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(→2. 出口と門番② / Exit and Gatekeeper - 2: added transcript) |
||
Line 2,205: | Line 2,205: | ||
! colspan="2" | Summary | ! colspan="2" | Summary | ||
|- | |- | ||
| width="50%" | | | width="50%" | 『窯』を守るために配置された量産型テイガー。 | ||
| width=50%" | | 量産型とはいえあまりに貧弱な性能が気に入らな | ||
いココノエ。 | |||
| width=50%" | Mass-produced Tagers try to protect the Cauldron. Kokonoe dislikes how fragile the mass-produced ones are. | |||
|} | |} | ||
[[File:BBDW Chapter3 2-2 All.mp4|frameless|center]] | [[File:BBDW Chapter3 2-2 All.mp4|frameless|center]] | ||
<div class="scrolling-transcript"> | <div class="scrolling-transcript"> | ||
{| | {| | ||
|'''量産型テイガー''' | |||
オイ、ココノ……エェェェェェエエエッ!! | |||
|'''Mass-produced Tager''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''爆発した!?'''<br> | |||
2: '''テイガーさーーーん!''' | |||
| | |||
1:<br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
ふはははは! いい爆発だ! | |||
気分がいい。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
まったく別のタイプであるとはいえ…… | |||
なんとも複雑な気持ちだ……。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
そもそも、なぜ爆発する必要があるんだ……? | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
なにを言う。爆発はロマンだ。 | |||
それにデータや極秘の技術を隠蔽するには、もってこいだぞ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
確かに、爆破してしまえば跡形も残りませんし、 | |||
合理的です。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
合理性の前に優先してほしいものがある、という話なのだが……。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
日頃からの苦労が窺えるな。 | |||
性格に問題のある上司を持つと大変だ。 --うかが | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
ふん、お前には言われたくないな。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
何を言う、私は部下に優しい良き上司だ。 | |||
そうだろう、シエル。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
はい、カ……ラーベさんは優しい上司です。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''ソウデスネ'''<br> | |||
2: '''40%とか50%とか何とか……''' | |||
| | |||
1: <br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
なんだレイ。 | |||
この私に、なにか言いたいことでもあるのか? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
……苦労しているのだな、レイ。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
ところで……ひとつ質問をしてもよろしいですか。 | |||
今の防衛システムは、何故守っていたのでしょうか? | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
『何故』? | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
はい。テイガーさんにお会いする前に、 | |||
ゴーレムに襲撃されたとき、ラーベさんが言っていました。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
なにかを防衛しようとしているのなら、 | |||
防衛する目的がある、と。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
さっきの小さなテイガーさんたちは、一体誰が、 | |||
なんの目的で配備したものなのか、少し気になりました。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
なにを守っているのかと言えば、それは単純に | |||
『窯』だろうな。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
先程そのポンコツも言っていただろ? | |||
『窯』を破壊されないために、破壊しようとする者を排除する。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
……いや……奴等の構造と行動パターンからして、 | |||
守ろうとしている対象は、もっと手前の『出口』かもしれんが。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
とにかくそういうわけで、侵入者は見境なく襲うように | |||
設計されている。当然、私自身も含めてな。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
どちらにせよ、説得でどいてもらうことができない | |||
相手なら、排除するしかないってことだ。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
そうだな。テイガーのモデルを使用しているようだが、 | |||
性能はあまりにも貧弱だ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
排除に手間はかかっても、大きな危険はあるまい。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
むしろ私の世界が設けた防衛機構だというのなら、もっと | |||
性能の向上を図ってもらいたいものだ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
現状を『私』の程度と思われるのは、はなはだ不本意だ。 | |||
つまらん。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
排除対象の強化を望まないでくれ。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
おい、誰かこいつを黙らせろ。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
なにを言う。 | |||
向上心を失った科学者に存在意義があるか。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
わからんようなら、直接その体に教えてやるぞ? | |||
科学者の向上心がどういうものかをな。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
さあ、どんな新機能がほしい? | |||
特別に今すぐグレードアップしてやる。ポンコツお前もだ。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
腹で茶を沸かすか? | |||
脚部パーツを取り払って宙に浮けるようにしてやろうか? | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
それは遠慮させてもらおう……。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
宙に浮ける機能は便利だと思いますが。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
私は既に浮いてはいるのだが……。つかポンコツ言うな。 | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
まぁ……それはそれとして、ロマンは感じるぞ。 | |||
レイはどうだ? どんな機能がいい? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
| | |||
1: '''やっぱり、ロケットパンチかな'''<br> | |||
2: '''ここは合体機能とかどうでしょう''' | |||
| | |||
1: <br> | |||
2: | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
定番だがいい案だ。前向きに検討するとしよう。 | |||
ロケットらしく、着弾点で爆発するのもいいな。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
いいじゃないか、合体はいい。わかるぞ。 | |||
超合体テイガーロボ。うむ、悪くない。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
勘弁してくれ……。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
む……? | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
ココノエさん、どうかしましたか? | |||
……あっ! | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
| '''量産型テイガー''' | |||
オイ、ココノエ! | |||
|'''Mass-produced Tager''' | |||
|- | |||
|'''量産型テイガーA''' | |||
オイ、ココノエ! | |||
|'''Mass-produced Tager A''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
再び量産型テイガー(仮称)さんです。 | |||
先ほどよりも数が多いです。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ラーベ''' | |||
……(仮称)は必要なのか?? | |||
|'''Raabe''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
性能で足りない部分は数で補う、か。 | |||
どうやら状況に応じて防衛体制を変更させる頭脳はあるらしい。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
気は進まんが、再び撃破するしかなさそうだな。 | |||
|'''Tager''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
また自爆させればいいのですね。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''ココノエ''' | |||
ああ、念入りに破壊しろ。 | |||
もう二度と無駄口を利けないようにな。 | |||
|'''Kokonoe''' | |||
|- | |||
|'''シエル''' | |||
了解しました。 | |||
|'''Ciel''' | |||
|- | |||
|'''テイガー''' | |||
胃が痛くなってくる気分だな……。 | |||
|'''Tager''' | |||
|} | |} | ||
</div> | </div> |
Revision as of 01:50, 21 December 2021
BBDW Story Navigation (edit)
| |
---|---|
Prologue | one emerging possibility |
Main Story | Prologue · Chapter 1 · Chapter 2 · Chapter 3 · Chapter 4 · Chapter 5 |
Events | |
Character Stories (Unused Content) |
3002
1. ピンクの猫と赤い鬼① / Pink Cat and Red Devil - 1
Summary | |
---|---|
次にダイブするファントムフィールドは、明確な
形を持ったファントムフィールドだった。警戒し ながら浸入すると、シエルが窯の反応を感知する。 |
The next Phantom Field they Dive into is one with a clearly defined form. They stay on guard and Dive, and Ciel picks up the signal of a Cauldron. |
シエル
レイさん。 ……レイさん? |
Ciel
Rei-san. ...Rei-san? |
シエル
失礼します。レイさん、 返事がありませんでしたが、どうしましたか? |
Ciel
Excuse me. Rei-san, you're not responding. Are you alright? |
シエル
……あ。お休みだったのですね。 |
Ciel
...Oh. You must be sleeping. |
シエル
…………。 |
Ciel
.... |
シエル
レイさん。起きてください。 カガミさんが呼んでいます。 |
Ciel
Rei-san. Please wake up. Ms. Kagami is calling for you. |
1: うーん……おはよう、シエル |
1: Yeah...Good morning, Ciel. |
If Choice 1: | |
---|---|
シエル
あ。目が覚めてしまいましたか。 おはようございます、レイさん。 |
Ciel
Ah. You're awake. Good morning, Rei-san. |
1: なにかしようとしてた? |
1: Were you about to do something? |
シエル
はい。シンバルです。 思い切り叩こうとしていました。 |
Ciel
Yes. These are cymbals. I was about to bang them together with all my might. |
シエル
もしレイさんがお休み中で、 起きないようなら使えと、カガミさんから預かったものです。 |
Ciel
Ms. Kagami lent them to me to use in case you were asleep and wouldn't wake up. |
If Choice 2: | |
---|---|
シエル
……起きませんね……。 状態を確認。秘密兵器を使用します。 |
Ciel
...You're not waking up.... Assessing situation. Deploying secret weapon. |
1: うわぁぁぁぁっ!? |
1: Aaaaaaargh!? |
シエル
おはようございます、レイさん。 さすがカガミさんの秘密兵器です。すぐに目が覚めましたね。 |
Ciel
Good morning, Rei-san. Of course Ms. Kagami's secret weapon would produce immediate results. You woke up right away. |
シエル
これは、シンバルという楽器だそうです。 |
Ciel
These are cymbals, a kind of musical instrument. |
シエル
レイさんが起きなければ使うようにと、 預かりました。 |
Ciel
I borrowed them to use in case you wouldn't wake up. |
シエル
ぐっすり眠っていたようですが、
まだ前回の《 |
Ciel
You were sound asleep. You must still be tired from our last Dive. |
シエル
お疲れのところすみませんが、カガミさんが呼んでいます。 ご同行願えますか。 |
Ciel
I'm sorry to bother you while you're still tired, but Ms. Kagami is calling for you. Please come with me. |
シエル
お待たせしました、カガミさん。 レイさんをお連れしました。 |
Ciel
Thank you for waiting, Ms. Kagami. I have brought Rei-san. |
カガミ
お。やっと来たか。 待ちくたびれたぞ、レイ。 |
Kagami
Ah, you're finally here. You've really kept us waiting, Rei. |
シエル
私もまだお聞きしていませんが、ご用件はなんでしょうか? 次の任務ですか? |
Ciel
What did you need from us? I haven't heard yet either. Is it our next mission? |
カガミ
その通り。 次のお前達の目的地―― |
Kagami
That's exactly it. Your next destination― |
カガミ
つまり、次に《 |
Kagami
―that is, the next Phantom Field you're going to Dive into, has been decided. |
カガミ
いやぁ、中々好調な発見速度じゃないか。 これもレイの奮闘のおかげだぞ。感謝、感謝。 |
Kagami |
カガミ
というわけで、このたび観測されたファントムフィールドに 早速赴き、観測者を捜索してきてくれ。 |
Kagami |
カガミ
もちろん最終目的は、窯の破壊だ。 わかっているな? |
Kagami |
シエル
はい。了解しました。 |
Ciel |
カガミ
ん? なんだ、レイ。 難しい顔をして。 |
Kagami |
1: あの……カガミさん |
1: Um...Ms. Kagami |
カガミ
あぁ……前回の《 |
Kagami
Ah...is this about what you heard during your last Dive? Yeah. I think it was made pretty clear. |
カガミ
……そうだね、『私』が言った通り、 私達の世界は消滅している。 |
Kagami
....That's right, as "I" said, our world was erased. |
カガミ
理由や原因に関して、今は詳しく説明出来ないけど、 『観測者』が関わっていることは間違いない。 |
Kagami
I can't explain to you the exact cause or reason for it yet, but there's no mistake that an "Observer" was involved. |
1: 観測者が? |
1: An Observer? |
カガミ
……疑問に思ってることはわかるよ。 |
Kagami
...I know you're having doubts right now. |
カガミ
私たちの世界も、今、『私たち』が行っているように、 『観測者を解放したから消滅した』と……思っているよね? |
Kagami
You're probably thinking that our world, like those worlds "we" have been to, "had its Observer released and was erased"...right? |
1: ………… |
1: .... |
カガミ
うん。だからね、把握しておいてほしい。 |
Kagami
Yeah. That's why I want to make this clear. |
カガミ
解放された世界は、消滅しないよ。 正しい世界の形へと『修正』『再構築』されるんだ。 |
Kagami
The worlds that have been released are not erased. They're "corrected" and "reconstructed" into their proper shapes. |
カガミ
未来の可能性としてね。 |
Kagami
As the possibilities of the future. |
カガミ
でも、私たちの世界はそうじゃなかった。 『消滅』した。綺麗サッパリ。 |
Kagami
But, our world wasn't like that. It was "erased". Cleanly and completely. |
カガミ
だから今、私たちは戦っている。 消滅した世界を救うためにね。 |
Kagami
That's why right now, we're fighting...so we can save the world that was erased. |
カガミ
さっきも言ったけど、今は詳しく説明できない。 だけどそれでも、レイ。 |
Kagami
I said this earlier, too, but I can't explain it in detail right now. Even so, Rei. |
カガミ
今は私を信用してほしい。 |
Kagami
I want you to trust me. |
カガミ
それに、うまく行けば世界を救った英雄になれるぞ。 |
Kagami
And if things go well, you might just become a hero who saves the world. |
1: 英雄……ですか |
1: A hero...is it? |
カガミ
重く考えて世界が救えるならそうするけど、 幸か不幸か、私たちはもう失うものは無いからね。 |
Kagami
If making things serious would help save the world then I'd do it, but for better or for worse, we have nothing left to lose. |
1: 次はどんな場所なんですか? |
1: Where are we going next? |
カガミ
ありがとうレイ。 |
Kagami
Thank you, Rei. |
カガミ
そうだね。詳しいことは実際に《浸入》してみないことには、 なんとも言えないんだが……。 ダイブ | |
カガミ
ちょっと気になることがあるんだ。 | |
'
シエル 気になること、ですか? | |
カガミ
今までのファントムフィールドに比べると、 世界の形が明確すぎる、とでも言えばいいのかな。 |
Kagami
You could say, compared to the Phantom Fields we've visited up until now, this one's world is too well defined. |
カガミ
ファントムフィールドというのは、仮初の世界なだけあって 全体像のはっきりしない、あやふやなものでもあるんだが……。 |
Kagami
Because Phantom Fields are by nature transient worlds, a Field's overall shape is usually unclear, and itself, vague. |
カガミ
今回のは、全体像がくっきりしている。 簡単に言えば、ひとつの大きな都市だ。 |
Kagami
This time, the overall shape is clear-cut. Basically, it's a single City. |
カガミ
その『都市』しかない世界。そこだけがくっきり切り取られた 世界……あるいは、そこ以外を排除した世界……。 |
Kagami
...And nothing else. Either it's a world that cut out exactly that one city, or it’s one that has erased everything else.... |
カガミ
と、言えるかな……? とにかく輪郭が明確すぎて 逆に不明瞭……いや、未解析な部分が多いんだ。 |
Kagami
...I guess you could say? Anyway, the boundaries are so clear-cut that it's become completely unclear...no, unanalyzed. |
カガミ
実際どうしてこういう形になったのかはわからないが、 そのあたりに、観測者を特定する手がかりがあるかもしれないな。 |
Kagami
We have no idea why the world might have taken this shape, but there may be a clue to who the Observer is in it. |
シエル
あの、世界がはっきりしているということは、 それだけ観測の条件がいいということでしょうか? |
Ciel
Um, if the world is this clear, then that means the conditions for Observation have been met, right? |
TC
イエス。今回の作戦成功確率は52パーセントです。 |
TC
YES. The chance of success for the current operation is 52 percent. |
1: それは大丈夫なんですか? |
1: Is this going to be alright? |
カガミ
五分五分で成功するんだし。もう成功したも同然じゃないか。 |
Kagami
That's basically half-half. It's as if you've already succeeded. |
TC
ノー。作戦はまだ遂行されていません。 |
TC
NO. The operation has not started yet. |
カガミ
細かいことはいいの。水を差すんじゃない。 |
Kagami
Details, details. Don't rain on our parade. |
TB
まあ、ちょっとは安心していいんじゃないかな。 これでも今までの作戦で、最も高い成功率だしね。 |
TB
Well, you can relax a little. The operations you've undertaken up until now had much lower rates of success, after all. |
TA
よって、今回は比較的安定した作戦行動となる。 |
TA
Therefore, you can consider this time a more stable operation than before. |
シエル
了解しました。 |
Ciel |
カガミ
ん? なんだ、レイ。微妙そうな顔をして。 |
Kagami
Hm? What's wrong, Rei? You're making a strange expression. |
カガミ
念のため言っておくけど、これはお前たちを 送り込むという行為に対する確率だぞ。 |
Kagami
Just so you know, that's the percentage of sending you guys there. |
カガミ
実際のファントムフィールド内での作戦成功確率は、もっと低い。 安心しろ! |
Kagami
The chance of your mission succeeding within the Phantom Field itself is actually much lower. So relax! |
1: 安心できない! |
1: How can I relax!? |
If Choice 2: | |
---|---|
カガミ
ははは、うんうん。そうだな。 |
Kagami
Hahaha, yep yep. That's it. |
シエル
カガミさん、レイさんはあまり安心できて いないようです!! |
Ciel
Ms. Kagami, Rei-san doesn't seem very reassured! |
カガミ
あれ、なんで? ファントムフィールド浸入の成功確率が 10パーセントちょっとだったこともあったんだ。 |
Kagami
Oh, why not? There were times when Diving into a Phantom Field had just about a 10% chance of success. |
カガミ
それが今や、タカマガハラシステムが補強されてきたとはいえ、 50パーセントを越えてくるとは……。 |
Kagami
And to think that now, thanks to the Takamagahara System's reinforcement, we've managed to exceed 50%... |
カガミ
感無量だよ。 それもこれも、お前の存在あってこそだ、レイ。 |
Kagami
It's very moving. It's all thanks to you being here, Rei. |
シエル
それは……そうですね。 確かにレイさんが一緒だと、心強いです。 |
Ciel
That...That's right. It's true that with Rei here, it's very reassuring. |
カガミ
もしお前たちが肉体を失うことになっても、 魂はサルベージしてやる。バックアップ体制も万全だ。 |
Kagami
If you ever happen to lose your physical body, we'll salvage your soul. Your backup body is already ready to go. |
1: ……え、『魂は』? |
1: ....Huh, my "soul?" |
シエル
問題は、ファントムフィールドの観測者ですね。 | |
シエル
前回は観測者が中々特定できずに、苦心しました。 今回はなるべく早い段階で特定ができると望ましいです。 | |
カガミ
まったくだな。ちゃっちゃと見つけて、ちゃっちゃと窯を 破壊して、するーんとフガクに戻ってきてほしいもんだ。 | |
カガミ
とはいえ、そんな都合よく観測者が 名乗り出てくれるはずもない。 | |
カガミ
しかも、これだけ克明な世界を築く相手だ。 一筋縄ではいかないかもしれないな。 | |
シエル
そうですか……。心してかかります。 | |
カガミ
そうしてくれ。ま、いつものことだけど。 | |
カガミ
いやな、ロクな情報もないまま、未知の世界に放り込まれ、 誰ともわからぬ人を探す任務。厳しいことを課しているとは思う。 | |
カガミ
だがまあ、大丈夫でしょ。これまでもなんとなかったし。 今回もきっとなんとかなるなる。 | |
TB
前向きに考えたほうが、物事は好転する、なんて 考え方もあるそうだしね。 | |
カガミ
さあ、長話をしている時間はないぞ。 そろそろスタンバイしてもらおうか、ふたりとも。 | |
シエル
了解。レイさん、こちらへ。 | |
カガミ
向こうについたら、ラーベの言うことをよく聞いて、 頑張るんだぞー。それでは……。 | |
スタッフ
ファントムフィールド、接続完了しました。 タカマガハラシステム、ランニング。 |
Staff
Phantom Field, contact complete. Takamagahara System, running. |
カガミ
よし。
|
Kagami
Alright, begin the Dive! |
シエル
…… | |
ラーベ
こちらも問題なし、絶好調だぞ。 さてさて、レイのバイタルは……。 | |
ラーベ
よーし、問題なし。無事、 | |
シエル
ここが、今回探索するファントムフィールドですね。 | |
シエル
この風景……何処か見覚えがあるのですが。 | |
ラーベ
ふむ……確か統制機構とやらの階層都市……だったか。
| |
ラーベ
……レイ、気を抜くな。 シエル、周囲をサーチしろ。 | |
シエル
了解です。 | |
シエル
………………。 | |
シエル、どう?
……静かだね | |
シエル
はい、……とても、静かです……。人の気配も感知出来ません。 | |
シエル
ですが…… あらゆる所から、微かに機械の駆動音のようなものが聞こえます。 | |
シエル
構造的に前回 | |
ラーベ
ふーむ、機械音ねぇ……。潜んでいるのか、 本当にいないのか……。少し歩き回ってみるか。 | |
シエル
……あれ。……あれれ?? ラーベさん、レイさん。変です。 | |
え、なに?
どうしたのシエル? | |
シエル
窯の反応を感知しました。 | |
ラーベ
…………はぁ!? | |
シエル
窯が出現しています……。場所は……すみません、 不明なのですが。 | |
シエル
確かにこれは、窯の反応です。 | |
は……早いですね
問題解決ですか? | |
ラーベ
逸るなレイ。 | |
ラーベ
それより……シエルが窯の反応を感知しているのに、 場所は不明? ……どういうことだ?? | |
ラーベ
……まぁいい……よくないけど、今は窯の対応が先か。 | |
ラーベ
つまり、自身が観測者であることを認識している…… って、ことになっちゃうんだが? | |
ラーベ
うん。そうだな。フガクからの観測でも不明瞭な 点が多かったし、まだ浸入したばかりだからな。 | |
ラーベ
ひとまず、あらゆる可能性を前提にして情報収取を……。 | |
ラーベ
いや。ちょっと待て。 その前に対処すべき問題がやってきたみたいだ。 | |
シエル
! 反応を確認。前方から複数接近してきます。 | |
シエル
あれは……人型の人工物のようです。 敵対反応を感知しました。 | |
ラーベ
窯の次は早速敵か。 慌ただしいファントムフィールドだな。 | |
ラーベ
よし、まずは小手調べだ。 やっておしまい。 | |
シエル
アイアイ……了解しました。対象を確認。 戦闘態勢に移行します。 |
1. ピンクの猫と赤い鬼➁ / Pink Cat and Red Devil - 2
Summary | |
---|---|
なにかの用途として配備されたゴーレムと戦闘。
なぜそこに配備されたのかの理由を探るため、 情報収集を続ける。 |
They fight the golem, which seems to have been placed there purposefully. They continue gathering information to find out why it's been stationed there. |
シエル
戦闘終了。 対象の排除を完了しました。 |
Ciel |
ラーベ
いわゆるゴーレムってやつだね。でも基本構造は機械式で ロボットに近いようだけど……機械音の原因はこれか? |
Raabe |
ラーベ
人が居ない都市を徘徊するロボット……。 しかも緑生い茂る公園を……か、ちょっとロマンあるな。 |
Raabe |
1: 人はいないんでしょうか? |
1: |
ラーベ
ふむ……。 |
Raabe |
ラーベ
ゴーレムが自然発生する特殊環境下でないのなら、 作成し、配置した何者かがいる……あるいは、いたはずだな。 |
Raabe |
シエル
私達を排除しようとしていたようです。 |
Ciel |
ラーベ
そもそも私たちは、このファントムフィールドにとって 『異物』だ。こういったものに狙われるのは当然だけど……。 |
Raabe |
ラーベ
そもそもこいつらが配備された理由はなんなんだろうな。 |
Raabe |
シエル
この場所の防衛でしょうか。もしくは侵入者や遭遇者の 排除などが考えられます。 |
Ciel |
ラーベ
防衛にせよ、排除にせよ、そうする理由があるはずだ。 まず取っ掛かりとしてはその辺りからかな。 |
Raabe |
ラーベ
お……? |
Raabe |
1. まだまだたくさん来た! |
1: |
ラーベ
そうだな。でも対話だけが情報収集じゃないぞ。 こいつらの構造に行動パターン、じっくり観察させてもらう。 |
Raabe |
シエル
対象、多数。いきます。 |
Ciel |
1. ピンクの猫と赤い鬼③ / Pink Cat and Red Devil - 3
Summary | |
---|---|
ゴーレムは防衛目的で配備されたと推測するラー
ベ。さらなる情報収集をしようとしていると、赤 い巨影がシエル達の前に立ちはだかる。 |
Raabe suspects the golems were set up for defense. Before they can continue gathering information, a giant, red shadow looms over them. |
『赤鬼』テイガーと共にココノエの研究室へ向か
うシエル達。ココノエは自らが『観測者』である と告白し、窯の破壊に協力しろと言う。 |
Rei, Ciel, and Raabe head for Kokonoe's lab together with the "Red Devi" Tager. Kokonoe reveals herself that she's the "Observer" and asks them to cooperate with her to destroy the Cauldron. |
ラーベ
……ほー、なるほど。こういう仕組みか。 |
Raabe |
シエル
なにかわかりましたか? |
Ciel |
ラーベ
こいつら、かなりシンプルな構造みたいだ。 |
Raabe |
ラーベ
単純な命令を、永続的に行うことを目的としている感じだが。 これだけシンプルにすると、逆にかなりの技術がいる。 |
Raabe |
ラーベ
作成者は相当な腕前の技師と見た。 |
Raabe |
シエル
なるほど。 ではどこかに、技師さんがいるかもしれませんね。 |
Ciel |
ラーベ
それから、行動パターンや中身からして、 こいつらは防衛目的で配備されたと推測できる。 |
Raabe |
ラーベ
となると、こいつらは何を……いや、何から守ろうと……。 |
Raabe |
???
見つけたぞ。 |
??? |
???
お前たちだな。侵入者というのは。 |
??? |
ラーベ
……とりあえず会話のできそうな奴はいるみたいだな。 |
Raabe |
シエル
すごく大きな方です。それにとても赤いですね……。 とにかく会話を試みてみます。 |
Ciel |
シエル
そこの赤い方、質問です。アナタは人間ですか? |
Ciel |
テイガー
……こちらテイガー。目標を発見した。 これより戦闘行動に入る。 |
Tager |
シエル
残念ながら会話は成立しませんでした! |
Ciel |
1: ……シエル、頑張れ! |
1: |
ラーベ
うん、大丈夫。 こうなるんじゃないかなぁ〜って、思ってたから。 |
Raabe |
ラーベ
それになるほど、報告を入れる相手もいる……か。 しかし、力ずくとは穏やかじゃないな。 |
Raabe |
テイガー
すまんが、これも仕事だ。 少々手荒になるぞ。 |
Tager |
シエル
対象、戦闘態勢に入りました。 迎撃します! |
Ciel |
シエル
っ、固い……。 |
Ciel |
テイガー
なかなかやるな。 ……このくらいで十分ではないか、ココノエ? |
Tager |
ココノエ
ああ。とりあえず今必要なデータは十分だ。 |
Kokonoe |
シエル
通常回線からの通信です! ですが……。 |
Ciel |
ラーベ
……なんだ、この性根の悪い解析妨害は……。 |
Raabe |
シエル
あらゆる方向から話しかけられるみたいで……。 凄く気持ち悪いです……。 |
Ciel |
ココノエ
おい、貴様ら。ちょっと顔を貸せ。 |
Kokonoe |
シエル
顔……ですか? すみません、私の顔は、 取り外すことができない構造になっています。 |
Ciel |
シエルそうじゃない
用があるから来てって意味だよ |
|
シエル
はっ……慣用句、比喩表現ですね。 失礼しました。 |
Ciel |
テイガー
……本当に、この者たちでいいのか? |
Tager |
ココノエ
……いささか不安だが、背に腹は代えられんだろうが。 |
Kokonoe |
ラーベ
こらこら。そっちで話を進めないでもらおうか。 私たちはまだ、『顔を貸す』ことを承諾していないぞ。 |
Raabe |
ラーベ
だいたいだ、用件も聞かず、初対面の相手の要求を ほいほいと気軽に呑めるか。 |
Raabe |
ココノエ
余計な手間は時間の無駄だ。 私のところまで来い。そうすれば説明してやる。 |
Kokonoe |
ココノエ
それに、『そちら』とて情報がほしいところだろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
ここが『どんな』場所で、『誰』が作ったのか……。 知りたいんじゃないのか? |
Kokonoe |
ラーベ
……ほう。それは当然、『こちら』のことを わかって言っているんだろうな? |
Raabe |
ココノエ
ふん。御託はいいからさっさと来い、『御剣機関』。 |
Kokonoe |
シエル
あ……映像が消えてしまいました。 |
Ciel |
ラーベ
なるほど……こちらの手の内はお見通しか。 食えない奴……いや、奴等か? |
Raabe |
テイガー
今のはココノエ。私の名はテイガーだ。 |
Tager |
シエル
テイガーさん……ココノエさん……了解。 認識しました。 |
Ciel |
シエル
私は判断できる立場にありません。 レイさん、どうされますか? |
Ciel |
1: 行ってみよう |
1: |
テイガー
助かる。私の上司は少々気難しいのでな。 |
Tager |
ラーベ
さっきのが上司か。やれやれ、ここから近いんだろうな。 わけもわからず長旅なんてごめんだぞ。 |
Raabe |
テイガー
安心しろ。すぐ近くだ。 |
Tager |
シエル
……ここは? |
Ciel |
1: 確か……図書館? |
1: |
テイガー
こっちだ。 |
Tager |
ラーベ
なるほど、こういう『仕組み』か……。 だが……なんだ、この感覚は? |
Raabe |
シエル
……正面。生体反応を感知しました。 |
Ciel |
ココノエ
遅いぞ。 |
Kokonoe |
テイガー
距離と速度を考えれば、至って平均的な経過時間だと思うが。 |
Tager |
ラーベ
人を呼びつけておいて、遅いだのなんだの文句とはな。 ずいぶんな態度じゃないか。 |
Raabe |
シエル
カガミさんも、よくそのようにおっしゃられます。 |
Ciel |
ラーベ
無邪気は時として首を絞めるぞ、シエル。 |
Raabe |
シエル
どういう意味でしょうか? |
Ciel |
ラーベ
いや、いい。今のお前にはちょっとばかり難しかったな。 |
Raabe |
シエル
意味を教えて頂ければ理解します。 |
Ciel |
ココノエ
……おい。話を進めるぞ。 |
Kokonoe |
シエル
あ。失礼しました。お願いします、ココノエさん。 |
Ciel |
ココノエ
ああ……テイガーから聞いたのか。 手間が省けた。それで、お前たち、名は? |
Kokonoe |
シエル
シエル=サルファー。御剣機関のスレイプニールです。 そして、こちらはレイさんです。 |
Ciel |
1: よろしくお願いします |
1: |
ラーベ
私はアストロラーベ。ラーベと呼ぶがいい。 |
Raabe |
ココノエ
シエル=サルファーにレイ、 それとポンコツボール……面倒だな、ポンコツでいいか。 |
Kokonoe |
ラーベ
その略し方には異議がある! つか、人の名前を勝手に変えるな!! |
Raabe |
ココノエ
お前たち。私に協力しろ。 |
Kokonoe |
シエル
協力? あの、なにへの協力を求められているのでしょうか? |
Ciel |
ラーベ
訂正しろ! 私はポンコツではないぞ!! |
Raabe |
1: すごい!! |
1: |
ココノエ
説明が必要か? そんなものは時間の無駄だ。 お前たちは私の指示に従い、行動すればいい。 |
Kokonoe |
ラーベ
…………どれだけ自分勝手なんだコイツ。 お前が説明してやると言ったから、ここまで来たんだぞ。 |
Raabe |
シエル
ココノエさん。私たちには任務があります。 それを放棄するわけにはいきません。 |
Ciel |
ココノエ
知っている。『観測者』を探しに来たんだろう。 だったらもう必要ない。 |
Kokonoe |
ココノエ
私が『観測者』だ。 |
Kokonoe |
シエル
……え? |
Ciel |
ラーベ
は? |
Raabe |
1: えええええええっ!? |
1: |
ココノエ
言われたことは一度で理解しろ、ポンコツとその一党。 |
Kokonoe |
ココノエ
私が、このファントムフィールドを構築した『観測者』だ、 と言ったんだ。 |
Kokonoe |
ラーベ
そう……きたか……。 |
Raabe |
ラーベ
すでに観測者本人が、自分のことを自覚していると。 |
Raabe |
ラーベ
だからさっきシエルは、浸入直後だっていうのに 窯の反応を感知できたんだな……。 |
Raabe |
ラーベ
あり得ない話じゃないが、にわかには信じがたい。 そのうえ、ファントムフィールドのことまで把握してるなんて。 |
Raabe |
ココノエ
実際に起こっている事象なのだから、 それを解明したまでだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
さすがに驚きはしたがな。 私を観測者として、『世界』が構築されているなど。 |
Kokonoe |
ココノエ
これ好都合とばかりにいくらか面白い実験も出来たが、 もうそろそろやれることも尽きてきた。 |
Kokonoe |
ココノエ
だからいい加減、この小癪な仮想世界、 『ファントムフィールド』というのか? それを終わらせたい。 |
Kokonoe |
ココノエ
お前たちの任務とやらでもあるのだろう? なら協力しろ。 |
Kokonoe |
ラーベ
…………つまり飽きたってことだろ。最低だなコイツ。 |
Raabe |
シエル
……ですが浸入直後に、観測者が自ら接触してくるなんて、 想定していませんでした。 |
Ciel |
ラーベ
こんなスムーズな展開があろうとは……。 だが、コイツの態度は気に入らん! |
Raabe |
ココノエ
知るか。それよりだ、確かに私は観測者で、 この世界を終わらせることに異論はない、むしろ早く終わらせろ。 |
Kokonoe |
ココノエ
そのためには『窯』を破壊して、私と境界との接続を 断つ必要があることも理解している……。 |
Kokonoe |
ココノエ
が……この世界は未だ存在している。 その意味は……わかるよな? |
Kokonoe |
ラーベ
……やはり観測者でも窯の破壊は不可能……と、いうことか。 |
Raabe |
ココノエ
観測者は『神』では無いからな。 何でもかんでも出来るわけではない。 |
Kokonoe |
ココノエ
だが……お前たちはその『 |
Kokonoe |
ココノエ
まぁ安心しろ。再構築が始まっても私は干渉しないと 約束してやる。 |
Kokonoe |
ラーベ
ちッ……そこまでも把握しているのか……。 ほんと何者だ、コイツ。 |
Raabe |
1: 窯の位置はわかるんですか? |
1: |
シエル
そうですね、教えてくださいココノエさん。 |
Ciel |
シエル
窯の存在は感知できましたが…… 実際にどこにあるのか、わからないのです……。 |
Ciel |
シエル
今まではもっとはっきり感じ取れていたのに。どうして 今回はこんなにも、漠然としか感知できないのでしょうか? |
Ciel |
ラーベ
窯の位置は不特定か……よほど巧妙に隠蔽されているか。 可能性は色々と考えられるが……。 |
Raabe |
ラーベ
おい猫耳、第三者の介入の可能性は? |
Raabe |
テイガー
他勢力の介入については不明だ、無いと断言は出来ない。 だが、窯の位置なら見当はついている。 |
Tager |
テイガー
そうだな、ココノエ? |
Tager |
ココノエ
ああ。 |
Kokonoe |
ラーベ
観測者が自覚している。窯の位置も判明しているとか……。 イレギュラーのオンパレードだな。 |
Raabe |
ラーベ
それで? 窯はどこにあるんだ? |
Raabe |
ココノエ
この都市の一番下だ。 |
Kokonoe |
シエル
下……地下ですか? |
Ciel |
ココノエ
ああ、そうだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
簡単に言えば、ここ、階層都市の最下層だ。 |
Kokonoe |
ラーベ
階層都市……そういえば以前にも聞いた名称だな。 猫耳、お前も統制機構とやらの関係者か? |
Raabe |
ココノエ
も?……なんの話だポンコツ。 |
Kokonoe |
ラーベ
んだと!? |
Raabe |
シエル
以前、第十七階層都市と呼称される場所で任務を行いましたが。 |
Ciel |
シエル
その時は統制機構と呼称される組織が、 階層都市の管理をしていました。 |
Ciel |
シエル
この都市も、第十七階層都市と同じ都市構造の様なので。 |
Ciel |
ココノエ
十七……か、その都市自体を私は知らんし、 統制機構の関係者でもない。 |
Kokonoe |
ココノエ
それに、階層都市と呼ばれるものは 大体同じような造りをしているからな。 |
Kokonoe |
ココノエ
市街の層をいくつも重ね、地上に充満する魔素から 逃れるべく、標高の高い位置に市街を築く……。 |
Kokonoe |
ココノエ
その最上部は統制機構のアジトが居座り…… 最下層、最深部には……必ず窯がある。 |
Kokonoe |
シエル
確かに第十七階層都市も、その様な構造になっていました。 |
Ciel |
ラーベ
だからこの階層都市の地下にも、窯がある、と? |
Raabe |
ココノエ
そうだ。というか、順番が逆だな。 |
Kokonoe |
ココノエ
観測者でありながら、窯の位置を明確に把握できない状況が 気に入らなかったのでな。 |
Kokonoe |
ココノエ
無駄を徹底的に省いて、ファントムフィールドの規模を 階層都市ひとつに縮小させた。 |
Kokonoe |
ココノエ
階層都市は窯の上に築かれる。 |
Kokonoe |
ココノエ
であれば、世界に階層都市ひとつしか存在しない以上、 窯は必然的に都市の地下に配置される。 |
Kokonoe |
ラーベ
……は? |
Raabe |
ラーベ
お……お前、窯の位置に必然性を生じさせるために、 世界の規模をいじった? 《世界構造》をいじったのか!? ワールドコンソール |
Raabe |
ラーベ
……とんでもない話……と言うかコイツ人間か? |
Raabe |
シエル
猫の様な耳と、尻尾が確認出来ます。 |
Ciel |
1: 気に……なるよね |
1: |
ココノエ
この世界は私の観測で構築されているんだろう。 だったら、そう認識してやればいいだけのことだ。 |
Kokonoe |
ラーベ
いやいやいやいや、そんなに自在に調整できるもんじゃないぞ。 |
Raabe |
ココノエ
できたのだから、問題あるまい。 |
Kokonoe |
シエル
そうですね。確かに合理的だと思います。 |
Ciel |
ラーベ
そういう問題じゃないんだが……。 |
Raabe |
ラーベ
くっ、私の感じている衝撃を理解できるやつが、 今ここにいない……! |
Raabe |
ココノエ
これでこちらの事情は理解できたな。 では早速、窯へ向かうぞ。テイガー、先導しろ。 |
Kokonoe |
テイガー
ああ。了解した。 |
Tager |
ココノエ
っと……そうだな。特殊な状況下だ。 一応、貴様らの意思を確認しておいてやろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
私に協力することに、異論はないな? |
Kokonoe |
ラーベ
なんでこいつはこう、いちいち上から目線なんだ……。 おい、レイ、シエル。 |
Raabe |
シエル
私はレイさんに従います。 |
Ciel |
ラーベ
はいはい、そう言うと思いましたよー。 |
Raabe |
ラーベ
悪いが猫耳。私は少々反省をしていてな。 お前を全面的に信用することはできない。 |
Raabe |
ラーベ
むしろ、話が突拍子すぎて信用するほうが難しい……。 |
Raabe |
ラーベ
だからレイ、お前が決めていいぞ。 今回に限り撤退も許可する。 |
Raabe |
1: 喜んで協力します!! |
1: |
ラーベ
<size=150%>少しは悩めよ!!!</size> |
Raabe |
シエル
そうですね。 |
Ciel |
シエル
ですが、ご安心ください。 レイさんは、必ず私がお守りします。 |
Ciel |
ココノエ
では決まりだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
貴様らが自ら決めたことだ。 あとで泣きごとを言うんじゃないぞ。 |
Kokonoe |
ラーベ
……嫌な予感がビンビンする。むしろ嫌な予感しかしない。 |
Raabe |
テイガー
……私が言うのもおかしな話だが。 ココノエの意思が作った世界なら、十分に気を付けることだ。 |
Tager |
テイガー
どんなとんでもないことが飛び出してきても、 おかしくはないからな。 |
Tager |
シエル
肝に銘じます。 |
Ciel |
2. 出口と門番① / Exit and Gatekeeper - 1
Summary | |
---|---|
窯への行き方がわからないというココノエ。施設
の奥にある『出口』へと向かう。その途中、見覚 えのある形の敵が現れる。 |
Kokonoe announces she's forgotten how to proceed, and they head for the "exit" deep within the facility. En route, a familiar enemy appears. |
???
……干渉してきた? ……いや、まだか。 しかしこの感覚……奴の報告と少し違うみたいだな……。 |
??? |
シエル
この辺りはとても複雑ですね。 まるで迷路のようです。 |
Ciel |
シエル
それに窓がないから、外の様子がわかりません。 ここは、階層都市のどの辺りの高さなのでしょうか。 |
Ciel |
ココノエ
さあな。私にもわからん。 少なくとも、すぐに窯に到達できるほど下層ではないだろう。 |
Kokonoe |
ラーベ
おい猫耳。まさか、地道に地下へと向かう訳じゃないよな? |
Raabe |
ラーベ
以前行った階層都市では、 一番上の建物から昇降機で一気に地下へ降りられたぞ。 |
Raabe |
ココノエ
……確かに、本来の階層都市では、その方法が一番手っ取り早い だろうが、今は難しい。 |
Kokonoe |
シエル
どうしてですか? |
Ciel |
ココノエ
先ず、それが可能なら、既にそうしている。 |
Kokonoe |
シエル
可能では無いのですか? |
Ciel |
ココノエ
……先程も話したとおり、私はこの世界の観測者ではあるが、 神では無い。 |
Kokonoe |
ココノエ
それに、『 |
Kokonoe |
ラーベ
つもり? はっ、やはりそういうことか。 お前、詰め込み過ぎたな! |
Raabe |
1: ココノエさんが不機嫌そうです! |
1: |
ラーベ
そうだな。簡単に言うと、この階層都市と言う枠の中に 世界を無理やり突っ込んだわけだ。 |
Raabe |
ラーベ
外観的には階層都市とやらの体をなしてはいるが、 その中身はあらゆる空間情報が無秩序に混在していて……。 |
Raabe |
シエル
よくわからない。と、いうことですね。 |
Ciel |
ココノエ
馬鹿を言うな。私がそんなミスをする訳ないだろ。 この世界は今、美しくも絶妙なバランスで構成されているぞ。 |
Kokonoe |
ラーベ
それってつまり、一歩間違えば危ういということだろ? よくあの『力』が発動しなかったな……。 |
Raabe |
ラーベ
それに先程の部屋だって……。 猫耳……お前、整理整頓が苦手だろ? |
Raabe |
ココノエ
黙っていろ、このポンコツ。 |
Kokonoe |
ラーベ
だ・か・らっ! 私をポンコツと呼ぶな!! |
Raabe |
シエル
と、ところで先程お話に出た統制機構とは、 以前関係した統制機構と同じ組織なのでしょうか? |
Ciel |
ラーベ
さあな……。だが安心したぞ。お前ほどの観測者でも
『 |
Raabe |
ラーベ
観測者はその知識や能力以上の世界を 構築することは出来ない。 |
Raabe |
ココノエ
それが出来ていれば、窯など既に破壊している。 お前らのようなポンコツ一党などには頼らんよ。 |
Kokonoe |
ラーベ
……おい猫耳、我々は撤退しても構わんのだぞ。 |
Raabe |
1: なんだか……' |
1: |
ココノエ・ラーベ
<size=150%>何だとコラァッ!!!</size> |
Kokonoe & Raabe |
テイガー
はぁ……。シエル=サルファー、先程の疑問に対しての 返答となるかわからんが……。 |
Tager |
テイガー
この階層都市では統制機構が機能していないのだ。 というより、存在していない。 |
Tager |
テイガー
辺りを見て、違和感を覚えないか? ここはどこだと思う? |
Tager |
シエル
そうですね……雰囲気からして、研究所か開発所のような、 なにかの施設のようです。……あ。 |
Ciel |
シエル
そういえば、 ココノエさんとテイガーさん以外、誰もいません。 |
Ciel |
シエル
……簡単に周囲をサーチしてみましたが、 誰かがいる気配はありませんね……無人の施設なのですか? |
Ciel |
テイガー
外れではないが、正解でもないな。 |
Tager |
テイガー
この階層都市には、我々以外、ほとんど人間は存在しない。 |
Tager |
テイガー
アストロラーベの言う通り、外部の形状と内部の構造が 同一では無い状態だからな。 |
Tager |
テイガー
統制機構の施設が存在するかも不明といえる。 |
Tager |
テイガー
少なくとも、コンタクトが取れる状況ではないな……。 |
Tager |
テイガー
……まあ、コンタクトできたとしても、 我々に統制機構が協力してくれるとも思えんがな。 |
Tager |
ラーベ
ほう、お前たちは統制機構とやらと、どんな関係なんだ? |
Raabe |
テイガー
お世辞にも、良好とは言えんな。 |
Tager |
テイガー
私とココノエは第七機関という組織に属している。 世界虚空情報統制機構とは、いわば敵同士だ。 |
Tager |
シエル
なるほど。そもそも関係が悪い組織の施設であるうえに、 人が存在しないのだから、稼働しているか不明なのですね。 |
Ciel |
テイガー
そうだ。 ……とはいえ、それが根本的な理由ではないんだがな。 |
Tager |
ラーベ
……ん? おい、そもそも質問に答えてもらってないぞ。 私たちはこれからどういう手段で窯を目指すんだ? |
Raabe |
ココノエ
わからん。 |
Kokonoe |
1: え……!? |
1: |
ココノエ
だから、わからんと言っている。 |
Kokonoe |
ココノエ
なぜなら私とテイガーは、 この階層より下に降りたことがないのだからな。 |
Kokonoe |
ココノエ
現在位置が階層都市のどの辺りなのかはもちろん、 このエリアがどうなっているのかも知らん。 |
Kokonoe |
シエル
で、ですが、先程この階層都市を構築したのはココノエさんだと 仰っていませんでしたか? |
Ciel |
ココノエ
うむ。構築はしたが、内部構造を把握しているとは、 一言も言っていないぞ。 |
Kokonoe |
ラーベ
なんてことだ……それが根本的な理由か……。 |
Raabe |
ココノエ
それに私は、この階層都市を観測し続ける為に、 あの場所を動くことが出来なかったからな。 |
Kokonoe |
ラーベ
……だから詰め込みすぎなんだよ。 |
Raabe |
ココノエ
ふん。だが、貴様らが外部から、このファントムフィールドへ 干渉したのを感知したときは、しめたと思ったものだ。 |
Kokonoe |
ラーベ
だから浸入した直後にも関わらず、テイガーとやらは こちらを探していたかのように行動していたわけだな。 |
Raabe |
シエル
私たちの浸入が、感知されていたのですか? |
Ciel |
ラーベ
普通は不可能だ。こいつが常軌を逸しているにすぎない。 だが、今後の参考にはなるな。 |
Raabe |
ココノエ
それなりの対策をしていたからだ……。 |
Kokonoe |
ココノエ
しかもどうやら、想定していた以上に使える人材らしい。 実に好都合だったよ。 |
Kokonoe |
ココノエ
ん。褒めているんだぞ、喜べ。 |
Kokonoe |
ラーベ
嬉しくないわ! |
Raabe |
ココノエ
お前じゃない、ポンコツ。 |
Kokonoe |
ラーベ
ちっ……レイか。 |
Raabe |
ココノエ
うむ。中々面白い |
Kokonoe |
シエル
カ……ラーベさんは |
Ciel |
シエル
…………あ。……すみません。 |
Ciel |
ラーベ
別にいいよ。大方、テイガーとやらの戦闘が、 レイのデータ取りだったのだろ? |
Raabe |
ラーベ
それに、ココノエはこの世界の観測者で、それを自覚もしている。 |
Raabe |
ラーベ
下手に隠しごとをするより、情報を伝えた方が効率も良いだろう。 |
Raabe |
シエル
なるほど……。了解しました。 |
Ciel |
ラーベ
だが、反省はしろ。 |
Raabe |
シエル
はい……以後気をつけます……。 |
Ciel |
ココノエ
まぁ、私に情報を素直に開示するのは良い心がけだぞ。 |
Kokonoe |
ココノエ
しかし、 |
Kokonoe |
ココノエ
とにかく、レイが私の存在を 『観測』してくれるのであれば。 |
Kokonoe |
ココノエ
この世界を自由に動き回ることが出来る。 |
Kokonoe |
ココノエ
私の存在を証明してくれていたのは、テイガーと 部屋にあった機材だけだったからな。 |
Kokonoe |
ココノエ
レイ、頼りにしているぞ。 |
Kokonoe |
お、お役に立てているようで……
あ、ありがとうございます? | |
ラーベ
ん? 何だ?? シエルといい、レイに 観測された奴等はみんなレイに甘くなるのか? |
Raabe |
ラーベ
あれ? それまずくない?? |
Raabe |
シエル
ラーベさん、何か言いましたか? |
Ciel |
ラーベ
あ、いや、何でもない。 |
Raabe |
ラーベ
おい、猫耳。レイの力を利用するのは構わんが、 この世界には干渉させるなよ。 |
Raabe |
ラーベ
この惨状だ、何が起こるか分かったもんじゃない。 |
Raabe |
ココノエ
ふん。この私を誰だと思っている? |
Kokonoe |
ラーベ
知るか。とにかく、このエリアを抜ける手段を探さないと 駄目なわけだが……。 |
Raabe |
シエル
ココノエさんは、とてもすごい観測者さんなのですよね? |
Ciel |
シエル
それほどすごい力を持っているのなら、窯への 到達ルートを簡潔にすることも、できるのではありませんか? |
Ciel |
ココノエ
それができれば、こんな苦労はしなくてすむんだがな。 |
Kokonoe |
ラーベ
全くだ。良いか、レイ、シエル。 ここから先は、この猫耳の理性と本能の戦いのようなものだ。 |
Raabe |
ラーベ
ココノエは確かに卓越した観測者であるが、『人間』である以上、 何をどうしようとも、決して抗うことはできない……。 |
Raabe |
ラーベ
その意思、無意識に沿って、世界は自らを護る為に、 ある『力』を発動させる。 |
Raabe |
ラーベ
それが、この世界が存続するための、『 |
Raabe |
ラーベ
誰かが……特に、この世界、ファントムフィールドに 大きな影響を与える観測者が窯に近付くことは……。 |
Raabe |
ラーベ
世界の存続を危うくさせる行為でもある。ましてや、 ココノエは、窯の破壊を望む観測者だ。その力が必ず働く。 |
Raabe |
ラーベ
ココノエがこのエリアより下層に降りることが出来なかったのは、 それが事由だ。 |
Raabe |
ラーベ
誰であろうと、自分を刺そうと豪語している奴など、 好んで近づけたくなどないだろ? |
Raabe |
ラーベ
それが、自分の分身だったらどうする? |
Raabe |
ラーベ
むしろ今のココノエは、このファントムフィールドにとって 最大の敵ですらある。 |
Raabe |
ラーベ
……素直に行かせてくれる訳が無いだろ? |
Raabe |
1: なるほど…… |
1: |
シエル
つまり、窯へ向かうことが、容易では無いと言うことですね。 |
Ciel |
ラーベ
この件にかんしては、ココノエにレイを 観測者として認識された時点で私たちの詰みだ……。 |
Raabe |
ラーベ
障害を何とかして、窯まで辿り着く以外に方法は無い。 |
Raabe |
ココノエ
ふっ……。私自身が私を阻むとはな。厄介な話だ。 |
Kokonoe |
テイガー
まったくだ。敵がココノエかと思うと、頭が痛い。 |
Tager |
ココノエ
私は天才だからな。私を倒せる手段などない。 |
Kokonoe |
ラーベ
自分で言い切るんじゃない。本当になかったら、 ファントムフィールドの解放などできないだろうが。 |
Raabe |
ココノエ
その辺りについては、貴様らの働きに期待する。 |
Kokonoe |
ラーベ
自分の始末は自分でつけてもらいたいものだなぁ! 天才なら特に! |
Raabe |
シエル
あの。ところで、今私たちはどこへ向かっているのですか? |
Ciel |
ココノエ
ああ。このなんらかの施設の、一番奥だ。 |
Kokonoe |
シエル
そこには、なにがあるのですか? |
Ciel |
ココノエ
『なに』……そうだな、アレをなんと呼ぶか。 |
Kokonoe |
ココノエ
相応しい名前かどうか、データ不足でわからんが。 一応『出口』としておこうか。 |
Kokonoe |
シエル
『出口』……ですか? |
Ciel |
ココノエ
この施設、というより、このエリアの出口だ。 ……おそらくな。 |
Kokonoe |
ラーベ
確証はないわけか。 |
Raabe |
ココノエ
ない。だが、そうでなければ不自然だ。 |
Kokonoe |
シエル
それはなぜです? |
Ciel |
ココノエ
質問が多いなお前……。まぁいい、見ればわかる。 |
Kokonoe |
ココノエ
……お。早速、第一波のお出ましだぞ。 |
Kokonoe |
テイガー
……来たか。 |
Tager |
シエル
未確認の反応を感知しました。警戒します。 |
Ciel |
ラーベ
こちらでも確認した。結構な数だな……ん? |
Raabe |
んんん?
見覚えのある形…… | |
量産型テイガー
オイ、ココノエ! |
Mass-Produced Tager |
量産型テイガーA
オイ、ココノエ! |
Mass-Produced Tager A |
量産型テイガーB
オイ、ココノエ! |
Mass-Produced Tager B |
シエル
これは……少し小柄なテイガーさんです! |
Ciel |
テイガー
……できれば、あまり見られたくはなかったが……。 |
Tager |
ココノエ
この辺りの防衛を担当しているシステムらしくてな。 後から後から出てくるんだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
『量産型テイガー(仮称)』とでも呼称してやろう。 |
Kokonoe |
ココノエ
撃破しないことには、ここを通れない。 遠慮はいらん、思いっきりぶっ壊してやれ。 |
Kokonoe |
い、いいんですか?
ちょっと罪悪感が…… | |
ココノエ
構わん。どーんとやってやれ。 |
Kokonoe |
テイガー
おい、ココノエ……。 |
Tager |
量産型テイガー
オイ、ココノエ! オイ、ココノエ! |
Mass-produced Tager |
ラーベ
……(仮称)、不憫だな……。 |
Raabe |
シエル
小さいテイガーさん、来ます! 戦闘態勢に移行し、通路を確保します。 |
Ciel |
2. 出口と門番② / Exit and Gatekeeper - 2
Summary | |
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『窯』を守るために配置された量産型テイガー。
量産型とはいえあまりに貧弱な性能が気に入らな いココノエ。 |
Mass-produced Tagers try to protect the Cauldron. Kokonoe dislikes how fragile the mass-produced ones are. |
量産型テイガー
オイ、ココノ……エェェェェェエエエッ!! |
Mass-produced Tager |
1: 爆発した!? |
1: |
ココノエ
ふはははは! いい爆発だ! 気分がいい。 |
Kokonoe |
テイガー
まったく別のタイプであるとはいえ…… なんとも複雑な気持ちだ……。 |
Tager |
テイガー
そもそも、なぜ爆発する必要があるんだ……? |
Tager |
ココノエ
なにを言う。爆発はロマンだ。 それにデータや極秘の技術を隠蔽するには、もってこいだぞ。 |
Kokonoe |
シエル
確かに、爆破してしまえば跡形も残りませんし、 合理的です。 |
Ciel |
テイガー
合理性の前に優先してほしいものがある、という話なのだが……。 |
Tager |
ラーベ
日頃からの苦労が窺えるな。 性格に問題のある上司を持つと大変だ。 --うかが |
Raabe |
ココノエ
ふん、お前には言われたくないな。 |
Kokonoe |
ラーベ
何を言う、私は部下に優しい良き上司だ。 そうだろう、シエル。 |
Raabe |
シエル
はい、カ……ラーベさんは優しい上司です。 |
Ciel |
1: ソウデスネ |
1: |
ラーベ
なんだレイ。 この私に、なにか言いたいことでもあるのか? |
Raabe |
テイガー
……苦労しているのだな、レイ。 |
Tager |
シエル
ところで……ひとつ質問をしてもよろしいですか。 今の防衛システムは、何故守っていたのでしょうか? |
Ciel |
テイガー
『何故』? |
Tager |
シエル
はい。テイガーさんにお会いする前に、 ゴーレムに襲撃されたとき、ラーベさんが言っていました。 |
Ciel |
シエル
なにかを防衛しようとしているのなら、 防衛する目的がある、と。 |
Ciel |
シエル
さっきの小さなテイガーさんたちは、一体誰が、 なんの目的で配備したものなのか、少し気になりました。 |
Ciel |
ココノエ
なにを守っているのかと言えば、それは単純に 『窯』だろうな。 |
Kokonoe |
ココノエ
先程そのポンコツも言っていただろ? 『窯』を破壊されないために、破壊しようとする者を排除する。 |
Kokonoe |
ココノエ
……いや……奴等の構造と行動パターンからして、 守ろうとしている対象は、もっと手前の『出口』かもしれんが。 |
Kokonoe |
ココノエ
とにかくそういうわけで、侵入者は見境なく襲うように 設計されている。当然、私自身も含めてな。 |
Kokonoe |
ラーベ
どちらにせよ、説得でどいてもらうことができない 相手なら、排除するしかないってことだ。 |
Raabe |
ココノエ
そうだな。テイガーのモデルを使用しているようだが、 性能はあまりにも貧弱だ。 |
Kokonoe |
ココノエ
排除に手間はかかっても、大きな危険はあるまい。 |
Kokonoe |
ココノエ
むしろ私の世界が設けた防衛機構だというのなら、もっと 性能の向上を図ってもらいたいものだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
現状を『私』の程度と思われるのは、はなはだ不本意だ。 つまらん。 |
Kokonoe |
テイガー
排除対象の強化を望まないでくれ。 |
Tager |
ラーベ
おい、誰かこいつを黙らせろ。 |
Raabe |
ココノエ
なにを言う。 向上心を失った科学者に存在意義があるか。 |
Kokonoe |
ココノエ
わからんようなら、直接その体に教えてやるぞ? 科学者の向上心がどういうものかをな。 |
Kokonoe |
ココノエ
さあ、どんな新機能がほしい? 特別に今すぐグレードアップしてやる。ポンコツお前もだ。 |
Kokonoe |
ココノエ
腹で茶を沸かすか? 脚部パーツを取り払って宙に浮けるようにしてやろうか? |
Kokonoe |
テイガー
それは遠慮させてもらおう……。 |
Tager |
シエル
宙に浮ける機能は便利だと思いますが。 |
Ciel |
ラーベ
私は既に浮いてはいるのだが……。つかポンコツ言うな。 |
Raabe |
ラーベ
まぁ……それはそれとして、ロマンは感じるぞ。 レイはどうだ? どんな機能がいい? |
Raabe |
1: やっぱり、ロケットパンチかな |
1: |
ココノエ
定番だがいい案だ。前向きに検討するとしよう。 ロケットらしく、着弾点で爆発するのもいいな。 |
Kokonoe |
ココノエ
いいじゃないか、合体はいい。わかるぞ。 超合体テイガーロボ。うむ、悪くない。 |
Kokonoe |
テイガー
勘弁してくれ……。 |
Tager |
ココノエ
む……? |
Kokonoe |
シエル
ココノエさん、どうかしましたか? ……あっ! |
Ciel |
量産型テイガー
オイ、ココノエ! |
Mass-produced Tager |
量産型テイガーA
オイ、ココノエ! |
Mass-produced Tager A |
シエル
再び量産型テイガー(仮称)さんです。 先ほどよりも数が多いです。 |
Ciel |
ラーベ
……(仮称)は必要なのか?? |
Raabe |
ココノエ
性能で足りない部分は数で補う、か。 どうやら状況に応じて防衛体制を変更させる頭脳はあるらしい。 |
Kokonoe |
テイガー
気は進まんが、再び撃破するしかなさそうだな。 |
Tager |
シエル
また自爆させればいいのですね。 |
Ciel |
ココノエ
ああ、念入りに破壊しろ。 もう二度と無駄口を利けないようにな。 |
Kokonoe |
シエル
了解しました。 |
Ciel |
テイガー
胃が痛くなってくる気分だな……。 |
Tager |
2. 出口と門番③ / Exit and Gatekeeper - 3
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2. 出口と門番④ / Exit and Gatekeeper - 4
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3. 森の中の出会い① / A Meeting in the Forest - 1
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3. 森の中の出会い② / A Meeting in the Forest - 2
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3. 森の中の出会い③ / A Meeting in the Forest - 3
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4. 似た者同士① / Two of a Kind - 1
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4. 似た者同士② / Two of a Kind - 2
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4. 似た者同士③ / Two of a Kind - 3
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4. 似た者同士④ / Two of a Kind - 4
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5. 砂の海に這い寄る① / Crawling Up a Sea of Sand - 1
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5. 砂の海に這い寄る② / Crawling Up a Sea of Sand - 2
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5. 砂の海に這い寄る③ / Crawling Up a Sea of Sand - 3
Summary | |
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5. 砂の海に這い寄る④ / Crawling Up a Sea of Sand - 4
Summary | |
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6. 砂漠の楽園① / Paradise in the Desert - 1
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6. 砂漠の楽園② / Paradise in the Desert - 2
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6. 砂漠の楽園③ / Paradise in the Desert - 3
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6. 砂漠の楽園④ / Paradise in the Desert - 4
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7. トラップラビリンス① / Booby-Trapped Labyrinth - 1
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7. トラップラビリンス② / Booby-Trapped Labyrinth - 2
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7. トラップラビリンス③ / Booby-Trapped Labyrinth - 3
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7. トラップラビリンス④ / Booby-Trapped Labyrinth - 4
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8. 先駆者① / The Trailblazer - 1
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8. 先駆者② / The Trailblazer - 2
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8. 先駆者③ / The Trailblazer - 3
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9. マイ=ナツメ① / Mai=Natsume - 1
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9. マイ=ナツメ② / Mai=Natsume - 2
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9. マイ=ナツメ③ / Mai=Natsume - 3
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10. 見知らぬ街① / Unfamiliar Streets - 1
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10. 見知らぬ街② / Unfamiliar Streets - 2
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10. 見知らぬ街③ / Unfamiliar Streets - 3
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11. ツルギ① / Tsurugi - 1
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11. ツルギ② / Tsurugi - 2
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11. ツルギ③ / Tsurugi - 3
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12. 敵と仲間 / Foe and Friend
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