Story:BBDW Chapter 3: Difference between revisions

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==Chapter 3: The Mechanized Town (機械じかけの町 ''Kikaijikake no Machi'')==
 
'''Chapter 3: The Mechanized Town (機械じかけの町 ''Kikaijikake no Machi'')'''


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Revision as of 18:08, 1 January 2022

Chapter 3: The Mechanized Town (機械じかけの町 Kikaijikake no Machi)

The brand new infiltration of a Phantom Field.
Only the sounds of the churning machinery reverberate through this strange, lifeless world.

As Ciel and the group investigate this mechanized world,
a cyborg that looks like a "Red Devil" and a self-proclaimed "Genius Scientist" named Kokonoe appear before them.

What is their goal? And, who are these new antagonists that have also shown up?
BlazBlue Alternative: Dark War Chapter 3 The Mechanized Town[1]

1. ピンクの猫と赤い鬼① / Pink Cat and Red Devil - 1

Summary
次にダイブするファントムフィールドは、明確な

形を持ったファントムフィールドだった。警戒し ながら浸入すると、シエルが窯の反応を感知する。

The next Phantom Field they Dive into is one with a clearly defined form. They stay on guard and Dive, and Ciel picks up the signal of a Cauldron.
シエル

レイさん。 ……レイさん?

Ciel

Rei-san. ...Rei-san?

シエル

失礼します。レイさん、 返事がありませんでしたが、どうしましたか?

Ciel

Excuse me. Rei-san, you're not responding. Are you alright?

シエル

……あ。お休みだったのですね。

Ciel

...Oh. You must be sleeping.

シエル

…………。

Ciel

....

シエル

レイさん。起きてください。 カガミさんが呼んでいます。

Ciel

Rei-san. Please wake up. Ms. Kagami is calling for you.

1: うーん……おはよう、シエル
2: むにゃむにゃ……あと5分……

1: Yeah...Good morning, Ciel.
2: Mnyam mnyam...5 more minutes...

If Choice 1:
シエル

あ。目が覚めてしまいましたか。 おはようございます、レイさん。

Ciel

Ah. You're awake. Good morning, Rei-san.

1: なにかしようとしてた?
2: なにを持ってるの?

1: Were you about to do something?
2: What's that in your hands?

シエル

はい。シンバルです。 思い切り叩こうとしていました。

Ciel

Yes. These are cymbals. I was about to bang them together with all my might.

シエル

もしレイさんがお休み中で、 起きないようなら使えと、カガミさんから預かったものです。

Ciel

Ms. Kagami lent them to me to use in case you were asleep and wouldn't wake up.

If Choice 2:
シエル

……起きませんね……。 状態を確認。秘密兵器を使用します。

Ciel

...You're not waking up.... Assessing situation. Deploying secret weapon.

1: うわぁぁぁぁっ!?
2: な、なに、今の物凄い音……!?

1: Aaaaaaargh!?
2: Wh-what!? What was that sound!?

シエル

おはようございます、レイさん。 さすがカガミさんの秘密兵器です。すぐに目が覚めましたね。

Ciel

Good morning, Rei-san. Of course Ms. Kagami's secret weapon would produce immediate results. You woke up right away.

シエル

これは、シンバルという楽器だそうです。

Ciel

These are cymbals, a kind of musical instrument.

シエル

レイさんが起きなければ使うようにと、 預かりました。

Ciel

I borrowed them to use in case you wouldn't wake up.

シエル

ぐっすり眠っていたようですが、 まだ前回の《浸入ダイブ》の疲れが残っているのでしょうか。

Ciel

You were sound asleep. You must still be tired from our last Dive.

シエル

お疲れのところすみませんが、カガミさんが呼んでいます。 ご同行願えますか。

Ciel

I'm sorry to bother you while you're still tired, but Ms. Kagami is calling for you. Please come with me.

シエル

お待たせしました、カガミさん。 レイさんをお連れしました。

Ciel

Thank you for waiting, Ms. Kagami. I have brought Rei-san.

カガミ

お。やっと来たか。 待ちくたびれたぞ、レイ。

Kagami

Ah, you're finally here. You've really kept us waiting, Rei.

シエル

私もまだお聞きしていませんが、ご用件はなんでしょうか? 次の任務ですか?

Ciel

What did you need from us? I haven't heard yet either. Is it our next mission?

カガミ

その通り。 次のお前達の目的地――

Kagami

That's exactly it. Your next destination―

カガミ

つまり、次に《浸入ダイブ》するファントムフィールドが決定した。

Kagami

―that is, the next Phantom Field you're going to Dive into, has been decided.

カガミ

いやぁ、中々好調な発見速度じゃないか。 これもレイの奮闘のおかげだぞ。感謝、感謝。

Kagami
カガミ

というわけで、このたび観測されたファントムフィールドに 早速赴き、観測者を捜索してきてくれ。

Kagami
カガミ

もちろん最終目的は、窯の破壊だ。 わかっているな?

Kagami
シエル

はい。了解しました。

Ciel
カガミ

ん? なんだ、レイ。 難しい顔をして。

Kagami

1: あの……カガミさん
2: ちょっと聞きたいことが

1: Um...Ms. Kagami
2: There's something I want to ask

カガミ

あぁ……前回の《浸入ダイブ》のときに、聞いた話か。 うん。把握はしているよ。

Kagami

Ah...is this about what you heard during your last Dive? Yeah. I think it was made pretty clear.

カガミ

……そうだね、『私』が言った通り、 私達の世界は消滅している。

Kagami

....That's right, as "I" said, our world was erased.

カガミ

理由や原因に関して、今は詳しく説明出来ないけど、 『観測者』が関わっていることは間違いない。

Kagami

I can't explain to you the exact cause or reason for it yet, but there's no mistake that an "Observer" was involved.

1: 観測者が?
2: まさかそれって……

1: An Observer?
2: You don't mean...

カガミ

……疑問に思ってることはわかるよ。

Kagami

...I know you're having doubts right now.

カガミ

私たちの世界も、今、『私たち』が行っているように、 『観測者を解放したから消滅した』と……思っているよね?

Kagami

You're probably thinking that our world, like those worlds "we" have been to, "had its Observer released and was erased"...right?

1: …………
2: はい……

1: ....
2: Yes...

カガミ

うん。だからね、把握しておいてほしい。

Kagami

Yeah. That's why I want to make this clear.

カガミ

解放された世界は、消滅しないよ。 正しい世界の形へと『修正』『再構築』されるんだ。

Kagami

The worlds that have been released are not erased. They're "corrected" and "reconstructed" into their proper shapes.

カガミ

未来の可能性としてね。

Kagami

As the possibilities of the future.

カガミ

でも、私たちの世界はそうじゃなかった。 『消滅』した。綺麗サッパリ。

Kagami

But, our world wasn't like that. It was "erased". Cleanly and completely.

カガミ

だから今、私たちは戦っている。 消滅した世界を救うためにね。

Kagami

That's why right now, we're fighting...so we can save the world that was erased.

カガミ

さっきも言ったけど、今は詳しく説明できない。 だけどそれでも、レイ。

Kagami

I said this earlier, too, but I can't explain it in detail right now. Even so, Rei.

カガミ

今は私を信用してほしい。

Kagami

I want you to trust me.

カガミ

それに、うまく行けば世界を救った英雄になれるぞ。

Kagami

And if things go well, you might just become a hero who saves the world.

1: 英雄……ですか
2: なんだか軽いですね

1: A hero...is it?
2: Seems lighthearted

カガミ

重く考えて世界が救えるならそうするけど、 幸か不幸か、私たちはもう失うものは無いからね。

Kagami

If making things serious would help save the world then I'd do it, but for better or for worse, we have nothing left to lose.

1: 次はどんな場所なんですか?
2: 次はどんな世界なんですか?

1: Where are we going next?
2: What kind of world is next?

カガミ

ありがとうレイ。

Kagami

Thank you, Rei.

カガミ

そうだね。詳しいことは実際に《浸入》してみないことには、 なんとも言えないんだが……。 ダイブ

カガミ

ちょっと気になることがあるんだ。

'

シエル 気になること、ですか?

カガミ

今までのファントムフィールドに比べると、 世界の形が明確すぎる、とでも言えばいいのかな。

Kagami

You could say, compared to the Phantom Fields we've visited up until now, this one's world is too well defined.

カガミ

ファントムフィールドというのは、仮初の世界なだけあって 全体像のはっきりしない、あやふやなものでもあるんだが……。

Kagami

Because Phantom Fields are by nature transient worlds, a Field's overall shape is usually unclear, and itself, vague.

カガミ

今回のは、全体像がくっきりしている。 簡単に言えば、ひとつの大きな都市だ。

Kagami

This time, the overall shape is clear-cut. Basically, it's a single City.

カガミ

その『都市』しかない世界。そこだけがくっきり切り取られた 世界……あるいは、そこ以外を排除した世界……。

Kagami

...And nothing else. Either it's a world that cut out exactly that one city, or it’s one that has erased everything else....

カガミ

と、言えるかな……? とにかく輪郭が明確すぎて 逆に不明瞭……いや、未解析な部分が多いんだ。

Kagami

...I guess you could say? Anyway, the boundaries are so clear-cut that it's become completely unclear...no, unanalyzed.

カガミ

実際どうしてこういう形になったのかはわからないが、 そのあたりに、観測者を特定する手がかりがあるかもしれないな。

Kagami

We have no idea why the world might have taken this shape, but there may be a clue to who the Observer is in it.

シエル

あの、世界がはっきりしているということは、 それだけ観測の条件がいいということでしょうか?

Ciel

Um, if the world is this clear, then that means the conditions for Observation have been met, right?

TC

イエス。今回の作戦成功確率は52パーセントです。

TC

YES. The chance of success for the current operation is 52 percent.

1: それは大丈夫なんですか?
2: 思ったより低いような……

1: Is this going to be alright?
2: That's lower than I thought...

カガミ

五分五分で成功するんだし。もう成功したも同然じゃないか。

Kagami

That's basically half-half. It's as if you've already succeeded.

TC

ノー。作戦はまだ遂行されていません。

TC

NO. The operation has not started yet.

カガミ

細かいことはいいの。水を差すんじゃない。

Kagami

Details, details. Don't rain on our parade.

TB

まあ、ちょっとは安心していいんじゃないかな。 これでも今までの作戦で、最も高い成功率だしね。

TB

Well, you can relax a little. The operations you've undertaken up until now had much lower rates of success, after all.

TA

よって、今回は比較的安定した作戦行動となる。

TA

Therefore, you can consider this time a more stable operation than before.

シエル

了解しました。

Ciel
カガミ

ん? なんだ、レイ。微妙そうな顔をして。

Kagami

Hm? What's wrong, Rei? You're making a strange expression.

カガミ

念のため言っておくけど、これはお前たちを 送り込むという行為に対する確率だぞ。

Kagami

Just so you know, that's the percentage of sending you guys there.

カガミ

実際のファントムフィールド内での作戦成功確率は、もっと低い。 安心しろ!

Kagami

The chance of your mission succeeding within the Phantom Field itself is actually much lower. So relax!

1: 安心できない!
2: ソレハアンシンデスネー

1: How can I relax!?
2: Oh, very reassuring.

If Choice 2:
カガミ

ははは、うんうん。そうだな。

Kagami

Hahaha, yep yep. That's it.

シエル

カガミさん、レイさんはあまり安心できて いないようです!!

Ciel

Ms. Kagami, Rei-san doesn't seem very reassured!

カガミ

あれ、なんで? ファントムフィールド浸入の成功確率が 10パーセントちょっとだったこともあったんだ。

Kagami

Oh, why not? There were times when Diving into a Phantom Field had just about a 10% chance of success.

カガミ

それが今や、タカマガハラシステムが補強されてきたとはいえ、 50パーセントを越えてくるとは……。

Kagami

And to think that now, thanks to the Takamagahara System's reinforcement, we've managed to exceed 50%...

カガミ

感無量だよ。 それもこれも、お前の存在あってこそだ、レイ。

Kagami

It's very moving. It's all thanks to you being here, Rei.

シエル

それは……そうですね。 確かにレイさんが一緒だと、心強いです。

Ciel

That...That's right. It's true that with Rei here, it's very reassuring.

カガミ

もしお前たちが肉体を失うことになっても、 魂はサルベージしてやる。バックアップ体制も万全だ。

Kagami

If you ever happen to lose your physical body, we'll salvage your soul. Your backup body is already ready to go.

1: ……え、『魂は』?
2: また凄いことを聞いた……

1: ....Huh, my "soul?"
2: Wow, what a thing to say....

シエル

問題は、ファントムフィールドの観測者ですね。

シエル

前回は観測者が中々特定できずに、苦心しました。 今回はなるべく早い段階で特定ができると望ましいです。

カガミ

まったくだな。ちゃっちゃと見つけて、ちゃっちゃと窯を 破壊して、するーんとフガクに戻ってきてほしいもんだ。

カガミ

とはいえ、そんな都合よく観測者が 名乗り出てくれるはずもない。

カガミ

しかも、これだけ克明な世界を築く相手だ。 一筋縄ではいかないかもしれないな。

シエル

そうですか……。心してかかります。

カガミ

そうしてくれ。ま、いつものことだけど。

カガミ

いやな、ロクな情報もないまま、未知の世界に放り込まれ、 誰ともわからぬ人を探す任務。厳しいことを課しているとは思う。

カガミ

だがまあ、大丈夫でしょ。これまでもなんとなかったし。 今回もきっとなんとかなるなる。

TB

前向きに考えたほうが、物事は好転する、なんて 考え方もあるそうだしね。

カガミ

さあ、長話をしている時間はないぞ。 そろそろスタンバイしてもらおうか、ふたりとも。

シエル

了解。レイさん、こちらへ。

カガミ

向こうについたら、ラーベの言うことをよく聞いて、 頑張るんだぞー。それでは……。

スタッフ

ファントムフィールド、接続完了しました。 タカマガハラシステム、ランニング。

Staff

Phantom Field, contact complete. Takamagahara System, running.

カガミ

よし。 《浸入》ダイブ、開始!

Kagami

Alright, begin the Dive!

シエル

……《浸入》ダイブ、完了。 機能に問題ありません。

ラーベ

こちらも問題なし、絶好調だぞ。 さてさて、レイのバイタルは……。

ラーベ

よーし、問題なし。無事、《浸入》ダイブ成功だね。

シエル

ここが、今回探索するファントムフィールドですね。

シエル

この風景……何処か見覚えがあるのですが。

ラーベ

ふむ……確か統制機構とやらの階層都市……だったか。 《浸入》ダイブに失敗したとは思えんが。

ラーベ

……レイ、気を抜くな。 シエル、周囲をサーチしろ。

シエル

了解です。

シエル

………………。

シエル、どう?

……静かだね

シエル

はい、……とても、静かです……。人の気配も感知出来ません。

シエル

ですが…… あらゆる所から、微かに機械の駆動音のようなものが聞こえます。

シエル

構造的に前回《浸入》ダイブした 場所と大きな違いは感じられないのですが……。

ラーベ

ふーむ、機械音ねぇ……。潜んでいるのか、 本当にいないのか……。少し歩き回ってみるか。

シエル

……あれ。……あれれ?? ラーベさん、レイさん。変です。

え、なに?

どうしたのシエル?

シエル

窯の反応を感知しました。

ラーベ

…………はぁ!?

シエル

窯が出現しています……。場所は……すみません、 不明なのですが。

シエル

確かにこれは、窯の反応です。

は……早いですね

問題解決ですか?

ラーベ

逸るなレイ。

ラーベ

それより……シエルが窯の反応を感知しているのに、 場所は不明? ……どういうことだ??

ラーベ

……まぁいい……よくないけど、今は窯の対応が先か。

ラーベ

つまり、自身が観測者であることを認識している…… って、ことになっちゃうんだが?

ラーベ

うん。そうだな。フガクからの観測でも不明瞭な 点が多かったし、まだ浸入したばかりだからな。

ラーベ

ひとまず、あらゆる可能性を前提にして情報収取を……。

ラーベ

いや。ちょっと待て。 その前に対処すべき問題がやってきたみたいだ。

シエル

! 反応を確認。前方から複数接近してきます。

シエル

あれは……人型の人工物のようです。 敵対反応を感知しました。

ラーベ

窯の次は早速敵か。 慌ただしいファントムフィールドだな。

ラーベ

よし、まずは小手調べだ。 やっておしまい。

シエル

アイアイ……了解しました。対象を確認。 戦闘態勢に移行します。

1. ピンクの猫と赤い鬼➁ / Pink Cat and Red Devil - 2

Summary
なにかの用途として配備されたゴーレムと戦闘。

なぜそこに配備されたのかの理由を探るため、 情報収集を続ける。

They fight the golem, which seems to have been placed there purposefully. They continue gathering information to find out why it's been stationed there.
シエル

戦闘終了。 対象の排除を完了しました。

Ciel
ラーベ

いわゆるゴーレムってやつだね。でも基本構造は機械式で ロボットに近いようだけど……機械音の原因はこれか?

Raabe
ラーベ

人が居ない都市を徘徊するロボット……。 しかも緑生い茂る公園を……か、ちょっとロマンあるな。

Raabe

1: 人はいないんでしょうか?
2: どうしてゴーレムが?

1:
2:

ラーベ

ふむ……。

Raabe
ラーベ

ゴーレムが自然発生する特殊環境下でないのなら、 作成し、配置した何者かがいる……あるいは、いたはずだな。

Raabe
シエル

私達を排除しようとしていたようです。

Ciel
ラーベ

そもそも私たちは、このファントムフィールドにとって 『異物』だ。こういったものに狙われるのは当然だけど……。

Raabe
ラーベ

そもそもこいつらが配備された理由はなんなんだろうな。

Raabe
シエル

この場所の防衛でしょうか。もしくは侵入者や遭遇者の 排除などが考えられます。

Ciel
ラーベ

防衛にせよ、排除にせよ、そうする理由があるはずだ。 まず取っ掛かりとしてはその辺りからかな。

Raabe
ラーベ

お……?

Raabe

1. まだまだたくさん来た!
2. 情報は聞き出せなさそうですね……

1:
2:

ラーベ

そうだな。でも対話だけが情報収集じゃないぞ。 こいつらの構造に行動パターン、じっくり観察させてもらう。

Raabe
シエル

対象、多数。いきます。

Ciel

1. ピンクの猫と赤い鬼③ / Pink Cat and Red Devil - 3

Summary
ゴーレムは防衛目的で配備されたと推測するラー

ベ。さらなる情報収集をしようとしていると、赤 い巨影がシエル達の前に立ちはだかる。

Raabe suspects the golems were set up for defense. Before they can continue gathering information, a giant, red shadow looms over them.
『赤鬼』テイガーと共にココノエの研究室へ向か

うシエル達。ココノエは自らが『観測者』である と告白し、窯の破壊に協力しろと言う。

Rei, Ciel, and Raabe head for Kokonoe's lab together with the "Red Devi" Tager. Kokonoe reveals herself that she's the "Observer" and asks them to cooperate with her to destroy the Cauldron.
ラーベ

……ほー、なるほど。こういう仕組みか。

Raabe
シエル

なにかわかりましたか?

Ciel
ラーベ

こいつら、かなりシンプルな構造みたいだ。

Raabe
ラーベ

単純な命令を、永続的に行うことを目的としている感じだが。 これだけシンプルにすると、逆にかなりの技術がいる。

Raabe
ラーベ

作成者は相当な腕前の技師と見た。

Raabe
シエル

なるほど。 ではどこかに、技師さんがいるかもしれませんね。

Ciel
ラーベ

それから、行動パターンや中身からして、 こいつらは防衛目的で配備されたと推測できる。

Raabe
ラーベ

となると、こいつらは何を……いや、何から守ろうと……。

Raabe
???

見つけたぞ。

???
???

お前たちだな。侵入者というのは。

???
ラーベ

……とりあえず会話のできそうな奴はいるみたいだな。

Raabe
シエル

すごく大きな方です。それにとても赤いですね……。 とにかく会話を試みてみます。

Ciel
シエル

そこの赤い方、質問です。アナタは人間ですか?

Ciel
テイガー

……こちらテイガー。目標を発見した。 これより戦闘行動に入る。

Tager
シエル

残念ながら会話は成立しませんでした!

Ciel

1: ……シエル、頑張れ!
2: 無視されたのでは……?

1:
2:

ラーベ

うん、大丈夫。 こうなるんじゃないかなぁ〜って、思ってたから。

Raabe
ラーベ

それになるほど、報告を入れる相手もいる……か。 しかし、力ずくとは穏やかじゃないな。

Raabe
テイガー

すまんが、これも仕事だ。 少々手荒になるぞ。

Tager
シエル

対象、戦闘態勢に入りました。 迎撃します!

Ciel
シエル

っ、固い……。

Ciel
テイガー

なかなかやるな。 ……このくらいで十分ではないか、ココノエ?

Tager
ココノエ

ああ。とりあえず今必要なデータは十分だ。

Kokonoe
シエル

通常回線からの通信です! ですが……。

Ciel
ラーベ

……なんだ、この性根の悪い解析妨害は……。

Raabe
シエル

あらゆる方向から話しかけられるみたいで……。 凄く気持ち悪いです……。

Ciel
ココノエ

おい、貴様ら。ちょっと顔を貸せ。

Kokonoe
シエル

顔……ですか? すみません、私の顔は、 取り外すことができない構造になっています。

Ciel
シエルそうじゃない

用があるから来てって意味だよ

シエル

はっ……慣用句、比喩表現ですね。 失礼しました。

Ciel
テイガー

……本当に、この者たちでいいのか?

Tager
ココノエ

……いささか不安だが、背に腹は代えられんだろうが。

Kokonoe
ラーベ

こらこら。そっちで話を進めないでもらおうか。 私たちはまだ、『顔を貸す』ことを承諾していないぞ。

Raabe
ラーベ

だいたいだ、用件も聞かず、初対面の相手の要求を ほいほいと気軽に呑めるか。

Raabe
ココノエ

余計な手間は時間の無駄だ。 私のところまで来い。そうすれば説明してやる。

Kokonoe
ココノエ

それに、『そちら』とて情報がほしいところだろう。

Kokonoe
ココノエ

ここが『どんな』場所で、『誰』が作ったのか……。 知りたいんじゃないのか?

Kokonoe
ラーベ

……ほう。それは当然、『こちら』のことを わかって言っているんだろうな?

Raabe
ココノエ

ふん。御託はいいからさっさと来い、『御剣機関』。

Kokonoe
シエル

あ……映像が消えてしまいました。

Ciel
ラーベ

なるほど……こちらの手の内はお見通しか。 食えない奴……いや、奴等か?

Raabe
テイガー

今のはココノエ。私の名はテイガーだ。

Tager
シエル

テイガーさん……ココノエさん……了解。 認識しました。

Ciel
シエル

私は判断できる立場にありません。 レイさん、どうされますか?

Ciel

1: 行ってみよう
2: 会ってみよう

1:
2:

テイガー

助かる。私の上司は少々気難しいのでな。

Tager
ラーベ

さっきのが上司か。やれやれ、ここから近いんだろうな。 わけもわからず長旅なんてごめんだぞ。

Raabe
テイガー

安心しろ。すぐ近くだ。

Tager
シエル

……ここは?

Ciel

1: 確か……図書館?
2: 統制機構……だっけ?

1:
2:

テイガー

こっちだ。

Tager
ラーベ

なるほど、こういう『仕組み』か……。 だが……なんだ、この感覚は?

Raabe
シエル

……正面。生体反応を感知しました。

Ciel
ココノエ

遅いぞ。

Kokonoe
テイガー

距離と速度を考えれば、至って平均的な経過時間だと思うが。

Tager
ラーベ

人を呼びつけておいて、遅いだのなんだの文句とはな。 ずいぶんな態度じゃないか。

Raabe
シエル

カガミさんも、よくそのようにおっしゃられます。

Ciel
ラーベ

無邪気は時として首を絞めるぞ、シエル。

Raabe
シエル

どういう意味でしょうか?

Ciel
ラーベ

いや、いい。今のお前にはちょっとばかり難しかったな。

Raabe
シエル

意味を教えて頂ければ理解します。

Ciel
ココノエ

……おい。話を進めるぞ。

Kokonoe
シエル

あ。失礼しました。お願いします、ココノエさん。

Ciel
ココノエ

ああ……テイガーから聞いたのか。 手間が省けた。それで、お前たち、名は?

Kokonoe
シエル

シエル=サルファー。御剣機関のスレイプニールです。 そして、こちらはレイさんです。

Ciel

1: よろしくお願いします
2: はじめましてレイです!

1:
2:

ラーベ

私はアストロラーベ。ラーベと呼ぶがいい。

Raabe
ココノエ

シエル=サルファーにレイ、 それとポンコツボール……面倒だな、ポンコツでいいか。

Kokonoe
ラーベ

その略し方には異議がある!  つか、人の名前を勝手に変えるな!!

Raabe
ココノエ

お前たち。私に協力しろ。

Kokonoe
シエル

協力? あの、なにへの協力を求められているのでしょうか?

Ciel
ラーベ

訂正しろ! 私はポンコツではないぞ!!

Raabe

1: すごい!!
2: 話が全く噛み合っていない!

1:
2:

ココノエ

説明が必要か? そんなものは時間の無駄だ。 お前たちは私の指示に従い、行動すればいい。

Kokonoe
ラーベ

…………どれだけ自分勝手なんだコイツ。 お前が説明してやると言ったから、ここまで来たんだぞ。

Raabe
シエル

ココノエさん。私たちには任務があります。 それを放棄するわけにはいきません。

Ciel
ココノエ

知っている。『観測者』を探しに来たんだろう。 だったらもう必要ない。

Kokonoe
ココノエ

私が『観測者』だ。

Kokonoe
シエル

……え?

Ciel
ラーベ

は?

Raabe

1: えええええええっ!?
2: 今、なんて言いました……?

1:
2:

ココノエ

言われたことは一度で理解しろ、ポンコツとその一党。

Kokonoe
ココノエ

私が、このファントムフィールドを構築した『観測者』だ、 と言ったんだ。

Kokonoe
ラーベ

そう……きたか……。

Raabe
ラーベ

すでに観測者本人が、自分のことを自覚していると。

Raabe
ラーベ

だからさっきシエルは、浸入直後だっていうのに 窯の反応を感知できたんだな……。

Raabe
ラーベ

あり得ない話じゃないが、にわかには信じがたい。 そのうえ、ファントムフィールドのことまで把握してるなんて。

Raabe
ココノエ

実際に起こっている事象なのだから、 それを解明したまでだ。

Kokonoe
ココノエ

さすがに驚きはしたがな。 私を観測者として、『世界』が構築されているなど。

Kokonoe
ココノエ

これ好都合とばかりにいくらか面白い実験も出来たが、 もうそろそろやれることも尽きてきた。

Kokonoe
ココノエ

だからいい加減、この小癪な仮想世界、 『ファントムフィールド』というのか? それを終わらせたい。

Kokonoe
ココノエ

お前たちの任務とやらでもあるのだろう? なら協力しろ。

Kokonoe
ラーベ

…………つまり飽きたってことだろ。最低だなコイツ。

Raabe
シエル

……ですが浸入直後に、観測者が自ら接触してくるなんて、 想定していませんでした。

Ciel
ラーベ

こんなスムーズな展開があろうとは……。 だが、コイツの態度は気に入らん!

Raabe
ココノエ

知るか。それよりだ、確かに私は観測者で、 この世界を終わらせることに異論はない、むしろ早く終わらせろ。

Kokonoe
ココノエ

そのためには『窯』を破壊して、私と境界との接続を 断つ必要があることも理解している……。

Kokonoe
ココノエ

が……この世界は未だ存在している。 その意味は……わかるよな?

Kokonoe
ラーベ

……やはり観測者でも窯の破壊は不可能……と、いうことか。

Raabe
ココノエ

観測者は『神』では無いからな。 何でもかんでも出来るわけではない。

Kokonoe
ココノエ

だが……お前たちはその『《術》すべ』を持っているのだろ?

Kokonoe
ココノエ

まぁ安心しろ。再構築が始まっても私は干渉しないと 約束してやる。

Kokonoe
ラーベ

ちッ……そこまでも把握しているのか……。 ほんと何者だ、コイツ。

Raabe

1: 窯の位置はわかるんですか?
2: 窯へはどうやって行くんですか?

1:
2:

シエル

そうですね、教えてくださいココノエさん。

Ciel
シエル

窯の存在は感知できましたが…… 実際にどこにあるのか、わからないのです……。

Ciel
シエル

今まではもっとはっきり感じ取れていたのに。どうして 今回はこんなにも、漠然としか感知できないのでしょうか?

Ciel
ラーベ

窯の位置は不特定か……よほど巧妙に隠蔽されているか。 可能性は色々と考えられるが……。

Raabe
ラーベ

おい猫耳、第三者の介入の可能性は?

Raabe
テイガー

他勢力の介入については不明だ、無いと断言は出来ない。 だが、窯の位置なら見当はついている。

Tager
テイガー

そうだな、ココノエ?

Tager
ココノエ

ああ。

Kokonoe
ラーベ

観測者が自覚している。窯の位置も判明しているとか……。 イレギュラーのオンパレードだな。

Raabe
ラーベ

それで? 窯はどこにあるんだ?

Raabe
ココノエ

この都市の一番下だ。

Kokonoe
シエル

下……地下ですか?

Ciel
ココノエ

ああ、そうだ。

Kokonoe
ココノエ

簡単に言えば、ここ、階層都市の最下層だ。

Kokonoe
ラーベ

階層都市……そういえば以前にも聞いた名称だな。 猫耳、お前も統制機構とやらの関係者か?

Raabe
ココノエ

も?……なんの話だポンコツ。

Kokonoe
ラーベ

んだと!?

Raabe
シエル

以前、第十七階層都市と呼称される場所で任務を行いましたが。

Ciel
シエル

その時は統制機構と呼称される組織が、 階層都市の管理をしていました。

Ciel
シエル

この都市も、第十七階層都市と同じ都市構造の様なので。

Ciel
ココノエ

十七……か、その都市自体を私は知らんし、 統制機構の関係者でもない。

Kokonoe
ココノエ

それに、階層都市と呼ばれるものは 大体同じような造りをしているからな。

Kokonoe
ココノエ

市街の層をいくつも重ね、地上に充満する魔素から 逃れるべく、標高の高い位置に市街を築く……。

Kokonoe
ココノエ

その最上部は統制機構のアジトが居座り…… 最下層、最深部には……必ず窯がある。

Kokonoe
シエル

確かに第十七階層都市も、その様な構造になっていました。

Ciel
ラーベ

だからこの階層都市の地下にも、窯がある、と?

Raabe
ココノエ

そうだ。というか、順番が逆だな。

Kokonoe
ココノエ

観測者でありながら、窯の位置を明確に把握できない状況が 気に入らなかったのでな。

Kokonoe
ココノエ

無駄を徹底的に省いて、ファントムフィールドの規模を 階層都市ひとつに縮小させた。

Kokonoe
ココノエ

階層都市は窯の上に築かれる。

Kokonoe
ココノエ

であれば、世界に階層都市ひとつしか存在しない以上、 窯は必然的に都市の地下に配置される。

Kokonoe
ラーベ

……は?

Raabe
ラーベ

お……お前、窯の位置に必然性を生じさせるために、 世界の規模をいじった? 《世界構造》をいじったのか!? ワールドコンソール

Raabe
ラーベ

……とんでもない話……と言うかコイツ人間か?

Raabe
シエル

猫の様な耳と、尻尾が確認出来ます。

Ciel

1: 気に……なるよね
2: 本物……かな?

1:
2:

ココノエ

この世界は私の観測で構築されているんだろう。 だったら、そう認識してやればいいだけのことだ。

Kokonoe
ラーベ

いやいやいやいや、そんなに自在に調整できるもんじゃないぞ。

Raabe
ココノエ

できたのだから、問題あるまい。

Kokonoe
シエル

そうですね。確かに合理的だと思います。

Ciel
ラーベ

そういう問題じゃないんだが……。

Raabe
ラーベ

くっ、私の感じている衝撃を理解できるやつが、 今ここにいない……!

Raabe
ココノエ

これでこちらの事情は理解できたな。 では早速、窯へ向かうぞ。テイガー、先導しろ。

Kokonoe
テイガー

ああ。了解した。

Tager
ココノエ

っと……そうだな。特殊な状況下だ。 一応、貴様らの意思を確認しておいてやろう。

Kokonoe
ココノエ

私に協力することに、異論はないな?

Kokonoe
ラーベ

なんでこいつはこう、いちいち上から目線なんだ……。 おい、レイ、シエル。

Raabe
シエル

私はレイさんに従います。

Ciel
ラーベ

はいはい、そう言うと思いましたよー。

Raabe
ラーベ

悪いが猫耳。私は少々反省をしていてな。 お前を全面的に信用することはできない。

Raabe
ラーベ

むしろ、話が突拍子すぎて信用するほうが難しい……。

Raabe
ラーベ

だからレイ、お前が決めていいぞ。 今回に限り撤退も許可する。

Raabe

1: 喜んで協力します!!
2: でも、協力しないと帰れないし……

1:
2:

ラーベ

<size=150%>少しは悩めよ!!!</size>

Raabe
シエル

そうですね。

Ciel
シエル

ですが、ご安心ください。 レイさんは、必ず私がお守りします。

Ciel
ココノエ

では決まりだ。

Kokonoe
ココノエ

貴様らが自ら決めたことだ。 あとで泣きごとを言うんじゃないぞ。

Kokonoe
ラーベ

……嫌な予感がビンビンする。むしろ嫌な予感しかしない。

Raabe
テイガー

……私が言うのもおかしな話だが。 ココノエの意思が作った世界なら、十分に気を付けることだ。

Tager
テイガー

どんなとんでもないことが飛び出してきても、 おかしくはないからな。

Tager
シエル

肝に銘じます。

Ciel

2. 出口と門番① / Exit and Gatekeeper - 1

Summary
窯への行き方がわからないというココノエ。施設

の奥にある『出口』へと向かう。その途中、見覚 えのある形の敵が現れる。

Kokonoe announces she's forgotten how to proceed, and they head for the "exit" deep within the facility. En route, a familiar enemy appears.
???

……干渉してきた? ……いや、まだか。 しかしこの感覚……奴の報告と少し違うみたいだな……。

???
シエル

この辺りはとても複雑ですね。 まるで迷路のようです。

Ciel
シエル

それに窓がないから、外の様子がわかりません。 ここは、階層都市のどの辺りの高さなのでしょうか。

Ciel
ココノエ

さあな。私にもわからん。 少なくとも、すぐに窯に到達できるほど下層ではないだろう。

Kokonoe
ラーベ

おい猫耳。まさか、地道に地下へと向かう訳じゃないよな?

Raabe
ラーベ

以前行った階層都市では、 一番上の建物から昇降機で一気に地下へ降りられたぞ。

Raabe
ココノエ

……確かに、本来の階層都市では、その方法が一番手っ取り早い だろうが、今は難しい。

Kokonoe
シエル

どうしてですか?

Ciel
ココノエ

先ず、それが可能なら、既にそうしている。

Kokonoe
シエル

可能では無いのですか?

Ciel
ココノエ

……先程も話したとおり、私はこの世界の観測者ではあるが、 神では無い。

Kokonoe
ココノエ

それに、『《掟》ルール』がある。この世界を構築するにあたっても、 その『《掟》ルール』には従っているつもりだ。

Kokonoe
ラーベ

つもり? はっ、やはりそういうことか。 お前、詰め込み過ぎたな!

Raabe

1: ココノエさんが不機嫌そうです!
2: 先生、説明お願いします!!

1:
2:

ラーベ

そうだな。簡単に言うと、この階層都市と言う枠の中に 世界を無理やり突っ込んだわけだ。

Raabe
ラーベ

外観的には階層都市とやらの体をなしてはいるが、 その中身はあらゆる空間情報が無秩序に混在していて……。

Raabe
シエル

よくわからない。と、いうことですね。

Ciel
ココノエ

馬鹿を言うな。私がそんなミスをする訳ないだろ。 この世界は今、美しくも絶妙なバランスで構成されているぞ。

Kokonoe
ラーベ

それってつまり、一歩間違えば危ういということだろ? よくあの『力』が発動しなかったな……。

Raabe
ラーベ

それに先程の部屋だって……。 猫耳……お前、整理整頓が苦手だろ?

Raabe
ココノエ

黙っていろ、このポンコツ。

Kokonoe
ラーベ

だ・か・らっ! 私をポンコツと呼ぶな!!

Raabe
シエル

と、ところで先程お話に出た統制機構とは、 以前関係した統制機構と同じ組織なのでしょうか?

Ciel
ラーベ

さあな……。だが安心したぞ。お前ほどの観測者でも 『《掟》ルール』にまでは干渉出来ないと言うことだな……。

Raabe
ラーベ

観測者はその知識や能力以上の世界を 構築することは出来ない。

Raabe
ココノエ

それが出来ていれば、窯など既に破壊している。 お前らのようなポンコツ一党などには頼らんよ。

Kokonoe
ラーベ

……おい猫耳、我々は撤退しても構わんのだぞ。

Raabe

1: なんだか……'
2: 似た者同士?

1:
2:

ココノエ・ラーベ

<size=150%>何だとコラァッ!!!</size>

Kokonoe & Raabe
テイガー

はぁ……。シエル=サルファー、先程の疑問に対しての 返答となるかわからんが……。

Tager
テイガー

この階層都市では統制機構が機能していないのだ。 というより、存在していない。

Tager
テイガー

辺りを見て、違和感を覚えないか? ここはどこだと思う?

Tager
シエル

そうですね……雰囲気からして、研究所か開発所のような、 なにかの施設のようです。……あ。

Ciel
シエル

そういえば、 ココノエさんとテイガーさん以外、誰もいません。

Ciel
シエル

……簡単に周囲をサーチしてみましたが、 誰かがいる気配はありませんね……無人の施設なのですか?

Ciel
テイガー

外れではないが、正解でもないな。

Tager
テイガー

この階層都市には、我々以外、ほとんど人間は存在しない。

Tager
テイガー

アストロラーベの言う通り、外部の形状と内部の構造が 同一では無い状態だからな。

Tager
テイガー

統制機構の施設が存在するかも不明といえる。

Tager
テイガー

少なくとも、コンタクトが取れる状況ではないな……。

Tager
テイガー

……まあ、コンタクトできたとしても、 我々に統制機構が協力してくれるとも思えんがな。

Tager
ラーベ

ほう、お前たちは統制機構とやらと、どんな関係なんだ?

Raabe
テイガー

お世辞にも、良好とは言えんな。

Tager
テイガー

私とココノエは第七機関という組織に属している。 世界虚空情報統制機構とは、いわば敵同士だ。

Tager
シエル

なるほど。そもそも関係が悪い組織の施設であるうえに、 人が存在しないのだから、稼働しているか不明なのですね。

Ciel
テイガー

そうだ。 ……とはいえ、それが根本的な理由ではないんだがな。

Tager
ラーベ

……ん? おい、そもそも質問に答えてもらってないぞ。 私たちはこれからどういう手段で窯を目指すんだ?

Raabe
ココノエ

わからん。

Kokonoe

1: え……!?
2: 今、なんて……?

1:
2:

ココノエ

だから、わからんと言っている。

Kokonoe
ココノエ

なぜなら私とテイガーは、 この階層より下に降りたことがないのだからな。

Kokonoe
ココノエ

現在位置が階層都市のどの辺りなのかはもちろん、 このエリアがどうなっているのかも知らん。

Kokonoe
シエル

で、ですが、先程この階層都市を構築したのはココノエさんだと 仰っていませんでしたか?

Ciel
ココノエ

うむ。構築はしたが、内部構造を把握しているとは、 一言も言っていないぞ。

Kokonoe
ラーベ

なんてことだ……それが根本的な理由か……。

Raabe
ココノエ

それに私は、この階層都市を観測し続ける為に、 あの場所を動くことが出来なかったからな。

Kokonoe
ラーベ

……だから詰め込みすぎなんだよ。

Raabe
ココノエ

ふん。だが、貴様らが外部から、このファントムフィールドへ 干渉したのを感知したときは、しめたと思ったものだ。

Kokonoe
ラーベ

だから浸入した直後にも関わらず、テイガーとやらは こちらを探していたかのように行動していたわけだな。

Raabe
シエル

私たちの浸入が、感知されていたのですか?

Ciel
ラーベ

普通は不可能だ。こいつが常軌を逸しているにすぎない。 だが、今後の参考にはなるな。

Raabe
ココノエ

それなりの対策をしていたからだ……。

Kokonoe
ココノエ

しかもどうやら、想定していた以上に使える人材らしい。 実に好都合だったよ。

Kokonoe
ココノエ

ん。褒めているんだぞ、喜べ。

Kokonoe
ラーベ

嬉しくないわ!

Raabe
ココノエ

お前じゃない、ポンコツ。

Kokonoe
ラーベ

ちっ……レイか。

Raabe
ココノエ

うむ。中々面白い《能力》ドライブじゃないか。 何と言うんだ?

Kokonoe
シエル

カ……ラーベさんは《最果てを観る者》エンドゲイザーと言っていたと思います。

Ciel
シエル

…………あ。……すみません。

Ciel
ラーベ

別にいいよ。大方、テイガーとやらの戦闘が、 レイのデータ取りだったのだろ?

Raabe
ラーベ

それに、ココノエはこの世界の観測者で、それを自覚もしている。

Raabe
ラーベ

下手に隠しごとをするより、情報を伝えた方が効率も良いだろう。

Raabe
シエル

なるほど……。了解しました。

Ciel
ラーベ

だが、反省はしろ。

Raabe
シエル

はい……以後気をつけます……。

Ciel
ココノエ

まぁ、私に情報を素直に開示するのは良い心がけだぞ。

Kokonoe
ココノエ

しかし、《最果てを観る者》エンドゲイザーか。 ……微かだが記憶にある響きだな。

Kokonoe
ココノエ

とにかく、レイが私の存在を 『観測』してくれるのであれば。

Kokonoe
ココノエ

この世界を自由に動き回ることが出来る。

Kokonoe
ココノエ

私の存在を証明してくれていたのは、テイガーと 部屋にあった機材だけだったからな。

Kokonoe
ココノエ

レイ、頼りにしているぞ。

Kokonoe
お、お役に立てているようで……

あ、ありがとうございます?

ラーベ

ん? 何だ?? シエルといい、レイに 観測された奴等はみんなレイに甘くなるのか?

Raabe
ラーベ

あれ? それまずくない??

Raabe
シエル

ラーベさん、何か言いましたか?

Ciel
ラーベ

あ、いや、何でもない。

Raabe
ラーベ

おい、猫耳。レイの力を利用するのは構わんが、 この世界には干渉させるなよ。

Raabe
ラーベ

この惨状だ、何が起こるか分かったもんじゃない。

Raabe
ココノエ

ふん。この私を誰だと思っている?

Kokonoe
ラーベ

知るか。とにかく、このエリアを抜ける手段を探さないと 駄目なわけだが……。

Raabe
シエル

ココノエさんは、とてもすごい観測者さんなのですよね?

Ciel
シエル

それほどすごい力を持っているのなら、窯への 到達ルートを簡潔にすることも、できるのではありませんか?

Ciel
ココノエ

それができれば、こんな苦労はしなくてすむんだがな。

Kokonoe
ラーベ

全くだ。良いか、レイ、シエル。 ここから先は、この猫耳の理性と本能の戦いのようなものだ。

Raabe
ラーベ

ココノエは確かに卓越した観測者であるが、『人間』である以上、 何をどうしようとも、決して抗うことはできない……。

Raabe
ラーベ

その意思、無意識に沿って、世界は自らを護る為に、 ある『力』を発動させる。

Raabe
ラーベ

それが、この世界が存続するための、『《掟》ルール』、 『秩序の力』だ。

Raabe
ラーベ

誰かが……特に、この世界、ファントムフィールドに 大きな影響を与える観測者が窯に近付くことは……。

Raabe
ラーベ

世界の存続を危うくさせる行為でもある。ましてや、 ココノエは、窯の破壊を望む観測者だ。その力が必ず働く。

Raabe
ラーベ

ココノエがこのエリアより下層に降りることが出来なかったのは、 それが事由だ。

Raabe
ラーベ

誰であろうと、自分を刺そうと豪語している奴など、 好んで近づけたくなどないだろ?

Raabe
ラーベ

それが、自分の分身だったらどうする?

Raabe
ラーベ

むしろ今のココノエは、このファントムフィールドにとって 最大の敵ですらある。

Raabe
ラーベ

……素直に行かせてくれる訳が無いだろ?

Raabe

1: なるほど……
2: 何となく理解……したかも

1:
2:

シエル

つまり、窯へ向かうことが、容易では無いと言うことですね。

Ciel
ラーベ

この件にかんしては、ココノエにレイを 観測者として認識された時点で私たちの詰みだ……。

Raabe
ラーベ

障害を何とかして、窯まで辿り着く以外に方法は無い。

Raabe
ココノエ

ふっ……。私自身が私を阻むとはな。厄介な話だ。

Kokonoe
テイガー

まったくだ。敵がココノエかと思うと、頭が痛い。

Tager
ココノエ

私は天才だからな。私を倒せる手段などない。

Kokonoe
ラーベ

自分で言い切るんじゃない。本当になかったら、 ファントムフィールドの解放などできないだろうが。

Raabe
ココノエ

その辺りについては、貴様らの働きに期待する。

Kokonoe
ラーベ

自分の始末は自分でつけてもらいたいものだなぁ! 天才なら特に!

Raabe
シエル

あの。ところで、今私たちはどこへ向かっているのですか?

Ciel
ココノエ

ああ。このなんらかの施設の、一番奥だ。

Kokonoe
シエル

そこには、なにがあるのですか?

Ciel
ココノエ

『なに』……そうだな、アレをなんと呼ぶか。

Kokonoe
ココノエ

相応しい名前かどうか、データ不足でわからんが。 一応『出口』としておこうか。

Kokonoe
シエル

『出口』……ですか?

Ciel
ココノエ

この施設、というより、このエリアの出口だ。 ……おそらくな。

Kokonoe
ラーベ

確証はないわけか。

Raabe
ココノエ

ない。だが、そうでなければ不自然だ。

Kokonoe
シエル

それはなぜです?

Ciel
ココノエ

質問が多いなお前……。まぁいい、見ればわかる。

Kokonoe
ココノエ

……お。早速、第一波のお出ましだぞ。

Kokonoe
テイガー

……来たか。

Tager
シエル

未確認の反応を感知しました。警戒します。

Ciel
ラーベ

こちらでも確認した。結構な数だな……ん?

Raabe
んんん?

見覚えのある形……

量産型テイガー

オイ、ココノエ!

Mass-Produced Tager
量産型テイガーA

オイ、ココノエ!

Mass-Produced Tager A
量産型テイガーB

オイ、ココノエ!

Mass-Produced Tager B
シエル

これは……少し小柄なテイガーさんです!

Ciel
テイガー

……できれば、あまり見られたくはなかったが……。

Tager
ココノエ

この辺りの防衛を担当しているシステムらしくてな。 後から後から出てくるんだ。

Kokonoe
ココノエ

『量産型テイガー(仮称)』とでも呼称してやろう。

Kokonoe
ココノエ

撃破しないことには、ここを通れない。 遠慮はいらん、思いっきりぶっ壊してやれ。

Kokonoe
い、いいんですか?

ちょっと罪悪感が……

ココノエ

構わん。どーんとやってやれ。

Kokonoe
テイガー

おい、ココノエ……。

Tager
量産型テイガー

オイ、ココノエ! オイ、ココノエ!

Mass-produced Tager
ラーベ

……(仮称)、不憫だな……。

Raabe
シエル

小さいテイガーさん、来ます! 戦闘態勢に移行し、通路を確保します。

Ciel

2. 出口と門番② / Exit and Gatekeeper - 2

Summary
『窯』を守るために配置された量産型テイガー。

量産型とはいえあまりに貧弱な性能が気に入らな いココノエ。

Mass-produced Tagers try to protect the Cauldron. Kokonoe dislikes how fragile the mass-produced ones are.
量産型テイガー

オイ、ココノ……エェェェェェエエエッ!!

Mass-produced Tager

1: 爆発した!?
2: テイガーさーーーん!

1:
2:

ココノエ

ふはははは! いい爆発だ! 気分がいい。

Kokonoe
テイガー

まったく別のタイプであるとはいえ…… なんとも複雑な気持ちだ……。

Tager
テイガー

そもそも、なぜ爆発する必要があるんだ……?

Tager
ココノエ

なにを言う。爆発はロマンだ。 それにデータや極秘の技術を隠蔽するには、もってこいだぞ。

Kokonoe
シエル

確かに、爆破してしまえば跡形も残りませんし、 合理的です。

Ciel
テイガー

合理性の前に優先してほしいものがある、という話なのだが……。

Tager
ラーベ

日頃からの苦労が窺えるな。 性格に問題のある上司を持つと大変だ。 --うかが

Raabe
ココノエ

ふん、お前には言われたくないな。

Kokonoe
ラーベ

何を言う、私は部下に優しい良き上司だ。 そうだろう、シエル。

Raabe
シエル

はい、カ……ラーベさんは優しい上司です。

Ciel

1: ソウデスネ
2: 40%とか50%とか何とか……

1:
2:

ラーベ

なんだレイ。 この私に、なにか言いたいことでもあるのか?

Raabe
テイガー

……苦労しているのだな、レイ。

Tager
シエル

ところで……ひとつ質問をしてもよろしいですか。 今の防衛システムは、何故守っていたのでしょうか?

Ciel
テイガー

『何故』?

Tager
シエル

はい。テイガーさんにお会いする前に、 ゴーレムに襲撃されたとき、ラーベさんが言っていました。

Ciel
シエル

なにかを防衛しようとしているのなら、 防衛する目的がある、と。

Ciel
シエル

さっきの小さなテイガーさんたちは、一体誰が、 なんの目的で配備したものなのか、少し気になりました。

Ciel
ココノエ

なにを守っているのかと言えば、それは単純に 『窯』だろうな。

Kokonoe
ココノエ

先程そのポンコツも言っていただろ? 『窯』を破壊されないために、破壊しようとする者を排除する。

Kokonoe
ココノエ

……いや……奴等の構造と行動パターンからして、 守ろうとしている対象は、もっと手前の『出口』かもしれんが。

Kokonoe
ココノエ

とにかくそういうわけで、侵入者は見境なく襲うように 設計されている。当然、私自身も含めてな。

Kokonoe
ラーベ

どちらにせよ、説得でどいてもらうことができない 相手なら、排除するしかないってことだ。

Raabe
ココノエ

そうだな。テイガーのモデルを使用しているようだが、 性能はあまりにも貧弱だ。

Kokonoe
ココノエ

排除に手間はかかっても、大きな危険はあるまい。

Kokonoe
ココノエ

むしろ私の世界が設けた防衛機構だというのなら、もっと 性能の向上を図ってもらいたいものだ。

Kokonoe
ココノエ

現状を『私』の程度と思われるのは、はなはだ不本意だ。 つまらん。

Kokonoe
テイガー

排除対象の強化を望まないでくれ。

Tager
ラーベ

おい、誰かこいつを黙らせろ。

Raabe
ココノエ

なにを言う。 向上心を失った科学者に存在意義があるか。

Kokonoe
ココノエ

わからんようなら、直接その体に教えてやるぞ? 科学者の向上心がどういうものかをな。

Kokonoe
ココノエ

さあ、どんな新機能がほしい? 特別に今すぐグレードアップしてやる。ポンコツお前もだ。

Kokonoe
ココノエ

腹で茶を沸かすか? 脚部パーツを取り払って宙に浮けるようにしてやろうか?

Kokonoe
テイガー

それは遠慮させてもらおう……。

Tager
シエル

宙に浮ける機能は便利だと思いますが。

Ciel
ラーベ

私は既に浮いてはいるのだが……。つかポンコツ言うな。

Raabe
ラーベ

まぁ……それはそれとして、ロマンは感じるぞ。 レイはどうだ? どんな機能がいい?

Raabe

1: やっぱり、ロケットパンチかな
2: ここは合体機能とかどうでしょう

1:
2:

ココノエ

定番だがいい案だ。前向きに検討するとしよう。 ロケットらしく、着弾点で爆発するのもいいな。

Kokonoe
ココノエ

いいじゃないか、合体はいい。わかるぞ。 超合体テイガーロボ。うむ、悪くない。

Kokonoe
テイガー

勘弁してくれ……。

Tager
ココノエ

む……?

Kokonoe
シエル

ココノエさん、どうかしましたか? ……あっ!

Ciel
量産型テイガー

オイ、ココノエ!

Mass-produced Tager
量産型テイガーA

オイ、ココノエ!

Mass-produced Tager A
シエル

再び量産型テイガー(仮称)さんです。 先ほどよりも数が多いです。

Ciel
ラーベ

……(仮称)は必要なのか??

Raabe
ココノエ

性能で足りない部分は数で補う、か。 どうやら状況に応じて防衛体制を変更させる頭脳はあるらしい。

Kokonoe
テイガー

気は進まんが、再び撃破するしかなさそうだな。

Tager
シエル

また自爆させればいいのですね。

Ciel
ココノエ

ああ、念入りに破壊しろ。 もう二度と無駄口を利けないようにな。

Kokonoe
シエル

了解しました。

Ciel
テイガー

胃が痛くなってくる気分だな……。

Tager

2. 出口と門番③ / Exit and Gatekeeper - 3

Summary
無尽蔵に現れて行く手を阻む量産型テイガー達。

先に進めばいいとだけ言うココノエの言葉をラー ベが解説する。

The mass-produced Tagers appear endlessly to block them. Kokonoe says it's fine to just move on, and Raabe deciphers her reasoning.
量産型テイガーA

オイ、ココノエ!

Mass-produced Tager A
量産型テイガーB

ココノエ!

Mass-produced Tager B
シエル

量産型テイガーさん、さらに出現しました。

Ciel

1: キリがないね'
2: 終わりが見えない……

1:
2:

量産型テイガーA

オイ、ココノエ!

Mass-produced Tager A
ココノエ

やれやれ……流石テイガーだ。

Kokonoe
テイガー

それは評価してもらっていると捉えていいのか?

Tager
ラーベ

無駄口を叩いていると、 あっという間に包囲されそうな勢いだぞ。

Raabe
シエル

やあっ!

Ciel
量産型テイガー

オイ、ココノエ!

Mass-produced Tager
シエル

私はココノエさんではありません。

Ciel
テイガー

これが、ココノエの願望を反映した結果だと思うと、 いささかめまいを覚える。

Tager
ココノエ

それはいかんな。 あとで頭を開けて回路をいじくっておいてやろう。

Kokonoe
テイガー

……任務遂行の優先を進言する。 今は目の前の障害を排除することを、考えるべきだと思うぞ。

Tager
量産型テイガー

オイ、ココノエ!

Mass-produced Tager
ラーベ

オイ、ココノエ!

Raabe
ラーベ

このままでは先に進めないうえに、消耗させられる一方だ。 お前が観測者なのだろう? なんとかしろ?

Raabe
ココノエ

観測者は万能ではない。 そのくらい、貴様のほうがわかっているだろうが。

Kokonoe
ラーベ

知ってる、言ってみただけだ。 オイ、ココノエ! そっちに1体行ったぞ。

Raabe
ココノエ

クソがっ!

Kokonoe
ココノエ

……とはいえ、確かにこのままでは分が悪い。

Kokonoe
ココノエ

量産型テイガー(仮称)のデータも十分収集できたことだし、 そろそろこのエリアを突破させてもらうとするか。

Kokonoe
シエル

なにか手立てがあるのですか?

Ciel
ココノエ

ふん。当然だ。

Kokonoe
テイガー

ココノエ、もったいぶらずに指示をくれ! まだまだ集まってくるぞ!

Tager
ココノエ

そうだろうな。 気にするな。さっさと先へ進めばいい。

Kokonoe
シエル

そ、そうなのですか?

Ciel
ラーベ

連中の外装といい、出力といい、おそらく量産に特化した モデルだろう。このままだと本当に、無尽蔵に出てくる。

Raabe
ラーベ

だが奴等は独立した判断や思考を持っていない。

Raabe
ラーベ

そしてそれを一括制御しているシステムは、 この辺り一帯しか防衛範囲に含んでないようだ。

Raabe
ラーベ

……そういうことでいいかな、猫耳?

Raabe
ココノエ

ああ……そうだな。 やれやれ。いちいち説明が必要とは、面倒だな。

Kokonoe
シエル

つまり、あの量産型テイガー(仮称)さんたちが出現するのは、 一定の範囲内ということですか?

Ciel
ラーベ

そういうことだ。そもそもあれは『防衛機構』にすぎない。 あくまで範囲内の侵攻を阻害する為のようなモノだな。

Raabe
ラーベ

見ての通り、この(仮称)とやらは、 私たちを来た方向へ押し返そうとしているだろ?

Raabe
ラーベ

だったら、いちいち相手にはせず、 想定されている範囲を抜けてしまえばいい。

Raabe
ラーベ

少々強引なやり口だけど、やってみる価値はあるんじゃないか。

Raabe
テイガー

なるほどな。確かに乱暴な理屈だとは思うが、 このままジリ貧になるよりはいい。

Tager
シエル

それだけのことを、この短時間に分析されていたなんて。 ココノエさんも、ラーベさんもすごいです。

Ciel
ラーベ

そうだろう、そうだろう。 というわけだから、ほら走った走った!

Raabe

1: 一気に駆け抜けよう!
2: 近くで爆発しませんように……

1:
2:

シエル

私の近くにいてください。 テイガーさんからも、爆発からも、守ってみせます。

Ciel
テイガー

すまんがせめて『量産型』をつけてくれ。

Tager
ココノエ

テイガー、正面のテイガーたちを撃破しろ!

Kokonoe
テイガー

だから『量産型』と、それと(仮称)は何処に行った? ……まあいいか。お前たち、胸が痛むが、どいてもらうぞ。

Tager
量産型テイガー

オイ、ココノエ!

Mass-produced Tager

2. 出口と門番④ / Exit and Gatekeeper - 4

Summary
『出口』に到着するシエル達。『出口』と思われる扉の前には色違いのテイガーが門番のように立っていた。
門番のテイガーを倒すと、『出口』の扉が開いた。扉の向こうに続く階段をシエル達は下っていく。
シエル

突破完了。量産型テイガー(仮称)さんは、追いかけてこないようです。

Ciel
ラーベ

連中の行動範囲から抜け出せたようだな。この辺りは、あいつらの防衛担当エリアではないらしい。

Raabe
シエル

担当範囲が限られていてよかったです。あのテイガーさんを全部倒すのは、かなりの時間を要したと思います。

Ciel
ココノエ

大小様々なテイガーが入り乱れる光景は中々面白かったが、しばらくはいいな。

Kokonoe
ココノエ

それにやはり、テイガーは私自らが手掛けたオリジナルが一番だ。

Kokonoe
テイガー

……そうか。

Tager

1: 信頼してるんですね
2: 僕も頼りにしてます

1:
2:

ココノエ

もちろんだ。テイガーを制作した私の腕を、私はなによりも信頼している。

Kokonoe
テイガー

面と向かって言われると、気恥ずかしいが……。なるべく信頼には応えよう。

Tager

1: 信頼してるんですね
2: 私も頼りにしてます

ココノエ

もちろんだ。テイガーを制作した私の腕を、私はなによりも信頼している。

Kokonoe
テイガー

面と向かって言われると、気恥ずかしいが……。なるべく信頼には応えよう。

Tager
シエル

テイガーさんは……ロボット、なのですか?

Ciel
テイガー

うん? 私か?

Tager
シエル

はい。ココノエさんが作った、とおっしゃっていました。ですが反応は、どちらかというと生命体に近いですね。

Ciel
ラーベ

サイボーグというやつだな。元になった人間をベースに、ココノエが手を加えたと。

Raabe
テイガー

ああ、そうだ。死にかけていたところを、救われてな。

Tager
テイガー

生憎こうなる以前の記憶はないのだが、おかげでこうして生き長らえている。

Tager
シエル

そういうのを、命の恩人と言うのですよね。

Ciel
テイガー

ココノエが命の恩人か。確かに、間違いはないな。そう言って差し支えあるまい。

Tager
ココノエ

ちょうどいい実験体だったのでな。活用させてもらったまでだ。

Kokonoe
ラーベ

とかなんとか言って、ツンデレ属性狙いか?

Raabe
ココノエ

面白い口を利くなポンコツ。貴様には自爆装置を搭載してやろうか。

Kokonoe
ラーベ

ふふん、この私の構造をそう簡単に理解できるとでも?甘く見られたものだな。

Raabe
ココノエ

試してみる価値は十分にありそうだ。どれ、一度バラバラにして、私好みに組み立て直してみるとしよう。

Kokonoe
ラーベ

やれるものなら、やってみろ。

Raabe
ココノエ

ほう、強気だな。だがいいのか?このフィールドにおいては、観測者は私だぞ。

Kokonoe
ラーベ

おいちょっと待て、それはさすがに卑怯だろ。

Raabe
ラーベ

ええい、レイ!こいつから観測者の権限を奪ってしまえ!

Raabe

1: 出来るんですか!?
2: 無茶をおっしゃる……

1:
2:

ラーベ

……無論冗談だ。……ほんとに止めてくれよ。多分、洒落にならないことが起きそうな気がする……。

Raabe
ココノエ

……ふむ、私も早く観測者から開放されたいが……それには同意しよう。止めてくれ。

Kokonoe
シエル

あの……私の任務上、このようなことを言うのも不謹慎なのですが、

Ciel
シエル

なぜ、ココノエさんは観測者をやめようとしているのですか?

Ciel
ココノエ

なにか不自然か?

Kokonoe
シエル

世界が自分の思い通りになるとわかっていて、それを手放すメリットがわかりません。

Ciel
ラーベ

ふむ、確かにそれは私も興味があるな。

Raabe
ラーベ

ファントムフィールドは、観測者となった者の『意識』、言葉を変えれば『願い』を現実にしてくれる。

Raabe
ラーベ

だというのにそれを捨てるというのは、本来なら、とても勇気のいることだと思うけどね。

Raabe
ココノエ

くだらん。そんなもの、私にとってこの『場』が有益でないからに他ならない。

Kokonoe
ココノエ

確かに世界を操作できる経験は、興味深いものがあった。だが、自分の思い通りになる世界など、歪んでいる。

Kokonoe
ココノエ

そうは思わんか?

Kokonoe
ラーベ

そう思っても、そんなに簡単に感情を切り捨てられないのが人間なんじゃないか?

Raabe
ココノエ

感情……か。ふん……。

Kokonoe
ココノエ

私は自分の感情を完全に遮断することができる。ただ、それだけのことだ。シャットアウト

Kokonoe

1: 感情を遮断する……
2: どうしてそんなことを?シャットアウト

1:
2:

ココノエ

そうする必要があったからだ。……だが今は、それは関係ない。

Kokonoe
テイガー

…………。

Tager
ココノエ

とはいえ、自分の思い通りになる世界というのは確かに魅力的だ。だから一通り、色々と試させてはもらった。

Kokonoe
ココノエ

だがそれも気が済んだ。となればもう、必要ない。それに……。

Kokonoe
シエル

それに?

Ciel
ココノエ

私の意思を自由にしていいのは、私だけだ。

Kokonoe
シエル

どういう意味でしょうか?

Ciel
ココノエ

そのままの意味だ。それより……そろそろ『出口』だぞ。

Kokonoe
ラーベ

ほう……『出口』だと?……あれがか?

Raabe
テイガー?

……………………。

Tager?

1: テイガーさんが……
2: もうひとり!?

1:
2:

テイガー?

……目標を補足した。警告すル。ここから先には進めない。早急に引き返したほうがいイ。

Tager?
シエル

あれは、一体……?先ほどの量産型さんとは様子が違います。

Ciel
テイガー

ああ。量産型と同じだとは思わないほうがいい。出力はまるで違うぞ。

Tager
ココノエ

あれは『門番』だ。とりあえず私はそう呼んでいる。

Kokonoe
ラーベ

『出口』を守る『門番』か。あいつの後方に、仰々しい扉が見えるな。あれが出口だろうな。

Raabe
テイガー

その通りだ。だが……困ったことに、あれを倒せない。

Tager
テイガー

何度か挑んだんだが、どれだけ攻撃を加えても倒れないのだ。

Tager
ココノエ

貴様らには、こう言ったほうがより正確に伝わるだろうな。あれを倒したという事象を『観測』できない。

Kokonoe
ラーベ

なるほどね。だから、このエリアから出られないと。

Raabe
テイガー

そういうことだ。

Tager
ココノエ

だが、私が観測出来ないということは、ここは《掟》ルール外だ。

Kokonoe
ココノエ

ならば……こういうのは、得意だろう? レイ……いや、《最果てを観る者》エンドゲイザー

Kokonoe
ココノエ

ここを抜けるには、私以外の『観測』が必要だ。

Kokonoe
ココノエ

さあ……この世界を構築する『私の意思』が知らない力で、門番をねじ伏せてこい。

Kokonoe

1: ねじ伏せます!
2: シエル、やっちゃおう!

1:
2:

シエル

了解。対象、門番テイガーさんを認識。これより戦闘行動に移行します。

Ciel
テイガー?

立ち去るつもりはないか……では仕方がなイ。こちらも全力で相手になってやル!

Tager?
テイガー?

グッ……! 機能低下……修復不能……。

Tager?
テイガー

どうだ、今度こそ……!

Tager
テイガー?

カウントダウン……3……2……1……オイ、ココノエーーーーーーーーー!!

Tager?
ラーベ

終わったか。見事な散り様だ、テイガー……。

Raabe
テイガー

すまないが、どうにかして別呼称で呼んでもらえないだろうか。

Tager
シエル

対象の消滅を確認しました。……復活してくる様子もありません。

Ciel
ココノエ

だな。これまでは自爆したこともなかった。やはり、貴様らで正解だったな。

Kokonoe
ラーベ

観測者自ら窯の破壊を望み、その手段として別の観測者を使うとは……まったく、どこまでも異例だらけの任務だな。

Raabe
ココノエ

こちらとしては、待った甲斐があったというものだ。上々の滑り出しだぞ、今回は。

Kokonoe
ラーベ

今回……世界のループも把握しているのか。しかも記憶を保持しているなんて。化け物か?

Raabe
ココノエ

生憎だが、期待されているほどではない。状況を把握し、そこから逆算しただけだ。

Kokonoe
ココノエ

貴様たちのことも、予想でしかなかった。だが性能は期待以上だ。素晴らしいぞ。

Kokonoe
ココノエ

これなら、イケるかもしれない。

Kokonoe
テイガー

ココノエ。ひとまずこっちを確認してもらいたい。例の出口が開くようだぞ。

Tager
シエル

はい。問題なく開きます。先ほど爆発したテイガーさんの、後方にあった大きな扉です。

Ciel
シエル

先には下り階段があるようです。先へ進みますか?

Ciel
ココノエ

無論だ。

Kokonoe

1: どこに続いてるんだろう
2: かなり長い階段みたい

1:
2:

ラーベ

ほほー……確かに。そのうえ薄暗くて先がよく見えない。ライトをつけてやるから、足元には気を付けるんだぞ。

Raabe
ラーベ

しかし、まさか階段とはな……。

Raabe
ラーベ

このまま地道に階段で窯のある地下まで降りるつもりなのか? 正気か、このフィールドは?

Raabe
ココノエ

いたって正気だ。というか、浮いてるやつがつべこべ言うんじゃない。

Kokonoe
シエル

……検索……検索。階段前方には、特に反応はありません。

Ciel
テイガー

では先に行くとしよう。いつまたこの出口が、閉じてしまうともわからないからな。

Tager
ココノエ

言っておくが、ここから先は私もテイガーもどうなっているのかまったく知らん。

Kokonoe
ココノエ

なにが出てくるかもわからん領域だ。勝手に死なないように、十分注意しろ。

Kokonoe
シエル

はい。わかりました。

Ciel
ココノエ

シエルが先導しろ。テイガーは最後尾だ。

Kokonoe
テイガー・シエル

了解。

Tager & Ciel
ラーベ

シエルの上司は私なんだがなー。

Raabe

第3節 森の中の出会い① / 3. A Meeting in the Forest - 1

Summary
階段を下りきった先に広がる階層は木々が生い茂る薄暗い森。防衛機構について考えを巡らしている時、生い茂る木々から動き出す。
シエル

これは……。

Ciel

1: 森だ!
2: さっきまで建物の中だったのに!

シエル

映像や作り物ではなく、本物の樹木です。私たちは階層都市の外に出たのでしょうか……?

Ciel
ココノエ

いや。まだ都市の中だ。

Kokonoe
シエル

そうなんですか?

Ciel
テイガー

ああ。『階層都市』とひとつの町のように呼んではいるが、実際はいくつものエリアを何層にも重ねた構造をしている。

Tager
テイガー

その中には、市街よりも自然を多く含んだエリアも存在する。

Tager
テイガー

環境も術式で整えることができるから、こういった森林が都市の中にあるのもおかしなことではないのだが……。

Tager
テイガー

ここは、通称『ジャングル』だな。

Tager
そのまんまですよね!?

ジャングルは始めてだなぁ……(遠い目)

シエル

あの、テイガーさん。わかるのですが、全然わかりません。

Ciel
テイガー

ふむ……。先ず術式はわかるか? 簡単に言うと、誰にでも使えるようにした魔法の様なモノだ。

Tager
テイガー

本物の魔法に比べれば遥かに劣るモノではあるが、それでも、魔道書と呼ばれる『術具』と、

Tager
テイガー

最低限の魔素に対する適正があれば、誰にでも使用できる。

Tager
シエル

術式に魔素……ですか。確かに以前のファントムフィールドでお聞きした記憶があります。

Ciel
ラーベ

そうだな。ちなみに聞いておくけど、お前、ドライブって術式みたいなモノだと思ってないか?

Raabe

1: あれ?
2: 違うんですか?

1:
2:

シエル

はい。私もレイさんと同じ意見です。

Ciel
ラーベ

やっぱりな。違うよ。

Raabe
ココノエ

うむ。術式は『技術』だが、魔術や魔法は『神秘』であり『奇跡』だ。

Kokonoe
ラーベ

そしてドライブは『魂の力』……。なんて言えば、カッコいいかもしれないが、

Raabe
ラーベ

能力者の『願望を具現化』した力だ。

Raabe
シエル

願望の具現化……ですか。

Ciel

1: ん?
2: シエル?

1:
2:

シエル

あ、申し訳ありません、ぼんやりして。

Ciel
ラーベ

……まぁ、今すぐに必要となる知識でも無いし。

Raabe
ラーベ

時間があるときに、ちゃんと説明するよ。とりあえず今は目の前の状況に集中しよう。

Raabe
シエル

はい、了解しました

Ciel
テイガー

いいか? 術式の話を続けるぞ。この都市の様なそれなりの規模でも、人数や技術……、

Tager
テイガー

つまり魔導書なのだが、それを集めれば、気象環境を操作するような大掛かりなことも可能だ。

Tager
シエル

では、その術式を駆使すれば、都市をコロニーとしての環境を作り出すこともできるのですね。

Ciel
ココノエ

そうだ。しかも今、この階層都市には、私が把握出来ていない程の『世界』が詰め込まれている。

Kokonoe
ココノエ

なので敷地の広さ……つまり空間の広がりも、認識通りだとは思わないでくれ。

Kokonoe
ココノエ

フフフッ……この森に限らず、もっと特殊な環境のエリアが、この先現れるかもしれないぞ。

Kokonoe
ラーベ

『フフフッ』って……。何で楽しそうなんだよ、お前……。とにかく、用心しておくんだぞ、レイ、シエル。

Raabe

1: はい。用心します
2: 気を付けようね、シエル

1:
2:

テイガー

賢明だが、あまり肩に力を入れすぎないようにな。

Tager
シエル

了解です。どんな危険なエリアであろうと、レイさんに手出しはさせません。

Ciel
ココノエ

だ、そうだ、レイ。まぁ頑張れ。

Kokonoe
ラーベ

だからぁ〜おまえはぁ〜〜〜〜。

Raabe
???

……これも。予定通りなのですか?

???
???

…………あぁ。

???
???

理解りました。でしたら、御心のままに……。

???
ラーベ

しかし、深い森だな。うっそうとした、とはまさにこういうことを言うんだろうな。

Raabe
シエル

このエリアにも、先ほどの量産型テイガー(仮称)さんたちのような防衛機構が存在しているのでしょうか。

Ciel
テイガー

当然、そう考えるべきだろうな。

Tager
テイガー

わざわざフィールドを森に設定しておいて、なにもしてこないなど、ココノエらしくない。

Tager
ココノエ

同感だ。

Kokonoe
ラーベ

……はぁ。しかしまぁ、これだけ不気味な雰囲気の森だ。お化けでも出るかもしれないな。

Raabe
シエル

お化け……。資料では何度か情報を確認したことがあります。でも、困りました……。

Ciel
シエル

お化けは不可視の存在なこともあるようです。物理的な攻撃は通用するのでしょうか。

Ciel
シエル

お化けを相手にした戦闘訓練は行ってはいません……。

Ciel
ラーベ

……真面目に受け取るな。

Raabe
ココノエ

そんなものは非科学的……とも言い切れんよ。霊魂とは、その字のごとく魂の形だからな。

Kokonoe
ココノエ

魂の具現化であるドライブもある意味、霊魂と呼んで良い存在なのかも…………。

Kokonoe
ココノエ

……ふむ。防衛機構……ね。『仕組み』としては……『アリ』か。

Kokonoe
テイガー

? どうした、ココノエ。

Tager
ココノエ

いや。どちらにせよ、私の領域ではないな。

Kokonoe
ココノエ

ココが私の構築した世界である以上、『お化け』と呼ばれる非科学的なモノは存在しないだろう。

Kokonoe
シエル

そうですか……ではどのような防衛機構でしょうか。

Ciel

1: 両手に木を持ったテイガーさんとか
2: 体から木が生えたテイガーさんとか

テイガー

勘弁してくれ。

Tager
ココノエ

全身が木で出来たタイプのテイガーか。……悪くないな。

Kokonoe
ココノエ

光合成の機能を実装できれば、半永久的な駆動が可能になる。だが、火と乾燥に弱くなるのが難点か……。

Kokonoe
テイガー

おい、ココノエ。

Tager
ココノエ

便利だと思うぞ。爆発すれば、よく燃えるし……エコだ。

Kokonoe
ラーベ

鬼か、この猫耳は……。

Raabe
ココノエ

冗談だよ。まぁ、木製のテイガーが出てきても、それはそれで愉快だろうが――

Kokonoe
ココノエ

こんな森の中だ。警戒するような対象は、ひとつしかないだろう。

Kokonoe
ラーベ

木を隠すなら森……という訳か。なるほど、ユーモアがあるな。

Raabe
シエル

ユーモア?

Ciel
ココノエ

あぁ。ちょうどこんな感じだな。

Kokonoe
シエル

あ……! レイさん、下がって!

Ciel
シエル

木が動いています! 敵性反応を感知。ですが……反応そのものは、周囲の木と変わりありません。

Ciel
シエル

偽物の木が混在しているのではなく、本物の木が変質して、攻撃してきています。

Ciel
テイガー

実際に動き出すまで、どれが敵でどれがそうでないのか見分けがつかないということか。

Tager
テイガー

さすがと言うべきか、厄介だな。

Tager
ラーベ

そして気がつけば、こうしてすっかり囲まれてるって寸法だ。見事な隠密性能じゃないか。

Raabe
ココノエ

その分、戦闘能力はどうだ?今後のためにも少々データを収集しておくとしよう。

Kokonoe
テイガー

……いつも通りだな。とにかく、障害を排除する。

Tager
シエル

はい。戦闘態勢に移行。対象を排除します。

Ciel

第3節 森の中の出会い② / A Meeting in the Forest - 2

Summary
戦闘データを録ったラーベが周囲を調べるも、敵の反応を見つけることができない。
シエル

戦闘終了。対象の排除が完了しました。

Ciel
シエル

ですが……周囲にはまだ、いくらでも樹木があります。レイさん、警戒を怠らずにいてください。

Ciel
ラーベ

ふーむ、データを元にもう一度周囲を探ってみたけど、反応は引っかからないな。

Raabe
ラーベ

こいつは、本当に動き出すまで、どれが敵だかわからない仕様らしい。

Raabe
ココノエ

当然だ。構成物質は他の木となにも変わりがないからな。ただ、自立して動くというだけだ。

Kokonoe
ココノエ

無論、あらゆる計器で測定不可能だ。私の世界の防衛機構ならば、当然それくらいの性能は備えている。

Kokonoe
テイガー

……楽しそうだな、ココノエ。

Tager
ちょっと誰かに似てるような……

この感じ、身に覚えがあります

ラーベ

ロクでもない知り合いがいるんだな。友人は選んだ方がいいぞ。

Raabe
ラーベ

ほう、そうなのか。そいつは大変だな。

Raabe
テイガー

レイ……。

Tager
テイガー

まさかこんなところで、苦労を分かち合える者と遭遇するとは、思っていなかったぞ。

Tager
シエル

ですが、センサーの類で識別することもできないとなると、完全に目視でしか識別できないのですね。

Ciel
シエル

なにか、攻撃してくる樹木と、そうでない樹木との見分け方はないものでしょうか。

Ciel
ラーベ

ないだろう。相手はココノエだし。

Raabe
テイガー

同感だ。

Tager

1: 木を全部薙ぎ倒していくとか……
2: 一本一本確かめていくとか……

1:
2:

ココノエ

やるなら好きにしろ。私は付き合わんぞ。

Kokonoe
ラーベ

いくらなんでも非効率的すぎる。

Raabe
シエル

レイさんの指示ならば頑張りますが……。

Ciel
テイガー

向かって来る敵をその都度倒していくしか当面、解決策はなさそうだ。

Tager

1: ……冗談です
2: ……みんな意地悪だ

1:
2:

テイガー

……などと、おしゃべりしている暇もくれるつもりはないらしいな。

Tager
ラーベ

さあ、次が来たぞ。突破して、森の奥へ進むとしよう。

Raabe
シエル

了解しました。対象を補足。敵性反応を感知。いきます!

Ciel

第3節 森の中の出会い③ / A Meeting in the Forest - 3

Summary
階層を進むうち、敵に囲まれながらも孤軍奮闘するマコトを発見する。『回収』するため戦闘を開始する。
観測者であるココノエが状況を把握できないのは、外部から干渉されていることになる。回収したマコトと状況報告をしながら階層を進んでいく。
シエル

対象を排除しました。

Ciel
ラーベ

やれやれ、本当に次から次へとだな。これで何体倒したのか、もうわからんぞ。

Raabe
シエル

36体になります。

Ciel
ラーベ

ああ、そう……。几帳面だねぇ、お前は。

Raabe
テイガー

まだまだ、数は増えるだろうな。

Tager
ラーベ

行けども行けども木ばっかり。出てくる敵も木ばっかりだ。ココノエ、この森、どれだけ広いんだ?

Raabe
ココノエ

さあな。だが安心しろ、私は密林と言うものを『知識』でしか知らん。……テイガー、どうだ?

Kokonoe
テイガー

ああ。確認した。近くに反応がある。

Tager
シエル

反応? なにか探しているのですか?

Ciel
ココノエ

いずれ分かる。それよりも、さっさと先に進むぞ。

Kokonoe
シエル

はい、了解しました。

Ciel
ラーベ

おい、シエル。お前の上司は私だぞ。

Raabe
シエル

はい、そう認識しています。

Ciel
ラーベ

うん……わかっているならいいんだけど。ちょっとここんところ、指揮系統がこんがらがってるからな。

Raabe
シエル

最優先事項には変更無しと認識しているのですが……。ラーベさん、レイさん。なにか聞こえます。

Ciel
ラーベ

お前なぁ……まぁいいか。それでどうした?

Raabe
シエル

女性の声のようです。あちらのほうから……。

Ciel

1: ???
2: 誰かーーー! 誰かいないの!?お願い助けてーーー!!

1:
2:

シエル

この声です。救助を求めているようですが、どうしますか?

Ciel

1: 助けなきゃ!
2: 行こう、シエル!

1:
2:

シエル

はい。救助に向かいます。

Ciel
ココノエ

テイガー。ついていけ。

Kokonoe
テイガー

了解だ。

Tager
???

せい! おりゃぁぁっ!こんのぉ、しつこい!

???
???

ぜぇ、はぁ……ああもう、なんなのこいつら!倒しても倒しても、次から次へと……そもそも倒せてんの!?

???
???

このっ、このっ、このぉぉっ!

???
???

ああもうわかったよ! そっちがその気なら、向かって来るやつ片っ端からぶっとばしてやる!

???
???

おりゃおりゃおりゃおりゃ〜〜〜!

???
シエル

女性がひとりで、樹木型の魔物と交戦中のようですが。……変わった容姿の方ですね。大きな尻尾が確認できます。

Ciel
ラーベ

亜人種だな、珍しい。リス型か。

Raabe
シエル

亜人種……獣人に代表される、動物などの身体的特徴を備えた人のことですね。

Ciel
シエル

リスとは確か……齧歯目リス科に属する動物の総称と認識しています。

Ciel
シエル

ということは、あの人はリスの特徴を備えているのでしょうか。とても身軽ですし、とても強いです。

Ciel
テイガー

マコト=ナナヤだ。近距離での戦闘を得意としている。

Tager
シエル

知り合いの方なのですか?

Ciel
ココノエ

そんなところだ。テイガー、マコト=ナナヤを回収しろ。

Kokonoe
テイガー

わかった。だがかなりの混戦だ。近付くと我々まで、敵対生物だと勘違いされそうな勢いだが……。

Tager
ココノエ

だから『回収』しろ。

Kokonoe
テイガー

了解した。

Tager

1: 回収っていうか……
2: それは捕獲というのでは?

1:
2:

テイガー

もちろん、なるべく穏便にすませるつもりだ。向こうが応じてくれればの話だが。

Tager
ラーベ

状況も混乱しているが……多分、認識も混乱していそうだな。

Raabe
ラーベ

多少荒っぽい対処だが、その方が手っ取り早く話が進みそうだし、レイ、シエルと手伝ってやれ。

Raabe

1: 了解です!
2: 怪我はさせないように!

1:
2:

シエル

わかりました。戦闘態勢に移行します。

Ciel
テイガー

では、突っ込むぞ。

Tager
マコト

いったぁ〜〜〜! やったな!

Makoto
テイガー

待て、落ち着け、マコト=ナナヤ。

Tager
マコト

待てと言われて待つ人はいませんよー! ……って、あれ?テイガーさん?

Makoto
テイガー

そうだ。まったく、ようやく気がついたか。

Tager
マコト

あ、あははは、すみません〜。魔物の新手かと思っちゃった。

Makoto
ラーベ

……はぁ、レイ。彼女はどう見える?

Raabe

1: どうって言われても?
2: すごくモフモフしてますね

1:
2:

ラーベ

……そうか。ならいい。

Raabe
シエル

落ち着かれたようでよかったです。お怪我はありませんか?

Ciel
マコト

うん、大丈夫! 心配してくれてありがとう。……てか、この子たち誰? はじめまして……だよね?

Makoto
ラーベ

一応そうなるな。私はラーベ。そっちがシエルで、こっちがレイだ。

Raabe
ラーベ

見てわかるように、頼もしい善意の味方だ。

Raabe
マコト

わあ、なにこの丸っこいの!これ、ココノエさんの発明品?

Makoto
シエル

いいえ、違います。ラーベさんはカ……御剣機関で開発された自立思考型支援ユニットです。

Ciel
ラーベ

間違って無いよ! 間違って無いけど!!

Raabe
マコト

御剣機関? 自立思考型?? よくわからないけど、ココノエ博士以外の人が、こんなの作っちゃうなんてすごいね!

Makoto
マコト

あ、そうだ、遅れたけどよろしく。あたし、マコト=ナナヤ。

Makoto

1: はじめまして
2: レイです

1:
2:

ココノエ

ふむ。ラーベやレイともかく、シエルは《未確定因子》ストレンジャーではないようだな。

Kokonoe
マコト

《未確定因子》ストレンジャー? なんです、それ。ココノエ博士?

Makoto
ココノエ

気にするな。大したことじゃない。

Kokonoe
ラーベ

やっぱり……。ココノエ、お前、シエルを疑っていたな?

Raabe
ココノエ

当然だろ。

Kokonoe
シエル

え? 私は疑われていたのですか? 理由がわかりません。

Ciel
ラーベ

気にするな。だが、予想通りと言うか……。

Raabe
ラーベ

ココノエのファントムフィールドは外部からの干渉を受けている……いや、いたのだろう。お前はその容疑者というわけだ。

Raabe
シエル

私が外部から干渉、ですか?

Ciel
ラーベ

そうだ。

Raabe
ラーベ

そう考えれば私たちが浸入ダイブしたとき、網に引っかかった理由もわかる。

Raabe
ラーベ

なにか違和感でもあったんだろう。誰か……自分以外の『誰か』が、この世界の在り方に関わっているって。

Raabe
ラーベ

もしかして、自身が観測者であると自覚したのも、それが理由じゃないのか?

Raabe
ラーベ

だからココノエ。お前はこの階層都市に世界を無理やり詰め込んだ。

Raabe
ラーベ

《世界構造》ワールドコンソール』にまで干渉出来る程の観測者であるココノエが、状況を把握出来ないんだ。

Raabe
ラーベ

外部から干渉してきた相手にも把握できるはずが無い……。

Raabe
ラーベ

……だろう?

Raabe
ココノエ

詳しく説明する必要はない。……ただ確信はしている、とだけは言っておこう。

Kokonoe
マコト

あの〜、さっきからカンソクシャとかガイブとか、なんの話? ファントムフィールドってなに?

Makoto
シエル

ココノエさんと、この世界のお話です。このファントムフィールドを解放するために、窯を……。

Ciel
ラーベ

おっと、待て待て、シエル。……おい、ココノエ。こいつ、知らないのか?

Raabe
ココノエ

当たり前だろう。把握しているのは私だけだ。

Kokonoe
シエル

え? でも、テイガーさんはご存知のようですが……?

Ciel
テイガー

ココノエから概要だけは聞いているが、それだけだ。理解しているわけではない。

Tager
テイガー

ただ、私にとってはそれで十分だ。ココノエがやろうとしていることに、私が異を唱える理由はないからな。

Tager
マコト

ちょっとちょっと〜! あたしだけ話に加われてないじゃんさ!なんの話ってば〜!

Makoto
ココノエ

ややこしい話だ。今のお前に必要な情報ではない。それより……状況の報告をしろ。

Kokonoe
マコト

あ、はい!……って言われても、あたしもなにがなんだか。

Makoto
ラーベ

長い話になりそうなら、進みながらにしないか?

Raabe
ラーベ

この森の場合、一度敵を倒したからといって安全が確保されるわけじゃない。

Raabe
シエル

そうですね。むしろ移動し続けていたほうが、敵性存在が他方から集まってくる事態を回避できます。

Ciel
マコト

それもそっか。オッケ〜、了解! んじゃ、歩きながら話そ!

Makoto

第4節 似た者同士① / 4. Two of a Kind - 1

Summary
森の中を進むシエル達。向かうべき目的地の場所は分からないが、階層都市である以上『果て』は存在する。『果て』である階層の端へ進む。
マコト

とはいえ、どう説明したものかなぁ……。あたし自身もなにが起こってるんだかサッパリなんだよね。

Makoto
シエル

把握してることだけでも十分です。現状をより知るために、できるだけ情報がほしいので、聞かせてください。

Ciel
マコト

うん……ええっとね。本当に急になんだけど、気がついたらココノエ博士のところにいたんだよね。

Makoto
マコト

その前後のことは、はっきり覚えてないんだ。

Makoto
マコト

で、なにがあったんだろうって戸惑ってたら、博士からこの階層都市がおかしくなったって聞かされてさ。

Makoto
マコト

外部から完全に遮断されて、人もあたしたち以外いなくなった……って。

Makoto
マコト

一時的な『場』に閉じ込められたとでも思えばいい。とかって、言ってましたよね、博士。

Makoto
ココノエ

……ああ。そうだな。

Kokonoe
ラーベ

なるほど、そういう風に説明してあるわけか。

Raabe
マコト

それであたしたち、この状況をなんとかするために、階層都市の調査をすることになったんだけど……。

Makoto
マコト

あちこち調べてるうちにこの森に入り込んじゃってさ〜。そしたら今度は森から出られなくなっちゃって。

Makoto
マコト

もうどうしたらいいんだろうって困り果ててたところに、君たちが来てくれたってわけ。

Makoto

1:無事でよかったよ
2:もっと早く来られればよかったね

1:
2:

マコト

あ、あはは……むしろこっちが怪我させちゃうところだったよね。ほんと、ごめんね!

Makoto
マコト

そんな! 来てくれただけでも嬉しいよ。もうずっとひとりで、心細かったんだ〜。

Makoto
テイガー

こちらとしては、所在不明になってからというもの、連絡もとれなくなっていたから心配したぞ。

Tager
マコト

それはこっちも同じだって。通信も機能しないしさ……。

Makoto
マコト

ココノエさんたちどこ行っちゃったんだろうって、ずっと気がかりだったんですから。

Makoto
マコト

それにココノエさんたちだけじゃなくて……他のみんなも。

Makoto
ラーベ

ふむ、さっきも『あたしたち』と言っていたが、他にもメンバーはいたんだな?

Raabe
マコト

あ、うん。あたしの友達がね。

Makoto
マコト

だけど森に迷い込んじゃう少し前、はぐれちゃって。今どこにいるのかもわかんないんだ。

Makoto
マコト

みんな、無事だといいけど……。

Makoto
ココノエ

そうだな。……実際に誰が残っているのかも確認したい。捜索に向かうぞ。

Kokonoe
マコト

誰が残ってるか? それって、どういう意味ですか?

Makoto
ココノエ

言葉のあやだ。

Kokonoe
シエル

……どういう意味ですか、ラーベさん?

Ciel
ラーベ

実際に誰がこのファントムフィールドに残存しているのか、ココノエはまだ正確に把握できてないってことだろうな。

Raabe
ラーベ

おそらく、マコトたちが分断された辺りから、ループが始まっているんだろう。

Raabe
ラーベ

調査しているという前提はあっても、そのメンバーが現在の世界に『採用』されているかは、定かじゃないんだ。

Raabe
シエル

では、誰も残っていない可能性もあるんですね。

Ciel
ラーベ

まあな。それ、マコトに言うんじゃないぞ。ややこしくなりそうだから。

Raabe
シエル

はい、わかりました。

Ciel
マコト

レイたちも、ココノエ博士と一緒に調査してるんでしょ?

Makoto
マコト

びっくりしたでしょ、急にこんなことになって。

Makoto

1: びっくりした
2: そろそろ慣れてきた

1:
2:

マコト

一体なにがあったんだろう……。突然、変な階層都市に閉じ込められるなんてさ。

Makoto
マコト

それにこうなると、なんだかこの階層都市だけが世界になっちゃったような気がしてくるよ。

Makoto
マコト

もしかして、あたしたちよりもっと先にここに閉じ込められてたの? うわぁ、災難だったね……。

Makoto
マコト

でもこうなるとさ、なんだかこの階層都市だけが世界になっちゃったような気がしてこない?

Makoto
ラーベ

思いの外に聡いな。

Raabe
マコト

むむ、ちょっと聞き捨てならないな〜。亜人種が本能だけで動いてるって思わないでよね。

Makoto
マコト

そりゃ、あたしはあんまり難しく考えるのは得意じゃないけど……。

Makoto
マコト

でもココノエさんとか!亜人種だけど、立派な博士なんだから!

Makoto
マコト

……立派……だよね?

Makoto
テイガー

どうして私に聞くんだ。

Tager
ココノエ

そうだぞ、なにを迷うことがある。胸を張って立派だと断言すればいいだろうが。

Kokonoe
ラーベ

ある意味、本能だけで行動してるじゃないか、お前は。それにそこは人望の問題なんじゃないのか〜?

Raabe
ココノエ

まるで自分には人望があるかのような言い様だな。

Kokonoe
ラーベ

ふふーん、まあそれなりにはな。な、シエル?

Raabe
シエル

そのような情報を聞いたことはまだありません。ラーベさんは、人望があるのですか?

Ciel
ラーベ

……うん、ごめん。聞いた私がいけなかった。

Raabe
ココノエ

素直な部下には恵まれているようだな。

Kokonoe
マコト

なに〜。ココノエ博士とラーベ、仲良しなんだ〜。

Makoto
ココノエ

いや別に。

Kokonoe
ラーベ

いや全く。

Raabe
マコト

ほらぁ、仲良しじゃん。

Makoto
テイガー

……盛り上がっているところ悪いが、ココノエ。進むべき方角は、こっちでいいのか?

Tager
ココノエ

うん? ああ、いいんじゃないか?

Kokonoe
テイガー

それならいいのだが……。

Tager
シエル

テイガーさん、どうかしたんですか?

Ciel
テイガー

いや……先程から、地磁気センサーが正常に機能していないようでな。

Tager
テイガー

簡単に言うと、方向感覚を失っている状態だ。

Tager
マコト

う〜ん、確かに、さっきから全然景色が変わってない気がする……。

Makoto
マコト

あたしたち、迷っちゃってない?

Makoto
ラーベ

安心しろ、そんなわけないだろう。

Raabe
マコト

あ、そうなの? な〜んだ、心配して損しちゃったよ〜。

Makoto
ラーベ

そもそも向かうべき方角がわかってもないのに、迷うもなにもない。

Raabe
マコト

そうだよね〜、あはは、あたしてっきり……えぇぇっ!?方角わかってないの!?

Makoto

1: それは迷っているのでは?
2: 確かに出口わからないしな……

ココノエ

なにも方角がわからないとは言ってないだろ。座標は、一定の方向に進んでいる。いちいち騒ぐんじゃない。

Kokonoe
ラーベ

ただ、どうやらこの森全体に、計器の類を狂わせる仕掛けが施されているみたいだな。

Raabe
ラーベ

そのうえ、木が自ら動き回るわけだから、地形の記憶や記録も意味を成さない。

Raabe
ラーベ

計器で方角を計るテイガーはもちろん、感覚で方向を見定めているだろうマコトなんかは、

Raabe
ラーベ

自分がどっちを向いているのかわからなくなるだろうな。

Raabe
シエル

まるで天然の迷路ですね。

Ciel
マコト

迷路みたいに、順路があればむしろ親切だよね……。

Makoto
ラーベ

パンくずでも落としながら進むか?

Raabe
マコト

それ、鳥に食べられちゃうやつですよね!?

Makoto
テイガー

既に一度通った道の木に、目印でもつけられればいいのだが……。

Tager
ラーベ

目印をつけた木が動いたら、意味がなくなるからな。

Raabe
マコト

う〜〜〜ん……。

Makoto
ココノエ

そう悩むこともない。

Kokonoe
ココノエ

我々の目的はこの森を抜けて、出口へ辿り着くことだ。一定の方向にさえ進んでいれば、いずれ森は終わる。

Kokonoe
マコト

問題はそこですよ〜。この森、本当に終わりなんてあるのかなぁ。

Makoto
ココノエ

あるに決まっている。

Kokonoe
シエル

ココノエさんの知識に存在しない『果てのない森』は、ファントムフィールドにも存在しえないから、ですね。

Ciel
ココノエ

それもあるが、そもそもここは『階層都市』だ。この森もひとつの階層にすぎないことを、忘れるな。

Kokonoe
ラーベ

なるほど。それも、世界を『階層都市』ひとつにした理由か。

Raabe

1: どういう理由ですか?
2: 都市の一部ってことは……

1:
2:

テイガー

階層都市は高山地帯にプレート状の足場を作り、その上に住居や施設を建造している。

Tager
テイガー

つまり構造上、足場となるプレート以上の広さには、都市が存在できないんだ。

Tager
テイガー

必然的に、森がどれだけ広くても、その面積はそのプレートの範囲内ということになる。

Tager
ラーベ

情報の詰め込み過ぎで環境は目茶苦茶だが、それでも階層都市の『基本構造』は保たれているわけだ。

Raabe
マコト

えーと、少なくともこのエリアの端っこまで行っちゃえば、森は終わる……ってことだよね?

Makoto
ココノエ

そうだ。……同じことを何度も言わせるな。

Kokonoe
テイガー

おっと。だがそう簡単には、先へ進ませてはくれないらしいな。

Tager
シエル

樹木が動き出して、前方を阻んでいます。敵対反応を感知、戦闘態勢に移行します。

Ciel
マコト

よし、考えたりするのは頭のいい人たちに任せて、あたしはこっちに専念するよ!

Makoto
マコト

どっからでもかかってこ〜い!

Makoto

第4節 似た者同士② / 4. Two of a Kind - 2

Summary
見通しの悪い、薄暗い森の中で延々と同じ作業を繰り返すことに悲鳴をあげるマコト。シエルの助言により、進む方向を明確にする。
マコト

でやあっ!

Makoto
マコト

おりゃぁ〜!!

Makoto
マコト

あ〜〜〜、も〜〜〜……いつまで続くのこの森〜〜〜!!

Makoto
テイガー

マコト=ナナヤ。わめくと余計に体力を消耗するぞ。

Tager
マコト

わかってるけどさぁ! もうさっきからずーーー……っと、同じことの繰り返しなんだもん!

Makoto
マコト

延々と同じような森の中歩き続けて、次々襲ってくる木と戦って……。

Makoto
マコト

もう疲れたよ〜〜〜!

Makoto
ココノエ

なんだ、もうバテたのか?

Kokonoe
マコト

バテてはないけど、気持ちが疲れてきたの〜……。

Makoto
ラーベ

なるほど確かに。このエリアは、侵入者を疲弊させる構造になっているんだな。

Raabe
シエル

侵入者を疲弊させるための構造とは、どういうことですか?私にはただの森のように見えますが。

Ciel
ココノエ

ただの森だ。

Kokonoe
ココノエ

ただの、とりわけ見通しが悪く、明かりも十分に届かない、非常にうっそうとした森だよ。

Kokonoe
ココノエ

これだけ閉塞感のある景色が続けば、感情がある限りは、どうしても意気が消沈していく。

Kokonoe
シエル

心理的な効果があるのですか……。

Ciel
ラーベ

加えて、襲いかかってくる木だ。

Raabe
ラーベ

どいつがどこから襲いかかってくるのかわからない以上、常に周囲に気を配っている必要があるだろ?

Raabe
ラーベ

そうなると当然、気力や集中力を使う。

Raabe
シエル

そうですね……。ではこの森は、ただの森であることを最大限に活かして、侵入者の進行を妨害しているのですね。

Ciel
シエル

備わっている条件を幾重にも活用する。戦略的ですね、とても勉強になります。

Ciel
ラーベ

うーん、お前の教材としてはいかがなものかなー……。

Raabe
ココノエ

私の無意識を称賛してくれて構わんぞ。

Kokonoe
ラーベ

するかっ!

Raabe
テイガー

敵が潜んでいるかどうかすらわからない状況は、確かに堪えるな。

Tager
テイガー

元気だけが取り柄のようなマコト=ナナヤですら音を上げているくらいだ。

Tager
マコト

ちょっと、テイガーさん。元気『だけ』が取り柄ってひどくない?

Makoto
テイガー

おっと、すまん。失言だった。

Tager
ココノエ

事実だろ。

Kokonoe
マコト

え〜、私のいいところ、もっと他にもありますよ〜!ねえ、レイ?

Makoto

1: 元気なところ!
2: 明るいところ!

1:
2:

マコト

ほら! そうそう、元気なところ……って、同じじゃん!

Makoto
マコト

ほら! そうそう、明るいところ……って、あんま変わんなくない?

Makoto
マコト

じゃあはい、しえるん。しえるんはどう思う?

Makoto
シエル

……しえ、るん? 私の名前はシエルですが。

Ciel
マコト

わかってるよ〜。だからこれは、あだ名。シエルちゃんだから、しえるん。

Makoto
シエル

あだ名……ニックネームですね。気軽さや呼びやすさを求めてつける、名前や特徴を使った呼称です。

Ciel
シエル

しえるん……。

Ciel
マコト

だめ? 気に入らなかったら、やめとくけど。

Makoto
シエル

いえ、あの。……ええと……。どう思われますか、レイさん。

Ciel

1: かわいいと思うよ
2: 呼びやすいと思うよ

1:
2:

シエル

そうですか。レイさんには、いい印象の呼称なのですね。

Ciel
シエル

では、構いません。私はしえるんです。

Ciel
マコト

よかった!

Makoto
マコト

じゃ、しえるん。私のいいところどこか見つけて、テイガーさんとココノエさんに教えてあげてくれないかな。

Makoto
シエル

はい。マコトさんのいいところですね。いいところ……人より優れている特徴などですよね。

Ciel
シエル

でしたら、やはり亜人種として備えている、動物的な特徴ではないでしょうか。

Ciel
シエル

素早い身のこなしや、バランス感覚など、とても優れていると思います。

Ciel
マコト

そっちかぁ〜。まあ、そういうのも嬉しくないわけじゃないけどね〜、へへ。

Makoto
シエル

それに、その大きな尻尾も。柔らかそうで、ふかふかしていて。……いいものなのだと思います。

Ciel
マコト

ぷっ、いいものって。あははっ、ありがと。一生懸命考えてくれて、嬉しいよ。

Makoto
マコト

でもそっか。亜人種としての身体能力……よし!ちょっと元気出てきたぞ!

Makoto
テイガー

それはなによりだが……どうした、急に?

Tager
マコト

ふふーん、しえるんがヒントくれたんだ。この森の攻略方法!

Makoto
ラーベ

ほう? 参考までに聞かせてくれ。

Raabe
マコト

ほら、あたしって亜人種でしょ。普通の人よりちょっとだけ、体は身軽だし……鼻も耳もいいわけ。

Makoto
マコト

だからね、どこを歩いていても、自分たちの匂いがするほうが、今まで歩いて来た方角ってこと。

Makoto
マコト

木が動いちゃうから、多少混ざっちゃうけど……木は動いても、土は動かないでしょ。

Makoto
テイガー

なるほど。自分の歩いている方向が感覚的にわかれば、その分精神的なストレスも軽減されるだろうな。

Tager
マコト

少なくとも、同じ場所をぐるぐるずーっと歩き続けるってことには、ならないと思うんだ。

Makoto
マコト

だから元気出していこー!

Makoto
シエル

はい。

Ciel
ココノエ

やれやれ。単純だが、こういうときは単純な頭のほうが状況には適応できるな。

Kokonoe
ラーベ

まったくだ。だがそれで心理的負担を軽くできるのなら、悪くない。

Raabe
ラーベ

それに、いい方位磁石になりそうじゃないか。マコトの嗅覚は。

Raabe
ラーベ

下手な計器や観測よりも、こういうときは野生の感覚のほうがあてになる。

Raabe
ココノエ

違いない。

Kokonoe
マコト

ふたりが言うとな〜んか、褒められてる気がしないんだよなぁ。ま、いいですよ、あたしが方位磁石なりますよ〜。

Makoto
マコト

というわけで、先導するね!自分たちの匂いがまだないほうへ!

Makoto
シエル

よろしくお願いします。

Ciel
シエル

これで森も抜けられそうですね、レイさん。

Ciel

1: そうだね、しえるん
2: 頼りにしてるよ、マコト

1:
2:

シエル

照れ

Ciel
シエル

……はい。その。

Ciel
シエル

レイさんにそう呼ばれるのは、マコトさんに呼ばれるのとはまた少し違った感覚になりますね。不思議です。

Ciel
マコト

まっかせて!あっという間に森を抜けてみせるよ!

Makoto
マコト

ていうかさ、今までなんでそれに気付かなかったんだろう。事態が突然すぎて、パニクってたのかなぁ……。

Makoto
マコト

ん? おっと!

Makoto
シエル

敵です!

Ciel
マコト

ふふーん、そう簡単には、不意打ちされてあげないよ!

Makoto
ラーベ

よしよし、いい空気だ。その勢いで、さっさと蹴散らしてしまえ〜。

Raabe
マコト

うん。行くよ、テイガーさん、しえるん、レイ!

Makoto
シエル

はい。戦闘態勢に移行します!

Ciel

第4節 似た者同士③ / 4. Two of a Kind - 3

Summary
広大な森林地帯にうんざりするマコト。

いま使える転移装置はないと分かり肩を落とす。 そんな中「ラーベとココノエはそっくりだ」と言う。

マコト

……ふんふんふん……よし、こっち。

Makoto
テイガー

歩みに迷いがなくなっただけでも、随分気が楽だな。

Tager
マコト

とはいえ、森の深さは変わらないから、うんざりはしてくるけどねー。

Makoto
マコト

なんか一気に、びゅーんと突破できる方法ないかな。瞬間移動とかさ!

Makoto
ラーベ

そんな都合のいいもの、あるわけないだろ。

Raabe
シエル

ないのですか?

Ciel
ラーベ

ないよ。

Raabe

1: あれ、でもイシャナで……
2: 転移はできないの?

1:
2:

ラーベ

あのときの転移は特別だ。今とは状況が違う。

Raabe
マコト

なになに? 瞬間移動、本当にできるの?

Makoto
ラーベ

だから、できないと言ってるだろ。でーきーまーせーん。

Raabe
マコト

なぁんだ、残念。

Makoto
マコト

あ、そうだ、ココノエ博士は!?転移できる装置とか、ないんですか?

Makoto
ココノエ

ないな。

Kokonoe
マコト

えーっ!

Makoto
テイガー

転移する装置自体は存在するが、さすがにどこへでも行けるような便利なものではない。

Tager
テイガー

転移先に装置を用意する必要があったり、装着する制限があったり……とにかく、今我々が使えるものではないな。

Tager
マコト

ちぇ〜。なぁんだ……楽はできないかぁ。

Makoto
ココノエ

わかったら、さっさと進め。進まなければいつまでも森から出られないぞ。

Kokonoe
マコト

はーい。

Makoto
シエル

ラーベさん。質問してもいいですか?

Ciel
ラーベ

さっきの転移の話か?ややこしくなると面倒だから、手短にしなさいよ。

Raabe
シエル

はい。なぜ転移ができないのですか?イシャナのときはできました。

Ciel
ラーベ

言っただろ。今とでは状況が違う。イシャナのときは、緊急事態だったから決行しただけだ。

Raabe
ラーベ

……転移するには、転移先の情報が必要だ。

Raabe
ラーベ

ここがどこで、転移先がどこなのか。まったくわからない状況で転移するのはかなりリスクがある。

Raabe
ラーベ

前回は、イシャナ島の構造を概ね解析できていたから、多少でたらめに転移しても問題なかった。

Raabe
ラーベ

だが今は空間が複雑に入り組んだ状態だし、都市のどの辺りにいるのか、転移先がどうなっているのか、

Raabe
ラーベ

まったくわからない。

Raabe
ラーベ

そんな状態なのに、下手したら次元の狭間に放り出されるリスクを背負ってまで飛ぶ必要性がないよ。

Raabe
シエル

次元の狭間、ですか?

Ciel
ラーベ

原理を説明すると長くなるから端折るが、感覚的にはそういう感じだ。転移に失敗すると、最悪存在が迷子になる。

Raabe
ラーベ

それに……タダで転移できるわけでもない。

Raabe
ラーベ

……いい機会だから、ちょっと話しておくがな。

Raabe
ラーベ

お前たち、環境さえ整っていれば半永久的にファントムフィールドで活動できるなんて、

Raabe
ラーベ

誤解はしてくれるなよ。

Raabe
ラーベ

私たちがこのファントムフィールドに存在していられるのは、私たちがどこの誰なのか『観測』されているからだ。

Raabe
ラーベ

では、観測しているのは誰だ?

Raabe

1: タカマガハラシステムですか?
2: 僕ですか? / 私ですか?

1:
2:

If Choice 1:
ラーベ

そうだ。よく覚えていたな、偉いぞ。

Raabe
ラーベ

私たちはタカマガハラシステムによって観測され続けているからこそ、存在し、活動できている。

Raabe
If Choice 2:
ラーベ

違う。確かにお前には力があるが、そこまで使いこなせてるわけじゃないだろ。

Raabe
ラーベ

……観測の力を、あまり自分自身のものだと思うな。かえって危険だからな。

Raabe
ラーベ

私たちを観測しているのは、タカマガハラシステムだ。システムに観測されているから、私たちはここで存在できている。

Raabe
ラーベ

だがそれも永久にできるわけじゃない。

Raabe
ラーベ

難しい話は一旦飛ばすけど、外部からの機械的な観測は膨大なエネルギーを消費する。

Raabe
ラーベ

だからいつまでもダラダラやってたら、最終的にエネルギー切れを起こしてしまうわけだ。

Raabe
シエル

エネルギーが切れると、どうなるのですか?

Ciel
ラーベ

もちろん、システムが落ちて観測ができなくなる。

Raabe
シエル

では、観測ができなくなったら?

Ciel
ラーベ

私たちは存在できなくなる。フガクにも戻れない。おそらく我々は『消滅』するだろう。

Raabe
シエル

消滅……ですか。

Ciel
ラーベ

当然、そうなる前に強制回収させる。そのために、向こう(フガク)に私(破城カガミ)がいるんだからな。

Raabe
ラーベ

だがそれもそうそう気安く何度でも行えるわけじゃない。浸入にも転移にもエネルギーは消費する。ダイブ

Raabe
ラーベ

だからこそ、時間とリスクは上手に配分しろ。私たちのリソースは有限であることを忘れるな。

Raabe
シエル

わかりました。

Ciel

1: 努力します
2: ギリギリなんですね……

1:
2:

ラーベ

ま、がんばってくれ。

Raabe
マコト

なになに、なんの話?

Makoto
ラーベ

こっちの話だ。お前が気にする必要はない。

Raabe
マコト

えー、内緒話? 仲間はずれなんて寂しいよ〜。

Makoto
マコト

……んー、ていうかさ。さっきからちょっと思ってたんだけど。

Makoto
テイガー

なんだ、なにか気付いたことでもあるのか?

Tager
マコト

いやね、森の抜け方とかには全然関係ないんだけどさ。もしかしたら、みんなも思ってるんじゃないかなぁ〜?

Makoto
ココノエ

何だ、マコト。勿体ぶるな。

Kokonoe
ラーベ

そうだぞ、勿体ぶらずにさっさと言え。

Raabe
マコト

うんうん、やっぱりそうだよ!

Makoto
シエル

なにが、やっぱりなのでしょうか。

Ciel

1: もしかして、ラーベさんのこと?
2: もしかして、ココノエさんのこと?

1:
2:

マコト

レイもそう思うよね!

Makoto
シエル

すみませんが、私にはよくわかりません……。説明をお願いしてもよろしいでしょうか。

Ciel
マコト

だからさ〜、ココノエさんとラーベさんって、ちょっと似てると思わない?

Makoto
ココノエ

似てる?私とこいつがか?

Kokonoe
ラーベ

そいつは心外だな。私は唯一無二にしてオリジナリティあふれる天才だぞ。

Raabe
ラーベ

たとえココノエが歴史に残る大天才だったとしても、私とは明らかに別物だ。

Raabe
ココノエ

同感だな。私は自他ともに認める天才ではあるが、その才に私以外のものが追い付けるとは到底思えん。

Kokonoe
ラーベ

はっはっは、大きく出るじゃないか。

Raabe
ココノエ

なに、至極当然の意見を言ったまでだ。

Kokonoe
マコト

ほらほら、気も合ってるし。

Makoto
ラーベ

おいマコト=ナナヤ。世の中には、指摘していいことと、あえてやめておくべきことがあるんだぞ。

Raabe
マコト

だって、ふたりを見てるとそう思っちゃうんだもん。話し方とか雰囲気とかさ、どっちも博士っぽいっていうか……。

Makoto
ココノエ

なんだその雑なくくりは。お前にかかれば、科学者はみんな似たり寄ったりか。

Kokonoe
マコト

そんなことないよ〜。

Makoto
シエル

ですが……確かに、マコトさんのご指摘の通り、類似している点は多いかと思います。

Ciel
シエル

どちらも素晴らしい技術と知識を持つ開発者ですし、どちらも指揮官のような立場にもあります。

Ciel

1: 部下の扱いが粗目のところも
2: ちょっと偉そうな話し方も

1:
2:

ラーベ

なにを言う。私は優しい上司だろうが。

Raabe
ココノエ

馬鹿を言え。私は部下にはそこそこ優しい。それと勘違いするな。テイガーは私の部下ではない。発明品だ。

Kokonoe
ラーベ

なにを言う。私は実際偉いんだ。

Raabe
ココノエ

ふん。尊大さと知性を勘違いされては困る。上司の教育がうかがえるな。

Kokonoe
マコト

あははっ、やっぱり似てる。

Makoto
テイガー

……ふっ。否定はできんな。私から見ても、両者はかなり似ていると思うぞ。

Tager
ラーベ・ココノエ

<size=150%>似ていない!!!</size>

Raabe & Kokonoe
マコト

息ぴったりじゃん!

Makoto
ココノエ

おのれ……私とこいつが似ている?そう気軽にキャラかぶりを許容してなるものか。

Kokonoe
ココノエ

大体、私の方がずっと早くに登場しているんだぞ。だというのに、新参者がメインキャラ気取りとは……。

Kokonoe
ラーベ

おい待て、何の話だ。

Raabe
ココノエ

ラーベ、貴様にはわからんだろうな……。

Kokonoe
ココノエ

私がプレイアブルキャラクターになるまで、どれだけ待ったと思っているんだ!

Kokonoe
ラーベ

いや。なんの話だ、だから。

Raabe
ココノエ

ふっ……いやいい。昔の話だ。だがな、ラーベよ。先輩としてこれだけは言っておこう。

Kokonoe
ココノエ

<size=120%>そう簡単に戦闘モーションを</size><size=120%>作ってもらえると思うなよ!!</size>

Kokonoe
ラーベ

うぐっ、ぐぅぅ……! な、なんだこの、わけがわからないのに胸に突き刺さる言葉は……!

Raabe
テイガー

オイ、ココノエ。そのあたりにしておけ。

Tager
ココノエ

くくくっ……いいだろう。情けをかけてやる。

Kokonoe
ココノエ

そうだ、シエル、レイ。上司を変えたくなったら、採用してやるぞ。

Kokonoe
ココノエ

お前たちも、戦闘モーションのあるプレイアブルキャラのほうが上司に据えておくにも頼もしいだろう。

Kokonoe

1: アットホームな職場なので大丈夫です
2: ちょうど転職を考えようかと……

1:
2:

ココノエ

なんだ、つまらんな。

Kokonoe
ラーベ

おおお、レイ! よく言った!そうだろう、そうだろう。

Raabe
ラーベ

お前の上司は私以外にはあり得ないよな!

Raabe
ラーベ

ただなんだ、その言い方ちょっと引っかかるな。労働環境が思わしくない職場みたいじゃないか、それ。

Raabe
ココノエ

ほう、賢明な判断だ。歓迎しよう。

Kokonoe
シエル

レイさん、本当にココノエさんの部下になるのですか? 私たちとの任務は……。

Ciel
シエル

あ……冗談、でしたか。失礼しました。冗談の理解は、難易度が高いです……。

Ciel
テイガー

お前たち、賑やかなのはいいが、少し集中もしてくれ。森の様子が変わってきた。どうやら抜け出せそうだぞ。

Tager
マコト

おおっ! ついに!?

Makoto
シエル

っ! 樹木、多数動き出しました。周囲を取り囲んで、一気に襲撃するつもりのようです。

Ciel
マコト

あたしたちを森から出さないつもりだね。そうはいかないよ!

Makoto
マコト

ようやく出口に着いたんだから。さっさと通してもらうからね!

Makoto
テイガー

では、排除開始だ。

Tager
シエル

はい!

Ciel

第4節 似た者同士④ / 4. Two of a Kind - 4

Summary
いよいよ森を抜けようとするところで、シエル達は地の底から這い上がるような恨めしい声を聞く。
タオカカを返り討ちにするものの、補給物資の一部を渡して扉の先へ向かう。
シエル

戦闘終了。対象の排除を完了しました。

Ciel
ココノエ

ふむ、あっけないもんだな。奇襲には優れているが、耐久性には欠けるか。今後の課題にしよう。

Kokonoe
マコト

ちょっとちょっと、ココノエ博士!せっかく倒せてるんだから、強化改造とかしないでよ!?

Makoto
ココノエ

わかってる。冗談だ。

Kokonoe
テイガー

あまり笑えない冗談だ……。

Tager
テイガー

ところで、先を見てくれ。森がこの先で終わるようだぞ。

Tager
シエル

本当ですね。うっそうとしていた木々が、この先でまばらになるようです。

Ciel
ラーベ

今の一戦が、この森の最後の抵抗だったのかな。となると……。

Raabe
???

うにゃ〜……うぅぅ〜。辛いにゃ〜……しんどいにゃ〜……切ないにゃ〜。

???
シエル

なにか聞こえます。人の声……でしょうか。

Ciel
マコト

なになに!?この地の底から這い上がってくるような、恨めしい声は!?

Makoto
ココノエ

なにって。アレだろう。

Kokonoe
???

うううう〜〜〜、うにゃぁ〜……もうだめにゃ〜、だめだめにゃぁ〜。

???
テイガー

あれは……カカ族だな。

Tager
シエル

カカ族?

Ciel
テイガー

人とも亜人種とも違う、少々変わった連中だ。決して100体を超えない、という話を聞いたことがある。

Tager
ココノエ

…………。

Kokonoe
テイガー

非常に優れた身体能力を持った種族なんだが……。

Tager
???

うにゃぁ〜……。

???

1: どうしたんだろう?
2: 元気がないみたいだけど

1:
2:

シエル

声をかけてみましょう。カカ族の方、アナタは誰ですか?

Ciel
タオカカ

ううう……タオは……タオニャス……。

Taokaka
タオカカ

お前はなんか……白いニャスね……白い人、お前はいい人ニャスか……?

Taokaka
シエル

やりました! 言っていることは良くわかりませんが、会話は成立しました!

Ciel
シエル

タオさんと仰るそうです!!

Ciel

1: うんうん……良かったねぇ
2: シエルが嬉しそうで、こっちも嬉しいよ

1:
2:

シエル

ありがとうございます、レイさん。

Ciel
タオカカ

…………白い人、お前はいい人ニャスか……?

Taokaka
シエル

白い人……とは、状況から推測すると、私を指しているのですよね。はっ、これもあだ名でしょうか。

Ciel
シエル

では、私は白い人です。はじめまして、タオさん。

Ciel
シエル

『いい人』の定義があいまいなので、はっきりお答えできませんが、私たちに敵対の意思はありません。

Ciel
タオカカ

あってもなくても……タオはお腹が空いて動けないのニャス……。ううぅぅぅ〜〜〜……。

Taokaka
ラーベ

……なんだコイツ。行き倒れか?

Raabe
マコト

お腹か〜……そう言われても困ったなぁ。あたし、携帯食料なんか持ってないよ。

Makoto
シエル

少しでしたら、レイさんのためのものがありますが。

Ciel
シエル

あっ……!

Ciel
タオカカ

食べ物、ゲットニャ〜ス!

Taokaka
タオカカ

ふんふんふん……なんニャスこの食べ物、あんまりおいしそうな匂いがしないニャスね……。

Taokaka
タオカカ

でも、いいニャス、食べられるんならこの際なんでもい〜ニャス!

Taokaka
マコト

動けないとか言ってたのに、めちゃくちゃ動けるじゃん!

Makoto
シエル

ま、待ってください、差し上げられるのは一部です、全部食べられてしまっては困ります!

Ciel
タオカカ

ふふ〜ん、知らんぷい。いや待てよ。もしかしたらまだ食べ物、隠し持ってるんじゃないニャスか?

Taokaka
タオカカ

きっとそうニャス! こんだけ大勢いるんだから、も〜っといっぱいあるはずニャス!

Taokaka
ラーベ

おいおい。とんでもない強盗理屈だな。

Raabe
シエル

これ以上はありません。それより、レイさんの分の補給品を返してください。

Ciel
タオカカ

イヤニャ〜ス! 返してほしくば力尽くでくるニャス!タオも全力で奪いにいくニャス! この世は焼肉定食ニャ〜ス!

Taokaka
マコト

それ、弱肉強食じゃない!?

Makoto
タオカカ

問答ムヨ〜! いざ尋常に、勝負ニャス!タオが勝ったら、ありったけの食べ物をよこすニャス!

Taokaka
ココノエ

やれやれ……面倒なのと関わってしまったな。テイガー、大人しくさせろ。

Kokonoe
テイガー

了解だ。

Tager
シエル

レイさんの補給品は取り返します!

Ciel
タオカカ

うにゃぁ〜……負けたニャス〜〜〜!

Taokaka
シエル

すみませんが、補給品は返していただきます。

Ciel
タオカカ

ううう、手ごわい奴等だったニャス……。

Taokaka
タオカカ

華麗にワンツーフィニッシュで、たらふく食べ物をゲットするはずがぁ〜……。

Taokaka
タオカカ

ぐ〜きゅるるるる〜……お腹減ったニャス〜……。

Taokaka

1: 少しでよければどうぞ
2: 意外と美味しいよ、携帯食料

1:
2:

シエル

……レイさんがそうおっしゃるなら、当初の予定分はお渡ししますね。どうぞ。

Ciel
タオカカ

く……くれるニャスか?

Taokaka
タオカカ

うひょ〜い、ありがとニャス! ありがとニャス!ふんふんふん……やっぱりおいしそうな匂いはしないけど……。

Taokaka
タオカカ

いただきますニャス! ニャスニャスニャスニャス……んん! こりゃまた意外といけるニャス!

Taokaka
ラーベ

ものすごい勢いで食べてしまったな……。

Raabe
マコト

本当におなかすいてたんだねぇ。

Makoto
タオカカ

ごちそうさまニャす!お前、優しい人ニャス! ありがとうニャス!!

Taokaka

1: お粗末さまでした
2: どういたしまして

1:
2:

ココノエ

ところでお前、こんなところでなにをしている?

Kokonoe
タオカカ

うニャ? はて、なんだっけ?

Taokaka
タオカカ

確か〜、この森から出てくる〜、悪いやつを〜、倒すことになっていたニャスけど……。

Taokaka
タオカカ

食べ物くれたし、オマエたちは悪いやつじゃないニャス!

Taokaka
ラーベ

うむ、悪いやつではないニャス。なら、この先にある扉を通っても構わないな?

Raabe
タオカカ

いいニャスよ〜。

Taokaka
テイガー

い、いいのか……? お前は門番なのでは……?

Tager
タオカカ

モンバン? それはなんのパンニャス?

Taokaka
テイガー

……いや。お前がいいなら、いいんだ。

Tager
マコト

せっかくだし、通らせてもらっちゃおうよ。

Makoto
マコト

ここには私の友達もいないみたいだし、早く次のエリアに行かないと!

Makoto
シエル

そうですね。では、失礼します、タオさん。

Ciel
タオカカ

ほいほ〜い、バイバーイなのネ!

Taokaka
シエル

……扉の先は、やはり先ほどと同じように長い下り階段になっているようです。

Ciel
シエル

先行します。

Ciel
マコト

はぁ〜、やっとあの森から抜け出せるよ〜。いくらあたしがリス型亜人種とはいえ、しばらく木は見たくないかも。

Makoto
ラーベ

そんなこと言ってると、フラグになるぞ。

Raabe
マコト

なに、フラグって〜。

Makoto
ココノエ

木を見たくてたまらなくなるようなエリアに着くとかな。

Kokonoe
マコト

え〜? それどんなエリアですか。そんなわけ、ないない。

Makoto
テイガー

足元が暗い。全員気を付けろよ。

Tager

1: はーい、気を付けます
2: じゃあ、次へ行こう!

1:
2:

シエル

はい。

Ciel

5. 砂の海に這い寄る① / Crawling Up a Sea of Sand - 1

Summary
次の階層は灼熱の砂漠、荒野地帯。様々な全く違う気候を作り出せることに関心するシエル。逸れた友人について聞こうとした時、悲鳴が響き渡る。
ノエル

はぁ、はぁ……あっ!

Noel
ノエル

い、いや、こないで……。

Noel
ノエル

<size=150%>きゃあああああああああああああっ!!</size>

Noel
マコト

あ……あ……。

Makoto

1: 暑い!!
2: 暑すぎる……

1:
2:

マコト

暑いよ、暑すぎる!なにこれ、もう砂漠じゃん!

Makoto
シエル

どちらかというと、荒野と呼ぶほうが適した地形かと思われますが。

Ciel
ラーベ

なんにせよ、生物には厳しい環境だな。

Raabe
テイガー

ぬぅぅ……オイルが蒸発してしまいそうだな……。

Tager
ココノエ

不具合は早めに報告するんだぞ。そこらの廃墟の一部になりたくなければな。

Kokonoe
テイガー

そうさせてもらうつもりだ。

Tager
シエル

これも、術式を使用して作られた環境なのでしょうか?

Ciel
ココノエ

そうなるな。誰が使った術式かは知らんが……この遠慮のない灼熱の気温も、そのせいだろう。

Kokonoe
シエル

本当に、どんな環境でも作り出してしまえるんですね。すごい技術です。

Ciel
マコト

だよね。昔、士官学校に通ってた頃、授業で習ったよ。

Makoto
マコト

昔にあった大きな戦争のときに、六英雄って呼ばれてる人のうちのひとりが開発したんだって。

Makoto
マコト

確か名前は、大魔道士ナイン。

Makoto
シエル

ナインさん、ですか?どこかで聞いた記憶があります……。

Ciel
ココノエ

…………おしゃべりはそのくらいにして、進むぞ。いつまでもこんな何もない場所で日光浴を楽しむ趣味はない。

Kokonoe
ラーベ

そうだな。このままだと、私はともかくレイが干からびる。

Raabe
ラーベ

ただ、油断はするなよ。

Raabe
ラーベ

一見、なにもないだだっ広いだけのエリアだが、ここもさっきの森と同様、どんな罠が潜んでいるかわからない。

Raabe
ラーベ

侵入者を排除するための罠がな。

Raabe
ココノエ

それについては否定しないぞ。そもそも過酷な環境だ。侵入者を阻むのであれば、ここに罠を仕掛けない理由がない。

Kokonoe
シエル

罠ですか……。一面の荒野、砂漠ですが、どのような罠が仕掛けられているのでしょうか。

Ciel
ラーベ

そうだな。砂漠の定番と言えば、アリ地獄や蜃気楼かな。

Raabe
ラーベ

もっとも、この猫耳がその程度で済ませてくれるとは思ってないけどね。

Raabe
ココノエ

褒めるな。

Kokonoe
ラーベ

褒めてない。

Raabe
マコト

うう〜ん、できれば厄介なことはなしにしてほしいんだけどなー。

Makoto
マコト

でもま、なにが仕掛けられてようと、ここを抜けなくちゃいけないんだよね。この世界を元に戻すためにも。

Makoto
ココノエ

ああ、そうだ。最下層まで行く。

Kokonoe
マコト

了解。じゃあ、張り切って行きますか。この暑さを思うと、気が進まないけど……。

Makoto
マコト

はぐれちゃったあたしの友達も、探さないとだし。みんな無事かなぁ。

Makoto
シエル

そういえば、はぐれてしまったお友達は、なんというお名前なんですか?

Ciel
マコト

ああ、えっとね。まずノエ……。

Makoto
???

<size=150%>きゃあああああああああああああっ!!</size>

???
テイガー

今のは……!

Tager
シエル

悲鳴です。十一時の方向から。女性の声でした。

Ciel
マコト

あの声……もしかして、のえるん!?

Makoto
シエル

あ、マコトさん、単独行動は危険です!

Ciel
テイガー

勝手な行動を……ココノエ、追いかけるぞ。

Tager
ココノエ

そうだな。声の主の安否も確かめたい。

Kokonoe

1: 一緒に行くよ!
2: マコト、待って!

1:
2:

ラーベ

おいこらレイ!お前まで突っ走るんじゃない!

Raabe
シエル

追走します。あっ……レイさん、止まってください!

Ciel
シエル

反応、接近。敵性反応を感知しました。

Ciel
テイガー

なに?

Tager
ココノエ

来るぞ。

Kokonoe
シエル

対象、砂の中から出現しました!

Ciel
ラーベ

いくら厳しい環境といえど、魔物は現れるか。

Raabe
ラーベ

ここで手間取ると、マコト=ナナヤを見失う可能性がある。手早く片付けろ。

Raabe
シエル

はい。対象を確認、排除します。

Ciel

5. 砂の海に這い寄る② / Crawling Up a Sea of Sand - 2

Summary
悲鳴の元へたどり着くシエル達。そこに居たのはマコトの友人ノエルを捉える大きなタコの姿だった。
打撃が効きにくい軟体動物あいてに攻撃を続けるシエル達だが、タコはノエルを抱えたまま砂中へ逃亡した。
ラーベ

いたいた、マコト=ナナヤだ。やーっと追いついたぞ。

Raabe
シエル

マコトさん、待ってください。単独行動は危険です。

Ciel
マコト

あ、みんな。ごめん、突っ走っちゃって。でも、のえるんが……!

Makoto
ココノエ

ノエル=ヴァーミリオンがいたのか?

Kokonoe
マコト

うん、あそこ!

Makoto
???

いやぁ〜〜〜〜、助けて〜〜〜〜〜!

???
シエル

対象、発見しました。女性です。金髪の女性が一名……あれは……なんでしょう?

Ciel
シエル

軟体生物の触腕に絡めとられているようですが……。

Ciel
ラーベ

私にはアレだな。アレに見えるな……。

Raabe

1: タコ……ですかね
2: たぶんタコ?

1:
2:

ココノエ

タコだな。

Kokonoe
テイガー

タコだ……。

Tager
シエル

……タコ?

Ciel
マコト

って! なんでこんな砂漠にタコがいるわけ!?

Makoto
ココノエ

砂漠に水生生物であるタコがいるはずがない、という思い込みを狙ったチョイスだろうか。

Kokonoe
ココノエ

砂の海に住まうタコとは、シャレが効いているな。

Kokonoe
ラーベ

砂の中に潜んで獲物を捕らえる魔物のようだな。

Raabe
ラーベ

タコの擬態能力も持ち合わせていて、奇襲能力に優れている。無数の触腕で獲物を捕え、体力を消耗させるわけか。

Raabe
マコト

もー! ココノエ博士もラーベさんも!感心してる場合じゃないですって!

Makoto
マコト

早くのえるんを助けなくちゃ!

Makoto
シエル

のえるんさん、というのですね。あの人は。

Ciel
マコト

名前はノエル=ヴァーミリオン、あたしの友達!今助けるから、待ってて!

Makoto
ノエル

あうぅぅ……ぬるぬるするぅ……お願い、早く助けて〜!

Noel
シエル

マコトさんを援護します。

Ciel
テイガー

こちらも援護する。ノエル=ヴァーミリオンを傷付けないよう、注意しろよ。

Tager
シエル

敵性存在の戦闘レベル低下を確認。ですが……。

Ciel
シエル

対象、再起動しました。戦闘レベル、上昇しています。

Ciel
ココノエ

うむ、流石はこの私の意識から生まれた存在だ。そうでなくてはな。

Kokonoe
テイガー

嬉しそうだな、ココノエ……。

Tager
ラーベ

すごく元気なタコだな。まさに、活きがいい。

Raabe

1: 歯ごたえがあるね
2: 焼いたら美味しいかな

1:
2:

ラーベ

毒がありそうだがな。

Raabe
ラーベ

タコ焼きか……いいな。

Raabe
マコト

……って、おしゃべりしてる場合じゃないでしょ!こんのぉ、のえるんを放せ〜!

Makoto
マコト

たぁああっ!

Makoto
マコト

うう〜っ、表面がぬめぬめしてて、パンチが滑る〜!利いてるのか全然わかんないよ!

Makoto
テイガー

ううむ……それなりにダメージは与えているはずだが、まるで効いている様子がないな。

Tager
ココノエ

軟体動物だからな。自身の柔らかさと伸縮性を利用して、打撃のダメージを上手く逃がしているのだろう。

Kokonoe
ココノエ

それに、体表を覆う粘液のおかげで、直線的な攻撃が通りにくい。手強い相手だな。

Kokonoe
ココノエ

まだまだこの程度のものではないぞ。

Kokonoe
マコト

って、ココノエ博士はあのタコとあたし達、どっちの味方なのさ〜!?

Makoto
ココノエ

私は私の味方だ。

Kokonoe
マコト

そんな自慢げに言われても――えっ……?

Makoto
シエル

巨大生物、行動パターン変化。足元の砂を掘っています!

Ciel
マコト

って、あーーー!こら待て、逃げるなーーー!

Makoto
テイガー

おい! 無茶をするな、巻き込まれるぞ!

Tager
マコト

でも、のえるんが……!ああ、待ってよ〜〜〜!

Makoto
ラーベ

凄まじい勢いで砂の中に潜ってしまったな……。

Raabe
シエル

反応を検索……すみません、対象をロストしました。どうしますか?

Ciel
マコト

追うに決まってるじゃん! 探さないと!すぐ助けるからね、のえるん……!!

Makoto

5. 砂の海に這い寄る③ / Crawling Up a Sea of Sand - 3

Summary
ノエルを追いかけるシエル達。ノエルの反応を感知すると、ノエルを抱えたタコが足元の砂中から飛び出してくる。
マコト

はぁ、はぁ……こ……。

Makoto
マコト

ここどこ……?

Makoto
シエル

私たちが来たのは、あちらからです。

Ciel
マコト

あっちじゃなかったっけ?

Makoto

1: シエルの言ったほうじゃないかな
2: マコトの言ったほうだと思うよ

1:
2:

マコト

ありゃ? そうだったっけ?

Makoto
シエル

そうでしたか。失礼しました。

Ciel
ラーベ

どっちを向いても砂と瓦礫だ。先ほどの森と同様、方向感覚を失わせてくれるな。

Raabe
マコト

暑さのせいか、匂いの方向もなんかわかりにくいしさぁ……。

Makoto
マコト

でも早くさっきのタコを見つけて、のえるんを助けないと……!

Makoto
テイガー

焦るな、マコト。急いては事を仕損じるぞ。

Tager
マコト

わかってるけど!

Makoto
ココノエ

テイガー、どうだ?

Kokonoe
テイガー

うむ。北西方向に反応がある。ノエル=ヴァーミリオンで間違いないだろう。

Tager
ラーベ

あぁ、こちらでも感知してる。場所はそう離れてないようだな。

Raabe
マコト

でも、何も見えないけど――

Makoto
シエル

マコトさん、足元です!

Ciel
マコト

ひょわぁっ!?

Makoto
マコト

危な……っ!

Makoto
ノエル

うにゅぅ〜……。

Noel
マコト

のえるん!

Makoto
ココノエ

ノエル=ヴァーミリオンはまだ無事のようだな。

Kokonoe
ラーベ

無事、と言っていいのかなあれは。すでに意識はないようだぞ。

Raabe

1: 逃げられる前に倒そう!
2: 早く助けよう!

1:
2:

シエル

了解しました。対象を補足。今度こそ仕留めます。

Ciel
マコト

うん! 行くよ、しえるん、レイ!のえるんを助けるんだ!

Makoto

5. 砂の海に這い寄る④ / Crawling Up a Sea of Sand - 4

Summary

6. 砂漠の楽園① / Paradise in the Desert - 1

Summary

6. 砂漠の楽園② / Paradise in the Desert - 2

Summary

6. 砂漠の楽園③ / Paradise in the Desert - 3

Summary

6. 砂漠の楽園④ / Paradise in the Desert - 4

Summary

7. トラップラビリンス① / Booby-Trapped Labyrinth - 1

Summary

7. トラップラビリンス② / Booby-Trapped Labyrinth - 2

Summary

7. トラップラビリンス③ / Booby-Trapped Labyrinth - 3

Summary

7. トラップラビリンス④ / Booby-Trapped Labyrinth - 4

Summary

8. 先駆者① / The Trailblazer - 1

Summary

8. 先駆者② / The Trailblazer - 2

Summary

8. 先駆者③ / The Trailblazer - 3

Summary

9. マイ=ナツメ① / Mai=Natsume - 1

Summary

9. マイ=ナツメ② / Mai=Natsume - 2

Summary

9. マイ=ナツメ③ / Mai=Natsume - 3

Summary

10. 見知らぬ街① / Unfamiliar Streets - 1

Summary

10. 見知らぬ街② / Unfamiliar Streets - 2

Summary

10. 見知らぬ街③ / Unfamiliar Streets - 3

Summary

11. ツルギ① / Tsurugi - 1

Summary

11. ツルギ② / Tsurugi - 2

Summary

11. ツルギ③ / Tsurugi - 3

Summary

12. 敵と仲間 / Foe and Friend

Summary
  1. BlazBlue Alternative: Dark War, In-game Announcements, April 1st, 2021, 19:45 JST