリウス
……ほう。これは、意図せぬ邂逅だな……。 私以外にもこの気配を辿る者がいたとは……。 |
Relius |
シエル
あなたは……レリウスさん。 |
Ciel |
レリウス
……ほぅ。私を知っているのか。 ……そうか。 |
Relius |
レリウス
一応、問おう。 何者だ? |
Relius |
シエル
御剣機関に所属するシエル=サルファーと申します。 こちらは、レイさん。 |
Ciel |
レリウス
なるほど……御剣機関。 それなら、私を知っていても不思議ではないか……。 |
Relius |
レリウス
だが、連れの二人はまた様相が違うな。 ……ふむ。外の世界の住人か? |
Relius |
ジータ
すぐに見抜けるなんて…… 私はジータ。こっちはビィです。 |
Djeeta |
ジータ
レイたちには、はぐれた仲間を探すために、 手伝ってもらってます。 |
Djeeta |
ビィ
オマエ、さっき『気配』がどうとか言ってたよな。 ひょっとして、ここのことなにか知ってるんじゃねぇのか? |
Vyrn |
レリウス
……知っていないこともない。 |
Relius |
ビィ
どっちだよ! まどろっこしい言い方しやがって……。 |
Vyrn |
シエル
情報が不足しており、困っております。 |
Ciel |
シエル
このファントムフィールドについてなにかご存知でしたら、 教えていただけませんか。 |
Ciel |
レリウス
……ファントムフィールド? ……貴様らがこの『場』に名付けた独自の呼称か。 |
Relius |
レリウス
つまり……貴様らは自らの意思で、外側からこの世界に 来たことになる。……ほう、おもしろい。 |
Relius |
レリウス
外部から『場』と化したフィールドに転移、 あるいは侵入する方法が存在するとは。 |
Relius |
レリウス
鍵となるのは境界か……それを渡る術があるのだな。 |
Relius |
レリウス
……だが、相応に高度な自動演算技術を有していても 多大なリスクを負うはず。観測はどうしている……? |
Relius |
レリウス
……そもそも、観測の問題をクリアしたとしても 成功率は良くて40%といったところか……。 |
Relius |
ジータ
んん……? えっと、それは……どういうこと? |
Djeeta |
レリウス
……つまり、外部から未知の『場』にやってきて、 どういうわけか情報を断たれ立往生をしているというわけだな。 |
Relius |
レリウス
……いいだろう。 私が把握していることなら、説明してやっても構わない。 |
Relius |
ジータ
本当!? ありがとう! |
Djeeta |
レリウス
ただし、条件がある。 |
Relius |
レリウス
私はこの周囲の環境について興味がある。 貴様らが私の調査に協力するならば、私も手を貸してやろう。 |
Relius |
ジータ
その調査は、私たちの仲間を探すことにも繋がるかな? 調べる途中で仲間を見つけたら、合流しても構わない? |
Djeeta |
レリウス
……好きにするといい。 私の調査に関わりがあるかもしれないしな。 |
Relius |
ジータ
それなら……シエル、レイ。 調査のお手伝い、してもいいかな? |
Djeeta |
シエル
はい。何もわからないまま動くのは危険です。 レリウスさんが情報をお持ちなら、是非協力をお願いしたいです。 |
Ciel |
ビィ
ってことで、レリウス、頼んだぜ! |
Vyrn |
レリウス
……まず、基本的な事項から情報を共有しておこう。 |
Relius |
レリウス
この辺りは現在、非常に不安定な場となっている。 何者かが大量の魂を集めて精錬を行おうとしているからだ。 |
Relius |
レリウス
魂は……言葉を変えれば、絆の力とも言える。 世界との繋がりを示す力……それは非常に大きなリソースとなる。 |
Relius |
レリウス
……多大な力が1カ所に収束しようとしているわけだ。 |
Relius |
レリウス
それゆえ、ここは『場』として歪み、 空間としての接合が曖昧となった。 |
Relius |
レリウス
そのため境界だの異世界だのと 偶発的に癒着を起こす。 |
Relius |
レリウス
貴様ら外の世界の人間が紛れ込んだのなら、 おそらくそれが原因だろう。 |
Relius |
ビィ
くそぅ……さっきから思ってたけど、 こいつ、わかりやすく説明する気ねーんじゃねーか……? |
Vyrn |
ジータ
えっと……誰かがとても大きな力を集めていて、 そのせいで私たちの世界とここが繋がっちゃった……。 |
Djeeta |
ジータ
ってこと、かな? |
Djeeta |
レリウス
良い要約だ。 |
Relius |
ジータ
えへへ、ありがとうございます! |
Djeeta |
シエル
その魂の力……絆の力は、なにを精錬するために 集められているのですか? |
Ciel |
レリウス
|
Relius |
シエル
Template:『蒼の魔道書』……!? |
Ciel |
1: 作れるものなの!? |
1: |
ジータ
|
Djeeta |
レリウス
最強の魔道書と言われているモノだ。 世界の根源となる力……蒼を手にすることができる。 |
Relius |
レリウス
蒼は……簡単に言えば、願望を具現化することができる。 精錬者も、何かを為すために始めたのだろう。 |
Relius |
ビィ
そんなすげぇもんを……。 |
Vyrn |
ジータ
みんなの魂を、絆を奪って作ってるってことだよね。 それって大変なことになるんじゃ……。 |
Djeeta |
レリウス
先程も言ったが、 絆の力はこの世界との結びつきの強さでもある。 |
Relius |
レリウス
絆が失われると、その人物は世界から観測されなくなる 可能性もある……。 |
Relius |
レリウス
……観測されなくなると、存在は確立されない。 その世界にとって、その人物はいないものとなる。 |
Relius |
レリウス
今まで傍らにいた者ですら その人物を思い出せなくなる事態もあり得る……。 |
Relius |
レリウス
……まぁ、ロクな末路にはならんな。 |
Relius |
ビィ
おいおい! やばいじゃねーか、それ! |
Vyrn |
レリウス
……絆を集める精錬者は、外の世界から迷い込んだ人物を 捕えて絆の力を吸い上げているようだ……。 |
Relius |
レリウス
異質な存在であるがゆえに、力が膨大なのか…… あるいは吸収しやすいのか……。 |
Relius |
ジータ
捕らえて……って、 わ、私たちの仲間が、捕まってるの!? |
Djeeta |
レリウス
……そう表現しても差し支えあるまい。 |
Relius |
レリウス
今やこの『場』全てが、絆を吸い上げるための 牢獄と言えなくもない。 |
Relius |
シエル
世界を……ファントムフィールドをそのような形に 変質させるとなると、 |
Ciel |
シエル
この『場』を構築した観測者が関わっている可能性が 高いと思われます。 |
Ciel |
シエル
最終的には、観測者となんらかの形で対峙する必要が ありそうですね。 |
Ciel |
1: レリウスのおかげで色々わかった |
1: |
レリウス
……私にも利がある。 |
Relius |
レリウス
ただ、状況もわからずに未知の場へ飛び込むなど、 無謀もいいところだな。 |
Relius |
レリウス
指揮官はリスクを考慮して、 もう少し実働部隊と情報を共有すべきだ……。 |
Relius |
シエル
指揮官はカガミさんですから、 あまり期待できないかと思われます。 |
Ciel |
シエル
私たちには必要最低限の情報しか開示されません。 それが上司の方針です。 |
Ciel |
ビィ
レイもシエルも、 苦労してそうだなぁ……。 |
Vyrn |
ジータ
レリウスさん。私たちは仲間を助けるために、 具体的に何をすればいいんですか? 仲間を見つければいいだけ? |
Djeeta |
レリウス
いや……見つけるだけではなく、奪われた分と同じか、 あるいはそれ以上の絆の力で結びつきを補填する必要がある。 |
Relius |
レリウス
すなわち、その人物と世界の結びつきを再度、 強める必要がある。 |
Relius |
ジータ
それは、どうやって? |
Djeeta |
レリウス
仮説はあるが、実証はまだだ。 |
Relius |
レリウス
この近辺に、強い絆の力を有する人物がいるはず―― その人物を利用して、実証実験を行うとしよう。 |
Relius |
ビィ
な、なんだぁ!? なんで急に、目の前に庭園ができてんだ!? |
Vyrn |
レリウス
世界が歪んでいると言っただろう。 これもその歪みのひとつだ。 |
Relius |
レリウス
……吸い上げられた絆の力の影響で、 この近辺の場が作り変えられた。 |
Relius |
レリウス
見ろ。誰かいるぞ。 |
Relius |
シエル
あれは、レイチェルさん……? |
Ciel |
ジータ
レイたちの仲間かな? |
Djeeta |
ジータ
あんまり捕まってるって感じじゃないけど……。 すっごく優雅にお茶してるみたいだし。 |
Djeeta |
レリウス
……あれの器の大きさを考慮すると…… 内包される絆の力が少ないな……。 |
Relius |
レリウス
すでにこの『場』に囚われているようだ。 かなりの力を吸い上げられている。 |
Relius |
レリウス
我々の存在にも気付いていない。 ……外界と隔離されているな。 |
Relius |
ジータ
えっ? そ、そうなの!? |
Djeeta |
ビィ
シエルたちの仲間なら、見過ごせねーな! すぐ助けにいこうぜ! |
Vyrn |
ビィ
あでっ!? う〜……? なんだコレ……ここ、透明な壁があるぞ? |
Vyrn |
レリウス
……絆の力で造られた壁だな。 物理的な力で破壊するのは不可能だ。それに―― |
Relius |
レリウス
絆の力を奪う役目を担う、魔獣たちだな。 これらが、あの少女の力を奪っていると見える。 |
Relius |
シエル
この魔獣たち、全てが……ですか? 尋常ではない数に見えますが。 |
Ciel |
レリウス
ここでは、 力持つ者は、魂の総量である絆の含有量も多くなるようだ。 |
Relius |
レリウス
こいつらを倒せば、それだけ絆の力……魂の力が手に入る。 その力を集めれば、あの透明な壁も破壊できるはずだ。 |
Relius |
レリウス
さて。では実証実験だ。絆を奪う魔獣を撃退し、 あの少女を解放してみろ。 |
Relius |
ビィ
じ、実験って……。 その言い方は、あんまりいい気がしねーけど……。 |
Vyrn |
シエル
そうなのですか? カガミさんも似たようなことを よく言っています。 |
Ciel |
ビィ
……科学者とか、研究が好きな奴って、 どの世界でもそんな感じなんだな。 |
Vyrn |
ジータ
あ、あはは……。 |
Djeeta |
シエル
この魔獣たちを倒せばいいのですね。了解しました。 レイさん、がんばりましょう。 |
Ciel |
ーーー/
Summary | |
---|---|
空間の歪みに囚われたレイチェルを発見。記憶
を失い、魔獣に絆の力を奪われる彼女を救うた め、一行は壁を破壊し接触を試みる。 |
ビィ
よっしゃ! これで倒し終わったな! |
Vyrn |
ジータ
レイとシエルのおかげだね! 絆の力、たくさん集まったかな? |
Djeeta |
シエル
レリウスさん、壁は壊せそうですか? |
Ciel |
レリウス
ふむ……この量ならば、申し分ないな。 |
Relius |
レリウス
シエルといったか。貴様の持つその端末がちょうどいい。 絆の力を収束させて、壁にぶつけてみろ。 |
Relius |
レリウス
『壁が存在する』という事象を威力が上回れたら、 破壊できるはずだ。 |
Relius |
1: 僕も手伝うよ! |
1: |
1: 私も手伝うよ! |
1: |
シエル
あ……レイさんの、観測の力ですね。 確かに、その力で補助をいただければ、確実です。 |
Ciel |
シエル
よろしくお願いします。 |
Ciel |
レリウス
む……? |
Relius |
レリウス
……絆の力をシエル=サルファーに定着させている……。 事象を観測している……のか。 |
Relius |
レリウス
そうか、貴様が観測能力を持っているのだな。 |
Relius |
レリウス
外部から『場』に割り込むなどという暴挙が可能なのも ……頷ける。 |
Relius |
シエル
対象を捕捉。 壁の破壊を試みます! |
Ciel |
シエル
たぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! |
Ciel |
ビィ
ど、どうだ? うまくいったのか? |
Vyrn |
レリウス
……ふむ。思いの外うまくいった。 |
Relius |
ビィ
お、思いの外……!? |
Vyrn |
レリウス
壁は破壊された。 これであの少女に接近できる。 |
Relius |
ジータ
レリウスさんの言い方はちょっと気になるけど、 今のうちに助けよう! |
Djeeta |
シエル
はい。 レイチェルさん、ご無事ですか!? |
Ciel |
レイチェル
……はぁ。 |
Rachel |
レイチェル
あなたたち、ここがどういう場所か、理解できていて? |
Rachel |
ビィ
ん? ここって……この薔薇園のことか? |
Vyrn |
レイチェル
……あなたも、そう思うの? ここがただの、花が咲いているだけの場所だと思うのかしら? |
Rachel |
シエル
……はい。違うのですか? |
Ciel |
レイチェル
…………。 |
Rachel |
ジータ
もしかして、あなたにとってすごく 大切な場所だったのかな……。 |
Djeeta |
ジータ
だとしたら、勝手に踏み込んでごめんね。 |
Djeeta |
ビィ
でもオイラたちは、嬢ちゃんを助けようとして……。 |
Vyrn |
レイチェル
言い訳はいらないわ。 |
Rachel |
レイチェル
それに、謝罪をすれば 何もかも許されるというわけではないのよ。 |
Rachel |
レイチェル
私の至福のアフタヌーンティーを邪魔するなんて…… 本当に、不作法ね。 |
Rachel |
レイチェル
何故かしら。失礼で無様で愚鈍な人物に出会うと ひどく不愉快な気持ちになるわ。 |
Rachel |
ビィ
おいおい…… そこまで言うことねーじゃねーか! |
Vyrn |
レイチェル
そうね……あなたたちには躾が必要よ。 覚悟なさい。 |
Rachel |
ギィ
お仕置きタイムっスね! |
Gii |
ビィ
うわっ、赤い変なのが喋った! |
Vyrn |
ギィ
変なのとはなんスか、失礼な奴っスね! それに赤い変なのはお互いさまっス! |
Gii |
ナゴ
んもう、ギィったら。仮にもあたしたちは姫様の使い魔よ? それを変なのだなんて、あんたもお仕置きされちゃうわよ? |
Nago |
ジータ
わぁ、今度は猫みたいな傘が喋ってる……不思議……。 |
Djeeta |
レイチェル
……さあ、お仕置きの準備は良くて? 不作法な野蛮人たち。 |
Rachel |
レリウス
……どうやら、 己の状況を正確に理解できていないようだな。 |
Relius |
レリウス
加えて、我々のことをうまく認識できていない様子だ。 |
Relius |
シエル
……これも絆の力を奪われた影響ですか? |
Ciel |
ジータ
ってことは、私たちの仲間も同じ状況ってことだよね。 もしそうだとしたら、仮に見つけたとしても……。 |
Djeeta |
レリウス
考察に耽りたいところだが、 あの少女の攻撃を退けてから行うべきだな。 |
Relius |
レイチェル
……ふふ。ずっと……ずっと退屈していたの。 少しは楽しませてちょうだい。 |
Rachel |
シエル
レイチェルさんの攻撃レベル上昇しています。 戦闘態勢に移行! 迎え撃ちます! |
Ciel |
ーーー/
Summary | |
---|---|
戦いと観測を通して、レイチェルは記憶と絆の
力を取り戻す。ジータもまた、自らの内側に集 まった絆の力の高まりを感じていた。 |
レイチェル
この戦い方……この感触……。 私は、あなたたちを知っている……? |
Rachel |
レイチェル
それに、この感覚……力が……。 |
Rachel |
ジータ
え、なになに? なにが起こってるの? |
Djeeta |
レリウス
絆の力が……魂の力があの少女に集っていく。 世界との結びつきが戻っているのだ。 |
Relius |
ビィ
ってことは――! |
Vyrn |
レイチェル
……………………。 |
Rachel |
レイチェル
あなたは……シエル=サルファーね。 それと、レイ。 |
Rachel |
シエル
私たちのことがわかるのですか? |
Ciel |
レイチェル
えぇ……わかるわ。 一時的な認識かもしれないけれど。 |
Rachel |
レイチェル
……少しの間、私は自分を見失っていたみたいね。 |
Rachel |
レリウス
自己認識が正常になったようだな。 |
Relius |
レリウス
……それを可能にしたのは、レイの 観測能力によるものと見える。 |
Relius |
レリウス
貴様は目の前の存在と戦うことで、 その人物を強く認識できるのだろう。 |
Relius |
レリウス
観測されたことで存在が確立された者は、 再び世界との結びつきを取り戻す。……至極、当然の理屈だ。 |
Relius |
ジータ
じゃあ、レイがいれば 私たちの仲間も同じように助けられるんだね! |
Djeeta |
ビィ
すっげぇな! |
Vyrn |
レリウス
……ふむ。 この薔薇園……やはり空間が変質して出現したものか……。 |
Relius |
レリウス
この『場』をファントムフィールドと呼ぶのならば、小規模な 変質空間はさしずめイレギュラーフィールドといったところか。 |
Relius |
レリウス
やはり……興味深い。 |
Relius |
レリウス
中心となっている人物に 少なからず影響を受けた空間のようだが……。 |
Relius |
シエル
レリウスさんにも、仕組みや原因はわからないのですか? |
Ciel |
レリウス
本来、このような現象を引き起こせるのは 観測者だけのはずだからな。 |
Relius |
レリウス
だがあの『レイチェル』はこの『場』において、 空間を変質させるほどの観測能力は持っていない。 |
Relius |
レイチェル
ええ。だからこの空間を構築したのは、 厳密には私ではなく……どこかにいる観測者でしょうね。 |
Rachel |
レイチェル
絆の力を集めて、精錬を行っているのでしょう? |
Rachel |
レリウス
ほう。 |
Relius |
レイチェル
えぇ。 |
Rachel |
レイチェル
……絆の力を奪われた者は、自分の形を保つため、 最も自分が求める世界に閉じこもる傾向があるのかもしれないわ。 |
Rachel |
レイチェル
この薔薇園に閉じこもる前、願望を叶えようとして もがいた記憶が少しだけ残っているの。 |
Rachel |
レイチェル
この世界に囚われた人物は、観測者の影響を受けて、 無意識に小規模な『場』を展開してしまうのかも……。 |
Rachel |
レリウス
囚われた人物の無意識によって 場が形成されている、か……。 |
Relius |
レリウス
あるいはこのファントムフィールドの特性によって、 場そのものが捕縛者に合わせた空間を形成している可能性もある。 |
Relius |
レイチェル
主体がどこにあるかによって、空間そのものの性質は 変わるということね。 |
Rachel |
レイチェル
……そこを見誤ると、世界に生じているものの 真実にはたどり着けない。 |
Rachel |
ナゴ
いずれにせよ、非常時に展開される箱庭世界が優雅に お茶を楽しめる場所だなんて……さすが姫様。高貴よん。 |
Nago |
ギィ
そんな姫様がぼっちなのは悲しいっス。 ああ、まだ見ぬ謎のひとはどこへ……。 |
Gii |
ギィ
あぎゃっ!? |
Gii |
レイチェル
余計なことは言わないでちょうだい。 |
Rachel |
ジータ
レイチェルは、誰かを探しているの? |
Djeeta |
レイチェル
えぇ。誰なのかは思い出せないのだけれど……。 |
Rachel |
レイチェル
その途中で、 いつの間にかこの『場』に囚われてしまっていたようね。 |
Rachel |
レイチェル
レイ。一応、お礼を言うわ。 よくやったわね、誉めてあげる。 |
Rachel |
ビィ
なぁなぁ、せっかくだし、 嬢ちゃんもオイラたちと行かねーか? |
Vyrn |
レイチェル
……いいえ、遠慮しておくわ。 |
Rachel |
レイチェル
できればもう少しひとりで、この世界を見て回りたいの。 |
Rachel |
レイチェル
空間の歪んだ……奇妙な世界。 |
Rachel |
レイチェル
もしかしたらここなら…… 私の探している人がいるかもしれない。 |
Rachel |
レイチェル
足跡だけでも、知ることができるかもしれない……。 |
Rachel |
ジータ
大切なひとなんだね。 |
Djeeta |
レイチェル
違うわよ。 |
Rachel |
レイチェル
……言ったでしょう。誰なのかは思い出せないって。 誰なのか……わからないの。 |
Rachel |
ジータ
わからないのに探してるの? |
Djeeta |
レイチェル
わからないから、探すのよ。 |
Rachel |
レイチェル
あることは確かなはずだけど、どんなものかわからない…… ただの可能性を、私は探し続ける。 |
Rachel |
レイチェル
……『希望』って、そういうものでしょう? |
Rachel |
ジータ
っ!?……これ、絆の力……? |
Djeeta |
ジータ
すごい…… なんだか力が湧いてくる感じがする! |
Djeeta |
レリウス
先ほど魔獣から集めた力が、より高まっているようだな。 |
Relius |
シエル
何故、急に力が強まったのでしょう? |
Ciel |
ギィ
それは、ほら……愛っスよねぇ。 |
Gii |
ビィ
ええっ!? |
Vyrn |
ナゴ
あっら〜、綺麗なホームラン。さっすが姫様。 |
Nago |
レイチェル
……それでは、私は失礼するわ。 ごきげんよう。 |
Rachel |
ジータ
……希望を追う旅、か。 |
Djeeta |
ジータ
レイチェルの旅……私、応援したいな。 |
Djeeta |
シエル
希望……。 |
Ciel |
シエル
そうですね。レイチェルさんの探している人が、 無事に見つかるといいです。 |
Ciel |
第2節 心の迷宮/
Summary | |
---|---|
行く手に見つけた新たな歪み、透明な迷路と放
たれる矢が侵入を阻む。ジータはそこに、仲間 のソーンが囚われていると確信する。 |
ビィ
う〜ん、結構探し回ってるけど、 なかなか見つからねぇな〜……。 |
Vyrn |
シエル
手がかりがあればいいのですが……現状ではなにも 取っ掛かりがありません。捜索は難航しそうですね……。 |
Ciel |
ビィ
レリウス、レイチェルがいた場所では絆の力があるって わかってたんだよな。 |
Vyrn |
ビィ
あのときと同じ感じで、どの辺にいそうとか 調べられないのかよ? |
Vyrn |
レリウス
あれの魂の量が桁違いに大きかった。だから辿れたのだ。 ……あれほどの器は、そうそういない。 |
Relius |
ジータ
地道に探していくしかないんだね……。 |
Djeeta |
ジータ
って、あれ? ねぇ、ビィ。あの花って……。 |
Djeeta |
シエル
見慣れない花です。 |
Ciel |
ビィ
オイラたちの世界なら そこら中に生えている花だぞ。 |
Vyrn |
レリウス
……イレギュラーフィールドに 足を踏み入れた可能性が高いな。 |
Relius |
レリウス
それにしても……興味深い。 異世界の花か。通常ならば、異なる世界の花が存在するはずはない。 |
Relius |
レリウス
道端に、それこそ当たり前のように咲いていることから、 特別な意味があって配置されているのではないと推測できる。 |
Relius |
レリウス
このイレギュラーフィールドを構築した人物が、 無意識に生み出したものだろうな……。 |
Relius |
ジータ
えっと……それは、重要なことなんですか? |
Djeeta |
レリウス
構築した者が意図していないものが存在するということは、 フィールド自体意図して作成されたものではないということだ。 |
Relius |
レリウス
……イレギュラーフィールドの元となる 人物が有する情報……。 |
Relius |
レリウス
絆の力を利用して、ファントムフィールド自体が イレギュラーフィールドを構築している可能性が高いな……。 |
Relius |
ビィ
オイラたちの世界の花があるってことは、 元になった人物ってのはオイラたちの仲間なんだよな? |
Vyrn |
レリウス
おそらくはな。 |
Relius |
シエル
前方に森があります。 周囲の状況からして、少々唐突な立地です。 |
Ciel |
ジータ
……言われてみればそうだね。 それになんだか妙に深そう。 |
Djeeta |
レリウス
イレギュラーフィールドの中心かもしれんな。 調べてみるとしよう……。 |
Relius |
シエル
未確認の樹木を複数確認しました。 ……先程の花同様、私の情報にはない樹木です。 |
Ciel |
ビィ
おぉ! リンゴォ! リンゴの樹だぁ! |
Vyrn |
ビィ
……んんん〜! うめぇ! やっぱコレだよな! |
Vyrn |
ビィ
奥も調べてみようぜ! もっとリンゴがあるかも……! |
Vyrn |
ビィ
あでっ!? |
Vyrn |
ビィ
ううぅ〜……また透明な壁かよぉ〜……。 |
Vyrn |
レリウス
ということは……この先に、イレギュラーフィールドの 核とも言える何者かが存在するのだろうな。 |
Relius |
ジータ
私たちの仲間だね! |
Djeeta |
レリウス
……壁は絆の力で作られている。 この森は、囚われている人物に関連がありそうだ。 |
Relius |
レリウス
一時的に、壁を可視化できるようにしてみよう。 ……やるぞ。 |
Relius |
ビィ
うへぇ…… なんだこれ、壁だらけじゃねぇか! |
Vyrn |
シエル
迷路、と言うべきでしょうか。 |
Ciel |
ジータ
進むのは大変そうだけど、仲間がいるとわかっている以上、 逃げるわけにはいかないよ! |
Djeeta |
ビィ
そ、そうだな! |
Vyrn |
シエル
私たちも行きましょう、レイさん。 |
Ciel |
ビィ
よっしゃ! 気合い入れていくぜ! |
Vyrn |
1: わぁ!? |
1: |
ジータ
え、レイ!? 大丈夫!? |
Djeeta |
シエル
危ない! |
Ciel |
ビィ
矢!? どこから飛んできた!? |
Vyrn |
シエル
私たちへの攻撃と見るべきと考えます。外れたのは幸いでした。 |
Ciel |
レリウス
……毒が塗られているな。 射られるとしばらく身動きが取れなくなるぞ。 |
Relius |
ビィ
……な、なぁ。 これって、もしかして……。 |
Vyrn |
ジータ
うん……私も同じことを思った。 |
Djeeta |
ジータ
この森の迷宮に囚われているのは、 ソーンさんかもしれない。 |
Djeeta |
ビィ
ソーンはすっげぇ弓使いなんだ。 どこから撃っても百発百中なんだぜ |
Vyrn |
レリウス
射手の気配はなかったが……。 |
Relius |
ジータ
だったらなおさら、ソーンさんの可能性が高いです。 |
Djeeta |
ジータ
気配なんか感じさせないくらい遠くからでも、 ソーンさんなら私たちを狙えるはず。 |
Djeeta |
シエル
それは……すごいですね。 |
Ciel |
レリウス
それほどの名手か。となると、少々厄介だな……。 ただの迷宮ではなく、難攻不落の砦と化している可能性もある。 |
Relius |
ジータ
うぅん……逆だと思う。 |
Djeeta |
ジータ
この迷路を生み出しているのがソーンさんなら、 攻略するチャンスがきっとあるはず。 |
Djeeta |
シエル
何故ですか? |
Ciel |
ジータ
確かにソーンさんは、十天衆っていう、誰も届かないくらい すごい力を持った集団のひとりなんだけど……。 |
Djeeta |
ジータ
他人の存在を軽んじてるわけでも、 完全に拒絶しているわけでもない。 |
Djeeta |
ジータ
むしろ、誰かとの繋がりを求めてるんだ……。 |
Djeeta |
ビィ
自分は強すぎて、いつか誰かを傷付けるかも…… って人から遠ざかろうとしたことはあったけど……。 |
Vyrn |
ビィ
本当は、寂しがりなんだよな。 |
Vyrn |
ジータ
さっきの矢だって、本当に私たちに当てるつもりなら、 絶対に当ててると思う。 |
Djeeta |
ジータ
拒絶するつもりなら、壁を迷路にはしてないよ。 その気なら、そもそも攻略する道なんて無い砦や城を作るはず。 |
Djeeta |
ジータ
……たぶん、誰かに来てほしいんだ。 だから絶対、出口までたどり着ける迷路になってる! |
Djeeta |
1: なら、急いで見つけよう |
1: |
ジータ
うん! きっとソーンさんも待ってるはずだよ! |
Djeeta |
シエル
そうですね。私もどんな方なのか、気になります。 |
Ciel |
レリウス
とはいえ弓の名手の意識を利用した迷宮だ。 一筋縄ではいかないだろうな。罠があるかもしれない……。 |
Relius |
レリウス
……無論、罠だけではないな。来るぞ。 |
Relius |
ジータ
ソーンさんの力を奪った魔獣……だね。 |
Djeeta |
ジータ
悪いけど、それは返してもらうよ! |
Djeeta |
ーーー/
Summary | |
---|---|
周囲の魔獣を倒すと、迷路の壁にひびが入っ
た。壁を破壊するだけの絆の力を集めるべく、 一同はさらに多くの魔獣を倒していく。 |
シエル
敵の消滅を確認。お見事です。 |
Ciel |
ジータ
……! 見て! 迷宮の壁……ヒビが入ってない!? |
Djeeta |
レリウス
ソーン自身が本気かどうかは別として、 この壁は、他人と外敵を拒絶するための壁だ。 |
Relius |
レリウス
絆の力でできた壁は、絆の力を集めて破壊できる…… 既に実証済みの結果だな。 |
Relius |
ジータ
前みたいに、魔獣をたくさん倒せばいいんだね。 それならなんとかなりそうかも! |
Djeeta |
ジータ
……待ってて、ソーンさん。すぐに助けに行くからね! |
Djeeta |
ーーー/
Summary | |
---|---|
最奥までの道が開け、ソーンが現れた。しかし
彼女もまた記憶を失って混乱しており、一行は 戦いの中で記憶を呼び戻そうとする。 |
ジータ
レリウスさん! 絆の力、集まったよ! |
Djeeta |
シエル
どうでしょうか? 前回よりも壁の数が多いですが……足りますか? |
Ciel |
レリウス
……量は十分だろう。試してみるといい。 |
Relius |
シエル
了解しました。ではレイさん。 前回同様、観測をお願いします。 |
Ciel |
ビィ
おぉっ! ガンガン割れてくぜ! |
Vyrn |
シエル
はぁ、はぁ……。 それだけ、壁の数が多いということではありますが……。 |
Ciel |
シエル
いかがですか? |
Ciel |
ジータ
これで進めそう! ありがとう、シエル、レイ! |
Djeeta |
ジータ
行こう! ソーンさんはきっと、一番奥だよ! |
Djeeta |
ソーン
……来て、しまったのね。 |
Tweyen |
ビィ
ソーン! |
Vyrn |
ジータ
お待たせ、助けにきたよ! ……私たちのこと、わかる? |
Djeeta |
ソーン
……いいえ。けれど、あなたたちは 私のことを知っているのでしょう? |
Tweyen |
ソーン
私は十天衆、全空一の射手…… 過ぎた力を持つ者。 |
Tweyen |
ソーン
だから、私はずっとひとり……今までも、これからも。 |
Tweyen |
レリウス
レイチェルのとき同様、自己認識が不安定だ。 |
Relius |
ジータ
暴走してたときのソーンさんに雰囲気が似てる……。 |
Djeeta |
ビィ
なぁ! オイラたちがわかんねーのかよ! |
Vyrn |
ソーン
それは私の台詞。 私を知っているなら関わらないで。 |
Tweyen |
ソーン
私は化け物。いつか、誰かを傷付ける。 そのたびに、私は強く自覚するの。 |
Tweyen |
ソーン
やっぱり私は化け物だった、って。 ……あんなの、もうたくさん。 |
Tweyen |
ソーン
だから、帰って……。 |
Tweyen |
ジータ
はいそうですか、って帰れないよ。 |
Djeeta |
ジータ
すぐに私たちのことを思い出してもらって、 また一緒に冒険するんだから! |
Djeeta |
ビィ
レイ、シエル、さっきみたいに 戦えば元に戻せるんだよな!? |
Vyrn |
ビィ
一筋縄じゃいかねー相手だけど…… 今は力を貸してくれ! |
Vyrn |
シエル
お任せ下さい。 レイさん、矢に気を付けてください。 |
Ciel |
ジータ
無理を言ってごめん。 でも、お願い! |
Djeeta |
ソーン
どうして……? 私は傷つけたくない、ただそれだけなのに。 |
Tweyen |
ソーン
急所には当てない。 ……けれど、痛い思いをさせるわ。 |
Tweyen |
ソーン
ごめんなさい。 |
Tweyen |
ーーー/
Summary | |
---|---|
絆の力が戻り、すべてを思い出したソーン。再
会を喜ぶ彼女はこれまでの経緯を知ると、はぐ れた仲間たちを探す道行に合流した。 |
ソーン
私の矢を、かわした……!? |
Tweyen |
ジータ
ソーンさん! 目を覚まして! |
Djeeta |
ソーン
この声……真っすぐな眼差し……。 |
Tweyen |
ソーン
ああっ……! |
Tweyen |
ビィ
も、元に戻ったのか……? |
Vyrn |
レリウス
レイの観測能力がある。 ……あれがどんな存在か、認識できれば……。 |
Relius |
ソーン
……ビィ。 団長。 |
Tweyen |
ソーン
ありがとう……ただいま。 ……ごめんね。 |
Tweyen |
ビィ
よっしゃ! オイラたちのことがわかるんだな!? |
Vyrn |
ソーン
レイ……でいいのよね? あなたのおかげで、自分を取り戻せたわ。 |
Tweyen |
ソーン
私の存在をしっかり繋ぎ止めてくれて、ありがとう。 |
Tweyen |
ソーン
でも……私の力で、また他人を傷付けてしまったわ。 |
Tweyen |
ソーン
それも、よりによって大事な仲間を……。 本当にごめんなさい。ビィ、怖かったでしょう? |
Tweyen |
ビィ
へへっ……どーってことなかったぜ! それに、オイラたち仲間じゃねぇか! |
Vyrn |
ジータ
このくらいのことで、ソーンさんを怖がったりなんてしないよ。 ……だから、ソーンさんも私たちを怖がらないで。 |
Djeeta |
ソーン
……えぇ。ありがとう。 本当に、あなたは何度も私を助けてくれるのね。 |
Tweyen |
ジータ
団長だもん! ……でも、本当に無事でよかった。 |
Djeeta |
ジータ
レイ。 あなたのおかげだね。ありがとう! |
Djeeta |
1: お役に立てて何より |
1: |
レリウス
……ソーンと言ったか。貴様は絆の力を奪われて、 無自覚にこの森の形成に一役買ったはず。 |
Relius |
レリウス
そのときのことを、覚えているか? |
Relius |
ソーン
……はっきりとは覚えてないわ。 意識も朦朧としていたから……。 |
Tweyen |
ソーン
ただ、誰も傷つけたくないと思って、 身を隠す場所を探していたのは覚えてる。 |
Tweyen |
ソーン
……内心、誰かに見つけてほしいって 思っていたことも。 |
Tweyen |
ソーン
ちょうど今みたいにね。 本当にありがとう、団長。ふふ。 |
Tweyen |
シエル
ジータさんと再会できてよかったですね。 ラーベさんも無事であることを期待します。 |
Ciel |
ジータ
あ……ごめんね。 シエルはラーベのことが心配だよね。 |
Djeeta |
ビィ
大丈夫だぜ! ラーベも絶対助けるからな! |
Vyrn |
シエル
はい。みなさんがフガクへ帰還するためには、 ラーベさんが必要です。 |
Ciel |
ビィ
心配してたのは、そういうことかよ!? |
Vyrn |
ソーン
ふふっ。ある意味、仲良しなのね。 |
Tweyen |
ソーン
……ところで、団長。この子たちとは、 いったいどういう経緯で一緒に冒険をするようになったの? |
Tweyen |
ソーン
そうだったの……。 |
Tweyen |
ソーン
ここは空の世界とは別の世界で、 私も、他の団員たちも迷い込んでいるのね……。 |
Tweyen |
ソーン
じゃあ、はやくみんなを 迎えに行かなきゃね。探し物ならまかせて。 |
Tweyen |
ソーン
みんな、よろしくね。 |
Tweyen |
ビィ
それじゃあ、はぐれちまった仲間探しの続き、再開しようぜ! |
Vyrn |
ジータ
この調子で進めていこうね! がんばろー! |
Djeeta |
シエル
はい! |
Ciel |
第3節 孤高の料理研究家/
Summary | |
---|---|
ソーンの眼を頼りに見つけた食堂では、ノエル
がふるまう料理で次々と人が倒れていた。それ を狙って集まる魔獣を一行は追い払う。 |
ジータ
ん〜……見渡す限り、草原だけど……。 |
Djeeta |
ビィ
本当にこの辺りに怪しい建物があったのか? |
Vyrn |
ソーン
ええ……。 確かに、見えたはずなんだけど……。 |
Tweyen |
ジータ
ソーンさんの目は確かだから 絶対に見つかるはずだよ。諦めずに探してみよう。 |
Djeeta |
シエル
レイさん、大丈夫ですか? |
Ciel |
シエル
もうかなりの時間、歩き続けています。 そろそろ疲労が蓄積するころかと思われます。 |
Ciel |
ビィ
腹が減ったなら、森で拾ったリンゴがあるぜ! |
Vyrn |
ジータ
そういえば、少しお腹が空いてきたかも。 |
Djeeta |
シエル
補給が必要なら、休憩にしますか? |
Ciel |
シエル
休憩をするのであれば、 速やかに安全な場所を確保してきます。 |
Ciel |
ソーン
そうね。 疲れた足では獲物を追えないわ。 |
Tweyen |
ソーン
この先の大きな建物が 安全な場所だといいんだけれど。 |
Tweyen |
ビィ
おおっ! あれかぁ! |
Vyrn |
ジータ
山のせいで見えなかったんだね。 ……でも、あれ、なんの建物だろう。 |
Djeeta |
シエル
あの建物は、以前にも見たことがあります。 その時は、統制機構の士官学校だと聞きました。 |
Ciel |
ソーン
学校……どうりで人がたくさんいるわけね。 |
Tweyen |
ソーン
でもなんだか、みんな様子がおかしいわ。 吸い寄せられるようにひとつの建物に集まっているみたい……。 |
Tweyen |
ジータ
……どうする、レイ? 行ってみる? |
Djeeta |
1: 行ってみよう |
1: |
ビィ
そうこなくっちゃな! |
Vyrn |
シエル
そうですね、行きましょう。 ラーベさんがあの建物にいる可能性も考えられます。 |
Ciel |
レリウス
警戒の余り前に進むことを止めては、 なにも得ることはできない。 |
Relius |
レリウス
欲しいもの、知りたいことがあるのであれば 行くべきだろうな。 |
Relius |
シエル
宜しいのですね、レイさん。 |
Ciel |
シエル
では周囲を索敵しながら進みますが 危険と判断したら、すぐに撤退しましょう。 |
Ciel |
ソーン
みんな、何を目当てに 建物に入っていくのかな……。 |
Tweyen |
ソーン
魔物に襲われないよう、 安全な道を進みましょう。 |
Tweyen |
ソーン
私についてきて。 |
Tweyen |
ジータ
うわぁ、大きな建物だねぇ……。 |
Djeeta |
ビィ
けど、なんだここ? なんか食い物っぽい匂いもするけど……。 |
Vyrn |
シエル
食堂ではないですか? |
Ciel |
ビィ
入ってすぐ、いきなり食堂ってのは変じゃねーか? |
Vyrn |
ビィ
かと言って、この建物が まるまる全部食堂ってのも、ねーだろうし……。 |
Vyrn |
生意気そうな女性
お腹が空いたわねぇ……。 |
Impatient Woman |
無骨な大男
おい! メシはまだか! いい加減待ちくたびれたぞ! |
Irritated Man |
ソーン
食堂……みたいね。 |
Tweyen |
ビィ
妙なことになってんな……。 |
Vyrn |
ビィ
今のところ危険って感じはしねーけど……。 |
Vyrn |
ノエル
はいはいは〜い! 怒鳴らないでください! そんなに慌てなくても、すぐに作りますから! |
Noel |
シエル
あれは……ノエルさん。 |
Ciel |
ビィ
なんだ、知り合いか? |
Vyrn |
シエル
はい。統制機構の衛士をされている方です。 |
Ciel |
ジータ
衛士って……つまり軍の人? でもあの人、戦うっていうよりも……。 |
Djeeta |
ノエル
この、『超絶美少女天才料理研究家』ノエルがいる限り、 みなさんの食生活は未来永劫安泰ですっ! |
Noel |
ノエル
ご飯ができるまでは、アイドル並に可愛い私の 調理技術を見て楽しんでくださいね! 約束ですよ♪ |
Noel |
ソーン
あら、あの子がみんなの料理を作っているの? ああいうの、ちょっと憧れちゃうな |
Tweyen |
ジータ
衛士と料理の研究家を兼業してるのかな? シエルもノエルの料理を食べたことがあるの? |
Djeeta |
シエル
いえ、私はありません。 |
Ciel |
シエル
それよりも、気になることがあります。 |
Ciel |
シエル
ノエルさんの印象が、以前とは随分と異なっているように 見受けられます。 |
Ciel |
シエル
……まるで、別人のような印象です。 |
Ciel |
シエル
ノエルさん。少しお話ししたいのですが、よろしいでしょうか? |
Ciel |
ノエル
あっ、割り込みはダメですよ! |
Noel |
ノエル
私の料理が一刻も早く食べたくて食べたくて仕方ないのは わかりますけど、順番はちゃんと守ってくださいね! |
Noel |
ノエル
安心してください、超絶スキルですぐに作りますから! 空腹は最高のスパイスです。待つのも無駄にはなりませんよ! |
Noel |
シエル
……えっ、あ、はい。 すみません。 |
Ciel |
シエル
お話はできませんでした。 |
Ciel |
シエル
ですがやはり以前のノエルさんとは どこか違うように思えます。 |
Ciel |
ジータ
ということは、あの子も このフィールドに引き寄せられたひとりなのかな? |
Djeeta |
レリウス
そう見て間違いないだろうな。 この場を取り仕切っているのがなによりの証だ。 |
Relius |
レリウス
見てみろ。 |
Relius |
ノエル
はい、お待ちかねのお料理です! 一番から十番までの番号札をお待ちの方! |
Noel |
やせた男
おお、待ってまし……た……? |
Thin Man |
ノエル
あれ、どうしました? |
Noel |
太った男
……なんか、ブルッと寒気がしたんだけど、 これ、食べていい……んだよな? |
Large Man |
ノエル
はい! 召し上がってください! 絶対、おいしいですから。 |
Noel |
やせた男
じゃあ……いただきます……。 |
Thin Man |
食べた男たち
ん……んむ。 |
The Two Eating |
食べた男たち
ふぐっ、んぐうううううー!? |
The Two Eating |
ビィ
おいおい、なにが起きてんだ!? |
Vyrn |
ビィ
倒れたやつ、白目剥いてるぜ!? |
Vyrn |
シエル
それだけではなく、痙攣して口から泡も吹いています。 顔色も真っ青ですし、生体反応が弱まっています。 |
Ciel |
ノエル
あれ? 思わず倒れるくらい美味しかったんですか!? |
Noel |
ジータ
違う! 絶対に違うよ、それ!? |
Djeeta |
ノエル
美味しすぎて失神させるなんて…… スキルがありすぎるのも困りものですね。 |
Noel |
ノエル
でも、お料理はどんどん出していきますよ! 次の方どうぞ! |
Noel |
血色の悪い男
ひぃっ……おい、早く行けよ! 外に……外に出してくれ! |
Man Pale in the Face |
汗だくの男
押すなよ! くそ! なんでドアが開かないんだ!? これじゃ逃げられない! |
Man Sweating Nervously |
ノエル
……あれ? みなさん、どうしたんですか? |
Noel |
ノエル
急にお腹でも痛くなったんですか? でも駄目ですよ、せっかくの料理が冷めちゃいます。 |
Noel |
ノエル
出来立てが一番美味しいんですから。 はい、そこのアナタ! どうぞ召・し・あ・が・れ♪ |
Noel |
血色の悪い男
あ、あぁぁぁあ……やめろ、やめてくれぇぇ……。 |
Man Pale in the Face |
汗だくの男
身体が、勝手に……! 食べたくないのに…… 食べちゃダメなのにー! ぼぐぶあぁぁ!? |
Man Sweating Nervously |
シエル
これは……どういうことなのでしょうか。 |
Ciel |
レリウス
おそらく、ここにいる全員が、観測者によって 引き寄せられた人物だろう。 |
Relius |
レリウス
ノエルと言ったか、あの少女の願望が強すぎて このイレギュラーフィールドに囚われてしまったのだな。 |
Relius |
レリウス
願望……いや、あれはもはや妄想と言っても良いだろう。 |
Relius |
ジータ
も、妄想だなんて……女の子の夢を そんなふうに言うのは、やめてあげてよぉっ!? |
Djeeta |
ソーン
超絶美少女天才料理研究家……それが彼女の夢なのね。 |
Tweyen |
ソーン
でも、あの料理は……。 |
Tweyen |
ノエル
さあーどんどん食べてくださーい♪ ほらほら〜♪ |
Noel |
ビィ
あの飯を食った奴がどんどん倒れてく……。 |
Vyrn |
ビィ
作った本人はニコニコしてるし、 悪意が無い分、タチが悪いぜ……! |
Vyrn |
レリウス
まずいな、一刻も早く正気に戻さねば、被害はさらに広がるぞ。 |
Relius |
レリウス
下手をすれば、あれひとりに世界ごと滅ぼされかねんな。 |
Relius |
シエル
でもなぜノエルさんは、食べた人が倒れるような 料理を作っているのでしょうか。 |
Ciel |
ビィ
察してやれよ! 料理が下手だからだろ! |
Vyrn |
ノエル
あれぇ……? みなさん、全員眠ってしまったんですか? |
Noel |
ジータ
あんなに大勢いたのに……。 カタリナさんの料理に勝るとも劣らない威力……。 |
Djeeta |
レリウス
……好機と見たか。 気を失ったモノたちから絆の力を奪い取るつもりだ。 |
Relius |
ノエル
あ、グッドタイミングです! 食材がこんなにたくさん! 腕がなります♪ |
Noel |
ビィ
こいつらが原材料かよ!? |
Vyrn |
ソーン
あの獣を調理していたというの……? 解体がすごく難しそうなのに……。 |
Tweyen |
ジータ
ねえレリウスさん。彼女を正気に戻すためには……。 |
Djeeta |
レリウス
これまでと同じだ。絆の力以外にない。 |
Relius |
ジータ
ですよね……。 |
Djeeta |
ジータ
倒れちゃった人たちも放っておけないし、 とにかく魔獣をやっつけちゃおう! |
Djeeta |
ノエル
あれ……? あなたたちは……もしかして…… 私の食材を奪うつもりですね!? |
Noel |
ノエル
これは勝負ですね!? 料理対決! 道場破り! どちらが食材を多く取れるかの、熱いレース! |
Noel |
ノエル
血沸き肉が踊ります……乾いた風が吹く荒野でクッキング ストリートファイトに明け暮れた日々の情熱よ、いま再び! |
Noel |
ビィ
なんかもう、わけわかんねーことしか言ってねぇし 早くなんとかしてやろうぜ……。 |
Vyrn |
ーーー/
Summary | |
---|---|
一同を料理人と思いこみ、魔獣料理で対決をし
たがるノエルに対し、言葉での説得を試みるも 失敗。暴走する彼女を皆で止めに入る。 |
ノエル
それだけの食材を集めるとは……なかなかやりますね。 かなり腕に覚えのある料理人とお見受けしました! |
Noel |
ノエル
でも、ここからが本番です! 採った食材は、調理してこそ! |
Noel |
ノエル
ここからが真の、料理対決ですよ! |
Noel |
ノエル
みんなが私を待っています! 私のおいしい料理を! 食べたら二度と忘れられない、最高の味を! |
Noel |
ジータ
えーと……いくらレイでも、 料理対決じゃノエルを正気には戻せないよね……? |
Djeeta |
ソーン
かといって、あの子に向けて 弓なんて引きたくないわ。 |
Tweyen |
シエル
レイさん。私が説得を試みます。 |
Ciel |
シエル
ノエルさんに現実を直視してもらえないか、 試してみたいと思います。 |
Ciel |
シエル
……ノエルさん。 少しお尋ねしたいのですが、よろしいですか? |
Ciel |
ノエル
あ、調理中のインタビューですね! 人気者はつらいなぁもう! でも応えちゃいます! プロですから! |
Noel |
シエル
ノエルさんは、小さいころからずっと 料理をされていたのでしょうか? |
Ciel |
ノエル
はい、それはもう! 小さいころから自分の才能を自覚して 有名料理店やテレビから引っ張りだこ! |
Noel |
ノエル
この道一筋で生きています! |
Noel |
シエル
それはおかしいです。 |
Ciel |
シエル
そんな経歴の方が、どうして学校の調理室にいるのでしょうか。 ここは、ノエルさんの思い出の場所なのではないですか? |
Ciel |
ノエル
えっ? あ、そうですね。 学校ではツバキやマコト、マイ、カジュンたちと……。 |
Noel |
ノエル
……。 |
Noel |
シエル
ノエルさん。私は、あなたを知っています。 とても真面目な方です。本当は気付いているのではないですか? |
Ciel |
シエル
あなたは料理研究家などではない、と……。 |
Ciel |
ノエル
な、何を言うんですか突然……! |
Noel |
ノエル
私は至高にして究極の料理研究家なんです! 世界中の 誰よりもおいしくお料理ができて、素材集めだって完璧! |
Noel |
シエル
それでしたら、私たちの方が多く食材を集められる事実は、 変ではありませんか? |
Ciel |
ソーン
……止まった? |
Tweyen |
ノエル
い、いやです……。 |
Noel |
ノエル
いやですいやですいやです! いやですーーーーーーーーー!! |
Noel |
ビィ
あーあ、泣いちまったぞ。 |
Vyrn |
ノエル
料理は、私の夢ですっ! ここは私のユートピアです! |
Noel |
ノエル
いつも理不尽な扱われ方をされて、耐えて耐えて耐え忍び、 ようやく手に入れた理想郷なんです! |
Noel |
ノエル
私以外が私のハードモードな人生をプレイしていたら、 絶対もっとひどいことになってますからね!? |
Noel |
ノエル
言うなれば今はご褒美タイム! 例えるなら特上ステーキ! |
Noel |
ノエル
この極上の時間を、まだまだ味わっていたいんです! だから邪魔しないでください! |
Noel |
シエル
料理を食べた人物が倒れていく様子が どうしてご褒美なのでしょうか? |
Ciel |
シエル
それは本当に、ノエルさんの願望なのですか? |
Ciel |
ノエル
うぅぅ……どうして……。 |
Noel |
ノエル
どうしてそんな酷いことを言うの……? そんなふうにまた扱われるなら、私は……! |
Noel |
シエル
ッ!? |
Ciel |
ノエル
この子は……包丁は料理人の魂! あなたを調理して、私は! 今を! 生き延びます! |
Noel |
ソーン
結局、こうなるのね。 |
Tweyen |
シエル
ですが、私たちも負けられません……。 戦闘を開始します。 |
Ciel |
ーーー/
Summary | |
---|---|
戦いの末に、ノエルは正気を取り戻した。彼女
は倒れた人たちの看護に努めるためその場に残 り、一行はさらに先へと進んでいく。 |
ノエル
うぅ、そんな……負けちゃった……。 私の、私の魂がぁぁ……。 |
Noel |
ビィ
ふぃー、やっと大人しくなったな。 |
Vyrn |
ジータ
ちょっと、可哀そうな気もするけどね……。 |
Djeeta |
ジータ
包丁を向けられたときはびっくりしたけど、 実は刃物はそんなに得意じゃなかったのかな? |
Djeeta |
ソーン
すぐに飛び道具で戦う方へ切り替えていたものね。 いい腕してたわ。 |
Tweyen |
ノエル
……結局、私はこの子に愛されなかった。 この子を、信じることができなかった……。 |
Noel |
ノエル
その程度の料理人にしかなれなかったんだね……。 しくしくしく。 |
Noel |
ジータ
な、泣きながら包丁を抱き締めてる……。 |
Djeeta |
ジータ
気持ちとしては同情してあげたいんだけど…… 包丁はちょ〜っと怖いかなぁ〜……。 |
Djeeta |
ビィ
自分が気絶させたヤツらに囲まれて、 泣くってのもな……。 |
Vyrn |
ソーン
というか、あの子、正気には戻ってるのよね? 大丈夫……? |
Tweyen |
ノエル
……ふぅ。ご迷惑とご心配をおかけしました。 |
Noel |
ノエル
でも、もう大丈夫です。 いっぱい泣いて、すっきりしましたから。 |
Noel |
ビィ
立ち直りはえーな!? |
Vyrn |
ノエル
はいっ! 逆境には慣れていますので! |
Noel |
ビィ
お、おう……なんか、ごめんな……? |
Vyrn |
ノエル
私はここに留まって、倒れた方の看護に努めます。 |
Noel |
ノエル
あなた方は……先に進むんですよね? |
Noel |
シエル
ですがノエルさん。絆の力を求めた魔獣が またここに現れるかもしれません。 |
Ciel |
シエル
ひとりで残ることには、あまり賛成できません。 |
Ciel |
ノエル
大丈夫、これでも私、結構強いんですから。 |
Noel |
ノエル
ですからみなさんは、どうか先へ進んでください。 |
Noel |
ノエル
そうだ、お腹が空いた時のためにこれを。 残りわずかな食料ですが……おにぎりを作りました。 |
Noel |
ビィ
ん、お、おぉ…… オイラはリンゴがあるから、いらねーかな……。 |
Vyrn |
ジータ
き、気持ちだけ受け取っておくね! ありがとう、ノエル! |
Djeeta |
ビィ
……なぁなぁ。おにぎりってさ、普通は白いよな? |
Vyrn |
ソーン
どうやったら紫色になるのかしら……。 |
Tweyen |
シエル
料理の奥深さを感じました。 |
Ciel |
シエル
私もいつか、挑戦してみたいです。 |
Ciel |
第4節 交差する刃/
Summary | |
---|---|
聞こえてきた剣戟の音を辿ると、刀の達人、ナ
ルメアとジンが全力で刃を交えていた。止めに 入るも、ジータたちの声は届かない。 |
ビィ
お〜。なんだかすげーところに出たな! |
Vyrn |
ビィ
神殿……みたいな感じか? でも、そんなに古くもなさそうっていうか……。 |
Vyrn |
シエル
ソーンさんの視覚は素晴らしいですね。 調査効率が格段に上がりました。 |
Ciel |
ソーン
ふふ、ありがとう。 みんなの役に立てているみたいで、嬉しい。 |
Tweyen |
レリウス
……呑気なことだな。 |
Relius |
レリウス
ずいぶんと余裕があるようだが、すでに イレギュラーフィールドに踏み入っていることを失念するな。 |
Relius |
ジータ
あ、ごめんなさい。 気を抜きすぎるのは良くないよね。 |
Djeeta |
ジータ
この建物のどこかにも、 囚われている人がいるんだろうし……。 |
Djeeta |
レリウス
……先程から、絆の力の気配を強く感じる。 今回はかなり大物だろうな。 |
Relius |
ビィ
ん〜オイラたちの仲間かな? それとも、シエルたちの仲間か……? |
Vyrn |
レリウス
直接確かめれば良い。……シエル=サルファー。 貴様が索敵しろ。 |
Relius |
レリウス
付近に動体反応があるはずだ。 探れ。 |
Relius |
シエル
了解しました。 |
Ciel |
シエル
…………。 ……反応を確認。……複数です。 |
Ciel |
ジータ
もしかして、魔獣に襲われてたり? |
Djeeta |
シエル
そこまではまだわかりません。 案内します、こちらです。 |
Ciel |
ジータ
やっぱり、誰かが戦ってる……! |
Djeeta |
レリウス
……なるほどな。気配が大きい理由はこれか。 絆の力の反応元が、ふたつある。 |
Relius |
???
はぁぁっ! |
??? |
ジン
はっ! |
Jin |
ジータ
ナルメアさん!? |
Djeeta |
ソーン
……どうやらどっちも、本気で戦っているみたいね。 |
Tweyen |
ビィ
な、何者だアイツ!? 蝶の姉ちゃんと互角なんて……。 |
Vyrn |
ナルメア
……あなた、強いのね。私はナルメア。 名前……教えてもらってもいいかな? |
Narmaya |
ジン
……いいだろう。冥土の土産に教えてやる。 ジン=キサラギだ。 |
Jin |
ジン
僕の邪魔をしたこと、後悔しながら死ぬがいい! |
Jin |
シエル
レイさん、あの方、 ツバキさんの上官の方です。 |
Ciel |
シエル
以前のファントムフィールドでも遭遇しましたが、 恐ろしいまでの強さです。 |
Ciel |
シエル
互角に斬り合っているナルメアさんの実力も 相当な物と思われます。 |
Ciel |
ジータ
ナルメアさん! 落ち着いて! どうしてその人と戦ってるんですか!? |
Djeeta |
ナルメア
たぁぁっ! |
Narmaya |
ビィ
ダメだ……全然聞こえてねーぞ……。 あのジンってヤツもおんなじだ……。 |
Vyrn |
レリウス
……あの角のある女は、 自身の背後にいる魔獣を守っているようだな。 |
Relius |
レリウス
そして、ジン=キサラギは、あの魔獣を殺そうとしている。 |
Relius |
ナルメア
団長ちゃんは……私が守る! |
Narmaya |
ジータ
え、私? 私ならここにいるけど……。 |
Djeeta |
ジン
くどい! そこをどけと言っている! |
Jin |
ジン
それは僕が殺すべき存在だ。 他の誰にも渡さない。 |
Jin |
ジン
庇うなら貴様ごと斬るまで! はぁぁっ! |
Jin |
シエル
ジンさんには、あの魔獣が別のモノに見えているようです。 |
Ciel |
ソーン
じゃあひょっとして、 ナルメアにはあれが団長に見えている? |
Tweyen |
ソーン
……だとしたら、まずいわよ。ナルメアは 団長を守るためなら絶対に譲らないわ。 |
Tweyen |
シエル
どちらかが倒れるまで戦いが続くと考えられます。 止めなくてはなりません。 |
Ciel |
ジータ
声が届かないなら、あの魔獣が私じゃないって 教えないと……レリウスさん、どうすれば……? |
Djeeta |
レリウス
……おそらく、奴等はこれまでと同様、絆の力を奪われた。 そして、このフィールドの生成に巻き込まれたのだろう。 |
Relius |
レリウス
フィールドの生成には、心の拠りどころである 『使命』が強く作用した。 |
Relius |
レリウス
ふたりの位置がたまたま近かったことで、 『守護』と『抹殺』という相反する願望が結び合った。 |
Relius |
レリウス
結果……奴等がお互いの使命をかけて、 戦うフィールドが完成した……といったところか。 |
Relius |
ジータ
戦いながら、絆の力を奪われてる……ってこと? |
Djeeta |
レリウス
最終的には、自分が何者なのか、なんのために戦うのかも わからないまま、戦闘行為を続けるだけになるだろう。 |
Relius |
レリウス
……負ければ当然、命を落とすことになる。 |
Relius |
シエル
自分がわからなくなっても……戦い続けるのですか。 |
Ciel |
シエル
それは……。 |
Ciel |
ジータ
そんなのダメだよ! ふたりを止めないと! |
Djeeta |
ビィ
でもどうやって止めるんだ? オイラたちの声は届いてねーし……。 |
Vyrn |
1: 絆の力で、きっと助けられる |
1: |
ソーン
私を助けてくれたときみたいに……ってことね。 |
Tweyen |
シエル
はい。透明な壁はありませんが、 状況そのものはこれまでと類似しています。 |
Ciel |
レリウス
その通り。……貴様らを認識できないのは、 絆の力が不足しているせいだ。 |
Relius |
レリウス
この建物の中には絆の力を吸い上げた魔獣たちがいる。 |
Relius |
ビィ
そいつらを倒して、絆の力を集めるんだな! |
Vyrn |
シエル
ジンさんとナルメアさん……ふたりの決着がついてしまう 前に、急いで集めましょう! |
Ciel |
ジータ
うん! 待っててね、ナルメアさん……! |
Djeeta |
ーーー/
Summary | |
---|---|
絆の力を集め、二人と話をするも戦いは止まな
い。そこでレリウスが、争いの原因を奪うこと でその矛先はこちらに向くと提案する。 |
ジータ
絆の力を集めてきたよ……! ナルメアさん、聞こえますか!? |
Djeeta |
ナルメア
あなたは……? |
Narmaya |
ジン
……なんだ、貴様らは……? |
Jin |
ジン
どこから湧いたか知らんが、邪魔をするな。 巻き込まれたくなければ下がっていろ! |
Jin |
ナルメア
くっ……! ごめん、今は取り込み中なの! 危ないから、離れてて! |
Narmaya |
ビィ
ダメだ……ふたりとも元に戻らねーぞ……。 |
Vyrn |
ジータ
こっちの声が届くようにはなったみたいだけど…… まだ足りないんだ。 |
Djeeta |
シエル
これまでは、対象者と交戦することで、 レイさんに観測していただいていましたが……。 |
Ciel |
シエル
すでに交戦中のふたりの間に割って入るのは、危険すぎます。 推奨できません。 |
Ciel |
ビィ
くそぅ! だったら、どうすりゃいいってんだ……。 |
Vyrn |
レリウス
奴等の共通の敵になればいい。 |
Relius |
ジータ
それ……どういうこと? |
Djeeta |
レリウス
シンプルな話だ。奴等が必死になって取り合っている、 問題の魔獣を消せば済む。 |
Relius |
1: でもナルメアにとって、あの魔獣は…… |
1: |
ジータ
私に見えてる……んだよね。 それを消したりしたら、きっとナルメアさん、すごく悲しむ……。 |
Djeeta |
ジータ
……でも、このままにはしておけないよね。 放っておいたら、ナルメアさんが危ないんだから。 |
Djeeta |
シエル
おそらく、とても怒ると思います。あの魔獣を殺す…… そのことに、とても執心されているようですから。 |
Ciel |
シエル
ですがこのままでは、ジンさん自身も危険です。 |
Ciel |
シエル
安心してください。敵対状態になった際、 レイさんは私が守ります。 |
Ciel |
レリウス
……方針は決まったようだな。 では……今しがた集めた絆の力とやら、利用させてもらうぞ。 |
Relius |
レリウス
あの魔獣を別のモノに見せているのは絆の力…… 別のベクトルでぶつけてやると、こうなる。 |
Relius |
ジン
なっ!? 奴が、消えた……!? |
Jin |
ナルメア
団長ちゃん!? 団長ちゃん、どこにいったの!? |
Narmaya |
ジン
……貴様らがやったのか? |
Jin |
ソーン
狙い通り、こっちに気付いてくれたわね。 |
Tweyen |
ビィ
でも、嫌な予感が……。 |
Vyrn |
ナルメア
……団長ちゃんを、どこへ隠したの? |
Narmaya |
ジン
アレは僕の獲物だ! よくも横取りしたな……! |
Jin |
ジン
アレを殺すのは僕だ! 邪魔するなら……お前から殺す! |
Jin |
ソーン
……本気の殺意ね。 全身がゾクゾクするわ。冷たく、激しい怒り……。 |
Tweyen |
シエル
説得は難しい……と、思われます。 |
Ciel |
シエル
……? 蝶……? |
Ciel |
ジータ
っ!? レイ! 避けて! |
Djeeta |
シエル
っ!? |
Ciel |
シエル
レイさん、ご無事ですか!? |
Ciel |
ビィ
今のは、蝶の姉ちゃんの……。 |
Vyrn |
ナルメア
あなたたちを斬る。 そして、団長ちゃんを救い出す。……覚悟! |
Narmaya |
ジータ
ナルメアさん……。 そこまで、私のことを……。 |
Djeeta |
レリウス
場は整えてやったぞ。 あとは奴等を倒せばいい。効果は実証済みだ。 |
Relius |
レリウス
……レイ。 貴様の観測次第ということだ。 |
Relius |
ジータ
ナルメアさん……本当にごめんね。 でも、いま助けるから! |
Djeeta |
ジン
何をゴチャゴチャと! ……殺してやる。覚悟しろ! |
Jin |
ーーー/
Summary | |
---|---|
二人の攻撃をしのぎきり、絆の力が満ちる。
ジンは幻影を追っていたと知って立ち去り、 ナルメアは元通りジータのそばに寄り添った。 |
ジン
くっ……なんだ、これは? |
Jin |
ナルメア
団長ちゃん……。 んんっ? |
Narmaya |
ナルメア
あ……団長ちゃん! 無事だったんだね、よかった! |
Narmaya |
ジータ
ナルメアさん! |
Djeeta |
ナルメア
どこに行っちゃったのかと思って、 お姉さん心配したんだよ。 |
Narmaya |
ジータ
うん……ごめんなさい……。 |
Djeeta |
ジータ
たくさん守ろうとしてくれたんだよね。 私も……もっと、ナルメアさんを大事にするから……。 |
Djeeta |
ナルメア
うん? うん、ありがとう。 でも、お姉さん、もう大事にしてもらってるよ? |
Narmaya |
ジン
……僕が狙っていた魔物は、どこへ行った? |
Jin |
シエル
あれは、普通の魔獣です。 ジンさんは幻を見ていたと思われます。 |
Ciel |
シエル
おそらくですが……お探しの魔物ではありません。 |
Ciel |
ジン
……そうか。 確かに……微塵も気配がない。チッ……幻影とは……。 |
Jin |
ジン
ならば、もうここに用はない。 |
Jin |
シエル
どちらへ行かれるのですか? |
Ciel |
ジン
自分の獲物を探しに行く。……僕には…… 殺さなければならないモノがある……はずなんだ。 |
Jin |
ジン
……貴様ら、なにか知らないか? なによりも禍々しく……なによりも深い……黒い者を。 |
Jin |
シエル
……すみません。 それらしい情報は何もありません。 |
Ciel |
シエル
レイチェルさんとノエルさんでしたら、 この世界でお会いしたのですが。 |
Ciel |
ジン
そんなものはどうでもいい。……余計な情報だ。 |
Jin |
ジン
ひとつ忠告しておく。たとえそれらしき魔物を見つけても、 絶対に手を出すな。 |
Jin |
ジン
アレは……誰にも渡さない! |
Jin |
ソーン
……レイ。 彼も正気に戻っているのよね? |
Tweyen |
シエル
はい、そのはずです。 |
Ciel |
ナルメア
とっても強くて……とっても使命感に燃えてる人、なのかな? |
Narmaya |
1: 頼りになる人だよ |
1: |
ジータ
うん、そうなんだろうなって、私も思うよ。 |
Djeeta |
ジータ
ちょっと気迫はすごかったけど…… でもなにか大事なものを真っ直ぐ見てる人なんだね。 |
Djeeta |
ジータ
戦ってる姿からも、そういうのが伝わってきたもん。 |
Djeeta |
ジータ
きっとあの人にとって、すごく大事なことなんだね。 |
Djeeta |
ジータ
すごい気迫だったし……戦ってる姿に迷いがなかった。 信念があって戦ってる人、って感じがしたよ。 |
Djeeta |
ジータ
いつか一度、手合わせしてもらいたいな。 |
Djeeta |
シエル
ジータさんは、少しレイさんに 似ていますね。 |
Ciel |
ジータ
え? そうかな? |
Djeeta |
シエル
いえ、その。少し、そんな気がしたのです。 |
Ciel |
シエル
……出会った人のことを『見よう』という意識を、 強く感じます。 |
Ciel |
シエル
私も、レイさんに見られていると 強く感じることがあります。 |
Ciel |
シエル
それは時々、戸惑うことでもありますが…… なぜか頼もしくもあります。 |
Ciel |
シエル
だからきっと、ナルメアさんやソーンさんも、ジータさんを 頼もしく思っているのではないでしょうか。 |
Ciel |
ソーン
……ええ、そうよ。シエルの言いたいこと、よくわかる。 |
Tweyen |
ナルメア
私も。 |
Narmaya |
ナルメア
ってことは、シエルちゃんはレイちゃんのこと、 大好きなんだ。 |
Narmaya |
シエル
え? |
Ciel |
ナルメア
だって私、団長ちゃんのことだ〜い好きだもの。 |
Narmaya |
ジータ
えへへ……あんまりハッキリ言われると、少し照れちゃうな。 |
Djeeta |
シエル
…………。 |
Ciel |
シエル
……すみません、わかりません。 |
Ciel |
ナルメア
そっか。でもきっとわかるよ。 そのうちね。 |
Narmaya |
シエル
……はい。 |
Ciel |
ビィ
ん? ジータ、お前……なんか光ってねーか? |
Vyrn |
ジータ
ホントだ……絆の力が……集まってくる。 ……すごい、どんどん力が湧いてくるみたい。 |
Djeeta |
ナルメア
わぁ……団長ちゃん、キレイ! |
Narmaya |
ジータ
ありがとう。 ナルメアさんから力が流れ込んでくるのを感じる……。 |
Djeeta |
ジータ
あと……あのジンって人からも。 |
Djeeta |
シエル
ジンさんからも絆の力が発生しているのですか? |
Ciel |
シエル
……絆とは、複雑なものですね。 |
Ciel |
ジータ
人それぞれの形があるんじゃないかな。 絆って一言で言ってもね。 |
Djeeta |
ビィ
あいつ、なんっか危なっかしいよな。 無理しねーといいけど。 |
Vyrn |
シエル
そう……ですね。 |
Ciel |
ナルメア
ねぇ、団長ちゃん。次、どこへ行こっか? |
Narmaya |
ナルメア
お姉さん、どこへでもついていくからね♪ |
Narmaya |
ジータ
あはは、ありがとう! |
Djeeta |
ソーン
ふふ、事情を聞く前からこれなんだから。 すっかり元通りね、ナルメア。 |
Tweyen |
ソーン
レイのおかげね。 ありがとう。 |
Tweyen |
第5節 熱砂の幻/
Summary | |
---|---|
草原の向こうに唐突に砂漠が広がる地帯。その
中にマイが囚われていた。魔獣に囲まれる彼女 を、一行は急いで助けに向かう。 |
ナルメア
やっぱりひとりで歩くより みんなで一緒に歩く方が嬉しいし、楽しいなぁ。 |
Narmaya |
ナルメア
天気もいいし、とってもいい気分。 |
Narmaya |
ビィ
これが異世界なんて状況じゃなきゃ 昼寝でもできたのになぁ。 |
Vyrn |
シエル
ナルメアさんが合流してから、みなさん賑やかです。 |
Ciel |
ジータ
うんうん。賑やかなのはいいことだよね! |
Djeeta |
ジータ
ねぇ、レリウスさん! |
Djeeta |
レリウス
……私には無縁の感情だ。 |
Relius |
レリウス
賑やかな状況に利点などない。 それに個人的にも、興味はないのでな。 |
Relius |
ジータ
え〜、つれないなぁ……。 |
Djeeta |
シエル
確かに、敵や魔獣に気配を察知される可能性は 上がると思います。 |
Ciel |
ナルメア
そのときはお姉さんが、絶対にみんなを守るからね。 |
Narmaya |
ソーン
ふふ、周囲は私が警戒しているから、大丈夫よ。 |
Tweyen |
ソーン
あら……? |
Tweyen |
ジータ
ソーンさん、なにか見つけたの? |
Djeeta |
ソーン
この先で草原が途切れてるみたい。 草原の先は……一面の砂。 |
Tweyen |
ソーン
どうする? |
Tweyen |
ジータ
また、誰かのフィールドかな? とにかく、行ってみよう。 |
Djeeta |
ビィ
うへぇ……本当に砂だらけだな。 |
Vyrn |
ナルメア
平原が急に砂漠になるなんて…… やっぱり変だよね? |
Narmaya |
レリウス
間違いなく、何者かが作り出したイレギュラーフィールドだろう。 その証拠に、この辺りにも絆の力の残滓が見られる。 |
Relius |
レリウス
だがこの残滓は……ふむ、興味深いな。 |
Relius |
???
……お〜い! |
??? |
ビィ
……ん? なんか声がしねーか? |
Vyrn |
???
お〜い!! |
??? |
ソーン
誰かが呼んでいるわ。……あそこ! |
Tweyen |
マイ
誰か〜! |
Mai |
シエル
あれは……マイさんですね。 |
Ciel |
ジータ
彼女も知り合い? シエルたちの仲間? |
Djeeta |
ソーン
それよりも大変。彼女、魔獣に囲まれてるわよ。 助けに行きましょう。 |
Tweyen |
マイ
そこの人たち! 聞こえてるよね!? |
Mai |
マイ
お願いだから、助けてくれないかな!? 知らない間柄だけど、困ったときは助け合いだと思うんだ! |
Mai |
ジータ
助けを求めて困ってる人を放ってはおけないよね! |
Djeeta |
ジータ
それが知り合いだって言うなら、なおさらだよ! |
Djeeta |
1: 早く助けよう! |
1: |
マイ
うわわ、魔獣がまた増えた……!? お、お願い、早くー! |
Mai |
ビィ
迷ってる余裕はなさそうだぜ! |
Vyrn |
ーーー/
Summary | |
---|---|
ひとまず魔獣を追い払うが、マイだけが透明な
壁に囲まれ、その場から動けない。壁を破壊す るため、一行は絆の力を集めることに。 |
マイ
ふぅ……君たち、ありがとう。 おかげで助かったよ。 |
Mai |
ナルメア
こんな砂漠のど真ん中で魔獣に襲われるなんて、 災難だったね。とりあえず安全な場所に移動しよっか。 |
Narmaya |
マイ
それが、透明な壁に囲まれちゃって 出られないんだ……。 |
Mai |
マイ
これ、どうすれば出られるんだろう……。 君たち、なにか知らない? |
Mai |
ビィ
また例の壁かよ…… ……罠とか仕掛けられてねーよな? |
Vyrn |
シエル
周囲を索敵しましたが、特に反応は検知できません。 |
Ciel |
シエル
ひとまずこの近辺は安全かと思われます。 |
Ciel |
ソーン
この壁……私の時にあった壁と同じものなのね。 透明な壁か……なにか意味があるのかしら? |
Tweyen |
ソーン
これじゃ、彼女には近づけないわね。 |
Tweyen |
ナルメア
あ、いいこと思い付いた♪ 地面を掘って、トンネルを作って助けるのはどうかな? |
Narmaya |
マイ
それがダメなんだ……地面も、透明の壁でガードされてて。 |
Mai |
ジータ
囚われのお姫様……って感じだね。 |
Djeeta |
ジータ
レリウスさん、今回も絆の力を集めて 壁を壊すしかないんですか? |
Djeeta |
レリウス
……そのようだな。 |
Relius |
ナルメア
……? |
Narmaya |
レリウス
このフィールドは、あのマイという少女が 何者かに救われたいという願望によって作られている。 |
Relius |
レリウス
わざわざ砂漠の中で目立つように囚われているのも そのためだろう。 |
Relius |
レリウス
この砂漠という場所も、おそらくは 彼女の潜在意識から来ている心象風景だ。 |
Relius |
ジータ
じゃあマイは、とにかく『助けてほしい』ってことかな。 |
Djeeta |
ジータ
助けを求める人のためにも、がんばらなきゃ。 ね、ナルメアさん! |
Djeeta |
ナルメア
う、うん〜……。 |
Narmaya |
マイ
……あ、危ない! |
Mai |
シエル
レイさん、私の後ろへ! |
Ciel |
ナルメア
危ない危ない。 お姉さんがいれば安全だって約束したもんね♪ |
Narmaya |
ソーン
みんな、怪我はない? |
Tweyen |
シエル
はい、全員問題ありません。 ただ……囲まれてしまったようです。 |
Ciel |
ビィ
数が多いな! こりゃヤベーぞ!? |
Vyrn |
マイ
……逃げて! |
Mai |
マイ
ここは壁で守られてるから、私は大丈夫! だからみんなは一度逃げて! |
Mai |
ジータ
そんなことできないよ! |
Djeeta |
レリウス
いや、彼女の言う通りだ。 |
Relius |
レリウス
さらに魔獣の数が増えている。 このまま囲まれれば、我々が全滅するだろう。 |
Relius |
1: ' |
1: |
シエル
……わかりました。 |
Ciel |
シエル
4時の方向がやや手薄です。 魔獣の少ない場所を突破しましょう。 |
Ciel |
ナルメア
みんな、お姉さんについてきて! |
Narmaya |
ビィ
ふぅ……なんとか魔獣は撒けたな。 |
Vyrn |
ジータ
ねぇレリウスさん。マイを助けるにはやっぱり 魔獣を倒して絆の力を集めるしかないの? |
Djeeta |
レリウス
その通りだ。この世界に囚われた者を助けるのに それ以外の方法は存在しない。 |
Relius |
レリウス
あの少女も、あのまま砂漠に放置すれば やがて世界に取り込まれてしまうだろう。 |
Relius |
レリウス
そうなる前に、絆の力を集めて解放するしかない。 |
Relius |
ナルメア
…………。 |
Narmaya |
ジータ
ナルメアさん? どうかした? |
Djeeta |
ナルメア
あ、ううん、なんでもない……かな。 |
Narmaya |
ソーン
……ねぇ、レイ 私、マイのことで気が付いたことがあるの。 |
Tweyen |
ソーン
さっき、透明な壁に触れたでしょう? |
Tweyen |
ソーン
そのときに感じたのだけれど…… あの人は、とても『孤独』。 |
Tweyen |
ソーン
いえ……まるで自分から、孤独を求めているように見えたわ。 |
Tweyen |
ソーン
あなたには、彼女がどう見えた? |
Tweyen |
1: たしかに、違和感があった |
1: |
シエル
孤独……ですか。 |
Ciel |
シエル
確かに、以前のマイさんとは、 少し印象が違ったようにも見えました。 |
Ciel |
シエル
ノエルさんの時ほど大きな違和感でないのですが。 |
Ciel |
ジータ
なんであれ、ひとりにはしておけない。 放っておけないよ。 |
Djeeta |
シエル
はい、そうですね。 一刻も早くマイさんを助けましょう。 |
Ciel |
ジータ
うん! |
Djeeta |
ジータ
とにかく周囲の魔獣を片付けよう! |
Djeeta |
ソーン
……そっか。きっと、あなたはそれだけ彼女の事、 よく知っているってことなのね。 |
Tweyen |
ソーン
彼女の悩みも、苦しみも……。 |
Tweyen |
ジータ
なんであれ、ひとりにはしておけない。 放っておけないよ。 |
Djeeta |
シエル
はい、そうですね。 一刻も早くマイさんを助けましょう。 |
Ciel |
ジータ
うん! |
Djeeta |
ジータ
とにかく周囲の魔獣を片付けよう! |
Djeeta |
ビィ
よぉし、準備はいいな! 戦闘開始だぜ! |
Vyrn |
ーーー/
Summary | |
---|---|
壁を壊しマイを助け出すが、彼女は顔色が悪
く、気配も希薄になっている。急いで彼女を 観測し、奪われた絆を取り戻そうと試みる。 |
ジータ
よしっ……これで魔獣は全部片付いたよね! |
Djeeta |
ジータ
絆の力もバッチリなはず。 シエル、レイ、お願い! |
Djeeta |
シエル
はい。レイさん、観測をお願いします。 |
Ciel |
ナルメア
やったぁ! |
Narmaya |
シエル
マイさん、大丈夫ですか? |
Ciel |
マイ
ありがとう……くっ……。 |
Mai |
シエル
顔色が優れません。 どこか痛みがありますか? |
Ciel |
マイ
うん……君たちが去ってから 急に力が入らなくなって……。 |
Mai |
レリウス
絆の力を奪われすぎたためだろう。 |
Relius |
レリウス
世界との結びつきが弱まれば、起こり得る現象だ。 |
Relius |
ナルメア
どうしよう、この子……目の前にいるのに、 すごく気配が希薄だよ。まるで煙みたいに……。 |
Narmaya |
ソーン
ねぇ、絆の力を強めないと、まずいんじゃない……? |
Tweyen |
シエル
そうですね……レイさん、 マイさんの観測をお願いします。 |
Ciel |
シエル
マイさん。申し訳ありませんが、私たちと戦っていただけますか? |
Ciel |
シエル
レイさんの観測であなたを助けられます。 |
Ciel |
マイ
君たちと、戦いを……? |
Mai |
マイ
……うん、わかった。 |
Mai |
マイ
最後の、力を……振り絞る……。 レイ、私の命……預けたよ! |
Mai |
ーーー/
Summary | |
---|---|
マイの幻が消え、現れたハザマの攻撃を防ぐ
『本物』のマイ。罠を看破されたハザマは逃 走、消えた友を探すマイは一行に加わった。 |
マイ
くっ……はぁ、はぁっ……。 |
Mai |
ジータ
これで、大丈夫……? 成功したんだよね、レイ? |
Djeeta |
ジータ
……レイ? どうかしたの? |
Djeeta |
1: ' |
1: |
ジータ
ど、どういうこと……? |
Djeeta |
ジータ
……そういえば、私も絆の高まりを感じない。 なんで!? |
Djeeta |
マイ
レイ……私を、観て…… もっと近くで……早く……。 |
Mai |
1: マイの手を取る |
1: |
ジータ
そんな……間に合わなかった……? |
Djeeta |
???
いえ、完璧でした。 |
??? |
シエル
っ!? レイさん!? |
Ciel |
ナルメア
しまった!? |
Narmaya |
ハザマ
くっ!? |
Hazama |
ハザマ
あなたは……。 |
Hazama |
マイ
あぶない、あぶない。 ギリギリ間に合ったみたいでよかったよ。 |
Mai |
シエル
マ、マイさん!? これは……どういうことでしょうか。 |
Ciel |
ビィ
えーっと、マイが消えて帽子の男が出てきたと思ったら、 後ろからまたマイが……? どうなってんだ? これ。 |
Vyrn |
ビィ
まさか偽物が増えたってのか!? |
Vyrn |
マイ
あはは、私は本物だよ。マイ=ナツメっていうんだ。 |
Mai |
マイ
でもビックリしたよ。 自分と同じ姿の女の子が助けを求めてるなんて。 |
Mai |
マイ
しかも助けに向かおうとしたら君たちが現れて、 私だった女の子が君たちを襲おうとするなんてさ。 |
Mai |
シエル
あなたは……ハザマさんですね。 |
Ciel |
ハザマ
おや、私のことをご存じなのですか? これはこれは、あなたたちのことは知りませんが光栄ですね。 |
Hazama |
レリウス
……成程。先ほど助けを求めてたあれは、 貴様の幻影だったということか。 |
Relius |
ナルメア
だからあんなに気配が薄かったんだ…… うかつだったわ……。 |
Narmaya |
ハザマ
やれやれ。もう少しで絆の力を得た状態の レイさんが手に入ったのに。 |
Hazama |
ハザマ
とても残念ですよ。 |
Hazama |
ソーン
残念……? 嘘つきね。 そういう割にはずいぶん余裕あるじゃない。 |
Tweyen |
ハザマ
あれ? バレちゃいました? |
Hazama |
ハザマ
いやいや、これでも手間をかけた分は 失望しているんですよ? |
Hazama |
ハザマ
わかりやすい場所に幻影を置いて ずっと獲物が釣れるのを待っていたんですから。 |
Hazama |
ハザマ
ただ、欲しい物は手に入れてしまうと 価値も下がってしまいますから。 |
Hazama |
マイ
私を騙ってやるなんて、ひどいね。目的は何? |
Mai |
ハザマ
そこにいるレリウスさんと同じですよ。 せっかくのイレギュラーな場ですからね。 |
Hazama |
シエル
レリウスさんと同じ……ですか? それはどういう意味でしょうか。 |
Ciel |
ハザマ
絆の力の有用性、絆の力と観測能力を合わせたときの 出力実験……試したいことはたくさんあります。 |
Hazama |
レリウス
なんの話をしているのかわからんが…… この世界を特異な状況に変えているのは、お前の仕業か? |
Relius |
ハザマ
ふふふ、そうですか。 いやはや、お人が悪い。 |
Hazama |
ハザマ
……まぁ、いいでしょう。 |
Hazama |
ハザマ
あなたがたが追っている謎ですがね、願望を元にした フィールドを作るなんてことは、そう簡単じゃないんですよ。 |
Hazama |
ハザマ
それを可能にする力なんて、この世界には限られています。 |
Hazama |
ハザマ
私は、そのルールの中でできることをやるだけ…… 時間と好機は限られているので、これにて失礼しますよ。 |
Hazama |
ソーン
待ちなさい。 この騒ぎの元凶を私がみすみす逃すと思う? |
Tweyen |
ナルメア
そうね。悪いけど、斬るよ? |
Narmaya |
ハザマ
おお、怖い……。 ですが、どうぞご自由に。 |
Hazama |
ソーン
……!? 姿が、追えない!? |
Tweyen |
ナルメア
気配が、そこら中に……!? って、もう遠くへ……!? |
Narmaya |
レリウス
……どうやら捕えるのは不可能だな。 |
Relius |
ジータ
レリウスさん。さっきの人が言っていたこと…… あなた、本当はなにか私たちに隠してる? |
Djeeta |
レリウス
……あれは、蛇だ。 気を取られると、疑念に飲み込まれるぞ。 |
Relius |
ジータ
……。そっか。 |
Djeeta |
シエル
レイさんが無事なのは マイさんのおかげです。ありがとうございます。 |
Ciel |
マイ
あはは、気にしないで。 |
Mai |
マイ
君たちだって、偽物の私を助けようとしてくれたじゃない。 ん? それとこれとは別の話かな? まあ、いいか。 |
Mai |
シエル
マイさんも、この世界に囚われたのですか? |
Ciel |
マイ
私は、仲間を……親友のカジュンを探しているんだ。 |
Mai |
マイ
旅の途中ではぐれてしまって……きっとこの世界の どこかにいると思うんだけど。 |
Mai |
ビィ
へぇ、マイも仲間を探してんのか。 オイラたちと同じだな! |
Vyrn |
マイ
うわっ、トカゲが喋った! |
Mai |
ビィ
オイラはトカゲじゃねぇ!!! |
Vyrn |
シエル
カジュンさんがどこにいるか、心当たりはあるのですか? |
Ciel |
マイ
それが、全然……。ただ……。 |
Mai |
マイ
はぐれる直前、カジュンは何かを思いつめている様子だった。 ……だから余計に心配なんだよ。 |
Mai |
マイ
いつも、私のことばかり考えてくれるのは嬉しいんだけど…… そのせいか、カジュンは無茶をしちゃうんだ。 |
Mai |
マイ
だから、また無茶をしてたらどうしようって……。 |
Mai |
ジータ
さっきのハザマみたいな人がいるってわかった以上、 ひとりで行動するのは危ないよ。よかったら一緒に行かない? |
Djeeta |
ジータ
構わないよね、レイ。 |
Djeeta |
1: ' |
1: |
マイ
本当に!? ぜひ、お願いするよ! |
Mai |
ビィ
よっしゃ! また仲間が増えたな! この調子で、残りの仲間もさっさと見つけちまおうぜ! |
Vyrn |
ソーン
……ねぇ、レリウス。 ちょっと話がしたいのだけれど。 |
Tweyen |
ソーン
あなた、マイが幻影だってわかったあと、 まったく動じていなかったわよね……? |
Tweyen |
ナルメア
ううん……その前から。最初から、 なんとなく嘘をついていたように見えたけど? |
Narmaya |
ソーン
あれが幻影だって、最初から気づいていたの? |
Tweyen |
レリウス
ご想像にお任せしよう。だが面白いものを見せてもらった。 |
Relius |
レリウス
私にとって、重要なのは実験と観察を重ねることだ。 |
Relius |
レリウス
元より、そういう条件で貴様たちと行動を共にしている。 貴様らの団長とやらに、確認してみるといい。 |
Relius |
ソーン
…………。 |
Tweyen |
第6節 甘い思い出/
Summary | |
---|---|
砂漠を行くと巨大な門があり、Esが門番に立っ
ていた。力ではびくともしない門を開くため、 周囲の魔獣を倒し絆の力を集める。 |
ビィ
くそぅ……なんだってんだ、この暑さ……。 |
Vyrn |
ジータ
日差しが強いねぇ〜……。 |
Djeeta |
ナルメア
本物の砂漠ほどじゃないけど、 暑いよね……。 |
Narmaya |
マイ
身体が汗でベトベトだよ……。 |
Mai |
シエル
大丈夫ですか、レイさん。 命に危険が及ぶような気候ではありませんが、不快な状況です。 |
Ciel |
シエル
健康状況に問題が発生したら、速やかに知らせてください。 可能な限り、対処します。 |
Ciel |
レリウス
……イレギュラーフィールドに近寄る者を捕えようとした、 ハザマの性根が反映されているのだろうな。 |
Relius |
ビィ
とか言いつつ、自分だけ涼しい顔しやがって……。 他のみんなはヘロヘロだぞ……。 |
Vyrn |
ソーン
……? 待って、向こうに何かあるわ。 あれは……門かしら? |
Tweyen |
ジータ
門? 砂漠に? ……なんで? |
Djeeta |
ソーン
さぁ……また幻じゃないといいけど……。 |
Tweyen |
ビィ
門だ……。 でも、なんだってこんなとこに? |
Vyrn |
レリウス
さあな。ここはイレギュラーフィールドだ……。 異常な建造物があったところで、不思議はない。 |
Relius |
レリウス
……門番もいるようだな。 |
Relius |
ナルメア
門番って、あの子のこと? |
Narmaya |
Es
……。 |
Es |
シエル
エスさんですね……。ということは、 エスさんもまた絆の力を奪われているのでしょうか……。 |
Ciel |
ジータ
あの子も、シエルたちの知り合いなんだね。 それなら助けなくっちゃ! |
Djeeta |
シエル
はい。ただ……やはり私たちは彼女のことを把握していますが、 向こうはそうではないと思います。 |
Ciel |
ジータ
でも、危険にさらされてるなら助ける……だよね? |
Djeeta |
ジータ
オッケー。任せて、喜んで協力するよ! |
Djeeta |
Es
……こんにちは。 |
Es |
ビィ
お、向こうから挨拶してくれたぜ! |
Vyrn |
ジータ
エス、でいいんだよね? あなたは、ここの門番なの? |
Djeeta |
Es
はい。この門を守っています。 |
Es |
ビィ
涼しい顔してっけど、暑くねーのか……? |
Vyrn |
Es
問題ありません。 気温は高いですが、門の防衛に支障はありません。 |
Es |
ナルメア
大きな門だね。 これはどこへ続いているのかな? |
Narmaya |
Es
この門は、砂漠の外へ続いています。 |
Es |
シエル
ここを通れば、このイレギュラーフィールドから 抜け出すことができるのでしょうか。 |
Ciel |
レリウス
……可能性はあるな。 逆に、ここを通らねば出られない可能性もある。 |
Relius |
ソーン
そんなこともできるの……? |
Tweyen |
レリウス
ここは空間の歪んだ世界に生じた、 誰かの意識から生み出される異質な空間だ。 |
Relius |
レリウス
……仕組みはナルメアとジンが作ったフィールドと同じだろう。 |
Relius |
レリウス
ハザマの『誰かを捕えたい』という願望と、 エスの『門を守る』という願望が混ざり合ったのだ。 |
Relius |
レリウス
……守る以上、門には意味があるだろう。 おそらく出口という意味が生じている。 |
Relius |
マイ
じゃあ、本当にこの門をくぐれば砂漠を抜けられるんだ! |
Mai |
ビィ
助かったぜ…… この暑さともおさらばだな! |
Vyrn |
ソーン
……エス、私たちが通ってもいい? |
Tweyen |
Es
開こうと試みることに問題はありません。 挑戦する機会はみなさんに与えられます。 |
Es |
ナルメア
んん-? なんだか引っ掛かる言い方ね? でもお姉さん、開けちゃうから♪ |
Narmaya |
ナルメア
……あれ? ん……んんんん〜! んんんんんんん〜!? |
Narmaya |
ビィ
何してんだよ、蝶の姉ちゃん。 |
Vyrn |
ナルメア
……これ、開かないよ? |
Narmaya |
ジータ
ふっ……! んぐぐぐ!? |
Djeeta |
マイ
び、びくともしない……!? |
Mai |
ビィ
こうなりゃ全員で押してみようぜ! せーのっ! |
Vyrn |
マイ
だ、ダメだ〜……全然動かない……。 |
Mai |
ジータ
ただでさえ暑いのに、もうへろへろ……。 |
Djeeta |
ビィ
みんな、汗だくだぜ……。 |
Vyrn |
シエル
レイさん、水分をどうぞ。 |
Ciel |
Es
冷たいジュースがあります。いりますか? |
Es |
ビィ
ジュース!? ありがとな! 助かるぜ! |
Vyrn |
ビィ
……っ、んぐっ、んぐっ、ぷはーっ! |
Vyrn |
Es
他の方もどうぞ。 |
Es |
ジータ
ありがとう! でも、貰っちゃっていいの? 砂漠だと、飲み物は貴重なんじゃ……。 |
Djeeta |
Es
問題ありません。 冷蔵庫の中に、いっぱいあります。 |
Es |
ナルメア
わわっ!? ほんとだ……! |
Narmaya |
シエル
何故、砂漠にあのようなものがあるのでしょうか。 電力は一体どこから……? |
Ciel |
レリウス
イレギュラーフィールドだからな。 |
Relius |
ソーン
なんでもありね……。 |
Tweyen |
レリウス
ふむ……門は、絆の力で閉じられているようだ。 |
Relius |
ソーン
なるほど、今度はそういう仕掛けなわけね。 |
Tweyen |
ソーン
この門の周りにも魔獣がたくさんいるわ。 絆の力を集めるには好都合。 |
Tweyen |
マイ
砂漠を出るためには門を開けなくちゃいけない。 門を開けるには、魔獣退治をして絆の力を集めなくちゃいけない。 |
Mai |
マイ
そういうことか……。 暑いけど、がんばろう! |
Mai |
Es
いってらっしゃいませ。 どうか、お気を付けて。 |
Es |
Es
……はむ。はむはむ。 |
Es |
ビィ
ん……? 嬢ちゃんが食べてるのって、プリンか? |
Vyrn |
Es
…………。(もぐもぐ) |
Es |
ビィ
……めちゃめちゃ食ってるな。 |
Vyrn |
Es
…………。(ごくごくごく) |
Es |
ビィ
カップを逆さにして…… それじゃあもう、食べるっていうより、飲んでねーか!? |
Vyrn |
ジータ
う、うわぁ……すごい勢い……。 |
Djeeta |
ビィ
そ、その食い方は邪道なんじゃねーかな……。 |
Vyrn |
Es
邪道? プリンは飲み物です。 それと、プリンはいくらでも生成されます。 |
Es |
マイ
冷蔵庫の中でプリンが復活した!? |
Mai |
シエル
全段にぎっしりと詰まっています。 あれもファントムフィールドだからでしょうか。 |
Ciel |
レリウス
そういうことだな。 それが、あれの願望なのだろう。 |
Relius |
ナルメア
甘いもの食べ放題の夢かぁ……。 物静かな子だけど、ああいう可愛らしい一面もあるんだね。 |
Narmaya |
Es
……行かなくて、いいのですか? |
Es |
ジータ
う、そうだった。 みんな、出発だよ! |
Djeeta |
ーーー/
Summary | |
---|---|
門を開くと、Esが突然一行に敵対。彼女も絆の
力を奪われたことで門番という役目以外の記憶 を失っており、一行は観測を試みる。 |
Es
…………。(ごくごくごく!) |
Es |
ビィ
ま、まだプリン食べてたのか……。 |
Vyrn |
ソーン
食べてるっていうか、飲んでる……だけど。 |
Tweyen |
Es
……おかえりなさい。 絆の力は集まったようですね。 |
Es |
ナルメア
おかげさまでね♪ |
Narmaya |
シエル
扉に絆の力をぶつけます。 レイさん、観測をお願いできますか? |
Ciel |
レリウス
……うむ。解錠に成功したようだ。 これで門を通れるはずだ。 |
Relius |
ビィ
よっしゃ! やっと砂漠ともおさらばだぜ! |
Vyrn |
マイ
これで涼しいところにいけるよ〜。 |
Mai |
ジータ
ではでは、さっそく……。 |
Djeeta |
Es
お待ちください。 |
Es |
Es
この門を通る者を排除するのが私の役目です。 資格を得た今、あなたたちは私の敵となりました。 |
Es |
マイ
そ、そんな……! |
Mai |
ジータ
エス、私たち、先を急ぐんだ。 できることなら、戦いは避けたいんだけど……。 |
Djeeta |
ジータ
お願い……通してくれないかな? |
Djeeta |
Es
答えはノーです。 私は門番ですので。 |
Es |
マイ
……どうしても、戦わないといけないんだね。 残念だよ。 |
Mai |
マイ
でも、私はカジュンを探したい。 |
Mai |
マイ
大切な人を助けるために、この門を通る! |
Mai |
ビィ
オイラたちだって同じだぜ! |
Vyrn |
ナルメア
仲間を……大切な人を助けるためだからね。 |
Narmaya |
Es
大切な、人……。 |
Es |
Es
…………。 |
Es |
ソーン
……レイ。 あの子、様子がおかしいわ。 |
Tweyen |
ソーン
まるで、何かを思い出そうとしているみたい。 |
Tweyen |
ソーン
ひょっとして、あの子も 門番という役目以外のことを忘れているんじゃない? |
Tweyen |
1: 絆の力が足りないせいかな |
1: |
レリウス
そうだろうな。 |
Relius |
レリウス
あれは魂の量が多い。それゆえに自我を保てているようだが…… かなり吸い出されているようだ。放置すれば、じき自我も失われる。 |
Relius |
シエル
……はい。エスさんに大切な人がいるのなら、 なおのことです。 |
Ciel |
シエル
エスさんと戦うことで、これまでのように 世界との繋がりを観測することができるのではないでしょうか。 |
Ciel |
ジータ
それなら話は別だね。 意味があるなら、全力でやっちゃうから! |
Djeeta |
ソーン
ふふ、そうね。 レイ、準備はいい? |
Tweyen |
ーーー/
Summary | |
---|---|
絆の力が行き渡り、Esは剣を下ろす。確かな
記憶は戻らずとも、心は温かなものに満たさ れた。彼女に見送られ、一行は門をくぐる。 |
Es
……負けて、しまいました。 |
Es |
Es
ですが、何故でしょう。晴れやかな気分です。 |
Es |
ジータ
……レイ、これ、やったよね! 絆の力の高まり……私も感じるよ! |
Djeeta |
Es
…………。 |
Es |
ナルメア
あまり変わった感じはしないような……? |
Narmaya |
レリウス
だが、絆の力が行き渡っている。 問題は解消されたはずだ。 |
Relius |
ソーン
エス……なにか、思い出すことはできた? |
Tweyen |
Es
いえ……残念ながら。 ですが……。 |
Es |
Es
確かな記憶はありませんが、 胸の奥に、温かいものを感じます。 |
Es |
Es
愛しくて、大切だった日々……私の周囲に笑顔が溢れて、 止まなかった日々が、あったように思うのです。 |
Es |
マイ
具体的には……思い出せないの? |
Mai |
Es
……はい。難しそうです。 |
Es |
Es
故に私は、プリンを食べ続けているのかもしれません……。 そうして思い出せたことが、あった気がするのです。 |
Es |
Es
今と同じように忘れて、プリンを食べることで、 大切な思い出を取り戻せた過去が……。 |
Es |
シエル
イレギュラーフィールドは、元となった人の意識から 生み出されるもの……。それは願望の投影でもあるのでしょう。 |
Ciel |
シエル
忘れたなにかを思い出すためのプリンだったのですね。 |
Ciel |
シエル
これも絆……。 |
Ciel |
Es
そうなのでしょうね。 ……ひとつ、いただきます。 |
Es |
ビィ
あれ、今度はゆっくり味わうのか? |
Vyrn |
Es
プリンは味わう物です。 とても甘くておいしいので。 |
Es |
ビィ
だな! やっぱりプリンは飲み物じゃねーよな! |
Vyrn |
Es
…………? |
Es |
ナルメア
ううん、なんでもないの。 大事なプリン、ゆっくり味わってね。 |
Narmaya |
ジータ
大切な人のこと、思い出せるといいね。 |
Djeeta |
Es
……ありがとうございます。 |
Es |
ビィ
嬢ちゃんもオイラたちと行くか? |
Vyrn |
Es
いえ、私は門番です。 |
Es |
Es
世界の行く末を見守りながら、 ここを守り続けようと思います。 |
Es |
ナルメア
そっか……。がんばってね。 |
Narmaya |
レリウス
……シエル=サルファー。 出発前に、エスにファントムフィールドについて説明しろ。 |
Relius |
シエル
それはどうしてでしょうか? |
Ciel |
レリウス
エスは門番だ。 おそらく、観測者や境界について知識を有している。 |
Relius |
レリウス
今の状況についての情報を、なにかしら引き出せるかもしれない。 |
Relius |
シエル
……わかりました。 エスさん、聞いていただきたいお話があります。 |
Ciel |
Es
……ファントムフィールドに、イレギュラーフィールド。 |
Es |
Es
なるほど。そういう状況下であるならば、 現在の特異なケースも納得です。 |
Es |
レリウス
貴様は、今の特異な状況が引き起こされている原因に 心当たりはないのか? |
Relius |
Es
……その答えは、私にもわかりかねます。 お役に立てず、申し訳ありません。 |
Es |
Es
ただ……ひとつ、 推論を立てるならば。 |
Es |
Es
ファントムフィールドは観測者の願望から形作られる。 |
Es |
Es
であるのならば……囚われた人物の絆の力を利用して、 フィールドを形成する……。 |
Es |
Es
この現象の発生も、観測者の願望のうちなのではないでしょうか。 そうなると……。 |
Es |
Es
囚われた人物の絆の力を集めているのもまた、観測者……。 |
Es |
ジータ
レリウスさんが最初に、誰かが絆の力を集めて すごい魔道書を作ろうとしてる……って言ってたよね。 |
Djeeta |
ジータ
じゃあ、その魔道書を作ろうとしている人が……。 |
Djeeta |
シエル
このファントムフィールドを構築している、 観測者なのでしょう。 |
Ciel |
レリウス
そのために世界の仕組みは変えられ。 異世界の住人をも取り込んだ……。 |
Relius |
レリウス
なるほど……よほど強い願望が根底にあるとみえる……。 |
Relius |
シエル
観測者が特定できれば、 ファントムフィールドを解放することができます。 |
Ciel |
シエル
そうすれば、ジータさんの仲間のみなさんも、 他の囚われている人も解放できるはずです。 |
Ciel |
ソーン
狙いは『観測者』一本に絞れたってことね。 |
Tweyen |
ソーン
行きましょう。その観測者を見つけに。 |
Tweyen |
Es
……ご武運を、祈っています。 お気をつけて。 |
Es |
第7節 蒼い髪の少女/
Summary | |
---|---|
突如、シエルは窯の出現を感知する。反応を
追った先、透明な壁の向こうにはツルギと、は ぐれていたジータの仲間、ルリアがいた。 |
ナルメア
はーっ……空気がおいしい♪ |
Narmaya |
ジータ
砂漠のあとだと、 余計に爽やかに感じるね。 |
Djeeta |
ビィ
風が吹いても、 砂だらけで息ができなかったもんな。 |
Vyrn |
シエル
しかし、かなり捜索しましたが、 ラーベさんの手がかりは未だに掴めていません。 |
Ciel |
シエル
ジータさんの大切な人である、ルリアさんという方も、 まだ発見できていません……。 |
Ciel |
ジータ
うん……。 |
Djeeta |
マイ
カジュンも……どこにいるんだろう。 |
Mai |
レリウス
同様に、観測者の手がかりも掴めていない。 |
Relius |
ビィ
でも、探してたら絶対見つかるはずだぜ! なんたって、オイラたちだからな! |
Vyrn |
レリウス
観測者が、 |
Relius |
シエル
時間の猶予は、あまり無いのでしょうね……。 |
Ciel |
シエル
……? これは……。 |
Ciel |
ビィ
どうした、シエル? |
Vyrn |
シエル
窯の出現を確認しました。 |
Ciel |
ナルメア
窯……? |
Narmaya |
1: な、なんで急に!? |
1: |
シエル
わかりません……。たった今、唐突に感じました。 |
Ciel |
シエル
はい……窯の反応はとても特殊です。 言葉にするのは、難しいのですが……。 |
Ciel |
ジータ
ま、待ってまって! 何が起きたのか、説明してもらってもいい? |
Djeeta |
ビィ
やけに焦ってっけど、その窯ってなんなんだ? |
Vyrn |
シエル
窯は境界との接続点、境界への入り口です。 |
Ciel |
シエル
ファントムフィールドは境界から流入する力を使用し、 観測者の願望を反映させた世界を形成します。 |
Ciel |
シエル
その力の源でもある窯は、 通常、存在が隠された状態にあります。 |
Ciel |
シエル
観測者が自らを『観測者』であると認識できないと、 窯の存在自体が認識されないからです。 |
Ciel |
ソーン
本当なら、観測者は窯があることを 知らないまま観測者をやっているってこと? |
Tweyen |
シエル
はい、そうです。自分が窯を利用しているということを 自覚できていない状態です。 |
Ciel |
ナルメア
なのに、その窯が今はある……ってことだよね。んん? じゃあ、その観測者は、窯のことを知っちゃった……のかな? |
Narmaya |
シエル
あるいは、自分が観測者であるとなにかしらの理由で 知った、自覚した……のだと思います。 |
Ciel |
シエル
そうでなければ、私は窯の存在を感知することができません。 |
Ciel |
マイ
感知……ってことはもしかして、シエルには その窯がどこにあるのかわかるの? |
Mai |
シエル
今はまだ距離があるので、およその方角になりますが…… わかります。 |
Ciel |
ジータ
すごい! |
Djeeta |
ジータ
じゃあ、もしかしてだけど。窯に辿り着くことができたら、 観測者のこともなにかわかるんじゃないかな。 |
Djeeta |
ジータ
この島……ファントムフィールド、だよね。 それを保つためには窯が必要なんだもんね? |
Djeeta |
ジータ
ってことは、大事なものなんだろうし。 |
Djeeta |
ソーン
大事なものに侵入者が近づけば、 観測者は静観していられない……。 |
Tweyen |
ソーン
正体を見せるかも。 |
Tweyen |
シエル
はい。その通りです。 |
Ciel |
ビィ
よっしゃぁ! だったら行ってみようぜ! |
Vyrn |
ビィ
今はそれしか、手がかりもねーしな! |
Vyrn |
シエル
レイさん……よろしいでしょうか? |
Ciel |
シエル
了解しました。 案内します、着いてきてください。 |
Ciel |
シエル
かなり近づいています。 ……この近辺のはずです。 |
Ciel |
ビィ
おぉっ……!? ここ、グランサイファーの甲板に似てねーか……? |
Vyrn |
レリウス
これもまた、イレギュラーフィールドだな。 |
Relius |
レリウス
既視感を覚える場所ということなら…… 貴様らの仲間が関与しているフィールドかもしれん。 |
Relius |
ジータ
見て! ここから少し遠いけど……あれが窯かな? |
Djeeta |
ソーン
確かに、そんな形をしているわね。 |
Tweyen |
レリウス
だが、観測者の姿はないな。 |
Relius |
ナルメア
……ううん、何かいる!? 上っ! みんな、気を付けて! |
Narmaya |
レリウス
これは……!? |
Relius |
シエル
ツルギ!? |
Ciel |
ビィ
な、なんかヤバそうなヤツが出てきたぞ!? |
Vyrn |
ジータ
シエル、ツルギって!? |
Djeeta |
シエル
ツルギは、ファントムフィールドに 強制リセットをかけることができる存在です。 |
Ciel |
シエル
ファントムフィールドは通常、ある『事象』まで世界が 到達するとリセットされ、起点から再度、世界を繰り返します。 |
Ciel |
シエル
ツルギはそれを強制的に行うもの……。 |
Ciel |
シエル
強制リセットの後にファントムフィールドが正常に 再起動するかは、不明です。 |
Ciel |
マイ
それって、この世界がこれっきりで壊れちゃうかもしれない…… ってこと!? |
Mai |
レリウス
その可能性は大いにあるだろう。 |
Relius |
レリウス
シエル=サルファーの言う通りなら、ファントムフィールドは 一定の法則、ルールにのっとって稼動している……。 |
Relius |
レリウス
その法則を乱すスイッチだ。 シンプルに言えば、なにが起こるかわからない……だろうな。 |
Relius |
ジータ
ここには、まだルリアやラーベ、カジュンがいるのに……! |
Djeeta |
ソーン
……この世界を壊させるわけにはいかないわね。 |
Tweyen |
レリウス
しかし……窯とツルギが現れたのは何故だ……? 観測者の願望ゆえのことか……? |
Relius |
レリウス
だとしたらまるで自殺願望だ……。 自壊願望、とでも言うべきか……。 |
Relius |
ジータ
今はとにかくツルギを止めないと! |
Djeeta |
ジータ
あれを放っておいたら、みんなが……! |
Djeeta |
ビィ
っ、くそぅ! また壁があるぜ! |
Vyrn |
レリウス
……ツルギを守る壁か。 ……ふむ、かなり強固なようだ。 |
Relius |
ナルメア
そんな! どうにかならないの? |
Narmaya |
ジータ
魔獣! 今までみたいに魔獣を倒して、絆の力を 集めれば……! |
Djeeta |
シエル
あ……そうです。 絆の力を集めて、壁を破壊しましょう。 |
Ciel |
レリウス
誰の絆の力を集めるつもりだ? |
Relius |
ジータ
えっ!? |
Djeeta |
レリウス
これまではイレギュラーフィールドに囚われた者がいた。 |
Relius |
レリウス
ここまで壁を破壊してこられたのは、その者たちから奪われた 力を取り戻し、利用していたからだ。 |
Relius |
レリウス
確かに近辺には魔獣の姿があるが……あれらが狙っているのは、 我々の絆なのではないか……? |
Relius |
シエル
……っ! |
Ciel |
ソーン
他に、なにか手立ては……! |
Tweyen |
ビィ
ツルギが……く、くっそぉー! |
Vyrn |
???
やめてくださーい! |
??? |
ジータ
この声……! |
Djeeta |
ソーン
ルリアちゃんの声!? |
Tweyen |
ソーン
……いた! 壁の向こう! |
Tweyen |
ルリア
ツルギ! ダメです! 世界を壊すのは待ってください! お願い、止まって……! |
Lyria |
ジータ
ルリア!! |
Djeeta |
ルリア
ううっ…… どうしても止まってくれないんですね……それなら! |
Lyria |
ジータ
ルリア! 聞いて! 無茶はダメ! |
Djeeta |
ルリア
始原の竜……闇の炎の子…… 汝の名は、バハムート! |
Lyria |
ナルメア
ダメ……聞こえてない! |
Narmaya |
ルリア
バハムート、お願い! ツルギを抑えて……! |
Lyria |
レリウス
ほぅ……異形を呼び出す能力か……。 |
Relius |
シエル
ツルギの動きを抑え込んでいます……! あのツルギと、ほぼ互角です! |
Ciel |
ビィ
ルリア……! くそぅ! オイラたちどうすりゃいいんだ!? |
Vyrn |
ソーン
助けに行ってあげたいのに……! この壁さえなければ……! |
Tweyen |
ルリア
あなたを傷付けたいわけじゃないんです! お願いだから、止まって……! |
Lyria |
ルリア
えっ……!? |
Lyria |
ルリア
ひゃわああっ!? |
Lyria |
ジータ
ルリアー!! |
Djeeta |
ルリア
痛っ……ううぅ……。 |
Lyria |
ジータ
ルリア、ルリア! 大丈夫!? 聞こえる!? |
Djeeta |
ルリア
はぁっ、はぁっ……。 |
Lyria |
ビィ
オイラたちに気付けないみてーだな……。 |
Vyrn |
ルリア
お願い、誰か……ツルギを止めてください…… あの人を、助けて、あげて……。 |
Lyria |
ジータ
ルリア!! |
Djeeta |
シエル
大丈夫です、生命反応、あります。 気を失っているだけです。 |
Ciel |
ソーン
どうすれば壁の向こうに行けるの! はやく手当をしてあげないと……! |
Tweyen |
ナルメア
でもあの大きいの、動きを止めたよ。 バハムートの攻撃を受けたからかも……! |
Narmaya |
レリウス
損傷を回復するつもりだろうな……。 |
Relius |
マイ
今なら、少しは時間がある。 この間に壁をなんとかして、あの子を助けないと! |
Mai |
シエル
ルリアさんがいるということは、近くにいる魔獣たちは ルリアさんの絆の力を吸収している可能性があります。 |
Ciel |
シエル
今まで通りの戦法が通用するかもしれません! |
Ciel |
ジータ
そうだね……やろう! ルリアから絆の力を奪うなんて許せない。 |
Djeeta |
ジータ
取り戻して、壁を壊そう! そしてルリアを助けて、ツルギを倒す! |
Djeeta |
1: ルリアが心配、急ごう! |
1: |
シエル
了解です。 絆の力を集めるため、魔獣の討伐を開始します! |
Ciel |
ーーー/
Summary | |
---|---|
壁を破壊し、気絶したルリアを助け出す。しか
しそれは同時に、世界の脅威となるツルギを解 き放ち、対峙することを意味していた。 |
ジータ
そこ! |
Djeeta |
ジータ
レリウスさん、どうですか!? 絆の力、集まった!? |
Djeeta |
レリウス
……問題ないだろう。 シエル=サルファー。壁を破壊しろ。 |
Relius |
シエル
了解です。 レイさん、いきます! |
Ciel |
ナルメア
壁が壊れた! |
Narmaya |
ジータ
ルリア! しっかりして! ルリア! |
Djeeta |
ルリア
う、う〜ん……。 |
Lyria |
ソーン
ルリアちゃんに大きな怪我はないわ…… よかった……。 |
Tweyen |
ナルメア
うん……気絶してるだけだよ。 大丈夫、安心して。 |
Narmaya |
ジータ
よ、よかった……。 本当によかった……。 |
Djeeta |
ビィ
ふぃ〜……これで一安心だな。 |
Vyrn |
レリウス
いいや、気を抜く余裕はないぞ。 |
Relius |
シエル
ツルギが動き始めました! |
Ciel |
レリウス
こちらを捕捉したようだ。 当然、排除対象とみなされているだろうな……。 |
Relius |
シエル
はい……敵対反応を感知しています。 |
Ciel |
ジータ
私たちを襲ってくるなら、望むところだよ! |
Djeeta |
ジータ
ルリアを傷付けたの……絶対に許さないから! |
Djeeta |
ナルメア
ええ、怒ってるのは、お姉さんも同じよ! |
Narmaya |
ソーン
……追う必要がないのは楽ね。 絶対に射抜いてみせる! |
Tweyen |
シエル
戦闘態勢に移行します。 レイさん、私の後ろにいてください! |
Ciel |
ーーー/
Summary | |
---|---|
激闘を制し、目を覚ましたルリアはツルギを通
して観測者の心を感じ取ったと語る。その人物 こそマイが探す友人、カジュンだった。 |
シエル
……ツルギの消滅を確認しました。 |
Ciel |
レリウス
ファントムフィールドの強制リセットは、 回避できたようだな。 |
Relius |
ジータ
レイ。 悪いんだけど、ルリアの手当てをしててもいい? |
Djeeta |
ジータ
急がなきゃいけないのは、わかってるんだけど……。 |
Djeeta |
1: もちろん! 手当て優先! |
1: |
シエル
はい。私もレイさんと同意見です。 怪我をそのままにして移動するのは、かえって危険です。 |
Ciel |
シエル
はい。万全の装備ではありませんが……。 診せていただいてもいいですか? |
Ciel |
ジータ
ありがとう。 |
Djeeta |
ルリア
ん、んんん……ふにゃあ……。 |
Lyria |
ルリア
……あれ? ジータ……? |
Lyria |
ジータ
ルリア……目が覚めた! わかる? 私だよ! |
Djeeta |
ルリア
はい、わかります。えっと……私、どうして……。 |
Lyria |
ジータ
ルリア〜〜〜! よかったぁ! |
Djeeta |
ルリア
わっ、わわ、ジータ? |
Lyria |
ソーン
ぐすっ…… よかった、ルリアちゃん……。 |
Tweyen |
ナルメア
一安心、だね。 |
Narmaya |
ビィ
にしても無茶するよな、ルリアも。 |
Vyrn |
ビィ
ツルギとかいう、あのでっかいヤツを ひとりで食い止めようとするなんてよぅ……。 |
Vyrn |
ジータ
すごかったよ、ルリア。 おかげで助けに行けた。ルリアのおかげだよ。 |
Djeeta |
ルリア
えへへ……バハムートが力を貸してくれましたから。 |
Lyria |
ルリア
あのツルギは、絶対に止めなきゃいけなかったんです。 そうじゃないと……。 |
Lyria |
ルリア
……! そうでした! 早くあの人のところへ行かないと! |
Lyria |
ジータ
落ち着いて、ルリア。あの人って、なんのこと? ……もしかして、あのツルギから何かわかったの? |
Djeeta |
ルリア
はい……少しだけでしたけど……。 あの大きな剣のような子を通じて……誰かの心を感じたんです。 |
Lyria |
シエル
心……ですか? |
Ciel |
ビィ
ルリアは星晶獣……えーっと、すげぇ力を持った 神様みたいな奴の気持ちがわかるんだぜ! |
Vyrn |
ソーン
心を通わせるっていうのかしら。 感情や考えていることを読み取ったりできるのよね。 |
Tweyen |
ルリア
はい。でも……あの子そのものには、心らしいものは なくて……。 |
Lyria |
ルリア
いえ、あるのかもしれませんけど、 よくわからなかったんです。 |
Lyria |
ルリア
でもあの子の向こう……あの子と繋がっている 誰かの気持ちが……流れ込んできて。 |
Lyria |
レリウス
ほう……あれを呼び出した者の意識にリンクした ということか……。興味深い……。 |
Relius |
レリウス
それで? あれを呼び出したのは誰だ? |
Relius |
ルリア
……観測者。 |
Lyria |
ルリア
自分のことを、そう思っていたみたいです。 意味までは……わかりませんでした。 |
Lyria |
ルリア
……ジータたちは、何のことだかわかりますか? |
Lyria |
ジータ
うん。詳しいことまでは知らないんだけど…… この世界、この空間? それを作り出した人……だよね? |
Djeeta |
シエル
概ねは、間違っていません。 |
Ciel |
シエル
ですが不思議です。ツルギはファントムフィールド…… つまりこの世界を強制リセットするものです。 |
Ciel |
シエル
いわば、世界を壊すもの。 |
Ciel |
シエル
それを観測者自身が呼び出したということは、 観測者が世界の崩壊を望んでいることになってしまいます。 |
Ciel |
シエル
世界を維持しようとする、 観測者の基本的な行動原理に反します。 |
Ciel |
ルリア
……観測者さんは…… 今、とても困っているんです……。 |
Lyria |
ルリア
大切な人のために始めたことが、 たくさんの人を傷付けてしまっていると気が付いて……。 |
Lyria |
ルリア
これじゃだめだ、ってすごく後悔して、 どうにかしようとがんばってみたけれど、全然だめで……。 |
Lyria |
ルリア
あの人、すごく、すごく悲しい気持ちになってます。 だから、私……助けたくって。 |
Lyria |
シエル
観測者さんの名前はわかりますか? |
Ciel |
ルリア
えぇと……確か……。 |
Lyria |
マイ
まさか……その人って、カジュンって名前じゃない? |
Mai |
ルリア
あ、そうです! カジュンさんです! 確か、そういうお名前でした。 |
Lyria |
ルリア
……もしかして、あなたが、マイさんですか? |
Lyria |
マイ
私を知ってるの? |
Mai |
ルリア
ツルギを通じて感じたカジュンさんの心は、 マイさんのことでいっぱいでした。 |
Lyria |
ルリア
カジュンさんにとって、マイさんは、大切な人です……。 何を犠牲にしても、助けたいと願う人……。 |
Lyria |
マイ
そんな……。じゃあ、みんなを捕まえて 絆の力を奪っていたのも、カジュンってこと……? |
Mai |
マイ
どうしてそんなことを……。 |
Mai |
ルリア
ち、違うんです! |
Lyria |
ルリア
カジュンさんがマイさんを助けるためには、 これしかなかったみたいなんです。 |
Lyria |
ルリア
ツルギを呼んだのも、これしかなかった……。 |
Lyria |
ルリア
カジュンさんは悪くないんです! ただ、本当に、大切だっただけ……。 |
Lyria |
ルリア
カジュンさんを、助けてあげてください。 どうしたらいいのか、わからなくなっているんです |
Lyria |
ルリア
お願いします……! |
Lyria |
マイ
…………。 |
Mai |
1: もちろん、助けるよ |
1: |
ルリア
……ありがとうございます! 私もがんばります! |
Lyria |
マイ
……レイ。 助けてくれるの……? |
Mai |
ルリア
私もがんばります! あんなに悲しい気持ちでいる人を、放っておけません……。 |
Lyria |
ジータ
そういうことなら、私たちも頑張らなくっちゃね。 |
Djeeta |
ソーン
ええ、もちろん。 だからマイ、落ち着いて。 |
Tweyen |
ソーン
まずはカジュンに会いに行きましょう? |
Tweyen |
ナルメア
なにか事情があるのかもしれないわ。 会って話をしてみたらどうかな。 |
Narmaya |
マイ
うん……そうだね。カジュンは誰かを傷付けるような 子じゃない。たとえ、それが私のためでも……。 |
Mai |
マイ
きっとなにかあったんだ。 困ってるなら、助けなくちゃ。大事な友達だもん。 |
Mai |
ルリア
カジュンさんがいる場所は、なんとなくですけど、わかります。 ツルギの心から感じ取ることができました。 |
Lyria |
ビィ
おぉ! やるじゃねぇか、ルリア! |
Vyrn |
ジータ
行こう、マイ……。 みんながついてるよ! |
Djeeta |
マイ
ありがとう……。 カジュンのところに行こう! |
Mai |
第8節 できそこないの願い/
Summary | |
---|---|
終着の地で真相が語られる。黒幕はレリウス
だった。彼が与え、カジュンの願いで精錬され た魔道書『アうクネ』は暴走を始める。 |
黒い物体
オォォ……オオォォォ! まチニまッタ、まチこガレタ! ちからガヨウヤクわガてに、わガて、わガてわ、ワ、ワ。 |
Dark Creature |
黒い物体
ちからガあつマル、あおガあつマル! あお、あおガ、 あおトおなジきずな、きずなノちから、きずなハよイよイ……。 |
Dark Creature |
黒い物体
モットほシイ。とらワレノにえカラ きずなヲォォちからヲォォ。 |
Dark Creature |
黒い物体
ヲ……ヲヲ……きずな……。 |
Dark Creature |
カジュン
もういいですの! お願い……やめてくださいですの……! |
Kajun |
黒い物体
なぜ。 |
Dark Creature |
黒い物体
なぜとメル? すべテハきさまガねがッタこと。 すべてテハきさまガほッシタこと。 |
Dark Creature |
黒い物体
たくさんノたましいヲあつメテ さいきょうノまどうしょヲつくルノダ! |
Dark Creature |
カジュン
ワタクシはこんなこと望んでいないですの! |
Kajun |
カジュン
マイは助けたかったけど…… そのために囚われた人を犠牲にするつもりなんて……。 |
Kajun |
カジュン
ただ少し力を分けてもらって、 願いを叶えるんだと思ってたのに……! |
Kajun |
黒い物体
ワワワワワモウおそイおそイおそイ。 |
Dark Creature |
黒い物体
けいさんハすでニおワッタ! あとハすべテヲすイあゲルダケ!! |
Dark Creature |
黒い物体
すべテノきずなヲ すイあゲル!!!! |
Dark Creature |
カジュン
やめて……ああ、また、誰かの絆が…… 魂が……やめてぇぇぇっ! |
Kajun |
カジュン
ごめんなさい……ごめんなさいですの……。 ワタクシが……蒼の魔道書に頼ろうとしたばっかりに……。 |
Kajun |
カジュン
どうしたらいいですの……マイ……。 |
Kajun |
カジュン
誰か……誰か、助けてくださいですの……。 |
Kajun |
マイ
カジュンっ!! |
Mai |
カジュン
っ!? |
Kajun |
カジュン
マイ、ですの……? |
Kajun |
マイ
そうだよ……やっと、会えた! |
Mai |
ルリア
よかった……。 ちゃんと見つけられました! |
Lyria |
カジュン
ああっ……マイ……ごめんなさいですの……。 ワタクシは、ワタクシは……。 |
Kajun |
シエル
レイさん? どうされましたか? |
Ciel |
黒い物体
オォォォォオオオオオオオッ! |
Dark Creature |
ビィ
って、うわ、なんだあれ!? |
Vyrn |
シエル
あれは、アラクネさん……? |
Ciel |
ナルメア
……なんなの、この気配。 身体が、ゾワゾワする……! |
Narmaya |
ソーン
……とんだ大物ね。 近くにいるだけであらゆる命が吹き消されそう。 |
Tweyen |
シエル
すさまじい力です……。 |
Ciel |
シエル
私の所持する |
Ciel |
ジータ
蒼の魔道書……。 |
Djeeta |
ジータ
ってことは……絆の力を集めて精錬しようとしている 魔道書って、あれなの!? |
Djeeta |
ビィ
魔道書っていうか……魔物じゃねぇか! |
Vyrn |
シエル
魔物……なのでしょうか。あれは……あの姿は アラクネさんに似ています。 |
Ciel |
シエル
でも……反応は、少し違うような……。 |
Ciel |
レリウス
その通り。あれは『アうクネ』だ。 |
Relius |
レリウス
想定通りに完成しているようだが……。 カジュン=ファイコット……何故、これを否定する? |
Relius |
ビィ
レリウス? なに言ってんだ……? あれがなんなのか、知ってんのか? |
Vyrn |
レリウス
『アうクネ』は魔道書だ。絆の力を吸い上げて、
|
Relius |
レリウス
既に説明したように、観測者カジュン=ファイコットは、 最強の魔道書を作ろうとしていた。その結果が、あれだ。 |
Relius |
カジュン
そう……貴方がワタクシに、アレを与えたんですの。 |
Kajun |
カジュン
マイを助けられると! 願いが叶うからと言って……! |
Kajun |
ビィ
んなっ……!? |
Vyrn |
ナルメア
……レリウス。 あなたが黒幕だったのね。 |
Narmaya |
レリウス
黒幕……笑わせてくれるな。 |
Relius |
レリウス
きっかけを与えたのは私だが、 精錬を始めたのはカジュン=ファイコットの意思だ。 |
Relius |
カジュン
ワタクシは、こんなことになるなんて聞いてなかったですの! |
Kajun |
カジュン
こんな方法で元に戻っても、マイは、喜びませんの……! |
Kajun |
マイ
元に、戻る? |
Mai |
マイ
カジュン、君はなにをしようとしていたの……? |
Mai |
カジュン
ワタクシは……マイ、あなたではなくて…… もうひとりの……。 |
Kajun |
カジュン
黒い肌に角を持つ、もうひとりのマイを…… 元のマイに戻したくて……っ。 |
Kajun |
シエル
もうひとりのマイさんを……。 |
Ciel |
マイ
……カジュン。 |
Mai |
カジュン
変わってしまったあなたの存在を知って、素知らぬ顔など できなかったんですの! |
Kajun |
カジュン
ワタクシにどうにかできるなら、救いたいと思って……。 |
Kajun |
カジュン
だけどそのために、誰かを犠牲にしたかったわけでは ないんですの! 決して! |
Kajun |
レリウス
……つまらんな。 |
Relius |
レリウス
魂の在り方を変質させる術を手に入れる……。 |
Relius |
レリウス
面白いものが見られると期待していたのだが…… それを観測者自ら封じようとは。 |
Relius |
レリウス
しかも精錬の果てに生み出されたものは、 魔素の塊にすぎないできそこないだ。 |
Relius |
レリウス
興味は失せた。もはやここに用はない。 |
Relius |
ソーン
待ちなさい。 どこへ行くつもり? |
Tweyen |
ナルメア
……許さない。覚悟して。 |
Narmaya |
レリウス
もはやここに用はないと言ったはずだ。 |
Relius |
ナルメア
待て! くっ、どこへ……!? |
Narmaya |
ソーン
……! 見えない……消えたの? |
Tweyen |
ビィ
あんの野郎! とんでもねーやつだな! |
Vyrn |
ジータ
……ごめん。最初から利用されてたんだね。 一緒に行こうって言った私のせいだ。 |
Djeeta |
シエル
いえ、それは結果論です。レリウスさんがいなければ、 ここまでたどり着くこともできませんでした。 |
Ciel |
カジュン
……ごめんなさいですの。 |
Kajun |
カジュン
全部、ワタクシが悪いんですの。 ワタクシが浅はかでした……。 |
Kajun |
マイ
カジュン……そんなこと……! |
Mai |
ルリア
そんなことありません! カジュンさんは必死に抵抗してました! |
Lyria |
ルリア
だから……世界を壊せるツルギを呼び出した。 そうですよね? |
Lyria |
ルリア
世界を終わらせて、止められなくなってしまった 『アうクネ』さんを、止めようとしたんです! |
Lyria |
ルリア
全ての絆が、失われてしまう前に……。 |
Lyria |
シエル
観測者としての力を行使しようとしたことで、 窯が出現したのですね。 |
Ciel |
シエル
自分が観測者であると理解したうえで、解決のために 行動しようとされたことは、並大抵の精神力ではできません。 |
Ciel |
1: カジュンだってがんばってた |
1: |
ジータ
そうだよ。なんとかしようって、ずっと頑張ってたんだから。 誰もカジュンを責めたりしない。 |
Djeeta |
ナルメア
うん……もう大丈夫。 お姉さんたちみんなが、あなたの力になるから。 |
Narmaya |
ジータ
そうだよ。ずっとひとりで……こんな恐ろしいものを 押さえようとしてたなんて。カジュンは十分、戦ってた。 |
Djeeta |
ソーン
……ええ。でももうひとりじゃないわ。 私たちが来たんだもの。 |
Tweyen |
マイ
うん。遅くなってごめん、カジュン。 でも……なにもかも遅いわけじゃないよね。 |
Mai |
マイ
まだ私たちには、戦えるだけの力がある。 |
Mai |
ルリア
絆もあります。ここまで一緒に来た、仲間ですから! |
Lyria |
カジュン
みなさん……。 |
Kajun |
ビィ
でもよぅ……あいつ、本当にヤバそうだぜ。 見てるだけで背中がビリビリしやがる……! |
Vyrn |
アうクネ
ルウウウウォオオオオオ、きずなキズナきずなきずな! モットモット……モ、モ、モ、オ、ット……!! |
Aukune |
シエル
絆の力を運んできた魔獣を吸収しています! |
Ciel |
ビィ
んなっ!? それじゃあ、あいつ、 どんどん強くなっちまうんじゃねぇのか!? |
Vyrn |
ジータ
……あの力を集めて、どうにかできないかな? |
Djeeta |
ソーン
あら、それ……いいんじゃない? |
Tweyen |
シエル
魔獣に内包されている絆の力を、 先に私たちが回収するのですね。 |
Ciel |
ナルメア
『アうクネ』が強くなるのも防げるし、私たちは 絆の力で強くなる……完璧な作戦だね! |
Narmaya |
ジータ
力が十分集まったら決戦だよ! |
Djeeta |
ジータ
……最後はきっと、レイの力が 鍵になると思う。そのつもりでいてね! |
Djeeta |
ジータ
じゃあ……行こう! |
Djeeta |
シエル
戦闘態勢に移行。対象を捕捉。 戦闘開始します! |
Ciel |
ーーー/
Summary | |
---|---|
アうクネの周囲の魔獣を倒し、これまでにない
量の絆の力が集まった。一同はジータの立てた 作戦に乗って、全員で総攻撃をかける。 |
ビィ
今までと比べ物にならないくらい、絆の力が集まってるぜ! |
Vyrn |
ルリア
私もです! 胸の奥が……あたたかい感じがします。 |
Lyria |
ジータ
これなら、きっと……! |
Djeeta |
アうクネ
オォォォきさまら、きさまら、ききき、きさまら! せいれんノじゃまダ! じゃまダじゃまダじゃまダ!! |
Aukune |
ビィ
あ、あぶねぇっ! |
Vyrn |
ナルメア
あっちも本気みたい! |
Narmaya |
カジュン
……あれの力は強大です。 ワタクシにも制御できないですの……! |
Kajun |
ジータ
考えがあるんだけど……少し耳を貸してもらっていい? |
Djeeta |
ジータ
……レイ、 あいつの動きが止まったら合図をするね。 |
Djeeta |
ジータ
そうしたら、みんなは……それで……。 |
Djeeta |
シエル
……なるほど。 レイさんの能力を最大限に活用するわけですね。 |
Ciel |
ルリア
それならいけそうです! |
Lyria |
ナルメア
お姉さんも賛成♪ |
Narmaya |
ソーン
さて……獲物はずいぶん怒ってるみたいだけど もう少し追い立てて隙を作りましょう。 |
Tweyen |
アうクネ
アァァァァァァァァァァ!!!! |
Aukune |
ビィ
よっしゃ、盛り上がってきたぜ! |
Vyrn |
ジータ
みんな! 総攻撃だよ! |
Djeeta |
シエル
はい! 前へ出ます! |
Ciel |
マイ
……カジュン。私も行ってくるよ。 |
Mai |
カジュン
ワタクシも行きます! |
Kajun |
カジュン
自らの罪は、自らの手で償わなくてはいけませんの……。 |
Kajun |
マイ
……うん。一緒に戦おう! |
Mai |
アうクネ
コオォォォォォォォォォォォンンン!!! |
Aukune |
ーーー/
Summary | |
---|---|
すべての絆の力をジータに集め、アうクネを撃
破。中に取り込まれていたラーベも無事に解放 され、世界はあるべき姿に戻っていく。 |
アうクネ
ギギャギャグギャガアバグググガ!? |
Aukune |
ナルメア
手応えあり……! |
Narmaya |
カジュン
ワタクシが、とどめをっ! |
Kajun |
マイ
ダメだカジュン! 伏せて! |
Mai |
アうクネ
ウオオォォォォォォきずなきずな、きずなノちから! たくさんたベタ! たくさんのンダ! |
Aukune |
アうクネ
モウとメラレナイ!!!!!! だれモ!! だれモ!!!!! |
Aukune |
ビィ
アイツめちゃくちゃだぞ!? |
Vyrn |
ジータ
くっ……すごい圧……! |
Djeeta |
アうクネ
フハハハ! フハハハハハハ! |
Aukune |
アうクネ
ハ、……ハッ、グ!? |
Aukune |
アうクネ
キサ、ま!? |
Aukune |
カジュン
この世界の観測者はワタクシですの……。 ワタクシは、貴方を拒絶します! 否定するですの! |
Kajun |
カジュン
たとえ小さな力だとしても、ワタクシは……! |
Kajun |
アうクネ
ちいサイ! ちいサイちいサイちいサナちからダ! ソノていどノちからデわれヲとメラレルモノカ!! |
Aukune |
アうクネ
ンギャギャギャ!? |
Aukune |
マイ
絆の力でできた壁を壊したのは、絆の力……。 |
Mai |
マイ
だったら、絆を集めて精錬されたアうクネに対抗できるのも、 絆の力のはずだよね! |
Mai |
マイ
だったら、私が集めた絆をカジュンに注ぎ込めば! 力になれる! |
Mai |
アうクネ
オノレオノレオオオノレ! |
Aukune |
マイ
私も背負う! カジュンが私を助けようとしてくれたように、 私もカジュンを支えてみせる! |
Mai |
カジュン
マイ……! |
Kajun |
ジータ
今だよ、レイ! 準備して! |
Djeeta |
1: 任せて! |
1: |
ジータ
みんな…… 私に力を集めて! |
Djeeta |
ナルメア
待ってました! |
Narmaya |
ルリア
全ての力を、ジータへ! |
Lyria |
ジータ
感じる……みんなの願い! 大切なモノを思う気持ち! |
Djeeta |
ジータ
みんなが持ってる、たくさんの絆の力! |
Djeeta |
アうクネ
セセセせいれん!? せいれんスルノカ!? きずなノちからヲせいれんシテイル!? |
Aukune |
アうクネ
おろカおろカおろカ! ふかのう!!! |
Aukune |
ジータ
できるよ! ……だよね、レイ! |
Djeeta |
シエル
ひとりでは扱いきれないほどの膨大な力を、 観測能力を使ってジータさんに定着させる……。 |
Ciel |
シエル
ジータさんに最も適合する形へ、絆の力を精錬し、 注ぎ込む……。 |
Ciel |
シエル
これは……いつも私を戦わせてくれる、 レイさんの力……。 |
Ciel |
アうクネ
ばかナばかナばかナァァァァアア!? みとメナイみとメナイ! みとメナイ!!!! |
Aukune |
ジータ
認めないならそれでいい! だけど……これでもう終わりだよ、『アうクネ』! |
Djeeta |
ビィ
いっけー! |
Vyrn |
ジータ
これが、私たちの築いてきた絆の力! はあぁぁぁぁっ! |
Djeeta |
ハザマ
やはりレイさんの 能力は汎用性がありますねぇ……。 |
Hazama |
ハザマ
ジータさんに宿った力は、 |
Hazama |
ソーン
…………? |
Tweyen |
ビィ
よっしゃあ! 『アうクネ』をぶっ倒したぞ! |
Vyrn |
ソーン
……今の……。 |
Tweyen |
ビィ
どうしたんだ、ソーン? |
Vyrn |
ソーン
いえ……。 ……気のせい、よね? |
Tweyen |
マイ
みんな……ありがとう……。 |
Mai |
ジータ
マイとカジュンのおかげだよ。 あのときふたりが食い止めてくれなかったら、危なかったもん。 |
Djeeta |
カジュン
……ありがとうございます。本当に。 ワタクシ、取り返しのつかない過ちを犯すところでしたの……。 |
Kajun |
ナルメア
ああ、泣かないで、カジュンちゃん。 もう大丈夫よ、怖くないよ。 |
Narmaya |
カジュン
こ、怖いんじゃありませんの……。 |
Kajun |
ソーン
安心したのよね。 自分のせいで誰かを傷付けるのは……嫌だもの。 |
Tweyen |
シエル
これで窯を破壊すれば、ファントムフィールドから 観測者であるカジュンさんは解放されます。 |
Ciel |
シエル
そうすれば、たとえまだ囚われている人が残っていたとしても、 無事に解放されるはずです。 |
Ciel |
ルリア
カジュンさんも無事でしたし、 めでたしめでたし、ですね! |
Lyria |
シエル
はい。あとはラーベさんを探すだけです。 いったいどちらにいるのでしょうか……。 |
Ciel |
ビィ
あっ! 丸っこいの! |
Vyrn |
ラーベ
……いったい、どういうことだ! 何の活躍もなしにエンディングじゃないか! |
Raabe |
シエル
ラーベさん! 今までどちらにいたのですか? |
Ciel |
ラーベ
『アうクネ』の中だよ! |
Raabe |
ラーベ
魔道書の中に取り込まれて 電算機として利用されていたんだ! |
Raabe |
ジータ
えっ!? あの中にいたの!? |
Djeeta |
マイ
それは……見つからないわけだ……。 |
Mai |
ラーベ
抜け出そうとして四苦八苦していたんだが どうにも立ち行かなくてな……。 |
Raabe |
ラーベ
自分が無理やり大量殺戮システムの部品にされてしまう 恐怖を味わったぞ。 |
Raabe |
ラーベ
貴重な体験と捉えることもできるが、二度とごめんだ。 いくら私でも心が痛い。 |
Raabe |
ラーベ
今回はまったく調査に貢献できないし…… いいところなしだ。 |
Raabe |
ジータ
でも、無事でよかった! |
Djeeta |
シエル
はい。これで無事に帰ることができます。 |
Ciel |
カジュン
その前に、シエルさんにお願いがございますの。 |
Kajun |
カジュン
あなたは……窯を破壊できるのですよね。 でしたらどうか、ぜひ。すぐにでもお願いしたいですの。 |
Kajun |
シエル
……いいのですか? |
Ciel |
カジュン
えぇ。……恐ろしいものに頼って、 自分のわがままを叶えようとした……。 |
Kajun |
カジュン
そのために、大勢の人を巻き込んで、危険にさらしてしまった。 そんな悪夢は、早く終わりにしたいですの。 |
Kajun |
マイ
……この世界がカジュンを苦しめるなら、 私もそのほうがいいと思う。 |
Mai |
シエル
わかりました。 では、そうさせていただきます。 |
Ciel |
シエル
レイさん。 |
Ciel |
シエル
|
Ciel |
シエル
第666拘束機関解放。次元干渉虚数方陣展開……。
|
Ciel |
カジュン
ワタクシ、忘れませんの。 |
Kajun |
カジュン
絆によって過ちを犯したことを……けれど、 みなさんの絆によって救われたことを……。 |
Kajun |
カジュン
たとえ記憶を失っても、心と魂に刻み込み…… 忘れませんの。 |
Kajun |
エピローグ/
Summary | |
---|---|
別れを惜しみつつ、ジータたちも元の世界へと
帰っていく。離れても、確かに結ばれた絆を残 して……いつかまた、空で会う日まで。 |
オペレーター
――タカマガハラシステム、認識正常。 |
Operator |
シエル
……シエル=サルファー、ただいま帰還しました。 |
Ciel |
シエル
レイさん、皆さん。 体調に異変などはありませんか? |
Ciel |
1: 異変、というか…… |
1: |
ビィ
わかってんなら、早くどきやがれってんだ! |
Vyrn |
ビィ
ったく、毎回毎回雑な飛び方しやがって! |
Vyrn |
ビィ
だーかーらー! オイラはクッションじゃねぇっ!! |
Vyrn |
ビィ
ったく、毎回毎回雑な飛び方しやがって! |
Vyrn |
ジータ
あいたたた……また頭打っちゃった……。 |
Djeeta |
カガミ
仕方がないだろう、明らかに定員オーバーなんだから。 少しくらい大目に見てほしいね。 |
Kagami |
ジータ
あっ。ただいま、カガミさん! |
Djeeta |
カガミ
うん。みんな、お疲れ様。 |
Kagami |
カガミ
無事に戻ってこれてなによりだ。 それから……そっちの君たちが、異世界の住人だね。 |
Kagami |
ルリア
あなたがカガミさんですね。 はじめまして、ルリアです! |
Lyria |
ルリア
私たちを助けるために、力を貸してくれたんですよね。 ありがとうございます! |
Lyria |
ソーン
本当に……お世話になったわ。 |
Tweyen |
ソーン
あなたたちがいなかったらと思うと、ゾっとする。 もう少しで、みんな消えてしまうところだったなんて。 |
Tweyen |
ナルメア
私も、まだまだ未熟ね……囚われてしまうなんて。 もっともっと、研鑽を積まなきゃ。 |
Narmaya |
カガミ
まあまあ、過ぎたことは良しとしようじゃないの。 |
Kagami |
カガミ
それよりも……ちょっとだけ血液サンプルとか頂けると 私としては嬉しいのだが。 |
Kagami |
1: 献血なら参加しますよ |
1: |
カガミ
あぁ、それなら大丈夫だ。 |
Kagami |
カガミ
レイについてはこれまで、 あらゆる検体を頂いているからね。 |
Kagami |
カガミ
失礼な。私のことを疑っているのか? |
Kagami |
カガミ
ちょっと検証に使わせてもらうだけだ。 なーに、心配する必要なんか、まったくこれっぽっちもないから。 |
Kagami |
カガミ
冗談だって。 そんなにドン引きしなくてもいいだろう。 |
Kagami |
1: ' |
1: |
ジータ
ねえ、カガミさん。 |
Djeeta |
ジータ
あの島……『ファントムフィールド』だっけ。 あそこは……カジュンたちは、どうなったの? |
Djeeta |
カガミ
安心しなさい。 元の形……あるべき姿に戻るだけだよ。 |
Kagami |
カガミ
そのうちあの世界からは消えて、 本来あるべき場所で存在することになる。 |
Kagami |
カガミ
あのフィールドで起きたことや、君たちのことも きれいさっぱり忘れて……いるべき人と、共に暮らすだろう。 |
Kagami |
ジータ
そう……よかった。 |
Djeeta |
シエル
よかった……本来の形に戻れるから、ですか? |
Ciel |
ジータ
それもだけど。 もし覚えてなくちゃいけないなら、苦しいだろうなと思って。 |
Djeeta |
ジータ
自分のせいで、大切な友達を傷つけるところだったなんて……。 |
Djeeta |
ジータ
実際、そうならずにすんだんだし。 だったら必要以上に背負うこともないよ。 |
Djeeta |
ビィ
いや、自分こそひどい目にあったってのに そんな心配してる場合かよ……。 |
Vyrn |
ナルメア
ふふふ、でもそれが団長ちゃんらしいね。 |
Narmaya |
ソーン
私たちが無事でいられるのも、そんな団長のお陰だしね。 |
Tweyen |
ルリア
ジータはとっても優しいです。 |
Lyria |
ジータ
い、いやぁ、なんか照れる……。 |
Djeeta |
ビィ
あっ、そういや……。 |
Vyrn |
ジータ
どうしたの、ビィ? |
Djeeta |
ビィ
こっちの世界の奴らが、元の形に戻っていくってのは 分かったけどよ……。 |
Vyrn |
ビィ
オイラたちはどうなるんだ? |
Vyrn |
ビィ
元の世界に帰るヒントなんかなかったけど、 まさかこのままってわけはねぇよな? |
Vyrn |
ジータ
あっ、そういえば……! |
Djeeta |
カガミ
安心してくれ、君たちも同じだよ。 |
Kagami |
カガミ
君たちを引き寄せる原因となっていた フィールドが解放された……。 |
Kagami |
カガミ
それはつまり、フィールドに引き寄せられていた君たちも この世界の者と同じように、あるべき姿に帰るということだ。 |
Kagami |
カガミ
お? 言ったそばから、ほら。 |
Kagami |
ソーン
え? あっ! |
Tweyen |
ルリア
わ、わわわっ…… 体が透けてます! |
Lyria |
カガミ
大丈夫、心配することはない。 |
Kagami |
カガミ
私たちの世界でいうところの 『本来の観測』に戻るだけだ。 |
Kagami |
カガミ
ちょっと意識が遠のくくらいだろう。 次に気が付いたら元の世界に戻っているはずだから。 |
Kagami |
カガミ
たぶん。 |
Kagami |
ビィ
たぶん!? たぶんってなんだ!! |
Vyrn |
カガミ
異世界旅行なんかしたことないんだから、 断言できるわけないだろ。 |
Kagami |
ジータ
じゃあ……これでみんなともお別れなんだね。 いざ帰るってなると、ちょっと寂しいかも。 |
Djeeta |
ナルメア
そうだね……。せっかく仲良くなれたのにな。 |
Narmaya |
ルリア
もっともっと、お話したかったです……。 |
Lyria |
ソーン
だけど、いつまでもここにお邪魔してるわけにもいかないわ。 私たちには、私たちの旅があるんだから。 |
Tweyen |
ジータ
……うん、そうだね。 |
Djeeta |
ジータ
レイ、シエル。色々とありがとう。 私の大切な仲間を助けてくれて。 |
Djeeta |
ジータ
それに、一緒に冒険できて、とっても楽しかったよ! |
Djeeta |
ナルメア
バイバイしても、お姉さんのこと忘れないでね。 お姉さんもみんなのこと、忘れないから。 |
Narmaya |
ビィ
オイラも、忘れねーぜ。 |
Vyrn |
ビィ
いつか機会があったら、 今度はオマエらがオイラたちの世界に遊びに来いよな! |
Vyrn |
ビィ
とっておきのリンゴをご馳走してやってもいいぜ! |
Vyrn |
ソーン
あなたたちも、きっと大変な目的があるんでしょうけど 頑張ってね。応援してるわ。 |
Tweyen |
ルリア
私も、応援してます! それに、皆さんの無事と平穏を……いつも祈ってますね。 |
Lyria |
ルリア
たくさん、たくさん、ありがとうございます! |
Lyria |
シエル
いえ……こちらこそ、ありがとうございます。 皆さんもどうぞ、気を付けて。 |
Ciel |
シエル
……ご一緒できたことは、忘れません。 不思議な経験をたくさん積めました。 |
Ciel |
シエル
楽しかった……です。 |
Ciel |
1: またどこかで会えるといいね! |
1: |
ジータ
うん! またどこかで。 空は広いんだから、きっとどこかで会えるよ。 |
Djeeta |
ルリア
はい! 私たちの間には、絆の力が結ばれてます。 だからきっと……どこかで会えます。 |
Lyria |
ナルメア
もちろん。レイちゃんのためなら、 お姉さん頑張っちゃう。いつでも頼りにしてね。 |
Narmaya |
ソーン
私の目の届く範囲なら、どこへでもこの矢を届けるわ。 たとえ世界が違っていても、射貫いてみせるわよ。 |
Tweyen |
ビィ
もう時間がなさそうだぜ……。 それじゃあ、またな! |
Vyrn |
ジータ
バイバイ! 元気でね! |
Djeeta |
シエル
は、はい。 皆さん、お元気で! |
Ciel |
シエル
……………………。 |
Ciel |
シエル
……いなくなってしまいました……か? |
Ciel |
カガミ
だね。彼女たちのあるべき世界に戻ったんだろう。 フガクにはもういない。おそらく境界の中にも。 |
Kagami |
カガミ
……といっても、 実際、彼女たちとの繋がりは事象として確立されている。 |
Kagami |
カガミ
レイの観測によってね。 |
Kagami |
シエル
それは、どういうことですか? |
Ciel |
カガミ
ジータたちがこの世界に存在した、という事象は レイがいる限り紛れもない事実だってこと。 |
Kagami |
カガミ
これはまさに『絆』と呼んでいいだろう。 我々は彼女たちと、現在、絆で結ばれているのさ。 |
Kagami |
カガミ
……なぁ〜んて、 科学者にあるまじきロマンチスト発言だったかな? |
Kagami |
カガミ
もっとも、科学者はロマンを追う者だからね。 ……さて。 |
Kagami |
カガミ
私たちも、通常業務に戻るとしようか。 まずはシエルとレイ。 |
Kagami |
シエル
はっ。速やかにメディカルチェック、ですね。 |
Ciel |
カガミ
その通り。
|
Kagami |
カガミ
その後に、しっかり休息をとること。 いいね。 |
Kagami |
シエル
了解しました。 ではレイさん。行きましょう。 |
Ciel |
シエル
……違う世界の人との……冒険、と呼んでいいのでしょうか。 |
Ciel |
シエル
本当に、貴重な体験でした。 |
Ciel |
シエル
……レイさんと私も、絆で結ばれていますか? |
Ciel |
シエル
……いえ。はい。その。 こういうことは、たぶん、質問するべきことではないのでしょうね。 |
Ciel |
シエル
……そんな気がしました。 |
Ciel |
シエル
失礼しました。行きましょう。 |
Ciel |