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Line 750: | Line 750: | ||
ベ。さらなる情報収集をしようとしていると、赤 | ベ。さらなる情報収集をしようとしていると、赤 | ||
い巨影がシエル達の前に立ちはだかる。 | い巨影がシエル達の前に立ちはだかる。 | ||
| width=50%" | Raabe suspects the golems were set up for defense. Before they can continue gathering information, a giant, red shadow looms over them. | | width=50%" | Raabe suspects the golems were set up for defense. Before they can continue gathering information, a giant, red shadow looms over them. | ||
Rei, Ciel, and Raabe head for Kokonoe's lab together with the "Red Devi" Tager. Kokonoe reveals herself that she's the "Observer" and asks them to cooperate with her to destroy the Cauldron. | |- | ||
|『赤鬼』テイガーと共にココノエの研究室へ向か | |||
うシエル達。ココノエは自らが『観測者』である | |||
と告白し、窯の破壊に協力しろと言う。 | |||
|Rei, Ciel, and Raabe head for Kokonoe's lab together with the "Red Devi" Tager. Kokonoe reveals herself that she's the "Observer" and asks them to cooperate with her to destroy the Cauldron. | |||
|} | |} | ||
[[File:BBDW Chapter3 1-3 All.mp4|frameless|center]] | [[File:BBDW Chapter3 1-3 All.mp4|frameless|center]] | ||
Line 846: | Line 850: | ||
対象、戦闘態勢に入りました。 | 対象、戦闘態勢に入りました。 | ||
迎撃します! | 迎撃します! | ||
|'''Ciel''' | |||
|} | |||
{| | |||
|'''シエル''' | |||
っ、固い……。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
なかなかやるな。 | |||
……このくらいで十分ではないか、ココノエ? | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
ああ。とりあえず今必要なデータは十分だ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
通常回線からの通信です! ですが……。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
……なんだ、この性根の悪い解析妨害は……。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
あらゆる方向から話しかけられるみたいで……。 | |||
凄く気持ち悪いです……。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
おい、貴様ら。ちょっと顔を貸せ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
顔……ですか? すみません、私の顔は、 | |||
取り外すことができない構造になっています。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''シエルそうじゃない''' | |||
用があるから来てって意味だよ | |||
| | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
はっ……慣用句、比喩表現ですね。 | |||
失礼しました。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
……本当に、この者たちでいいのか? | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
……いささか不安だが、背に腹は代えられんだろうが。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
こらこら。そっちで話を進めないでもらおうか。 | |||
私たちはまだ、『顔を貸す』ことを承諾していないぞ。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
だいたいだ、用件も聞かず、初対面の相手の要求を | |||
ほいほいと気軽に呑めるか。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
余計な手間は時間の無駄だ。 | |||
私のところまで来い。そうすれば説明してやる。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
それに、『そちら』とて情報がほしいところだろう。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
ここが『どんな』場所で、『誰』が作ったのか……。 | |||
知りたいんじゃないのか? | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
……ほう。それは当然、『こちら』のことを | |||
わかって言っているんだろうな? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
ふん。御託はいいからさっさと来い、『御剣機関』。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
あ……映像が消えてしまいました。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
なるほど……こちらの手の内はお見通しか。 | |||
食えない奴……いや、奴等か? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
今のはココノエ。私の名はテイガーだ。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
テイガーさん……ココノエさん……了解。 | |||
認識しました。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
私は判断できる立場にありません。 | |||
レイさん、どうされますか? | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''行ってみよう'''<br> | |||
2: '''会ってみよう''' | |||
| | |||
1:<br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
助かる。私の上司は少々気難しいのでな。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
さっきのが上司か。やれやれ、ここから近いんだろうな。 | |||
わけもわからず長旅なんてごめんだぞ。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
安心しろ。すぐ近くだ。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
……ここは? | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''確か……図書館?'''<br> | |||
2: '''統制機構……だっけ?''' | |||
| | |||
1:<br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
こっちだ。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
なるほど、こういう『仕組み』か……。 | |||
だが……なんだ、この感覚は? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
……正面。生体反応を感知しました。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
遅いぞ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
距離と速度を考えれば、至って平均的な経過時間だと思うが。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
人を呼びつけておいて、遅いだのなんだの文句とはな。 | |||
ずいぶんな態度じゃないか。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
カガミさんも、よくそのようにおっしゃられます。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
無邪気は時として首を絞めるぞ、シエル。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
どういう意味でしょうか? | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
いや、いい。今のお前にはちょっとばかり難しかったな。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
意味を教えて頂ければ理解します。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
……おい。話を進めるぞ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
あ。失礼しました。お願いします、ココノエさん。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
ああ……テイガーから聞いたのか。 | |||
手間が省けた。それで、お前たち、名は? | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
シエル=サルファー。御剣機関のスレイプニールです。 | |||
そして、こちらはレイさんです。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''よろしくお願いします'''<br> | |||
2: '''はじめましてレイです!''' | |||
| | |||
1:<br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
私はアストロラーベ。ラーベと呼ぶがいい。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
シエル=サルファーにレイ、 | |||
それとポンコツボール……面倒だな、ポンコツでいいか。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
その略し方には異議がある! | |||
つか、人の名前を勝手に変えるな!! | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
お前たち。私に協力しろ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
協力? | |||
あの、なにへの協力を求められているのでしょうか? | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
訂正しろ! 私はポンコツではないぞ!! | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''すごい!!'''<br> | |||
2: '''話が全く噛み合っていない!''' | |||
| | |||
1:<br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
説明が必要か? そんなものは時間の無駄だ。 | |||
お前たちは私の指示に従い、行動すればいい。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
…………どれだけ自分勝手なんだコイツ。 | |||
お前が説明してやると言ったから、ここまで来たんだぞ。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
ココノエさん。私たちには任務があります。 | |||
それを放棄するわけにはいきません。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
知っている。『観測者』を探しに来たんだろう。 | |||
だったらもう必要ない。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
私が『観測者』だ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
……え? | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
は? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''えええええええっ!?'''<br> | |||
2: '''今、なんて言いました……?''' | |||
| | |||
1:<br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
言われたことは一度で理解しろ、ポンコツとその一党。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
私が、このファントムフィールドを構築した『観測者』だ、 | |||
と言ったんだ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
そう……きたか……。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
すでに観測者本人が、自分のことを自覚していると。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
だからさっきシエルは、浸入直後だっていうのに | |||
窯の反応を感知できたんだな……。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
あり得ない話じゃないが、にわかには信じがたい。 | |||
そのうえ、ファントムフィールドのことまで把握してるなんて。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
実際に起こっている事象なのだから、 | |||
それを解明したまでだ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
さすがに驚きはしたがな。 | |||
私を観測者として、『世界』が構築されているなど。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
これ好都合とばかりにいくらか面白い実験も出来たが、 | |||
もうそろそろやれることも尽きてきた。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
だからいい加減、この小癪な仮想世界、 | |||
『ファントムフィールド』というのか? それを終わらせたい。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
お前たちの任務とやらでもあるのだろう? なら協力しろ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
…………つまり飽きたってことだろ。最低だなコイツ。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
……ですが浸入直後に、観測者が自ら接触してくるなんて、 | |||
想定していませんでした。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
こんなスムーズな展開があろうとは……。 | |||
だが、コイツの態度は気に入らん! | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
知るか。それよりだ、確かに私は観測者で、 | |||
この世界を終わらせることに異論はない、むしろ早く終わらせろ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
そのためには『窯』を破壊して、私と境界との接続を | |||
断つ必要があることも理解している……。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
が……この世界は未だ存在している。 | |||
その意味は……わかるよな? | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
……やはり観測者でも窯の破壊は不可能……と、いうことか。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
観測者は『神』では無いからな。 | |||
何でもかんでも出来るわけではない。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
だが……お前たちはその『《術》』を持っているのだろ? | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''すべ''' | |||
| | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
まぁ安心しろ。再構築が始まっても私は干渉しないと | |||
約束してやる。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
ちッ……そこまでも把握しているのか……。 | |||
ほんと何者だ、コイツ。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''窯の位置はわかるんですか?'''<br> | |||
2: '''窯へはどうやって行くんですか?''' | |||
| | |||
1:<br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
そうですね、教えてくださいココノエさん。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
窯の存在は感知できましたが…… | |||
実際にどこにあるのか、わからないのです……。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
今まではもっとはっきり感じ取れていたのに。どうして | |||
今回はこんなにも、漠然としか感知できないのでしょうか? | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
窯の位置は不特定か……よほど巧妙に隠蔽されているか。 | |||
可能性は色々と考えられるが……。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
おい猫耳、第三者の介入の可能性は? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
他勢力の介入については不明だ、無いと断言は出来ない。 | |||
だが、窯の位置なら見当はついている。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
そうだな、ココノエ? | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
ああ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
観測者が自覚している。窯の位置も判明しているとか……。 | |||
イレギュラーのオンパレードだな。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
それで? 窯はどこにあるんだ? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
この都市の一番下だ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
下……地下ですか? | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
ああ、そうだ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
簡単に言えば、ここ、階層都市の最下層だ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
階層都市……そういえば以前にも聞いた名称だな。 | |||
猫耳、お前も統制機構とやらの関係者か? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
も?……なんの話だポンコツ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
んだと!? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
以前、第十七階層都市と呼称される場所で任務を行いましたが。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
その時は統制機構と呼称される組織が、 | |||
階層都市の管理をしていました。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
この都市も、第十七階層都市と同じ都市構造の様なので。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
十七……か、その都市自体を私は知らんし、 | |||
統制機構の関係者でもない。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
それに、階層都市と呼ばれるものは | |||
大体同じような造りをしているからな。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
市街の層をいくつも重ね、地上に充満する魔素から | |||
逃れるべく、標高の高い位置に市街を築く……。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
その最上部は統制機構のアジトが居座り…… | |||
最下層、最深部には……必ず窯がある。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
確かに第十七階層都市も、その様な構造になっていました。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
だからこの階層都市の地下にも、窯がある、と? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
そうだ。というか、順番が逆だな。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
観測者でありながら、窯の位置を明確に把握できない状況が | |||
気に入らなかったのでな。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
無駄を徹底的に省いて、ファントムフィールドの規模を | |||
階層都市ひとつに縮小させた。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
階層都市は窯の上に築かれる。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
であれば、世界に階層都市ひとつしか存在しない以上、 | |||
窯は必然的に都市の地下に配置される。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
……は? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
お……お前、窯の位置に必然性を生じさせるために、 | |||
世界の規模をいじった? 《世界構造》をいじったのか!? | |||
ワールドコンソール | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
……とんでもない話……と言うかコイツ人間か? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
猫の様な耳と、尻尾が確認出来ます。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''気に……なるよね''' | |||
2: '''本物……かな?''' | |||
| | |||
1:<br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
この世界は私の観測で構築されているんだろう。 | |||
だったら、そう認識してやればいいだけのことだ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
いやいやいやいや、そんなに自在に調整できるもんじゃないぞ。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
できたのだから、問題あるまい。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
そうですね。確かに合理的だと思います。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
そういう問題じゃないんだが……。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
くっ、私の感じている衝撃を理解できるやつが、 | |||
今ここにいない……! | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
これでこちらの事情は理解できたな。 | |||
では早速、窯へ向かうぞ。テイガー、先導しろ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
ああ。了解した。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
っと……そうだな。特殊な状況下だ。 | |||
一応、貴様らの意思を確認しておいてやろう。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
私に協力することに、異論はないな? | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
なんでこいつはこう、いちいち上から目線なんだ……。 | |||
おい、レイ、シエル。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
私はレイさんに従います。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
はいはい、そう言うと思いましたよー。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
悪いが猫耳。私は少々反省をしていてな。 | |||
お前を全面的に信用することはできない。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
むしろ、話が突拍子すぎて信用するほうが難しい……。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
だからレイ、お前が決めていいぞ。 | |||
今回に限り撤退も許可する。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''喜んで協力します!!'''<br> | |||
2: '''でも、協力しないと帰れないし……''' | |||
| | |||
1: <br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
<size=150%>少しは悩めよ!!!</size> | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
そうですね。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
ですが、ご安心ください。 | |||
レイさんは、必ず私がお守りします。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
では決まりだ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
貴様らが自ら決めたことだ。 | |||
あとで泣きごとを言うんじゃないぞ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
……嫌な予感がビンビンする。むしろ嫌な予感しかしない。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
……私が言うのもおかしな話だが。 | |||
ココノエの意思が作った世界なら、十分に気を付けることだ。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
どんなとんでもないことが飛び出してきても、 | |||
おかしくはないからな。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
肝に銘じます。 | |||
|'''Ciel''' | |'''Ciel''' | ||
|} | |} |
Revision as of 01:16, 21 December 2021
BBDW Story Navigation (edit)
| |
---|---|
Prologue | one emerging possibility |
Main Story | Prologue · Chapter 1 · Chapter 2 · Chapter 3 · Chapter 4 · Chapter 5 |
Events | |
Character Stories (Unused Content) |
3002
1. ピンクの猫と赤い鬼① / Pink Cat and Red Devil - 1
Summary | |
---|---|
次にダイブするファントムフィールドは、明確な
形を持ったファントムフィールドだった。警戒し ながら浸入すると、シエルが窯の反応を感知する。 |
The next Phantom Field they Dive into is one with a clearly defined form. They stay on guard and Dive, and Ciel picks up the signal of a Cauldron. |
シエル
レイさん。 ……レイさん? |
Ciel
Rei-san. ...Rei-san? |
シエル
失礼します。レイさん、 返事がありませんでしたが、どうしましたか? |
Ciel
Excuse me. Rei-san, you're not responding. Are you alright? |
シエル
……あ。お休みだったのですね。 |
Ciel
...Oh. You must be sleeping. |
シエル
…………。 |
Ciel
.... |
シエル
レイさん。起きてください。 カガミさんが呼んでいます。 |
Ciel
Rei-san. Please wake up. Ms. Kagami is calling for you. |
1: うーん……おはよう、シエル |
1: Yeah...Good morning, Ciel. |
If Choice 1: | |
---|---|
シエル
あ。目が覚めてしまいましたか。 おはようございます、レイさん。 |
Ciel
Ah. You're awake. Good morning, Rei-san. |
1: なにかしようとしてた? |
1: Were you about to do something? |
シエル
はい。シンバルです。 思い切り叩こうとしていました。 |
Ciel
Yes. These are cymbals. I was about to bang them together with all my might. |
シエル
もしレイさんがお休み中で、 起きないようなら使えと、カガミさんから預かったものです。 |
Ciel
Ms. Kagami lent them to me to use in case you were asleep and wouldn't wake up. |
If Choice 2: | |
---|---|
シエル
……起きませんね……。 状態を確認。秘密兵器を使用します。 |
Ciel
...You're not waking up.... Assessing situation. Deploying secret weapon. |
1: うわぁぁぁぁっ!? |
1: Aaaaaaargh!? |
シエル
おはようございます、レイさん。 さすがカガミさんの秘密兵器です。すぐに目が覚めましたね。 |
Ciel
Good morning, Rei-san. Of course Ms. Kagami's secret weapon would produce immediate results. You woke up right away. |
シエル
これは、シンバルという楽器だそうです。 |
Ciel
These are cymbals, a kind of musical instrument. |
シエル
レイさんが起きなければ使うようにと、 預かりました。 |
Ciel
I borrowed them to use in case you wouldn't wake up. |
シエル
ぐっすり眠っていたようですが、
まだ前回の《 |
Ciel
You were sound asleep. You must still be tired from our last Dive. |
シエル
お疲れのところすみませんが、カガミさんが呼んでいます。 ご同行願えますか。 |
Ciel
I'm sorry to bother you while you're still tired, but Ms. Kagami is calling for you. Please come with me. |
シエル
お待たせしました、カガミさん。 レイさんをお連れしました。 |
Ciel
Thank you for waiting, Ms. Kagami. I have brought Rei-san. |
カガミ
お。やっと来たか。 待ちくたびれたぞ、レイ。 |
Kagami
Ah, you're finally here. You've really kept us waiting, Rei. |
シエル
私もまだお聞きしていませんが、ご用件はなんでしょうか? 次の任務ですか? |
Ciel
What did you need from us? I haven't heard yet either. Is it our next mission? |
カガミ
その通り。 次のお前達の目的地―― |
Kagami
That's exactly it. Your next destination― |
カガミ
つまり、次に《 |
Kagami
―that is, the next Phantom Field you're going to Dive into, has been decided. |
カガミ
いやぁ、中々好調な発見速度じゃないか。 これもレイの奮闘のおかげだぞ。感謝、感謝。 |
Kagami |
カガミ
というわけで、このたび観測されたファントムフィールドに 早速赴き、観測者を捜索してきてくれ。 |
Kagami |
カガミ
もちろん最終目的は、窯の破壊だ。 わかっているな? |
Kagami |
シエル
はい。了解しました。 |
Ciel |
カガミ
ん? なんだ、レイ。 難しい顔をして。 |
Kagami |
1: あの……カガミさん |
1: Um...Ms. Kagami |
カガミ
あぁ……前回の《 |
Kagami
Ah...is this about what you heard during your last Dive? Yeah. I think it was made pretty clear. |
カガミ
……そうだね、『私』が言った通り、 私達の世界は消滅している。 |
Kagami
....That's right, as "I" said, our world was erased. |
カガミ
理由や原因に関して、今は詳しく説明出来ないけど、 『観測者』が関わっていることは間違いない。 |
Kagami
I can't explain to you the exact cause or reason for it yet, but there's no mistake that an "Observer" was involved. |
1: 観測者が? |
1: An Observer? |
カガミ
……疑問に思ってることはわかるよ。 |
Kagami
...I know you're having doubts right now. |
カガミ
私たちの世界も、今、『私たち』が行っているように、 『観測者を解放したから消滅した』と……思っているよね? |
Kagami
You're probably thinking that our world, like those worlds "we" have been to, "had its Observer released and was erased"...right? |
1: ………… |
1: .... |
カガミ
うん。だからね、把握しておいてほしい。 |
Kagami
Yeah. That's why I want to make this clear. |
カガミ
解放された世界は、消滅しないよ。 正しい世界の形へと『修正』『再構築』されるんだ。 |
Kagami
The worlds that have been released are not erased. They're "corrected" and "reconstructed" into their proper shapes. |
カガミ
未来の可能性としてね。 |
Kagami
As the possibilities of the future. |
カガミ
でも、私たちの世界はそうじゃなかった。 『消滅』した。綺麗サッパリ。 |
Kagami
But, our world wasn't like that. It was "erased". Cleanly and completely. |
カガミ
だから今、私たちは戦っている。 消滅した世界を救うためにね。 |
Kagami
That's why right now, we're fighting...so we can save the world that was erased. |
カガミ
さっきも言ったけど、今は詳しく説明できない。 だけどそれでも、レイ。 |
Kagami
I said this earlier, too, but I can't explain it in detail right now. Even so, Rei. |
カガミ
今は私を信用してほしい。 |
Kagami
I want you to trust me. |
カガミ
それに、うまく行けば世界を救った英雄になれるぞ。 |
Kagami
And if things go well, you might just become a hero who saves the world. |
1: 英雄……ですか |
1: A hero...is it? |
カガミ
重く考えて世界が救えるならそうするけど、 幸か不幸か、私たちはもう失うものは無いからね。 |
Kagami
If making things serious would help save the world then I'd do it, but for better or for worse, we have nothing left to lose. |
1: 次はどんな場所なんですか? |
1: Where are we going next? |
カガミ
ありがとうレイ。 |
Kagami
Thank you, Rei. |
カガミ
そうだね。詳しいことは実際に《浸入》してみないことには、 なんとも言えないんだが……。 ダイブ | |
カガミ
ちょっと気になることがあるんだ。 | |
'
シエル 気になること、ですか? | |
カガミ
今までのファントムフィールドに比べると、 世界の形が明確すぎる、とでも言えばいいのかな。 |
Kagami
You could say, compared to the Phantom Fields we've visited up until now, this one's world is too well defined. |
カガミ
ファントムフィールドというのは、仮初の世界なだけあって 全体像のはっきりしない、あやふやなものでもあるんだが……。 |
Kagami
Because Phantom Fields are by nature transient worlds, a Field's overall shape is usually unclear, and itself, vague. |
カガミ
今回のは、全体像がくっきりしている。 簡単に言えば、ひとつの大きな都市だ。 |
Kagami
This time, the overall shape is clear-cut. Basically, it's a single City. |
カガミ
その『都市』しかない世界。そこだけがくっきり切り取られた 世界……あるいは、そこ以外を排除した世界……。 |
Kagami
...And nothing else. Either it's a world that cut out exactly that one city, or it’s one that has erased everything else.... |
カガミ
と、言えるかな……? とにかく輪郭が明確すぎて 逆に不明瞭……いや、未解析な部分が多いんだ。 |
Kagami
...I guess you could say? Anyway, the boundaries are so clear-cut that it's become completely unclear...no, unanalyzed. |
カガミ
実際どうしてこういう形になったのかはわからないが、 そのあたりに、観測者を特定する手がかりがあるかもしれないな。 |
Kagami
We have no idea why the world might have taken this shape, but there may be a clue to who the Observer is in it. |
シエル
あの、世界がはっきりしているということは、 それだけ観測の条件がいいということでしょうか? |
Ciel
Um, if the world is this clear, then that means the conditions for Observation have been met, right? |
TC
イエス。今回の作戦成功確率は52パーセントです。 |
TC
YES. The chance of success for the current operation is 52 percent. |
1: それは大丈夫なんですか? |
1: Is this going to be alright? |
カガミ
五分五分で成功するんだし。もう成功したも同然じゃないか。 |
Kagami
That's basically half-half. It's as if you've already succeeded. |
TC
ノー。作戦はまだ遂行されていません。 |
TC
NO. The operation has not started yet. |
カガミ
細かいことはいいの。水を差すんじゃない。 |
Kagami
Details, details. Don't rain on our parade. |
TB
まあ、ちょっとは安心していいんじゃないかな。 これでも今までの作戦で、最も高い成功率だしね。 |
TB
Well, you can relax a little. The operations you've undertaken up until now had much lower rates of success, after all. |
TA
よって、今回は比較的安定した作戦行動となる。 |
TA
Therefore, you can consider this time a more stable operation than before. |
シエル
了解しました。 |
Ciel |
カガミ
ん? なんだ、レイ。微妙そうな顔をして。 |
Kagami
Hm? What's wrong, Rei? You're making a strange expression. |
カガミ
念のため言っておくけど、これはお前たちを 送り込むという行為に対する確率だぞ。 |
Kagami
Just so you know, that's the percentage of sending you guys there. |
カガミ
実際のファントムフィールド内での作戦成功確率は、もっと低い。 安心しろ! |
Kagami
The chance of your mission succeeding within the Phantom Field itself is actually much lower. So relax! |
1: 安心できない! |
1: How can I relax!? |
If Choice 2: | |
---|---|
カガミ
ははは、うんうん。そうだな。 |
Kagami
Hahaha, yep yep. That's it. |
シエル
カガミさん、レイさんはあまり安心できて いないようです!! |
Ciel
Ms. Kagami, Rei-san doesn't seem very reassured! |
カガミ
あれ、なんで? ファントムフィールド浸入の成功確率が 10パーセントちょっとだったこともあったんだ。 |
Kagami
Oh, why not? There were times when Diving into a Phantom Field had just about a 10% chance of success. |
カガミ
それが今や、タカマガハラシステムが補強されてきたとはいえ、 50パーセントを越えてくるとは……。 |
Kagami
And to think that now, thanks to the Takamagahara System's reinforcement, we've managed to exceed 50%... |
カガミ
感無量だよ。 それもこれも、お前の存在あってこそだ、レイ。 |
Kagami
It's very moving. It's all thanks to you being here, Rei. |
シエル
それは……そうですね。 確かにレイさんが一緒だと、心強いです。 |
Ciel
That...That's right. It's true that with Rei here, it's very reassuring. |
カガミ
もしお前たちが肉体を失うことになっても、 魂はサルベージしてやる。バックアップ体制も万全だ。 |
Kagami
If you ever happen to lose your physical body, we'll salvage your soul. Your backup body is already ready to go. |
1: ……え、『魂は』? |
1: ....Huh, my "soul?" |
シエル
問題は、ファントムフィールドの観測者ですね。 | |
シエル
前回は観測者が中々特定できずに、苦心しました。 今回はなるべく早い段階で特定ができると望ましいです。 | |
カガミ
まったくだな。ちゃっちゃと見つけて、ちゃっちゃと窯を 破壊して、するーんとフガクに戻ってきてほしいもんだ。 | |
カガミ
とはいえ、そんな都合よく観測者が 名乗り出てくれるはずもない。 | |
カガミ
しかも、これだけ克明な世界を築く相手だ。 一筋縄ではいかないかもしれないな。 | |
シエル
そうですか……。心してかかります。 | |
カガミ
そうしてくれ。ま、いつものことだけど。 | |
カガミ
いやな、ロクな情報もないまま、未知の世界に放り込まれ、 誰ともわからぬ人を探す任務。厳しいことを課しているとは思う。 | |
カガミ
だがまあ、大丈夫でしょ。これまでもなんとなかったし。 今回もきっとなんとかなるなる。 | |
TB
前向きに考えたほうが、物事は好転する、なんて 考え方もあるそうだしね。 | |
カガミ
さあ、長話をしている時間はないぞ。 そろそろスタンバイしてもらおうか、ふたりとも。 | |
シエル
了解。レイさん、こちらへ。 | |
カガミ
向こうについたら、ラーベの言うことをよく聞いて、 頑張るんだぞー。それでは……。 | |
スタッフ
ファントムフィールド、接続完了しました。 タカマガハラシステム、ランニング。 |
Staff
Phantom Field, contact complete. Takamagahara System, running. |
カガミ
よし。
|
Kagami
Alright, begin the Dive! |
シエル
…… | |
ラーベ
こちらも問題なし、絶好調だぞ。 さてさて、レイのバイタルは……。 | |
ラーベ
よーし、問題なし。無事、 | |
シエル
ここが、今回探索するファントムフィールドですね。 | |
シエル
この風景……何処か見覚えがあるのですが。 | |
ラーベ
ふむ……確か統制機構とやらの階層都市……だったか。
| |
ラーベ
……レイ、気を抜くな。 シエル、周囲をサーチしろ。 | |
シエル
了解です。 | |
シエル
………………。 | |
シエル、どう?
……静かだね | |
シエル
はい、……とても、静かです……。人の気配も感知出来ません。 | |
シエル
ですが…… あらゆる所から、微かに機械の駆動音のようなものが聞こえます。 | |
シエル
構造的に前回 | |
ラーベ
ふーむ、機械音ねぇ……。潜んでいるのか、 本当にいないのか……。少し歩き回ってみるか。 | |
シエル
……あれ。……あれれ?? ラーベさん、レイさん。変です。 | |
え、なに?
どうしたのシエル? | |
シエル
窯の反応を感知しました。 | |
ラーベ
…………はぁ!? | |
シエル
窯が出現しています……。場所は……すみません、 不明なのですが。 | |
シエル
確かにこれは、窯の反応です。 | |
は……早いですね
問題解決ですか? | |
ラーベ
逸るなレイ。 | |
ラーベ
それより……シエルが窯の反応を感知しているのに、 場所は不明? ……どういうことだ?? | |
ラーベ
……まぁいい……よくないけど、今は窯の対応が先か。 | |
ラーベ
つまり、自身が観測者であることを認識している…… って、ことになっちゃうんだが? | |
ラーベ
うん。そうだな。フガクからの観測でも不明瞭な 点が多かったし、まだ浸入したばかりだからな。 | |
ラーベ
ひとまず、あらゆる可能性を前提にして情報収取を……。 | |
ラーベ
いや。ちょっと待て。 その前に対処すべき問題がやってきたみたいだ。 | |
シエル
! 反応を確認。前方から複数接近してきます。 | |
シエル
あれは……人型の人工物のようです。 敵対反応を感知しました。 | |
ラーベ
窯の次は早速敵か。 慌ただしいファントムフィールドだな。 | |
ラーベ
よし、まずは小手調べだ。 やっておしまい。 | |
シエル
アイアイ……了解しました。対象を確認。 戦闘態勢に移行します。 |
1. ピンクの猫と赤い鬼➁ / Pink Cat and Red Devil - 2
Summary | |
---|---|
なにかの用途として配備されたゴーレムと戦闘。
なぜそこに配備されたのかの理由を探るため、 情報収集を続ける。 |
They fight the golem, which seems to have been placed there purposefully. They continue gathering information to find out why it's been stationed there. |
シエル
戦闘終了。 対象の排除を完了しました。 |
Ciel |
ラーベ
いわゆるゴーレムってやつだね。でも基本構造は機械式で ロボットに近いようだけど……機械音の原因はこれか? |
Raabe |
ラーベ
人が居ない都市を徘徊するロボット……。 しかも緑生い茂る公園を……か、ちょっとロマンあるな。 |
Raabe |
1: 人はいないんでしょうか? |
1: |
ラーベ
ふむ……。 |
Raabe |
ラーベ
ゴーレムが自然発生する特殊環境下でないのなら、 作成し、配置した何者かがいる……あるいは、いたはずだな。 |
Raabe |
シエル
私達を排除しようとしていたようです。 |
Ciel |
ラーベ
そもそも私たちは、このファントムフィールドにとって 『異物』だ。こういったものに狙われるのは当然だけど……。 |
Raabe |
ラーベ
そもそもこいつらが配備された理由はなんなんだろうな。 |
Raabe |
シエル
この場所の防衛でしょうか。もしくは侵入者や遭遇者の 排除などが考えられます。 |
Ciel |
ラーベ
防衛にせよ、排除にせよ、そうする理由があるはずだ。 まず取っ掛かりとしてはその辺りからかな。 |
Raabe |
ラーベ
お……? |
Raabe |
1. まだまだたくさん来た! |
1: |
ラーベ
そうだな。でも対話だけが情報収集じゃないぞ。 こいつらの構造に行動パターン、じっくり観察させてもらう。 |
Raabe |
シエル
対象、多数。いきます。 |
Ciel |
1. ピンクの猫と赤い鬼③ / Pink Cat and Red Devil - 3
Summary | |
---|---|
ゴーレムは防衛目的で配備されたと推測するラー
ベ。さらなる情報収集をしようとしていると、赤 い巨影がシエル達の前に立ちはだかる。 |
Raabe suspects the golems were set up for defense. Before they can continue gathering information, a giant, red shadow looms over them. |
『赤鬼』テイガーと共にココノエの研究室へ向か
うシエル達。ココノエは自らが『観測者』である と告白し、窯の破壊に協力しろと言う。 |
Rei, Ciel, and Raabe head for Kokonoe's lab together with the "Red Devi" Tager. Kokonoe reveals herself that she's the "Observer" and asks them to cooperate with her to destroy the Cauldron. |
ラーベ
……ほー、なるほど。こういう仕組みか。 |
Raabe |
シエル
なにかわかりましたか? |
Ciel |
ラーベ
こいつら、かなりシンプルな構造みたいだ。 |
Raabe |
ラーベ
単純な命令を、永続的に行うことを目的としている感じだが。 これだけシンプルにすると、逆にかなりの技術がいる。 |
Raabe |
ラーベ
作成者は相当な腕前の技師と見た。 |
Raabe |
シエル
なるほど。 ではどこかに、技師さんがいるかもしれませんね。 |
Ciel |
ラーベ
それから、行動パターンや中身からして、 こいつらは防衛目的で配備されたと推測できる。 |
Raabe |
ラーベ
となると、こいつらは何を……いや、何から守ろうと……。 |
Raabe |
???
見つけたぞ。 |
??? |
???
お前たちだな。侵入者というのは。 |
??? |
ラーベ
……とりあえず会話のできそうな奴はいるみたいだな。 |
Raabe |
シエル
すごく大きな方です。それにとても赤いですね……。 とにかく会話を試みてみます。 |
Ciel |
シエル
そこの赤い方、質問です。アナタは人間ですか? |
Ciel |
テイガー
……こちらテイガー。目標を発見した。 これより戦闘行動に入る。 |
Tager |
シエル
残念ながら会話は成立しませんでした! |
Ciel |
1: ……シエル、頑張れ! |
1: |
ラーベ
うん、大丈夫。 こうなるんじゃないかなぁ〜って、思ってたから。 |
Raabe |
ラーベ
それになるほど、報告を入れる相手もいる……か。 しかし、力ずくとは穏やかじゃないな。 |
Raabe |
テイガー
すまんが、これも仕事だ。 少々手荒になるぞ。 |
Tager |
シエル
対象、戦闘態勢に入りました。 迎撃します! |
Ciel |
シエル
っ、固い……。 |
Ciel |
テイガー
なかなかやるな。 ……このくらいで十分ではないか、ココノエ? |
Tager |
ココノエ
ああ。とりあえず今必要なデータは十分だ。 |
Kokonoe |
シエル
通常回線からの通信です! ですが……。 |
Ciel |
ラーベ
……なんだ、この性根の悪い解析妨害は……。 |
Raabe |
シエル
あらゆる方向から話しかけられるみたいで……。 凄く気持ち悪いです……。 |
Ciel |
ココノエ
おい、貴様ら。ちょっと顔を貸せ。 |
Kokonoe |
シエル
顔……ですか? すみません、私の顔は、 取り外すことができない構造になっています。 |
Ciel |
シエルそうじゃない
用があるから来てって意味だよ |
|
シエル
はっ……慣用句、比喩表現ですね。 失礼しました。 |
Ciel |
テイガー
……本当に、この者たちでいいのか? |
Tager |
ココノエ
……いささか不安だが、背に腹は代えられんだろうが。 |
Kokonoe |
ラーベ
こらこら。そっちで話を進めないでもらおうか。 私たちはまだ、『顔を貸す』ことを承諾していないぞ。 |
Raabe |
ラーベ
だいたいだ、用件も聞かず、初対面の相手の要求を ほいほいと気軽に呑めるか。 |
Raabe |
ココノエ
余計な手間は時間の無駄だ。 私のところまで来い。そうすれば説明してやる。 |
Kokonoe |
ココノエ
それに、『そちら』とて情報がほしいところだろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
ここが『どんな』場所で、『誰』が作ったのか……。 知りたいんじゃないのか? |
Kokonoe |
ラーベ
……ほう。それは当然、『こちら』のことを わかって言っているんだろうな? |
Raabe |
ココノエ
ふん。御託はいいからさっさと来い、『御剣機関』。 |
Kokonoe |
シエル
あ……映像が消えてしまいました。 |
Ciel |
ラーベ
なるほど……こちらの手の内はお見通しか。 食えない奴……いや、奴等か? |
Raabe |
テイガー
今のはココノエ。私の名はテイガーだ。 |
Tager |
シエル
テイガーさん……ココノエさん……了解。 認識しました。 |
Ciel |
シエル
私は判断できる立場にありません。 レイさん、どうされますか? |
Ciel |
1: 行ってみよう |
1: |
テイガー
助かる。私の上司は少々気難しいのでな。 |
Tager |
ラーベ
さっきのが上司か。やれやれ、ここから近いんだろうな。 わけもわからず長旅なんてごめんだぞ。 |
Raabe |
テイガー
安心しろ。すぐ近くだ。 |
Tager |
シエル
……ここは? |
Ciel |
1: 確か……図書館? |
1: |
テイガー
こっちだ。 |
Tager |
ラーベ
なるほど、こういう『仕組み』か……。 だが……なんだ、この感覚は? |
Raabe |
シエル
……正面。生体反応を感知しました。 |
Ciel |
ココノエ
遅いぞ。 |
Kokonoe |
テイガー
距離と速度を考えれば、至って平均的な経過時間だと思うが。 |
Tager |
ラーベ
人を呼びつけておいて、遅いだのなんだの文句とはな。 ずいぶんな態度じゃないか。 |
Raabe |
シエル
カガミさんも、よくそのようにおっしゃられます。 |
Ciel |
ラーベ
無邪気は時として首を絞めるぞ、シエル。 |
Raabe |
シエル
どういう意味でしょうか? |
Ciel |
ラーベ
いや、いい。今のお前にはちょっとばかり難しかったな。 |
Raabe |
シエル
意味を教えて頂ければ理解します。 |
Ciel |
ココノエ
……おい。話を進めるぞ。 |
Kokonoe |
シエル
あ。失礼しました。お願いします、ココノエさん。 |
Ciel |
ココノエ
ああ……テイガーから聞いたのか。 手間が省けた。それで、お前たち、名は? |
Kokonoe |
シエル
シエル=サルファー。御剣機関のスレイプニールです。 そして、こちらはレイさんです。 |
Ciel |
1: よろしくお願いします |
1: |
ラーベ
私はアストロラーベ。ラーベと呼ぶがいい。 |
Raabe |
ココノエ
シエル=サルファーにレイ、 それとポンコツボール……面倒だな、ポンコツでいいか。 |
Kokonoe |
ラーベ
その略し方には異議がある! つか、人の名前を勝手に変えるな!! |
Raabe |
ココノエ
お前たち。私に協力しろ。 |
Kokonoe |
シエル
協力? あの、なにへの協力を求められているのでしょうか? |
Ciel |
ラーベ
訂正しろ! 私はポンコツではないぞ!! |
Raabe |
1: すごい!! |
1: |
ココノエ
説明が必要か? そんなものは時間の無駄だ。 お前たちは私の指示に従い、行動すればいい。 |
Kokonoe |
ラーベ
…………どれだけ自分勝手なんだコイツ。 お前が説明してやると言ったから、ここまで来たんだぞ。 |
Raabe |
シエル
ココノエさん。私たちには任務があります。 それを放棄するわけにはいきません。 |
Ciel |
ココノエ
知っている。『観測者』を探しに来たんだろう。 だったらもう必要ない。 |
Kokonoe |
ココノエ
私が『観測者』だ。 |
Kokonoe |
シエル
……え? |
Ciel |
ラーベ
は? |
Raabe |
1: えええええええっ!? |
1: |
ココノエ
言われたことは一度で理解しろ、ポンコツとその一党。 |
Kokonoe |
ココノエ
私が、このファントムフィールドを構築した『観測者』だ、 と言ったんだ。 |
Kokonoe |
ラーベ
そう……きたか……。 |
Raabe |
ラーベ
すでに観測者本人が、自分のことを自覚していると。 |
Raabe |
ラーベ
だからさっきシエルは、浸入直後だっていうのに 窯の反応を感知できたんだな……。 |
Raabe |
ラーベ
あり得ない話じゃないが、にわかには信じがたい。 そのうえ、ファントムフィールドのことまで把握してるなんて。 |
Raabe |
ココノエ
実際に起こっている事象なのだから、 それを解明したまでだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
さすがに驚きはしたがな。 私を観測者として、『世界』が構築されているなど。 |
Kokonoe |
ココノエ
これ好都合とばかりにいくらか面白い実験も出来たが、 もうそろそろやれることも尽きてきた。 |
Kokonoe |
ココノエ
だからいい加減、この小癪な仮想世界、 『ファントムフィールド』というのか? それを終わらせたい。 |
Kokonoe |
ココノエ
お前たちの任務とやらでもあるのだろう? なら協力しろ。 |
Kokonoe |
ラーベ
…………つまり飽きたってことだろ。最低だなコイツ。 |
Raabe |
シエル
……ですが浸入直後に、観測者が自ら接触してくるなんて、 想定していませんでした。 |
Ciel |
ラーベ
こんなスムーズな展開があろうとは……。 だが、コイツの態度は気に入らん! |
Raabe |
ココノエ
知るか。それよりだ、確かに私は観測者で、 この世界を終わらせることに異論はない、むしろ早く終わらせろ。 |
Kokonoe |
ココノエ
そのためには『窯』を破壊して、私と境界との接続を 断つ必要があることも理解している……。 |
Kokonoe |
ココノエ
が……この世界は未だ存在している。 その意味は……わかるよな? |
Kokonoe |
ラーベ
……やはり観測者でも窯の破壊は不可能……と、いうことか。 |
Raabe |
ココノエ
観測者は『神』では無いからな。 何でもかんでも出来るわけではない。 |
Kokonoe |
ココノエ
だが……お前たちはその『《術》』を持っているのだろ? |
Kokonoe |
すべ | |
ココノエ
まぁ安心しろ。再構築が始まっても私は干渉しないと 約束してやる。 |
Kokonoe |
ラーベ
ちッ……そこまでも把握しているのか……。 ほんと何者だ、コイツ。 |
Raabe |
1: 窯の位置はわかるんですか? |
1: |
シエル
そうですね、教えてくださいココノエさん。 |
Ciel |
シエル
窯の存在は感知できましたが…… 実際にどこにあるのか、わからないのです……。 |
Ciel |
シエル
今まではもっとはっきり感じ取れていたのに。どうして 今回はこんなにも、漠然としか感知できないのでしょうか? |
Ciel |
ラーベ
窯の位置は不特定か……よほど巧妙に隠蔽されているか。 可能性は色々と考えられるが……。 |
Raabe |
ラーベ
おい猫耳、第三者の介入の可能性は? |
Raabe |
テイガー
他勢力の介入については不明だ、無いと断言は出来ない。 だが、窯の位置なら見当はついている。 |
Tager |
テイガー
そうだな、ココノエ? |
Tager |
ココノエ
ああ。 |
Kokonoe |
ラーベ
観測者が自覚している。窯の位置も判明しているとか……。 イレギュラーのオンパレードだな。 |
Raabe |
ラーベ
それで? 窯はどこにあるんだ? |
Raabe |
ココノエ
この都市の一番下だ。 |
Kokonoe |
シエル
下……地下ですか? |
Ciel |
ココノエ
ああ、そうだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
簡単に言えば、ここ、階層都市の最下層だ。 |
Kokonoe |
ラーベ
階層都市……そういえば以前にも聞いた名称だな。 猫耳、お前も統制機構とやらの関係者か? |
Raabe |
ココノエ
も?……なんの話だポンコツ。 |
Kokonoe |
ラーベ
んだと!? |
Raabe |
シエル
以前、第十七階層都市と呼称される場所で任務を行いましたが。 |
Ciel |
シエル
その時は統制機構と呼称される組織が、 階層都市の管理をしていました。 |
Ciel |
シエル
この都市も、第十七階層都市と同じ都市構造の様なので。 |
Ciel |
ココノエ
十七……か、その都市自体を私は知らんし、 統制機構の関係者でもない。 |
Kokonoe |
ココノエ
それに、階層都市と呼ばれるものは 大体同じような造りをしているからな。 |
Kokonoe |
ココノエ
市街の層をいくつも重ね、地上に充満する魔素から 逃れるべく、標高の高い位置に市街を築く……。 |
Kokonoe |
ココノエ
その最上部は統制機構のアジトが居座り…… 最下層、最深部には……必ず窯がある。 |
Kokonoe |
シエル
確かに第十七階層都市も、その様な構造になっていました。 |
Ciel |
ラーベ
だからこの階層都市の地下にも、窯がある、と? |
Raabe |
ココノエ
そうだ。というか、順番が逆だな。 |
Kokonoe |
ココノエ
観測者でありながら、窯の位置を明確に把握できない状況が 気に入らなかったのでな。 |
Kokonoe |
ココノエ
無駄を徹底的に省いて、ファントムフィールドの規模を 階層都市ひとつに縮小させた。 |
Kokonoe |
ココノエ
階層都市は窯の上に築かれる。 |
Kokonoe |
ココノエ
であれば、世界に階層都市ひとつしか存在しない以上、 窯は必然的に都市の地下に配置される。 |
Kokonoe |
ラーベ
……は? |
Raabe |
ラーベ
お……お前、窯の位置に必然性を生じさせるために、 世界の規模をいじった? 《世界構造》をいじったのか!? ワールドコンソール |
Raabe |
ラーベ
……とんでもない話……と言うかコイツ人間か? |
Raabe |
シエル
猫の様な耳と、尻尾が確認出来ます。 |
Ciel |
1: 気に……なるよね 2: 本物……かな? |
1: |
ココノエ
この世界は私の観測で構築されているんだろう。 だったら、そう認識してやればいいだけのことだ。 |
Kokonoe |
ラーベ
いやいやいやいや、そんなに自在に調整できるもんじゃないぞ。 |
Raabe |
ココノエ
できたのだから、問題あるまい。 |
Kokonoe |
シエル
そうですね。確かに合理的だと思います。 |
Ciel |
ラーベ
そういう問題じゃないんだが……。 |
Raabe |
ラーベ
くっ、私の感じている衝撃を理解できるやつが、 今ここにいない……! |
Raabe |
ココノエ
これでこちらの事情は理解できたな。 では早速、窯へ向かうぞ。テイガー、先導しろ。 |
Kokonoe |
テイガー
ああ。了解した。 |
Tager |
ココノエ
っと……そうだな。特殊な状況下だ。 一応、貴様らの意思を確認しておいてやろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
私に協力することに、異論はないな? |
Kokonoe |
ラーベ
なんでこいつはこう、いちいち上から目線なんだ……。 おい、レイ、シエル。 |
Raabe |
シエル
私はレイさんに従います。 |
Ciel |
ラーベ
はいはい、そう言うと思いましたよー。 |
Raabe |
ラーベ
悪いが猫耳。私は少々反省をしていてな。 お前を全面的に信用することはできない。 |
Raabe |
ラーベ
むしろ、話が突拍子すぎて信用するほうが難しい……。 |
Raabe |
ラーベ
だからレイ、お前が決めていいぞ。 今回に限り撤退も許可する。 |
Raabe |
1: 喜んで協力します!! |
1: |
ラーベ
<size=150%>少しは悩めよ!!!</size> |
Raabe |
シエル
そうですね。 |
Ciel |
シエル
ですが、ご安心ください。 レイさんは、必ず私がお守りします。 |
Ciel |
ココノエ
では決まりだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
貴様らが自ら決めたことだ。 あとで泣きごとを言うんじゃないぞ。 |
Kokonoe |
ラーベ
……嫌な予感がビンビンする。むしろ嫌な予感しかしない。 |
Raabe |
テイガー
……私が言うのもおかしな話だが。 ココノエの意思が作った世界なら、十分に気を付けることだ。 |
Tager |
テイガー
どんなとんでもないことが飛び出してきても、 おかしくはないからな。 |
Tager |
シエル
肝に銘じます。 |
Ciel |
2. 出口と門番① / Exit and Gatekeeper - 1
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2. 出口と門番② / Exit and Gatekeeper - 2
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2. 出口と門番③ / Exit and Gatekeeper - 3
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2. 出口と門番④ / Exit and Gatekeeper - 4
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3. 森の中の出会い① / A Meeting in the Forest - 1
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3. 森の中の出会い② / A Meeting in the Forest - 2
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3. 森の中の出会い③ / A Meeting in the Forest - 3
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4. 似た者同士① / Two of a Kind - 1
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4. 似た者同士② / Two of a Kind - 2
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4. 似た者同士③ / Two of a Kind - 3
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4. 似た者同士④ / Two of a Kind - 4
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5. 砂の海に這い寄る① / Crawling Up a Sea of Sand - 1
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5. 砂の海に這い寄る② / Crawling Up a Sea of Sand - 2
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5. 砂の海に這い寄る③ / Crawling Up a Sea of Sand - 3
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5. 砂の海に這い寄る④ / Crawling Up a Sea of Sand - 4
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6. 砂漠の楽園① / Paradise in the Desert - 1
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6. 砂漠の楽園② / Paradise in the Desert - 2
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6. 砂漠の楽園③ / Paradise in the Desert - 3
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6. 砂漠の楽園④ / Paradise in the Desert - 4
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7. トラップラビリンス① / Booby-Trapped Labyrinth - 1
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7. トラップラビリンス② / Booby-Trapped Labyrinth - 2
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7. トラップラビリンス③ / Booby-Trapped Labyrinth - 3
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7. トラップラビリンス④ / Booby-Trapped Labyrinth - 4
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8. 先駆者① / The Trailblazer - 1
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8. 先駆者② / The Trailblazer - 2
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8. 先駆者③ / The Trailblazer - 3
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9. マイ=ナツメ① / Mai=Natsume - 1
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9. マイ=ナツメ② / Mai=Natsume - 2
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9. マイ=ナツメ③ / Mai=Natsume - 3
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10. 見知らぬ街① / Unfamiliar Streets - 1
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10. 見知らぬ街② / Unfamiliar Streets - 2
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10. 見知らぬ街③ / Unfamiliar Streets - 3
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11. ツルギ① / Tsurugi - 1
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11. ツルギ② / Tsurugi - 2
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11. ツルギ③ / Tsurugi - 3
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12. 敵と仲間 / Foe and Friend
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